三月三十一日(金)六世中村歌右衛門命日。五年前のこの日までフィリピンに遊び四月朔日に新聞の弔報に成駒屋他界を知る。日剰捲れば偶然にフィリピンに渡
る直前に渡辺保『歌右衛門伝説』読み89年末の京都南座の顔見世のことなど綴ってあり。五年前のこの日、櫻花開くなかに春雪、夜半に雪雲割れ月が出で、ま
さに雪月花であったとか。本日、曇。民主党前原某党代表辞任。どうせなら党を出で小泉三世と新党結成を。北京では胡錦涛君、橋本龍太郎君率いる対中友好諸
団体と会談し靖国について「政府の代表者が行くのは政府の意志を表わしていると考える。指導者個人の気持ちはわかるが、被害国の国民の気持ちも尊重してほ
しい」と述べる。「指導者個人の気持ちはわかる」と小泉三世の「個人の心の問題」にまで理解示す、のこの発言の寛容。だが橋本君も「多くの日本人の心の中
にある靖国神社は身近な人の姿」などと反論し我が国の社会通念?以上の靖国評価の轍を踏む。本日、早晩にFCCのバーに参ればかなりの賑わいに何事かと驚
けばRugby
Sevens開幕にてテレビ中継眺め豪飲の客多し。困ったなぁと思う間もなく客がさっと退き何事かと思えば、どうやらイングランドならイングランド、蘇格
蘭なら蘇格蘭とお目当ての国チームの応援で、試合(確か十数分?)終わればさっさと近隣のオフィスに仕事に戻る様子。新聞に目を通しハイボール二杯飲んだ
ところに知己の編集者S嬢とZ嬢現れ軽く夕食済ます。S嬢かつて『香港通信』誌に余がSouth China Talking
Hostなる連載で最後の担当者。三人でシティーホールに参りCCDC (城市当代舞踏団)のダンス公演「剛柔流(Iron and
Silk)」参観。前半はCCDCの若手による中国の詩人・北島(曹長青による評論(邦訳)
こちら)
の詩からのinspirationという「某些動作與陰影」。未だ習作の域を出ておらず。後半は一軍による「暴光(Lights
Up)」なるアップビートなダンス。照明仕組んだ道具の使い方にかなり疑問あり。道具が拘りすぎ、で舞者、踊りに専念できず道具係の如し。会場に四月末に
久々に踊るDaniel楊春江君の姿あり。シティーホールでは本晩、Freddy
Kemphなるピアニストの演奏会もあり。Kemphという名の通り巨匠ケンプの遠縁とか。三人で銅鑼湾のバーS。鼎談に物語り尽きず深更に至る。
▼昨日、陳日君枢機卿に就任し香港で初のミサに熱心な天主教徒たる自称政治家Sir
Donaldも参り枢機卿の指輪に接吻。中国政府にしみてれば、この地方自治体首長につき困るのが江沢民にサイン強請るが如き小市民性と、そしてこの宗教
心。而も中共にとっては反革命勢力たる天主教。信報の記事によれば阿片の如き宗教は内地にて宗教信者は人口の二億人突破し、内4,500万人が天主教。毎
年300万人単位での増加。伝統的に辺鄙なる山岳地帯など少数民族に天主教の信者多く最近は社会不安などで都市部に信者増加も目立ち政府の懸念は天主教徒
がひとつの社会勢力となること。それ考慮せば弾圧などよかバチカンとの関係修復も必須か。
▼信報の林行止専欄がフランスの学生デモに端を発した全国規模のストライキについて語る。どうもこのストライキにいたる経緯、余もピンとこなかったが、要
はフランス国民にとっての大事は「言うことをきかない」姿を国民が政府に見せつけること。ノンと発言する主張、運動が起こせることの再確認。
三月三十日(木)ふと一日空いての快晴、Z嬢とそれぢゃ香港鼠楽園でも行きましょうか、と嘘、おそらく七、八年ぶりで海洋公園へ。午前中Z嬢の旅券更新に
総領事館の領事部に寄る。かなり昔に提出の「在留届」の書き換えも済ます。この在留届なるもの「世帯」毎。日本の世帯主中心の住民票に倣う。ふと思えば香
港に、強いていえば学校に通う子どもの親について「家長」という役柄こそあれ「世帯」で提出の書類など存在せず。例えば主婦が世帯主でもいいような気もす
るが「主として世帯の生計を維持する者であって、その世帯を代表する者として社会通念上妥当とみとめられる者」らしい。だが「主として世帯の生計を維持す
る者」というのは明確なようだが夫婦で収入が同等の場合はどうなるのか、ましてや「社会通念上妥当とみとめられる者」と言う。金鐘からバスで昼過ぎに海洋
公園。夕方まで遊ぶ。


そ
れにしもてパンダなど平日は客も少ないとはいえ年がら年中眼差し浴び続け難儀なもの。同じ熊でも模様が黒白であそこまでデザイン整わなければ、また黒白の
デザインでもあそこまで愛嬌なければ単に「熊」でいられたものが、あのデザインで愛嬌あっては愛玩も致し方あるまいか。帰宅。奈良からK君来港中。知己の
U嬢誘いZ嬢と四人で晩にHappy Valleyの
益新に
食す。酒肴佳し。
農暦三月初一。晴。裏山の自然公園を10kmほど走る。よくよく思えば手の入ったいわゆる里山。市街に近きこの場所で栗鼠などもいる。走り終わり
Mount Parker Rd下る。Taikoo Placeの
East
Endに寄りエール正味二杯。帰宅。ピアノの練習など少しして晩の競馬予想。テレビで競馬中継眺める。ダービー直後の週日の沙田で而も最終
レース除きダートという丸っきり地味。第1レースに畏友A君の持ち馬「新聖(Natural
Model)」参戦。15戦未入賞でクラス5に甘んじレーティングも30とどん底状態ながら前レースのダート1200mで二着に入り調教の時計もかなり良
く初優勝も夢ぢゃない、と思え昨晩A君に尋ねるとA君“Fingers
crossed”なんてカッコいいこと言う。パドックでもかなり色艶もよく期待したが残念な結果。A君家族の持ち馬は今晩は「新英(Natural
Echo)」も出たが三歳の頃に三勝し三年過ぎてまったく元気なし。C氏のDashing
Championも八歳、クラス3でまだ12月にはダートで優勝し三月の前レースも二着と頑張ったが今晩は着外に終わる。柳浪の『今戸心中』読了。筆致冴
え渡り花街舞台にした小説という点では荷風の「腕くらべ」も柳浪には比べ物にならず。夜通しの吉原から眺める朝も白む風景描写など名文の極み。柳浪では
『河内屋』や『黒蜥蜴』もそりゃいいが『今戸』の花魁吉里の複雑な心情の描写の見事さ。続いて昨年の八月に久が原のT君通して浄瑠璃本研究するK君からい
ただいたDVDで六代目歌右衛門の『瀧の白糸』を観る。昭和31年8月の明治座、新派莟会合同公演(
こちら)。六代目の生前に
NHKが昭和30年代の歌右衛門の舞台特集した時の録画。我が歌舞伎を見始めた頃には成駒屋すでに足を庇っていたため、白糸役で新派の舞台であるからまさ
に動きまわる成駒屋というのはまったくもって初めてみるもの。新派でいえばやはり先代の八重子の白糸・水島友なのだろうが、四十路になるかならぬかの若さ
で成駒屋がしっかり泉鏡花の芝居を「歌舞伎の女形がやればこうなるんですよ」と演じきって見せたところに凄さあり。書生の村越欣也に白糸があそこまで惚れ
るのが今ひとつピンとこないのだが「一目惚れ」はいちいち他人の邪推は要らないのですよ、と泉鏡花なら言われるかも。
▼三月七日晩のNHKでニュースにて天皇皇后両陛下三宅島訪問に明るい島民両陛下が「こちらに来るとは思ってみませんでした」と語ったのを字幕には「こち
らに来られるとは思ってみませんでした」と敬語使わねば敬意ないわけぢゃなし寧ろこの島民の場合かなり親しみある言いっぷりを故意に敬語にした件。NHK
に問い合わせばご丁寧に手紙いただく。季節の挨拶に始まりNHK一連の不祥事に関するお詫びに続き
お問い合わせいただきました、三宅島にお住まいの女性の方が「天皇
皇后両陛下が来ると言っていたのに、来られるとの字幕をつけた」ことについて、私どもの考え方をご説明させていただきます。
NHKは、皇室については、国民感情にも配慮し、過度にならない範
囲で敬語を使うことにしています。
三宅島の女性は「こちらに来るとは思ってみませんでした」と話され
てましたが、今回は、画面の文字を発言どおりにすると(富柏村)様のように「素直な親しみが語る言葉」と感じられる方がおいでになる一方で、皇室に対する
表現としては語感がきついなどと指摘する方もいらっしゃると思われるため、画面上の文字には「られる」を末尾につけ、敬意を高める表現にしたものです。
ご理解いただければ幸いです。
と。結局、NHKにとって何が怖いかといえば「右からの」「皇室への不敬」に関する非難への過剰なる神経過敏。画面ではとても自然な三宅島民の言葉ながら
必要以上に「右の配慮することで」(皇室に対する配慮に非ず)の自己防御。NHKが公正であるか中立であるかよか寧ろ不憫。
▼社長の息子(35)自称テレビのフリーディレクターが大麻所持で逮捕され(それぢたいは大麻くらいでどうでもいいが)この逮捕の事実は社内でもかなり極
秘扱いで而もお薬関係で有罪&執行猶予中の前科まで今になって暴露され「やはり内部の体質はかなりヤヴァい」と露見の朝日新聞、今日の衛星版オピニオン欄
に「海外メディア深読み」なる論説文でタイの政治危機取り上げるが長岡昇論説委員もインドネシアの週刊誌「テンポ」の記事引用し「問題が起きる度に、いつ
も国王に頼るわけにもいくまい。タイの民主主義が成熟するためには、憲法がきちんと守られているか油断なく目を凝らす市民層が育つことが必要だ」と。先日
日剰に綴った通りタイでの国王の政治介入は極めて合憲であること。現行憲法では政治危機にある時に国王が黙って何もせずにいたら寧ろ国王は国民から叱責を
受ける。「タイの民主主義が成熟するためには、憲法がきちんと守られているか油断なく目を凝らす市民層が育つことが必要」なのは確かにその通りだが、現行
憲法下では寧ろ「問題が起きた時に国王に頼れること」は「憲法がきちんと守られている証左」とも言える。
三月廿八日(火)かなり久々の快晴。岩波の『世界』をOCSで定期購読していたが日本円にすれば780円の雑誌にHK$92も払っているわけで日系の本屋
での定期購読に変えようかと余は「品揃えにかなり生理的嫌悪感じる」某書店に参り『世界』の購読尋ねれば通常、入荷しておらぬ雑誌のため単品での注文とな
り受け取りは毎回2カ月くらい経ってから、と。呆れて断念。かつてこの書店で『世界』定期購読しておったが、その時は店頭にも『世界』が一冊だけ置かれて
いたが(恐らく余の注文に合わせ店頭用に一冊か)。月刊『文藝春秋』平積み、『正論』もきちんと入荷するのだが。昼に北角の
回味古法清湯南にて牛南河粉食す。早晩に銅鑼湾に今月開店の
バーBに一飲。競馬場からHappy
Valley、ニコルソン山まで見渡せる。晩に香港歴史博物館の某館の副館長勤めるW君と食事の予定がW君遅れたのを幸いに一飲むのはずが竹鶴のハイボー
ル三杯。W君と会い
炉端焼・一番に食す。W君は戦後日本映
画、テレビドラマにかなり造形深く竹脇無我と十朱幸代のドラマで……と言われてもこちらが珍紛漢紛。歴史観の話となり日本の歴史認識にも甘いところあるの
は事実だがW君はそれぢゃ中国が日本非難できる程に真っ当か、と。中国政府のウイグルやチベット併合でどういった認識もっているのか、と指摘厳しいが、そ
れは事実にせよ日本からこの論法となると余りに文春、正論的でお下品となる。W君と別れ独り
バーS。いつものように飲んでパイプ吹かせば帰りがけにカウンターに
Noilly Pratというベルモットありグラスに少し賞味。フランス産の香りよき酒。物の本にモーム愛飲、とあり。タクシーに乗る道すがら
バーYに寄りワイルドターキー1杯飲み帰宅。
▼知己のG氏よりスタニスラフ=レム逝去、とメールで知らされる。享年84歳。『ソラリスの陽のもとに』を映画『惑星ソラリス』見た後に読んだだけなのだ
が。当時のポーランドでソラリスに空想をば広げたレムの世界。「また巨星が逝きました。」というG氏の言葉に、ふと思えばアーサーCクラーク先生がまだご
存命。さすがスリランカで少年の……否、まぁクラーク先生もさすがに九旬では、と思いつつダイビングに悪戯癖に、と現役だろうか。
▼陳日君が枢機卿となり昨日、ローマ法王香港からの観礼団と接見。陳枢機卿が民主党のマーチン李柱銘、蘋果日報社主のビリー黎智英などを法皇に紹介。マー
チン李氏について陳枢機卿は「正義、人権、民主得られる日が来るために私と一緒に働いております」と紹介せば法皇は「これからも続けて努めるように」と声
をかける。カソリックもそうなら法輪功にせよ宗教弾圧となると毅然と、時として必要以上になんと政治的。ところで陳枢機卿、これまでもBishop
Zenと英語表記されているが陳さんがZenなのは上海語から引音のため(実際にはZunのほうがより上海訛りに近いらしい)。
三月廿七日(月)土曜日晩のドバイのワールドカップレースにつき斎藤さんや月本さんの日記読んでから映像で観て「なるほど」だったが今日のSCMP紙は贅
沢にも見開き二面でドバイと香港ダービーの記事豊富。香港の華字紙はどれも配当中心で「Soumillonの計3勝に単勝で3x7で跨いで賭けていれば配
当は何万ドル」といった「たられば」ばかり。それに対してSCMP紙は英国的なのだろうか、前日のレースについてレース展開など詳しく物語る。これをじっ
くりと読む幸せ。Electrocutionistに騎乗してドバイ制した天才Dettori騎手に“I do not think I could
win until I was 30 metres out”と言わしめる。それほどのレース。Dettori騎手のコメントがこれがまた良い。
I didn't breathe for two
minutes. I was not travelling as well as Yutaka in front. I found a gap
at the 5/8 pole(1,000m)and took it with both hands. I then had to
switch him and lost some energy and ground. It was a great performance
and is great for Godolphin and the whole team. I did not think I could
win until I was 30 metres out as I could not shake off Brass Hat.
と続くのである。武豊騎手カネヒキリを追いながら「2分間呼吸していなかった」というDettori騎手の緊張感。5/8ポールで勝負に出てブラスハット
蹴散らすところまでの緊張感。グレンフィディックをロックで飲みながらこういう記事を読んでいる時の心地よさったらありゃしない。それでいてヘラトリ紙に
は紐育タイムスの記事でPage Twoに“Migrants' dreams dry up in Dubai
desert”という記事もあり。偶然だろうか。建築ラッシュ続くドバイで印度系の工事現場への出稼ぎ労働者取材した記事。世界各地から出稼ぎの集まるド
バイでは仕事にありつくためにエージェントに数千USドルの紹介手数料払い、ようやく得た仕事は月給米150ドル、うち半分は故郷に仕送りでは物価高のド
バイでは生活もままならず死活ギリギリの生活が現実。その彼らが建てた建物に世界中の資本や娯楽が集まる、と。いろいろ考えながら、結局は酒を飲んでいる
のだが。
三月廿六日(日)朝八時迄朝寝貪る。レーシングポストにてDubai World
Cup順当にElectrocutionist(Dettori騎手)勝利を知る。久が原のT君よりメールあり昨晩綴った漢方生薬の「桑寄生」。四谷様の
芝居にて民谷家に伝わる家伝の刀創の妙薬がこれ、と教えられる。お岩との不義の汚名で伊右衛門に殺されお岩ともども亡骸を戸板に載せて流される小仏小平が
民谷家から盗み出すのがこの薬。もっとも、「刀創の妙薬」といふ設定なのですがね。健康デザートにされては小平も浮かばぬ、とT君。新聞一通り目を通す。
昨晩のドバイに続き本日、香港ダービー。T君誘い験を担いでKCRの一等車にて颯爽と沙田競馬場へ(いつも帰りは二等か)。昨晩ドバイの中継でCruz厩
舎の香港馬に騎乗のSoumillon騎手もちゃんと今日の第1レースから香港で騎乗とは。Cruz調教師ももちろん今日の晴れ舞台に戻っており、皆さん
10時間でどうやって帰港したのか。香港ジョッキークラブのチャーター機だろうか、きっと。というわけで第3レース(第1、2レースはドバイからの中継
分、これが実質的な第1レース)でいきなりSoumillon騎手、遠征の疲れも見せず勝利。第9レースにChairman's
Sprint盃ありSilent Witnessの復活も期待されたが三着でSoumillon騎手が25倍の大穴でBillet
Expressで本日二勝目。で香港ダービー。パドックでどう見てもマカオのカジノ王Stanley Ho氏の持ち馬「爆冷」(Viva
Pataca、Patacaはマカオ通貨)が1.9倍の一番人気も納得の勇姿。巨億の富、四人の妻、全ての権力を手中にするStanley
Ho氏にとって人生で唯一ゲットしておらぬのがダービー馬で、今日がその晴れの日になることは疑いなし。だが我は知人の馬主W氏のSunny
Sing(新力升)が今季3勝でダービーにまで参戦で、これを応援。三番人気でW氏も「行くぞ」と力が入る。当然、Sunny
Sing中心に賭けたが、三連単だけはSunny Singが三位に入れば、で保険かける。結果、Viva Pataca王道を行き期待のSunny
Singは惜しくも4着。これも騎手はSoumillon君。さすが。結果、2着に9番人気76倍のHail The
Stormなる馬が入ってしまい、よくある話だが「これさえ来なければ」三連単もとれていたものを……。まぁこれも人生か。でT君と競馬場をあとにして昏
時、FCCのバーで反省会で気持ちよく大いに飲む。帰宅して鯵を焼いたりして晩飯。ダービー直後のレースは馬券だけ買っていたが1〜3着確実に押えていた
結果知りSunny Singに託した分の資金しっかり回収出来お釣りまで来ていたこと知る。
三月廿五日(土)連日の不愉快なる空模様に出かけるも鬱陶しく昼前に太古に住はれるN氏自宅にお邪魔し一つ頼まれ事住ませ昼に郵便局、銀行に用事住ませ帰
宅。午後遅くまで新聞に目を通し香を焚き机まわり片づけせめて宅内だけでも気分よく過さむがため努める。不図気になりタイ王国憲法調べる。やはり。
昨日はつい朝日新聞の煽動でwタイ王国の政治が「国王に頼る切なさ」という社説の論調に「確かに」などと口走ってしまふ。反省。本日ふと気になり佛暦
2521年制定のタイ王国憲法読めば、やはり。結論先に言えば「タイはブッダの加護の下、憲法に則り国王を元首する立憲君主制で真っ当に成立したり」とい
うこと。先ずはど何処が国の憲法でもやはり大切は前文。
プラバート・ソムデット・プラチャーゥ・ユーフゥア・プーミポン・
アドゥンヤデート・マハーラート國王(現國王、ラーマ9世)斯くの如く布告す。
國家立法議會の上奏に言ふ、プラチャーテイポク國王(ラーマ7世、
在位1925〜34年、チュラロンコーン王(ラーマ5世)の子で現國王の叔父)佛暦2475年タイ王國憲法下腸以來憲法の改正、幾多の憲法公布あり、と。
亦た時として國家其の状況變化により恒久憲法起草公布迄に臨時國會統治憲章公布せねばならぬ事ありき。是れ迄の悉くの憲法及び臨時國會統治憲章其の何れも
「國王が國會通じ立法權、内閣を通じ行政權、裁判所通じ司法權其々行使せむといふ國王をば元首にいたゞく民主主義體制の統治堅持にあつては同一なり。歴代
憲法間の重要な相違點其時々の變化せる國家状況に適合せしむが爲國會の地位及び立法權、行政權との關係の變化にすぎず。此等國王を元首といたゞく民主主義
體制統治へのタイ國民の信望示すものなり。亦た是れはタイ國民に國家統治權を下腸せしプラチャーテイポック國王の意嚮に合致せるものなり。
國王を元首にいたゞく民主主義體制の統治の堅持是れ今日に至る迄繼承されたり。(以下、略)
……と。「国王を元首とする民主主義体制を国家統治の方法として堅持すること」は国民の総意とされ憲法は
國王の意嚮の如く民主主義並びに王國内のタイ國民の主權とを維持し
國王の統治に服せし人民に幸福と繁榮とをもたらさむが爲タイ國民其の心ひとつにし此のタイ王國憲法守り維持せむ事を誓ふ。
と結ぶ(文語調は富柏村の勝手、ご容赦)。この前文を読めば一目瞭然、で、一体不可分のタイ王国(憲法第1条)は国王を元首とする民主主義体制の統治政体
をもつ(第2条)とされ、大切なのは「主権はタイ国民に由来する」そのうえで「元首である国王は本憲法の規定に従い国会、内閣、裁判所を通じてこの主権を
行使する」こと(第3条)。もうこれで充分だろうが、つまり国王が国の大事にクーデター阻止や首相更迭することは合憲であること。それを勝手に第三国の新
聞が「国王に頼る切なさ」などと「民主主義ぶる」ことの不敬。首相などというのはタイでは国民に由来し国王が司る主権に対して実に小さな存在で、ちなみに
タイ王国憲法で総理大臣について謳われるのは、なんと146条とは。
昏時Z嬢と突然「ラーメンと餃子」食そうということで彼処は昔は美味だったが店主が替わりあゝだし此処は頑張ってはいるが日式の域を出ず、と。そういえば
天后のOは行ったことなし、とそれぢゃ試しに、と伺えばシャッター降りて不動産屋の看板かかる。閉業。どうもWhitfield
Rdは利休以外は流行らず。というかこの辺鄙な場所で利休賑わうことのほうが稀。利休の隣の金元海鮮小館という地道な粤菜供す古い料理屋も閉業と知る。興
發街の
巴巴Laksaなる昼にはいつも行列できる程の小店も
週末の晩では辺鄙さで空いておりラクサ食す。電気道の
晶晶甜品に
寄り首烏桑寄生蓮子蛋を食す。首烏(しゅう)、桑寄生(そうきせい)ともに漢方生薬、それを煎じた甘味の茶の如きものに蓮の実となぜか茹で鶏卵が浮く……
と書くと不気味だが健康デザート。晶晶甜品の隣に随ni鐘意「アナタのお好きなまま」といふ刺身(ほとんどサーモン)専門店あり外に客溢れる繁盛。理解で
きず。帰宅して柳浪の「今戸心中」読む。晩遅くドバイから競馬のテレビ中継あり。ドバイ滞在中のS氏の日記に詳細(こちら)。テレビ中継はDubai
Sheema ClassicとDubai Duty Free Cupのみで香港でも馬券購入可。肝心な
Dubai World Cupは中継もなし。而もこのレース、
World Racing Championshipから外れてしまい、やはりこのドバイのレースが例年のWorld Racing
Championshipの緒戦であってほしいところ。で、シーマクラシックも免税盃も新聞見ても出走馬表くらいしか香港でデータなく英国
レーシングポストなどネットで眺め情報収集。シーマクラシックには
ジャパンカップは5着?だったが香港ヴァースで優勝のOuija
Board(騎手はFallon、ヴァースでは日本のシックスセンスが2着)、日本からはジャパンカップ2着、有馬記念でディープインパクト破ったハーツ
クライ(Lemaire騎手)が参戦。ドバイ免税盃には日本からアサクサデンエン(武豊騎乗)、香港からBullish LuckとRussian
Pearlが参戦。野球も日本優勝でなんかまた日本馬「買わぬと来そう」でシーマクラシックはハーツクライにしたいところだがレーシングポストの記事で
やっぱりOuija Boardだろうか、だが英国の競馬紙であるからOuija
Board贔屓なのでありハーツクライが国際レーティングで122とこのシーマクラシックの出走馬のなかで最も高いことに驚いてハーツクライの単勝。免税
盃は荷風散人にあやかり?アサクサデンエンと好きなMarwing騎乗のIrridescenceの連複一点買い。風呂に入り珍しく麦酒など飲みながらド
バイの競馬中継。ハーツクライいきなりハナをとり2400mまさかこのまま?と思ったら駆け引きもないままライバル不在?三馬身差くらいで快勝。ファーム
の関係者ら大喜び。橋口調教師本日2勝目、と馬場のインタビュアーが橋口氏に話しかけ、えっ?と思えばすでにゴドルフィンマイルで武豊騎乗のユートピア一
着。でハーツクライで2勝目。免税盃はこれも最後後塵追い払って、やっぱりレーティング123とかなり格差あり優位なDavid
Juniorが実力なのでしょう、の一着。このあとDubai World Cupは中継もなく「今戸心中」少し読み臥寝。
▼ウオトカのABSOLUTのCMに我も好む米国の芸人レニー=クラヰ″ツの音曲(
こちら)。
▼この週末、台湾の「F4」なる芸人の香港興行あり。香港では人気も陰り今回の舞台も「歌舞音曲に技巧なし」と新聞芸能面に揶揄あり。だがこれに大挙して
訪れしは日本からの婦女隊にてCD量販店HMVから信和中心の芸人グッズ店、甘味の「糖朝」から翡翠酒家、飲茶の映月樓まで日本人女性相手にとんだF4景
気に涌く。尖沙咀スターフェリー波止場前の新聞売店など通りがかりが日本人女性と見れば蘋果日報、東方日報の芸能面開き「F4、F4」と新聞売り、とZ嬢
の話に聴く。
三月廿四日(金)夜半からかなりの降雨あり。ヘラトリ紙に紐育時報の記事で中国から米国に渡る養子縁組の話あり。中国の一人っ子政策の余波にて二人目以降
の「手放し」あり。殊に女子が大部分。一人目の子が女子であった場合の手放しも少なからず。91年より海外、その大多数が米国、から中国の孤児をば養子と
する正式な「やりとり」始まり92年より本格化。これまでに55,000人の中国の孤児が米国に渡る。そのうちかなりの数が広州での「引き渡し」で白天鵝
酒店(White Swan
Hotel)がそれが盛んであることはこのホテルに泊れば一目瞭然。ホテルでは慣れぬ様で幼子を連れた白人夫婦が目立ちホテル周辺は育児用品売る店も少な
からず。雨やまず。春雨というには気温摂氏十七度で肌寒し。かなり早晩にFCCのバーで佐藤優『国家の罠』二百頁ほど読み続け読了。日本が小泉政権となり
(自民党の宏池会的な)ケインズ型公平配分政策からハイエク型傾斜配分、新自由主義に転換し、外向的には明治以来の(昭和の前半は崩れたが)地政学的な国
際強調主義から排外主義的なナショナリズムへの転換をするにあたり「時代のけじめ」として仕組まれた様々な罠の一つに鈴木宗男や著者(佐藤優)がスケープ
ゴートとなったという。実際にこの「国策捜査」の幕開けや幕切れなど見れば明らかに検察がきちんと何らかの指示に基づいて動いているのも明らか。実際に著
者をば尋問し続けた担当官はこの国策捜査終了と同時にお役御免で水戸地検に栄転?。この国策捜査で一つ上手くいかなかったことは「外務省のラスプーチン」
と呼ばれた著者が国策調査に動じぬ程の「得体の知れない」人物で東京高裁で係争中。鈴木宗男も新党大地で永田町に舞い戻り。時代のけじめはそう安易につく
ものに非ず。晩に自宅で山芋、オクラに天かすの「とろろ」飯など食す。岩波文庫で広津柳浪の『今戸心中』から「變目傳」読む。
▼朝日の社説で「国王に頼る切なさ」とタイのタクシン首相の傍若無人ぶりに端を発せし政局混乱につき国王のご沙汰で首相更迭含みで政局安定まで図るタイの
政治風土評して民主主義の成熟覚束ぬ、と説く。確かに。だが政治家に英知なく国王に叡知あらば国王に頼ることもプラグマティズム的。問題は在位60年にな
るプミポン・アドゥンヤデート国王(ラーマ9世)にここまで頼り、つまり戦後のタイの成長そのものがラーマ9世の御世ならばタイはそれ以外を知らず。問題
はその後のことであるのも明白か。
三月廿三日(木)連日香港の春らしき曇天続きが今日は昼に降雨あり。紛いなりにも季節は雨期なのだ、少しは降ってくれないと。大潭のダムなど干上がってし
まいそう。楽しみに待った小泉メールマガジンで小泉三世、首相官邸で記者にも語っていたが「日本シリーズの緊張感と高校野球のひたむきさが重なりあったす
ごい試合」という表現も言い得ているようで「改革なくして成長なし」と同じで陳腐だが
日本は強豪韓国に1次リーグでは2対3と敗れ、2位で通過。2次
リーグでも1対2と敗れて再び2位。しかし、この敗戦に屈することなく、3度目の対戦となる準決勝ではチームが一丸となって力を合わせ、6対0と破って決
勝に進みました。野球発祥の地アメリカ代表チームは、2次リーグで日本に4対3と勝ちながら、同じ1勝2敗の日本とわずか0.01の失点率差で決勝トーナ
メントには残れませんでした。決勝の相手キューバも、1次リーグではプエルトリコに、2次リーグではドミニカに敗れながら、準決勝でドミニカを破っての決
勝進出でした。
……と老若男女誰もが諳んじる試合結果を述べてみせる。それが、日本チームのこの完勝できずの勝ち残り、一瞬「もう終わったことに」のはずが最後は天晴れ
なる優勝に自分の姿をば重ねていたことは間違いない。どうにか自民党の総裁レースに残り「?」マークのまま首相になり国民の支持は高いが今ひとつ何ができ
るのかもわからぬまま長期政権となり最後は郵政民営化で沈んだか、のはずが見事な復活。……というわけで昼から雨の本日。下述の加藤周一の文章など読んで
しまい気分的にはブルーノ=ワルターでワーグナーの9番を聴く。ところで先日、蔡瀾氏の随筆で台北のかなり専門的な映画関係専門店を紹介。その店の名を
「秋海棠」と言う。秋海棠、秋海棠……と思ってピンと来ずに数日過ぎしが本日不図『図説永井荷風』という本の頁捲れば川本三郎氏が荷風散人の隠棲の例とし
て挙げたる大正十五年九月廿六日の断腸亭日剰に秋海棠をば知人の川尻清潭より数株もらい受け偏奇館の庭に植える記述あり。大久保余丁町の荷風の実家には秋
海棠多く植えられ初夏に小さな赤い花咲く。秋海棠の別名が断腸花。それゆゑ荷風散人みずからの書斎に断腸亭という名をば頂く。秋海棠はそれで余の記憶にあ
り。
(斷腸亭日剩大正十五年九月廿六日)秋海棠植ゑ終りて水を濯ぎ、手
を洗ひ、いつぞやの松莚子(註:二代目左團次)より贈られし宇治の新茶を、朱泥の急須に煮、羊羹をきりて菓子盆にもりなどするに、早くも蟋蟀の鳴音、今方
植ゑたる秋海棠に葉かげに聞え出しぬ。かくの如き詩味ある生涯は蓋し閑居の人にあらねば知りがたきものなるべし。平成狐眠の悲なからんには清絶かくの如き
詩味もまたなし。と
晩にZ嬢と北角の
寿司加藤。二人で赤貝と笛吹鯛を肴に酒は男
山。それから青森は五戸の菊駒なる純米酒をいただく。美味至極。珍しく二人きりで
バーS。ハイボール二杯。加藤でもバーSでも知己の方に邂逅、或いはお
名前は存じてもお会いする機会なく数年の方ご紹介いただくなどする。帰宅して『図説永井荷風』眺める。今更の既知の事多かれど荷風の養子となった永井永光
氏所蔵の散人の遺品の数々など初めて目にする。罹災した荷風に谷崎潤一郎が送った書簡だの見事。それにしても晩年のところで突然、何の説明もなく小林修氏
の写真があり「小林修 昭和23年12付き、菅野の家の購入に際し尽力した小林は、以後しばしば荷風のもとを訪れている」では好事家以外いったい小林が誰
なのかもわかるまいに。
▼朝日新聞の加藤周一「夕陽妄語」より。今年はドイツの詩人ハインリッヒ=ハイネの没後150年だそうな。加藤周一がドイツの友人から受け取った手紙には
Ich hatte einst ein schönes
Vaterland (むかし、僕には美しい祖国があった)というハイネの詩句書かれてあり。加藤周一は愛国心について考える。
国の場合にかぎらず、その対象が何であっても……神でも、人でも、樫の木でも菩提樹でも、すみれでも野ばらでも、「愛」は外から強制されないものであり、
計画され、訓練され、教育されるものでさえもない。
ここで氏はソロモンの雅歌
愛の自ずから起こる時まで殊更に喚起こし且つ醒ます勿れ
という文句を引き、愛国心について<権力>がそれを強いることの間違いについて語る。「愛」の概念の便宜的な軽薄な濫用。偶然に生まれただけの国が愛する
に足りるかどうか、という疑問のまえに内村鑑三は確かな愛の対象として国家の上に<神>を置いた、という。祖国愛は情念であり自己批判は理性。理性的に制
御されぬ情念から生まれる自己陶酔が容易に排他的ナショナリズムとなる。祖国への愛と批判が両立することの崇高さ。それがないと御用詩人、御用学者とな
る。氏は Ich hatte einst ein schönes Vaterland
(むかし、僕には美しい祖国があった)というハイネの詩を何度も口ずさむ。……おそらく「国民の5%」しか読んでおらぬ話だろう。大切なことなので綴るま
で。
▼香港鼠楽園、開業前から「入場券の割引は絶対にせぬ」と豪語していたものが開園数ヶ月後には香港住民相手に割引料金の提供で脆くも傲慢さに陰りでたが今
度は1度来場すればもう一度は無料という実質的半額チケットの発売開始。開園から半年余でもう末期症状か。南無阿弥。
▼最近、我が国の世論というものがわかってきた気がするが、国民の3割が新聞など読まないとして残りの7割は世論的には20%が読売、スポーツ新聞&夕刊
タブロイド紙が15%、聖教新聞が10%で朝日が5%、残り20%のうち2%が毎日で残り18%が地方紙、という感じでなかろうか。となると産経新聞は何
処に在るのか不明だが築地のH君が「えひめ丸事件のときでさえ日本人の命より米軍の事情が大事とした」産経抄のここ数日の、「野球は人命より重いのか」、
野球に関するマジギレをまとめて送ってくれる。深謝。産経抄の書き手は野球に興味があるのかないのか、「笑話」の昔は野球少年だったが今は正直野球に興味
がない、のか。「つくる会」の西尾先生風には「負け惜しみで歴史の偽造をはかるのは保守主義の伝統を踏みにじるものではないだろうか(慨嘆)」になろう
が、ここ数日の産経抄を辿れば
たかが野球、されど野球である。勤め帰りのサラリーマンでにぎわう
東京・新橋の一杯飲み屋では、セ・リーグのプレーオフ導入は邪道だの、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本は強豪ぞろいの二次リーグを突
破できないだのと、久々に野球談議で盛り上がっている。まじめな松井選手は直前までWBCに出るかどうか、迷いに迷ったという。結局、所属するヤンキース
に貢献することを優先したが、プロとしては一つの見識だろう。ただ、一ファンとしては日の丸のついたユニホーム姿を見たかった。レッドソックスで活躍する
ドミニカ共和国出身のオルティスは初戦で二発の本塁打をかっ飛ばし、国旗を振って声援に応え、「世界中にいるドミニカンに見てほしい」とコメントした。愛
国心は厳しい国際社会で前向きに生きる人々の栄養源ともなる。「偽メール」騒ぎも一段落し、来年度予算案の成立も確定した国会では、教育基本法を改正して
愛国心の涵養(かんよう)を盛り込むかどうかが焦点となるのだそうだ。愛国心は自然にわきあがる感情で法律に書き込むのはなじまない、という議論もよくわ
かる。だが、そうでもしなければならない事情がある。中国にちやほやされ、尖閣諸島周辺での石油ガス田共同開発を持ちかけられても抗議もしないどこかの大
臣や、天下り先ばかり考えているお役人たちがいるからだ。教育現場はむろんだが、政治家や官僚への「愛国心教育」もいますぐに必要だろう。(三月十日)
……このへんに関しては上述の加藤周一氏の記述を読めば産経抄のレベル差も歴然だが、
あまりに腹が立って、きのうは罵詈雑言書き連ねそうで、小欄に取り
上げるのは一日延ばした。いうまでもない。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本対米国戦のことだ。それにしても「(王監督が)納得しなけ
れば、ぼくはグラウンドに戻る気はなかった」と指揮官の猛抗議をあくまで支える姿勢をみせたイチローはさすがだ。やられたらやりかえせ、の大リーグに生き
る男の強さをみた。WBCのうさんくささを察知して不参加を決めたのだとしたら、松井はもっとすごいけれど。(三月十五日)
と米国の不正には「一日おいて」不満を言ったと思えば
「たかが野球」に怒ったり、嘆いたりしているうち
に、もう卒業式の
季節がやってきた。それどころか、きのうは大手流通グループのマンモス入社式があった。(三月十七日)
と今度は韓国に負ければさすがに八つ当たりもできず野球の存在ぢたいを無
視(笑)。で最後は
野球の神様ありがとう。正直いうと野球には関心がな
い方だが、きの
うのWBC準決勝で日本が韓国を破った瞬間、そんな言葉さえ浮かんだ。勝利に向け、これほど一丸となったチームは最近見たことがなかった。(三月廿日)
開花宣言の出たばかりの桜を愛(め)でながら勝利の美酒に酔った。
先週の小欄で、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に散々毒づいたからきまり悪いけれど、世界一となった王ジャパンの快挙をたたえたい。(三月
廿二日)
心地よい興奮の余韻が日本列島を覆っている。「王ジャパン 世界を
制覇」の祝勝気分は職場や学校にもあふれ、王監督やイチロー選手との一体感に酔った。昭和三十年代に野球少年だった小欄などは、もう夢心地だ。(三月廿三
日)
……と、まさに「臆面もなく」とはまさにこのこと。「東京裁判史観」とか騒ぎ立てる一方、中国戦線での敗北を完全に無視する態度と全く同じぢゃないかし
ら。
三月廿二日(水)香港ではWBCでの日本優勝はスポーツ面のベタ記事程度であるがヘラトリ紙に紐育時報の記事でさすがに一面に王監督の胴上げカラー写真。
で記事を読めば“US baseball faces Classic problem”という見出しで“Japan's victory puts
to rest the nation that the World Series is a global
championship”と、つまり米国の職業野球で米国一を決める対抗試合がワールドシリーズという名であることがおかしな話ぢゃないか、と。ところ
でWBCであるとどうもボクシングみたいなんで、わざわざワールド・ベースボール・クラシックと仮名書きするむきが多いが、ふとクラシックというとスポー
ツではゴルフがよく用いる言葉だがクラシックは「経典」なのだ、とあらためて思う。というわけで本日、かなり久々に自宅で晩飯。パスタ。赤葡萄酒は豪州の
Yellow Taleを少し。佐藤優『国家の罠』ほんの十数頁読むうちに眠りに堕ちる。
▼蘋果日報に「港大学者帯団遊日本」と記事あり何かと思えば香港大学博物館のY総館長、館長のA君に港大仏教研究センターの僧侶などの引率で日本の高野山
や奈良京都の仏寺をば周遊というもの、香港大学基金と大手旅行代理店国泰ホリデーの共同企画だそうで一般から参加者募り、A君の旅行団の場合はベネッセ
アートサイト直島などに参ることになる。一昨年秋のY氏、A君らとの旅行がこういうビジネス展開みせようとは。蔡瀾氏に始まり陶傑氏のOxbridgeツ
アーだの著名人と一緒のツアーが大流行り。さしずめ日本なら、辻邦生と歩く巴里魅惑の5日間、とか渡辺淳一が案内する北海道霧の摩周湖不倫旅行、とか思
いっきりNew York with
久保田利伸、となるのだろうが日本では芸能人や著名人はこういうことをすると格が落ちると思っている。が香港はふだんから著名人でもそのへんで買い物して
いて食事しているから、今さら、なのだろう。
▼朝日新聞社が社内での記者らのメール送信だのウェブ閲覧などケースに応じて検閲可としたらしいが三菱東京UFJ銀行も同銀行内での本支店間のイントラ
ネットならば問題ないがネット経由のメール送る時は上司もしくは自分以外の役職者をc.c.にせば送れぬようになったそうな。ファクス送信も立ち合いが必
要。ここまでして情報漏洩防いだ結果避けられる損失と、この漏洩防止にかかる手間ひまはどちらのほうが大きいか、疑問。
三月廿一日(火)曇。日本は春分の日。さすがのスポーツ頓珍漢の我もWBCなる職業野球の世界選手権なるもの「米国で」開催され我が国は韓国に連敗で「も
う終わったことにする」はずが米国が決勝に残るため組まれたはずの複雑なトーナメントルールで日本が韓国破りまさかの復活果たし決勝進出、と話題に追いつ
く。日本は今日は日テレ、読売テレビ系列のテレビに釘付けのはず。香港の邦人も出勤日とはいへ日本が休日でスポーツナビなどでネット実況中継に釘付けだっ
たは当然。で強豪古巴相手。日本選手ではイチローしか名前しらぬ我もついつい日本の序盤リード、古巴もゴンザレスという投手の名前しか知らぬが、さすが古
巴で1点差まで追いつき9回イチローの適打にて追い放しての、確かに見事な試合展開z