七月卅一日(月)曇。夜明け前に目覚め日の出の頃に海岸を散歩。ホテルから海岸に出たところに草木で見事なゲートあり昨日はなかったもの、と思っておれば
海岸を朝まで飲み明かしたらしき泥酔の若者歩いて参り

「昨
晩遅くここでウェディングパーティがあってね、花火がきれいだった」と呂律もまわらぬが愛嬌よく説明してくれて「二人の写真を撮ってもいいかい?」と写真
一枚とり去りゆく。朝七時すぎのまだ静かなレストランで朝食済ませ広い中庭の木陰に昼まで憩い読書。昨晩少し読み残しの鳥居民『周恩来と毛沢東』につい
て。鳥居氏自身、本来この本は『周恩来』とすべきところ『と毛沢東』としなければならなかった、と言っていることぢたい中共での政治そのもの。実際にこの
本を読んでも周恩来本人の姿はけして浮き彫りにされることもなく、俗な言い方であるが神秘のベールに包まれたまま。1975年、文革もようやく終息に向い
急進派が抑えられ国防部長に葉剣英、総参謀長に鄧小平が就任し数十名の閣僚や政治委員が全て周恩来の配下で占められたことで、鳥井民は「毛は敗北したの
だった」と言い切って、この本は終わる。1974年より翌年にかけ文藝春秋に連載の内容、と奥付で読後に知る。続いて村上陽一郎『やりなおし教養講座』読
む。お気軽な内容に一気に読了。教養など嗤って掃いて捨てられそうな今の時代に敢えて村上陽一郎が「教養」語ること。「規矩」などという忘れ去られた言葉
だが、人間が本来けして理性的でも崇高でもないのだから、むしろどこかで自分の規矩を作らないと危険、と村上先生。その危険をなんとか乗り越えるための一
つの手だてが教養、であり、「理性と教養が邪魔をして」というが、まさに理性と教養がなければいつでも簡単に野蛮になれるのが人間なのだから、その欲望の
限りない追求を邪魔してくれるのが教養、と。ただ、その言いたいところ、を除くと全編にわたりトリビアの泉的な「へぇ」の話で、巻末の一文など読むと、あ
たかもスープを音をたてずに飲む、のが教養のようにすら思える。教養とは、スープの音、でいえば、パーティの席で日本人、韓国人、中国人がどう違った音を
たてるか、などを科学的、文化人類学的に分析してみせ「くすっ」という笑いを提供する、といったものだと思うのだが。村上先生は二十数年前にある一件あり
直接お手紙でやりとりし叱咤受けたこともあり、今となっては氏の癇癪に触れた意味もわかるだけ余も老いた。昼にホテルから歩いて十分ほどの処にあるコット
ンの布地屋に行くZ嬢につき合い
近くの麺屋で20バーツの河
粉湯麺食す。ちょっと足りずホテルに帰る途中の
バーガーキングに
てハンバーガー食すが98バーツ。ファーストフードはどこでも高値。ホテルに戻り午後も中庭の木陰で読書。田中直毅『二〇〇五年体制の誕生、新しい日本が
始まる』は先月だったか日経新聞の香港衛星版創刊10周年で田中直毅講演会あり、そこで配られたもの。2005年の郵政選挙で自民党が大勝し小泉三世の
「政治」が認められたことにより55年体制が毀れたことは認めよう。ただそれに次ぐ、この2005年体制が田中直毅が「どうやらわれわれは有権者満足の政
治の開始に立ち会いつつある。人口減少社会という歴史的な転換期にあたって、どうやら日本社会は蘇りのきっかけを手にしたのだ。これを単なる僥倖に終わら
せてはならない」というほど明るい未来の入り口に立っているかどうか。次が安倍である。ところで、ファイルの中にあったNew York
Timesの6月28日の社説“Patriotism and the Press”より。
The United States will soon be
marking the 5th anniversary of the war on terror. The country is in
this for the long haul, and the fight has to be coupled with a
commitment to individual liberties that define America's side in the
battle. A half-century ago, the country endured a long period of
amorphous, global vigilance against an enemy who was suspected of
boring from within, and history suggests that under those conditions,
it is easy to err on the side of security and secrecy. The free press
has central place in the Constitution because it can provide
information the public needs to make things right again. Even if it
runs the risk of being labeled unpatriotic in the process.
この“The free press has central place in the Constitution because it can
provide information the public needs to make things right again. Even
if it runs the risk of being labeled unpatriotic in the
process.”というフレーズがいいねぇ。報道の自由は、世論が再び正常に判断するに必要な情報を提供する上で、たとえその過程において非愛国的とい
う烙印を押されようと、憲法の核心なり。つまり時の政府が偏向の可能性あり、その権力や時の盲従的な世論に「非愛国的」とされようと、という信念が
“the risk of being labeled unpatriotic in the
process”という言葉に活きている。それにしても、この「再び」が、米国らしさ。9-11で紐育攻撃されパニックに陥り報道も含めての祖国一致翼賛
体制での対テロ対策。その「嘘」の部分が数年かけて認識され、そしてそれを反省材料として「再び」という言葉となる。勉強して育ってゆくのもいいが代償が
大きすぎはしないか。夕方、雨降る。タイに来てまともに降る初めての雨。雨期であろうというのに。部屋に戻り村上陽一郎『科学史からキリスト教をみる』
(創文社、長崎純心レクチャーシリーズ)三分の一ほど読む。コペルニクスの地動説であるとかガリレオ裁判であるとか「宗教と科学の対立」の印象強くキリス
ト教が科学的真理の弊害といった誤解をば解きほぐす。当時の「近代」科学と現代科学の相違など興味深く読む。連日涼しい日が続き摂氏26、27度くらいだ
ろうか、晩になれば部屋に流れ込む涼風も心地よく冷房などずっとつけず。幸いなことにホテルの客の大半が北欧からの客で「規矩」しっかりとしており騒がし
さなど無縁。レジャー好きの米国人などと違い終日、ビーチサイドで延々と読書する態。但し炎天下、太陽光線の強さなど恐れもせずに真っ赤に肌を灼くに努め
るは、さすが北欧の太陽の陽光に餓えたDNAのなせる業か、と感じ入る。晩に市街散歩して
Orchidなるタイで外国人相手でありがちな名前のタイ料理屋(経営
者はフランス人で西洋料理も供す)に食し三晩連続でジェラート食しホテルに戻る。『科学史からキリスト教をみる』を読み続ける。
七月三十日(日)昨日書き忘れ幾つか。その一。キャセイパシフィック航空は機内食にて國泰中華美食篇至尊食府空中巡禮なるもの展開中にて香港の中華料理か
らシェラトンホテルの天寶閣、美心から翠園と北京樓の二軒、利苑、Grand HyattのOne Harbour Road、Langham
Hotelの





(ホ
テル経営はこの十五年でかなりの変遷経たがずっと変わらぬ)唐閣と鏞記の七軒ずらりと並ぶ。このバンコク便のCクラスでは翠園の點心。まぁ個人的には数年
に一度しか行かぬ飲茶で美心集団なら十年に一度食すかどうか。いちいち評価せぬ。その二。鳥居民の『毛沢東、五つの戦争』は昭和四十五年に草思社より出
版。長年絶版であったがオンディマンド出版なる近年の至便にて復刻されたもの。今でこそ中国情報など入手に易いが鳥居氏がこの毛沢東本書き上げたのは
1970年。文化大革命が実際に何が起きているのか誰もわらかず朝日新聞など文革礼讃の最中に市井の研究者であった鳥居氏が中国、香港、台湾やヘラトリ、
紐育時報などの報道をば丹念に読み「砕き」(咀嚼ではない)真実を追った事の凄さ。その三。今回ご投宿のこのホテル、映画『キリングフィールド』にて確か
プノンペンのフランス大使館だったかの設定でロケの行われた場所。中庭からの建物の風景して22年前のあの映画の記憶。本日夜明け前に目覚め静寂のなか読
書。昨日の事綴りゆっくりと朝食。タイの麺など食す。広い中庭のプール遠くに眺める木陰で読書。鳥居民の『周恩来と毛沢東』はこれもPOD版
(Printing on
Demand)。1975年、つまり周恩来が亡くなり七月廿八日(昨日が三十年目)に唐山大地震が起き秋に毛沢東の亡くなった年の1年前に鳥居民がこれを
上梓。昼にハイアットに投宿のY氏夫妻と待ち合せ市街の
All in
Hua Hinなるドイツハムと肉詰の店にて昼食。


美
味。バンコクに戻るY氏夫妻と別れメコンウイスキー贖いホテルに戻り、またホテルの中庭で寛ぐ。読書と微睡。日暮れて市街の
Curusoなる伊太利料理屋に食す。浅蜊とトマト、大蒜のパスタ、本
当に他に塩少々で素材の味が引き立ち麺の茹で加減も含め秀逸。アンチョビのサラダ、チーズ揚げ、そのパスタにティラミスで満腹。本来これで一人前なのだろ
うが。土産物屋の市街散歩して昨晩と同じ店でジェラート食しホテルに戻る。
七月廿九日(土)深更にようやく旅の荷造り。奈良の岡寺や金毘羅宮、京の祇園祭で伯牙山の厄除などお役務めの御札だの長唄の今藤長十郎さんの舞い扇子(京
都の宮脇賣扇庵のもの)だの持ち帰りの品も少なからず。ほんのニ時間ほど寝て早朝に起きれば大雨。Z嬢とタクシーで香港站に向えばスクリーンドアの不調だ
かでAirport
Expressの運行乱れ自宅出てから一時間以上かかり空港。搭乗一時間前だが香港ではとくに慌てる必要もなし。チェックインの際に「本日のフライトは満
席でもしかするとファーストクラスにアップグレードさせていただきますが最終確定は搭乗ゲートで」とのお言葉。キャセイのラウンジで軽く朝食とり新聞各紙
読む。CX713便の搭乗となるが生憎アップグレードはなくなり予約のままの744型機で二階のC席。重い朝食とりうたた寝でバンコク空港着。タクシーで
サーイターイ(南バスターミナル)。VIP、1等、エアコン、普通とバスに種別あり、通常のエアコンバス会社の客引きにつかまりトランク運んでくれるだけ
でもありがたいか、と150バーツ(450円)のボロなエアコンバスに乗り半時間ほどして発車となりバンコク市街を出て三時間半ほどでホワヒンに到着。小
さい避暑町で場所の見当に易く歩いてSofitel Central Hua Hin Resortに投宿。古くはHua HinのRailway
Hotelで、満鉄が一流のホテル建造したのと同じく鉄道とコロニアルホテルの組み合わせ。香港尖沙咀のペニンスラホテルも船で到着しホテル前の鉄道駅よ
り広東に向う鉄道に乗り換えるためのホテルであった由。


欧
州人の客が大半。One Room
Suiteなる不思議な名前の部屋タイプ予約していたが客室に通されればきちんと居間と寝室、広い洗面所から風呂、化粧室にウォークインクローゼット、居
間と客室の外に長いバルコニー、と90平米はあろうか、という快適なる広さ。バンコク在住で今日、このホワヒンに早めに到着のY氏よりのシャンペンが部屋
に届く。快適に過すための荷物片づけ。早晩にY氏夫妻いらっしゃり部屋でシャンペン飲む。ホワヒンの名物という生ハム持参いただく。美味。日暮れにホテル
を出て「ほとんど熱海だね、こりゃ」の観光客相手の土産物屋ならぶ一角を抜けシーフードマーケットにある浜辺に張り出した海鮮料理屋
Chao Layに食す。
500バーツもするカレー味の蟹(プーパッポン?)秀逸。Y氏夫妻と別れジェラート頬張りホテルに戻る。
▼フライトからバスでずっと鳥居民の『毛沢東、五つの戦争』読む。鳥居氏らしい緻密な中国現代政治闘争史。だが鳥居氏をしても、なぜ林彪がああも毛沢東に
取り上げられたのか、また周恩来が文革の最中に何を考えていたのか、は明確に答えも出ず。
七月廿八日(金)諸事に忙殺され晩に至る。明日より暫くの外出に合わせ軸のネジに少し不具合ありのモンブランの万年筆をモンブラン直営店に修理依頼。晩に
香港公園内のLなるレストランにて宴会あり末席を汚す。帰宅。

▼アレクサンドル=ソクーロフ監督の映画『
太陽』8月に東京で公開決定。
イッセー尾形演じる昭和天皇。ソクーロフ監督より「太陽」の制作相談受け賛成したという一水会元代表の鈴木邦男氏の「天皇の密教的側面

が愛情をもって描かれているし、天皇制の打倒、擁護という立場に縛られていない。昭和天皇の歴史について外国人の評
価を受けるべきではないか」という言葉に意義は集中されていよう。
▼27日の朝日で加藤紘一君が自民党総裁選について安倍某の日中関係の「政経分離」案について「政権分離は国交がない時に使われた言葉で、国交が樹立され
れば、どんな国とでも政経は不可分」と指摘。御意。また「安倍さんが指摘する「再チャレンジ」の哲学は、小泉首相の市場原理政策を追認する政策」と指摘。
▼A級戦犯とされ処刑された唯一の文人・広田弘毅元首相の孫が広田家は靖国合祀に合意しておらず、と発言(27日朝日)。靖国神社側は「広田弘毅命に限ら
ず当神社では御祭神合祀の際には戦前戦後を通じてご遺族に対して御連絡は致しますが事前の合意はいただいておりません」と説明。一瞬、何と傲慢な靖国神
社、と思うが、同じ日の朝日の論壇時評でも紹介されているが福田和也君の指摘する通り(文藝春秋八月号)靖国神社の思想は昭和10年に神社側の言う「靖国
神社に祀られた祭神を、肉親として、身近な存在と受け取ってもらっては困る」ものであり「彼等は、合祀された以上は、崇高かつ神聖な神なのであり、旧来の
情愛を離れた崇敬の念をもって、拝んでもらいたい」という言葉が実に興味深い。(以下、橋本治的に言えば)神になるということ。神になるのに、いちいち地
べたにいる人に「おたくのご主人は神様になります」とは言えない、という思想。そんなことをすると神化なんて実は、お宅は遺族年金がもらえますよ、みたい
な俗的なレベルであることを靖国神社が公言しまうようなもの。だいたい厚生省から届いた名簿をもとに神様を作る、ってことぢたいが、とてもお役所仕事の事
務屋さんぽくって、そんなことも本当なら宮司とかが文藝春秋なんかで説明したくない。だけど靖国がどれだけ国家の崇高な部分か、ということを説明するの
に、つい厚生省から名簿が、なんてあまりに俗的なことまで口にしてしまって。いずれにせよ、そーいう理由で、神様にする、ってことは俗的なことを言うな、
の世界なのだろう。すごく薄っぺらい気がするけど、そうしないと神様になれない、正確には「神様をつくれない」から、そういうシキタリになっている。
▼昨日だったかの蘋果日報で陶傑氏がChris
Patten氏の英語表現をば絶賛。例えば24日のFCCでの夕食講演会にて97年まで香港統治の英国植民地政府をば The previous
colonial power と表現する。Previous が「前の」を意味する場合、当然「今の」the present colonial
power
があり、この表現は暗喩として「現在も香港は新たな北京中央という権力の統治下に置かれている植民地状態であることに変わらない」を意味する、と。また英
国政治に目を転じればサッチャー首相辞職(resignation)をば、党内での the removal of Margaret
Thatcher と言い、まるで「肝臓摘出」のようなニュアンスの removal
を用いることで客観、中性を装い、実は本音でのサッチャー政権打倒(overthrow)より更に冷徹さを現わし、サッチャーの後任となったメージャー首
相は保守党党首として総選挙での保守党勝利に貢献しつつ自らの選挙区では落選したパッテンをば香港の最後の総督に選定したパッテンにとっての盟友なのだ
が、回顧録の中ではメージャーを nice と形容が続き、英語での nice
は「まあまあ」で悪くないが秀でるほどの良さもないぎりぎり肯定の表現、この形容詞一つでパッテンのメージャー君の評価が明確、と。なるほどねぇ。
七月廿七日(木)今朝発行の小泉内閣メールマガジン。案の定、昭和天皇のA級戦犯合祀について何も言及なし。一週間も前のことは天皇の発言とて屁の河童
か。夕方諸用あり茘枝角。

「香
港工業中心」というまるで軽工業で香港の高度経済成長支えたような名前の大きなビルあり。青山道に面したビル
の一角覗くとビルのなかは問屋多く入ってみるとアメ横状態で実際には問屋が半端物処分といった風の小売り店軒を並べる。大陸からの旅行客も多し。尖沙咀。
風呂屋で擦背。Z嬢とLangham Hotel地下の
Main St.
Deliで成人病の元凶Reuben
Sandwichと蟹肉のコロッケ(これは美味)二人でシェア。香港文化中心にてシャルル=デュトワが音楽監督し指揮の
中国広東国際音楽夏令営(Canton
Int'l Summer Music Academy China)

の
演奏会ありアルゲリッチのピアノ!でベートーベンのピアノ協奏曲1番、そしてオケだけに戻ってのショスタコーヴィッチの5番を聴く。昨年より広東省佛山市
にて「アジアのタングルウッド」目指し夏に中国中心にアジア各地より16歳からの英才集めての音楽活動。かなり期待したが予想通り。アルゲリッチが「砂か
けばばあ」ならさしずめデュトワが「子泣きじじい」の元夫婦。舞台に出てくるなりアルゲリッチの所望で二人でスタインウェイのピアノの譜面台外して、


の
ベートーベンの1番、ちょっと緊張のオケの演奏に思いっきり「こんなのあり?」でアルゲリッチがピアノで乱入。聴いたことないようなベートーベンの1番な
のはオケが若いからデュトワの解釈教えれば素直にそれを音にするゆゑ。その若いオケをアルゲリッチが上手に使って、ただただ見事な1番。満場の拍手にアル
ゲリッチはアンコールでバッハのイギリス組曲、シューマンの「子どもの情景」から続けて(おそらく)スカルラッティのソナタ。幕間に「こんなコンサートあ
りますよ」と教えたらシンガポールからわざわざ来港のG氏と「予想以上に面白い晩になりそう」と語る。かなり聴くキャリア研鑽のG氏もこのジュニアオケが
「名古屋フィルハーモニーとかね、あのレベルはじゅうぶんにある」と。ショスタコービッチの5番。木管が秀逸。金管も充分。惜しまれるのは弦楽器、とくに
バイオリンが、技術力あるがやはり木管などに比べ「いい楽器」持たせてあげないとせっかくの技量も音にならず。殊にコンサートマスターのバイオリンなどス
ポンサーが一流の楽器を宛がってあげたいところ。ソ連の厳しい時代生き抜いたショスタコービッチが共産党政府に求められた「社会主義リアリズム」の音楽も
中国の共産主義下の経済成長での明るさだと、こうなる(よくわからないが)、のショスタコービッチの5番はこんな明るい5番聴いたことなし。デュトワの指
揮も数年前に聴いたN響の時に比べ踊るよう。さすがに2楽章でも他人の音を聴いて合わせるまでの余裕もなく、3楽章ともなるとこの若いオケには難しいのは
事実。だが夏だけ集まって、これだけの音の出せる若い弾き手には喝采。盛んに聴衆はアンコール求めるがアンコール曲の準備なくデュトワが何度も現われ楽団
を称賛す。終わって歐陽應霽君に邂逅。期待通りの音楽会と歩き話。
▼昨日、盂蘭盆について何か知ってることを教えてください、とM君に尋ねられる。実は何も知らず。香港のことに詳しいと思われているが年中行事とか節句と
か、とくに沢山の人が集まる催事、ドラゴンボートも饅頭祭も正月のライオンダンスも何も見たことがないのだ。
▼ミャンマー(ビルマ)で少数民族カレン族の武装組織「神の軍隊」を率い軍事政権と戦う12歳の双子の少年二人はジョニーが機関銃、アーサーがくわえ煙草
で、その写真はいまだに印象鮮烈。あの当時のそれを吉田秋生が漫画で描いたら

さ
ぞや素晴らしい作品となっていたかしら。それから早六年。少年二人は部下とともに翌01年タイ軍に投降し難民キャンプ暮らし。今回報道されたのは「軍事政
権と戦った「伝説の少年」ジョニーが政府に投降した。今は18歳前後とみられるジョニーは投降後、「家族や親類と平和に暮らしたい」と話したという。
(略)ジョニーら約10人が今月中旬にミャンマー側に入り、政府に投降した。ルーサーの消息は伝えられていない。政府側がジョニーらを拘束しないことを条
件に投降を働きかけたとみられ、「他の武装組織へのメッセージ」(外交筋)との見方も出ている」と、以上は朝日新聞(
こちら)
の報道。だが築地のH君曰く、この「投降」というのも額面通りに受け取っていいかどうか。シャン族の「麻薬王」クンサーもカタチの上では投降したことに
なっているが実際には政府は「投降」発表で面子をとり、クンサーは相変わらずシャン国を実行支配。つまり「休戦協定」みたいなもの。ジョニー青年が「どう
いう条件で」「投降」したかは定かでなし、と。御意。この報道、朝日に比べ毎日新聞(
こちら)
など「カレン族の象徴的少年兵が投降 国営紙報道」として(バンコク藤田悟特派員)「ミャンマー国営各紙は26日、少年兵集団を率いて国軍に対する抵抗を
続けた少数民族カレン族の象徴的存在であるジョニー・トゥー氏が軍事政権に投降したと一斉に報じた。国営紙によると、トゥー氏は先週、少年兵9人とともに
投降したという。」とこの「報道」がミャンマーの軍事政権下での国営紙だけであることを強調し「投降の理由は明らかにされていない」もので「軍事政権はこ
こ数カ月、抵抗を続ける反政府勢力「カレン民族同盟」(KNU)拠点への攻撃を強めており、「投降報道」はKNUの戦意低下を狙う意図があるとみられる」
と記事を〆ている。これが報道というもの。
▼元最高裁長官矢口洪一氏の弔報で東京新聞が「元裁判官の江田5月参院議員は司法修習当時、矢口氏が教官。「司法に国民が参加する方向を示された。惜しい
人を亡くした」と話した」と算用数字氾濫(教えてあげたのですでに訂正されているだろうが、
こちら)。
加
藤6月氏も数ヶ月前に逝去。小泉純1郎とか中村勘3郎とか。
七月廿六日(水)晩。帰宅してドライマティーニ二杯。NHKのニュースで「昨日までの梅雨の雨空が嘘のような雲一つない晴天。夏到来です。気温は摂氏35
度、平日とはいえ各地には夏の陽射しを求めた人たちが……」と明るく気象ニュースだが、これって異常気象という意味では深刻な気がするのだが。「モノは言
いよう」とはまさにコレ。浅蜊のパスタ。斉藤さんにもらった山梨県韮崎市穂坂地区収穫地ワイン飲む。あっさりしていて美味。
▼政府が閑古鳥なく街市4箇所の閉鎖決定。住宅や商業ビルとして開発なら金の卵。筆頭は何といっても中環の必列者士街(Bridge
St)街市。余が散歩途中にデジカメで街中の画像撮影を初めてネットにアップしたのがこの街市(
こちら)。


2000
年のことと思うが当時からもういつ閉鎖されるかと懸念され、寧ろよくぞ今日までもったもの。そして銅鑼湾の燈籠洲街市。ここもJardine's
Bazaarの一等地で殆ど無視された存在。公衆便所が4階にある使いづらさも見事。3つ目は以外なところでFortress
Hillの電気道街市。ほかの3箇所が店子の賃貸率3割台と低いのに比べ電気道は7割と高く閉鎖は一瞬疑問に思えるが閉鎖の理由は隣接の香港電力の発電所
跡地と一緒に再開発見込みであろう。この街市から電気道を北角方面に進むと在港日本人の間では「街市でゴハン食べたことあるぅ?」で大人気の東寶小館が入
る渣華道街市あり。この2の街市、同じストリート上にあり建物の造りといい規模といい酷似。それゆゑ東寶小館で食すのに「電気道の、ほら、街市あるじゃな
い?」と説明され電気道街市に行ってしまいウロウロと東寶小館をば捜す日本人少なからず電気道街市の野菜や肉の小売店の者にはすっかり「ここぢゃない
よっ!」東寶小館=日本人という印象が定着とか。そして4つ目が旺角街市。旺角の街市というと旺角道の花園街と通菜街の間に位置する賑やかな街市ばかり
想像するが、あれぢゃなくて広東道の街市。13.4千sqfで低層が商業施設、上層をマンション開発すれば10億ドルの資産価値だそうな。
▼競馬も夏休みで蹴球W盃も終わりすっかり暇な香港ジョッキークラブが「あの栄光よ、もう一度!」と80〜90年代の歴史に残る名レースを「経典大賽」と
称し画像公開(
こ
ちら)。あたくしも同徳だのTop Gainだのと名前だけは知っている名馬のレースを初めて見る。Top Gainの1980年のThe
Hong Kong Champions & Chater
Cup(沙田、芝1800m)だの歴史に名高い83年の香港ダービーの同徳の晴れ姿。このチャンネルで来週はあたくしらが熱中の栄光の90年代の特集は楽
しみ。
農暦七月初一日。晩に帰宅してドライマティーニ。地味な和食の夕食で金比羅さんの西野金陵酒造の「金陵の郷」なる大吟醸。大吟醸は好きではない。香港のこ
の室温に長く放置してしまいずいぶん糖が出て焼酎の如き風味。日本のテレビは必然的にNHKになってしまうので時間的に夕食ではいつもNW9を見ることに
なる。どの事件の報道見ても「本来あってはならないこと」「あの人がこんな事件起こすなんて」のくり返し。世の中に「本来あってはならないこと」なんて存
在せぬし「あの人がこんな事件起こすなんて」と言われても筒井康隆氏だったかの言葉だが自分が明日、殺人を起こすか起こさないかの確立は半々に過ぎぬ。事
件が起きればキャスターが神妙な顔で語る「日本人が計画し、そして中国人が犯行に及びました」という言説の怖さ。サイードの指摘したところ。ライス国務長
官はレバノン訪問しブッシュ大統領の「暴力をやめよう」というメッセージを伝えました、って暴力団の組長から「暴力はやめよう」と言われても(……あ、こ
れが脅しか)。香港鼠楽園の衰勢を執拗に追う者として日刊ベリタにリトルリーグ大会開催の記事送稿(
こちら)。
▼小泉三世の靖国参拝。先帝のA級戦犯合祀不快のお言葉につき「それぞれ
の人の思いですから。心の問題ですから。強制するものでもないし、あの人があの方が言われたからとか、いいとか悪いとかという問題でもない」と宣った小泉
三世。これを世は不敬と余は言ったが、築地のH君は天皇を正しくも「人」と称したとは小泉三世こそ戦後最大の民主主義宰相ではないか、と。確かに。自民党
もぶっ壊し、戦後日本の民主主義も完成か……。瓦礫の山、という噂もあり。
▼蘋果日報で李八方の頁でシンガポール国王・李光耀の自宅周辺の防備についてコラムあり。リー・クワンU国王は実施的に国王だが建前では市民であるし大統
領でも首相でもないので「官邸」に住んでおらず、私邸。シンガポールの中心街オーチャードロードからちょっと入った歐禮思路(おそらくOxley
Roadだとしたら
こ
のあたりか)に国王の私邸あり。私邸だが国王級だから守衛がおり八方氏が通りがかりに記念にと私邸の入り口をば写真撮影せむとせば守衛に止めら
れ、すぐに私邸内から「私服」の連中が現われ八方氏の身元確認した、というのだから私服は官憲か。八方氏の語るところによれば国王は建国前から(つまり弁
護士として人民行動党立党の頃より)ここにお住まいで警備は厳重だが国王にしては(といっても人口的には横浜よか小さい)簡素なお住まいだそうな(簡素さ
こそシンガポールの国是。簡素と強権か)。但し香港の自称政治家Sir
Donaldの如く節句のたびに記者をば官邸に招き入れ愛想うるでもなく内部については公開されず。いずれにせよわずか一年半の任期に旧総督府を巨額の内
装工事せしSir Donaldはシンガポールの政治制度よか、このリー国王の住宅に対する廉しさこそ学ぶべき、と李八方。
▼朝日新聞に小泉内閣推進せし「市場原理主義」について岩井克人氏の「資本主義と会社」なる主張掲載あり。現代の「カネが支配する社会」について岩井氏は
産業資本主義の時代にはおカネを実業に投資すれば確実に利益が得られしものが「利益の源泉が、おカネでは買えない人間の頭脳に移ったことによって、おカネ
は確実な投資先を失ってしまった」わけで「だからこそ、少しでも良い利鞘を求めて、おカネが世界中を動き始め」「それが世に言う「金融革命」であり「グ
ローバリゼーション」なのである」と見据える。資本主義は様々な欠陥や矛盾を抱えてはいるが当面、これを超えるものが生まれてこないのは「人間が自由を追
求すれば必然的に資本主義的な活動(利益追求)が生まれてくるから」であり「その(資本主義の)欠陥ゆえに資本主義をを抑圧することは、そのまま自由を抑
圧することになる」もので「好むと好まざるとにかかわらず我々はこれからも長く資本主義の中で生きていかざるをえない運命にある」とする。フランシス=フ
クヤマとはちと違う、この宿命感。そして、その資本主義の矛盾を保管するものが「倫理性」であり、その倫理性に支えられたものが「市民社会」と呼ばれるも
ので倫理の基本は「他の人間を自分の利益の手段としてのみ扱ってはいけない」もので「その大原則の上で初めて、対等な人間がそれぞれ利益を求めて、お互い
を手段として利用することを認める契約関係が結ばれてゆく」とする。この倫理観、相互互助的な、余は日本でもっとConfrerieの意義が理解されてい
いと思うのだが、その大切さ。文科省が唱えるが如き実態のない「思いやりの心」だとか愛国心とか漠然としたことの教育よか具体的に社会秩序維持のための、
資本主義社会維持のためのモラルとしてのこの倫理観をば教えることの大切さ、なのだが小泉三世にせよ大臣の竹中某、通産省出身の経済評論家などネオコン的
市場原理主義の品のなさ、でこの資本主義の倫理がわかっておらず。彼らの拙いところは資本主義社会の矛盾や問題を解決するのが市場原理主義や自由市場化と
勘違いしていること。憲法学で樋口陽一先生が言っていることだが近代の社会(民主主義社会や岩井先生の視野にある資本主義社会)は矛盾や問題多きもので不
完全とわかった上で、その社会を維持するためにどうしなければならないか、のルールを確立しそれを遵守することの大切。
▼同じ朝日新聞で編集委員星浩君の語る「米国の陰」も面白い。日本という「独立国」は1950〜60年代に左翼対策として自民党と野党の一部に米国CIA
から活動資金が濯がれ、04年に米国に対して「Show the
flagなどと日本に圧力をかけるのはやめて欲しい」と田中均外務審議官(当時)がアミテージ君に告げると「日本政府は、業界の反対で市場開放などの政策
が進まないと、いつも米国に『圧力をかけてくれ』と頼んできたではないか」と暴露され、現首相はエルビス=プレスリーの猿真似。この情けない態。星君は、
この「屈辱感から卒業するには、日本が主体的に変わるしかない」と漠然と筆を置くが、結局それが自主憲法改正とか愛国心に収斂されてしまうチープさ。憲法
改正しても愛国心が培われても米国へのこの諂いから脱却などできぬ。むしろ屈辱感からの解放が「近代の超克」的に誤解される怖さ。本居信長くらいまで
遡っったほうがいい鴨。
七月廿四日(月)晩に香港日本人倶楽部。歌舞伎俳優市村萬次郎丈来港に合わせ橘屋の語りを聞く会F氏の主宰で内輪で催され末席を汚す。橘屋さんと直接お話
しするのは記憶では確か平成十年の松島屋さんの15代目仁左衛門襲名披露で歌舞伎座にて同公演に出演の橘屋さんの楽屋にご挨拶にお伺いして以来。萬次郎丈
が播磨屋(吉右衛門)と共演で「鳴神」演じた香港公演はもう十年以上前。余が生まれて初めて大向こう気取りで「橘屋〜っ」「播磨屋〜っ」とやったのもお恥
ずかしい。その晩、ホテルの部屋までお招きうけ二日間三部公演も終えた橘屋さんが酔った勢いで機嫌よく成駒屋の大檀那の舞台、大和屋の楽屋での語りの真似
などしてくれたのも懐かしいかぎり。で本晩。萬次郎丈、話上手。殊に父、十七代目羽左衛門の語った芸談など興味深く拝聴。芝居というと発声だの複式呼吸だ
の「息を吐く」ことばかり気にしがちだが十七代目曰く「鼻からの呼吸」「息を殺す」の間合いの大切さ。忠臣蔵の四段目、判官切腹の場面での判官と由良之助
のやりとりなど。また科白で、下手な心理描写などよか、たとえば情景を思い浮かべれば科白で「須磨、明石」というただの地名も須磨なら須磨、明石なら明
石、とそれを思い浮かべて言えば自然な感情がこもる。萬次郎丈の両子息、

長
男の竹松君は十年前に自動車でもとりわけタクシー好きの小生意気な子(笑)だったのがもう清楚で落ち着いた十六歳に成長。終わってから楼上での会食で竹松
君と十七代目の思い出話だの香港での01年の連獅子の時のことなどお話する。十七代目からは余は直接お電話をいただき、1997年に台湾の高雄で十七代
目、実に半世紀ぶりの台湾公演を見たことも懐かしい思い出。次男の光君が見た目から仕草、後ろ姿まで十七代目そっくりで驚くほどの隔世遺伝。画像は竹松君
の襲名披露記念の扇子で図柄は十七代目によるもの。
▼“A Warning About AIDS in Prison”と紐育タイムスの本日の社説(
こ
ちら)。140万人の受刑者を収容する米国の刑務所で受刑者のムショ内でのHIV感染率がシャバに比べ5倍と高い現実。性交渉による感染と麻薬投
与の際の注射器の使い回し。いくつかの国や国際衛生機関は刑務所内でのAIDS感染防止のためにコンドームの配給をば呼びかけているが米国では本来、有り
得ないはずなのが受刑者間での性交渉で(しかも同性間)、麻薬蔓延も言語道断なところだろうが、コンドーム配給は建前上そう易々とは実施できぬそうな。本
来、生活から人格までの管理徹底されるべき<施設>内部での、この実態もフーコー的に興味深き話。
▼週末より香港で棒球の2006年リトルリーグアジア太平洋大会開幕。昨日は日本7−0中華台北、香港9−2タイ王国といった試合結果。本日は日本対香港
の試合あり。アジアの強豪チーム揃う、といいたいところだが日本、韓国、台湾という米国安全保障前線を除けば野球はあまり、というかほとんど普及しておら
ず実は香港チームもタイチームも日本人選手少なからず。香港対タイで日本人同士が野球をする、これはこれで少年らが「ナショナリティとは何か?」学ぶ意味
で姜尚中的には興味深いところ。ところでこの香港大会、今年の1月の準備委員会開催時には試合会場は青衣運動場、宿舎は馬鞍山は鳥渓沙のYMCA施設のは
ず(
こちら)
が突然、六月に会場は香港ディズニーランドと決定。宿泊もディズニーランドのホテルという厚待遇(出場選手には朗報か)。当然、察せられるは香港鼠楽園が
入場者数の低迷でとにかく何でもかんでもイベント開催で関心集め人寄せになれば、の名乗り。(鼠楽園プレスリリースは
こちら)

This year, Hong Kong Little
League is organizing the Tournament, which will be held at the Hong
Kong Disneyland Resort on two new, specially designed tournament-grade
baseball fields that are being prepared for the event by Leighton Asia.
The baseball fields are located on the spacious grounds between the two
Disney themed hotels, the Hong Kong Disneyland Hotel and Disney's
Hollywood Hotel.
というわけで当初、香港鼠楽園の建設計画にはなかった野球場をば2つのホテルの間の空き地に急拵えしての対応。昨日の試合ご覧になった方の話ではMTR鼠
線の鼠リゾート站からシャトルバスまで運行あり。球場は観客席屋根付きでなかなか本格的な設備。ただ鼠楽園の広大な駐車場は小型、中型のバスが5台駐車し
ていただけで酷暑のなか鼠楽園内の入場者数が惨憺たるものであろうことは予想に易し、との話。下手するとリトルリーグの試合観戦者のほうが多い鴨。でもさ
すがにリトルリーグ観戦者に鼠楽園の無料入場券こそ支給されず。但しこのリトルリーグ観戦者も間違いなく鼠楽園の入園者数に「香港ディズニーランドリゾー
ト来訪者には変わりない」として、きっとカウントされているであろう。(以下、翌日談)……とまで綴り晩遅くに信報読んでおれば、実は前述のthe
spacious grounds between the two Disney themed
hotelsは三番目のホテル建設用地。それが需要見込めず野球場建設。で今回のリトルリーグアジア太平洋大会については会場を無償提供(やはり……)。
ESPNによる試合の衛星中継で香港鼠楽園の宣伝になり、この大会の参加者や観戦者の鼠楽園入場(これは有料……笑)が期待される他、リトルリーグ大会大
会の記念品販売も鼠楽園にとって収入期待される、と。無惨。鼠楽園ぢたいの収益に期待できず全く関係のないリトルリーグ大会誘致でその土産物の販売にすら
期待するとは……。哀れ極まりなし。
農暦六月廿八日。大暑。快晴。流感か熱中症かいずれにせよ昨日C医師の診察請い注射と投薬のおかげで体調快復。さすがに山を走るとかジムに行くという元気
なく猛暑のなか傘さして陽射し避けながら太平街市。水電工程の店(と以外言いようがない香港の電気水道冷房関係などの部品屋兼修理屋)で昨晩閃光放ち大破
の居間冷房の安全装置の代替品贖う。朝の街市の活気。肉屋で巨大なまな板の上にブタの頭首がゴロンと放られる。帰宅して冷房の電源の修理。珍しい休日の日
がな在宅で掃除や机まわりの整理など。冷蔵庫の中にBaileys'
のアイリッシュミルク発見。もう何年の貯蔵か。開栓してみると濃厚な芳香。アイリッシュミルクがチーズ状態。恐る恐る舐めてみると絶品。腐乳か沖縄の
「とーふよう」の如し。整理したスクラップの中より10月の
マカオ国際音楽祭の予告記事見つけ
ネットで調べると偶然にも本日夕方からのチケット発売。発売時間にネットで見るとすでに朗郎&マカオ交響楽団や1860年建立の
Teatro D.
Pedro Vでの演奏会は軒並み売り切れ。辛うじて中秋の晩のケルン放送交響楽団のチケット入手せむと予約手続き進めれば予約の最後でクレジッ
トカードの有効期限入力が事もあろうに「年」の選択が「2016年」より始まり明らかにサイト設計ミス。ここで「だからマカオは……」と言ってはいけない
か。手持ちのクレジットカードで有効期限最遠は2008年。試しに2007年のカードを2017年で入力してみるが「有効期限の設定が間違っています」
と。当然か。慌ててマカオのチケット販売部署に電話すると電話つながりチケットは確保。Marian
Andersonの歌うブラームスのImmer leiser wird mein Schlummer(Immer leiser wird
mein Schlummer)など聴きながらのんびりとした午後。下手な書道の練習。手本は
虞
世南の孔子廟堂碑を元にした楷書の練習本。デンキブラン一杯。ドライマティーニ二杯。大暑、日本では土用の丑の日。鰻丼食す。日本で土用の丑の日
はよく太陽暦にしなかったもの。ちなみに香港では大暑に食すのは西瓜。水分接収し涼を摂る。日本では滋養強壮の鰻だが西瓜とは食べ合わせ悪いと言われ、日
中関係はやはり一衣帯水とは言えず、か。NHKスペシャルで「ワーキングプアー」なる、働いても生活苦の特集。ワーキングプアーと呼ばれる若者がここ五年
で1.5倍の1600万人。米の値段もこの五年の下落著しく秋田県では六千戸の農家が廃業。介護保険料すら値上げ。このような状況では通常であれば常識的
に考えて独裁国家では(経済成長の続く中国を含む、北朝鮮を除く)革命か政府転覆が生じ法治国家なら選挙で与野