香港の自由と言論のため香港特別行政区基本法第23条による国家公安維持の立法化 に反対〜! 

2000 年11月24日からおそらくあなたは 番目の閲覧者です。


一月三十一日(金)曇。明日の農歴正月控え今日より四日の連休に入る。休日だといふのに朝六時には目覚め老 いを感じざるを得ず。暦では昨日が暮の浄め、掃除などする日ながらふと今日の晦日に朝、掃除。ふと思ふは干支、今年羊で支那古来の干支であるから当然未の 年は明日より始まる。つまり今年でいへば太陽暦一月の今日までに生まれた者実は午年となる?午後ジム。風呂屋に参り湯浴みすれば晦日で湯船に枸杞の葉が 二、三枝。太子の花墟(花市場)、年末でかなりの人出、正月用の花いろいろ見て淡い桃色した桃の花、他よか値が高いことを知る。6呎ほどの桃花の束購ふ。 地下鉄に搭る時も地下鉄の車内でもエスカレータでも余のもつ花を見て愛でる人多くその顔に迎春の歓びあり。晩にH嬢、T嬢とともに拙宅に来られZ嬢の肴食 す。菊正宗一升瓶を開けたがZ嬢が一合ほど飲み余とH嬢がかなり飲みあっさりと一升瓶空いてしまふ。桃の花、花瓶がわりのワインクーラーに生けて水やれば 数時間で芽が蕾となり蕾ふくらみ花いちだんと大きく開く。

一月三十日(木)朝早く街に出ずれば農歴正月を明後日に控え(初二 日日曜日と重なり晦日の明日も振替休日にて実質的に今日が晦日扱い)街すっかり人出なく走る車も少なし。朝遅くなれば小売業だのに勤める人 多ければ街も賑わふが工場、建設現場、古くからの問屋だの学生もすでに暮正月の休みとなり街は静まる。朝刊見ればDan Ryan's(実は明後日の晩の予約、昨日いれる)だのAmaroni'sなど広く料理屋経営する女性、 余も面識あり、湾仔Amaroni'sの店を出たところ何者かに腐食性液体かけられる被害。昨年退職させられた職工不満あり彼女を恨み、それとの関連で警 察は捜査、と。この加害者の男、行方知れずながら腐食性液体を紙コップに入れ、それをこの経営者にかけてから紙コップをゴミ箱に捨てて逃亡、と。ゴミのポ イ捨て罰金罰化から半年にて一刻一秒競って逃げる犯人すらゴミ箱利用とは公共道徳心の浸透著し。笑えぬが、この犯罪、ゴミを路上に捨てたところをゴミ取締 官に捕まり御用、とか、それじゃ三流コントか……。歌手杜徳偉君大麻所持にて警察に拘束された件(12月)来 月公判始るを前に杜君の母でかつての歌姫・張露「息子は煙草すら吸わないのだから」と身の潔白を主張。いかにも事情知らずの発言。確かに大麻も燃やして吸 引できるが煙草とは成分異り煙草ほどニコチン・タールの害悪なし。また大麻なら吸って好し、食べて好し、飲んで好しにて煙草吸わぬ者でも大麻に酔えるだろ うに。母の発言も「息子は煙草のような麻薬の中毒患者でない」といふ意味ととれば正論か、煙草のような麻薬に溺れておらず大麻を吸った程度、と(笑)。晩に晦日のお浄めにとA氏らと北角の寿司加藤。小鰭が美味い。近くに数カ月前に開店したといふ日式らーめん 屋の札幌にてねぎらーめん。
▼フジ産経系のニュースサイトzakzakにて「慎太郎HP、17文字で北朝鮮メッタ斬りすでに100句以 上、傑作ぞろい」とこちら。石原 慎太郎君のこのサイト「宣戦布告『NET』で発信 石原慎太 郎」運営するは小 林元喜なる若者(この小林君、時代が時代だったら尊王攘夷であったり全学連であったり、まぁウズウズしていて何 か世界のなかで自分の確固たる位置を見つけたくて、それで石原に飛び入りか……もう少し広く勉強したほうがいい、このままではいいように弄ばれて終り)。 思想信条の自由あり個人がどれだけ北朝鮮罵ろうと勝手だが「傑作」といふには駄作多し。
 コメ支援 送り続けて 核支援 (川柳兄弟)
などは川柳らしいが捻りなく、唯一の傑作は
 金日成 そこのけそこのけ 蓮池とおる (透) (お役人)
か。たんに北朝鮮を侮蔑するのでなく救う会の体質まで見据えている。でも全体として駄作は駄作だし、それを 載せるサイトはセンス悪く、それを傑作と煽て中央政界復帰まで待望するフジ産経の知力の低さ。北朝鮮の将軍様も独裁ひどいがフジ産経にて石原をここまで煽 てるのも盲従ぶりはファッショ。それにしても都知事たるもの、個人サイトとはいへここまで隣国を侮辱しなくてもいいと思うが。H君曰く、石原君の北朝鮮へ の怨念とはあれは権力志向の嫉妬であり憎悪ではないか、と。もしかりに石原君が北朝鮮で将軍様になっていたら大変な事態も予測されたかも……。それよりこ れを都知事にしている都民の心地こそ不可解。
 首領さまにはおよびもせぬが せめてなりた や放言都知事  (築地H君)
これは川柳というより狂歌かも。ただ23歳の小僧には川柳と狂歌の区別もつくまひ。H君指摘するに川柳にせ よ狂歌にせよ権力者に<対して>発せられるもの、それがわが国の伝統。権力側の文化は和歌という正式なものあり。公職にある者が「風刺川柳」募集し、而も それに嬉々として応じる……これはわが国の民衆文芸の歴史を冒涜する文化破壊行為ではないか?、と。石原君を詰ってこそ狂歌。詰られてこそ権力者。庶民と 一緒に外様を詰るとは……。
月本さんが 一言「ナシをつけてからやるのが戦争。外交の一形態」と書いている。そう、これこれ。長い解説など要らぬ、まさにこの一言に戦争の全てが凝縮されている。戦場と指定され たところで戦うから市街銃撃戦はないし一般市民(非戦闘員)も巻き込まれず。日露戦争まではあった戦争の 紳士道。ここまでナシはつけました、だがお互い納得できない、それなら何処かで思う存分戦ってください、と。ある程度決着ついたところで審判が入り戦後交 渉開始、と。サライェヴォにて皇太子きなり暗殺され空爆ありの第一次世界大戦始ったあたりから狂しくなった。弁明にもならぬだろうが日本は中国侵略始めた 時には自軍は戦でなく領土略奪と非戦闘員殺戮始めていても近代戦争といふものを理解しておらず、日清日露のように遠くで戦があるもので、自らに惨禍降りか かるとは思ってもおらず、だったのかも。
▼朝青龍の横綱昇進について書こうと思っていたが月本さんがすでにまとめている。それが御意。朝青龍は 「品格にかなり問題があるこの関取は、しかし本当に強い。面白い相撲をとる」わけで外国人に頼る角界を憂ふ声もあるが「もともと、 江戸時代の相撲は各藩がお抱えの力士を持ち、オーナーたる大名は強いバケモノを所有して戦わせ悦に入っていた。それを大衆は見物し面白がり喝采を送ってい た」のであり、相撲といふもの「バ ケモノの闘いという見世物は、もちろん神への供犠という意味をも持つ。横綱神聖論はそこから出てくるが、別に悪玉でもいいのである。神には品格なんかない のである。人間が神の品格を云々してもしょうがない。あれだけ強いというのはもうあんんたそれだけで神」と。「さあて朝青龍、どうこれから勘違いしていくか、 が見ものである。頑張れ怪物!」と月本氏。まさにその通り。異形ぶりがあってこその横綱。公 家が見物していた当時の力士など言葉通じぬなど当たり前のことで(といふより京の公家と東国の民とだって会話通じぬ時 代)ナヴェツネ牛耳る横綱審議委員会とか横綱の品格とかワケのわからぬことをどうか言わないでいただきたい。月本氏は貴乃花の異形ぶりにつ いても言及されているが昨年五月武蔵丸を優勝決定戦で破っての優勝、余の日剩で「阿修羅の如き」と綴っているが阿修羅かねぶた絵の勇者、つまり人に非ず。

一月二十九日(水)晴れ。アンドレ=ジッドの日記、1950年代新潮社より刊行、その出訳決定版日本 図書センターより出版、全5卷。92年に小澤書店出版に挑み途中中断していたものを継続、と(日本図書新聞)。 読みたし、が分売不可の3万円。昨年購入せし荷風斷腸亭日剩(岩波書店)全7卷35,800円と遜色なし、だが高いことにかわりなし。晩に搭りたる的士の 運転手、最初機嫌よき人が銅鑼湾に入りヴィクトリア公園にて旧正月前控えた花市での渋滞(正確には花市の人出などまだ可 愛いものの公園前にて泊まる路線バスの数ばかり多く弊害)に巻き込まれむとする瞬間から「予感」あったのだが運転手氏「湾仔経由する」とい ふゆえ時間多少早いかも知れぬが道程加算され料金に変わりなく花市見物も兼ね公園傍通るよう請ふと途端に自律神経失調始まり軽い痙攣にて首振り必要以上に ブレーキ踏みアクセル蒸し無理な割込み、窓開けて吐痰、独り言、渋滞への罵詈雑言と逗まる処知らず。それで渋滞過ぎれば高速でとばし機嫌よし。怖い。コ ロッケ揚げる。米国大統領の一般教書演説あり。米国と世界は(イラクの)核と生物兵器の恐怖に曝されてい る……と。世界が曝されているのは米国の覇権主義と軍事的脅威に他ならず。それにしても大統領・小布殊君の知力の低さは今更言うまひが、あの教書演説の物 言い、あれってSimon & Garfunkelの81年の紐育Central Parkコンサート聴けばわかるがPaul Simonの曲間のMCと同じ吟誦、彼の国おいて多数の聴衆が最もsmoothに聞き入られる吟誦使っていないか、訓練して(ブッシュと並べるとはPaul Simonに失礼か)。いずれにせよあの程度の演説に、演説する方のことは今更言ふまひが、あれを聴いてスタンディングオヴェーションして しまふ聴衆=議員如いてはその議員選ぶ国民に恥ずかしさなきものか。言葉として米国の正義、自由といわれると何も否定できず盲目的に称賛せねばならぬ、そ の思考での不自由さを憂ふ。勿論、正義と自由は普遍的価値観、ただ問題はそれにいつも「米国の」と冠らないと気が済まぬ、その尊大さこそこの国家の生命源 であり最大の不幸。小熊英二『<民主>と<愛国>』少し読む。大嶽秀夫(独逸での客員研究を経て仙台に戻った大嶽先生の 帰国記念公演、懐かしき20年ほど前のこと)『戦後日本防衛問題資料集』三一書房よりの引用にて1951年の「まだマトモだった」社会党の 再軍備反対決議に「再軍備と自衛権を混合せず、冷静に区分して考えねばならずぬ」とあり。自衛権そのものは認めるが現状の再軍備は一種の「傭兵」にすぎ ず、「第三次世界大戦に引き込まれる危険をもっている」と。自民党に利用されての自社連立の時にこのような理念あればまだマシだったが、キョービの現実は 「再軍備」を「イーズス艦派遣」と置き換えればそのまま。
▼昨日の産経新聞「産経抄」に「連続優勝した朝青龍の横綱昇進は文句なしだが、初場所各段の優勝力士の顔ぶれ一覧に はただ驚く。“青い目”一色だからだ」とあり、と築地H君。実際には序の口のブルガリア力士は青い目かもしれぬが幕下がグルジア、十両、三段目がモンゴル で序二段はアマガルサキ、とグルシアはよくわからぬが少なくても青い目は一人かせいぜい二人、“一色”ぢゃないだろーが。外人=青い目、って明治時代ぢゃ ないんだから。「産経抄」やめて「産経妙」のほうがいい題かも。朝日も読売もひどいが産経から比べるとまだ腐っても鯛、か。H君曰く、朝日と読売の差より 読売と産経の間の断絶は大きい、と。御意。しかもこの日の産経の紙面、「もんじゅ訴訟原告全面勝訴」を大きく扱いたくない一心で朝青龍とアメフトスーパー ボウルをカラー写真入りで一面センターだそうな。呆れてモノも言えず。
▼再び雀右衛門の美について。築地H君と。雀さま昨日紹介せし「老人面」にて曰く「女形で縮めた体が、もと の男の体に戻りにくくなった」のでストレッチに念を入れてるとか。H君「女形の身体とベルサーチの革ジャケット着る身体は同じ雀さんの身体であって而も一 つの身体にあらず、か」と。この肉体に対する思想、普段から女で生きてる大成駒や大和屋とは別の身体観。而も「太ってはいけない」という厳しい自己鍛練を 規している点で梅幸・雁治郎とも明らかに一線画すもの、とH君。ふつう82歳にもなれば「体重が落ちないように」養生するもの(H君)。そういった意味でライバル?は異形の女形・芝翫丈か。ただ神谷町のおじさん(芝翫)の場合は「紳士がお婆 さん」に変化するわけで(川口松太郎「江戸みやげ」で宗十郎相棒にした「おばさん」役は芝翫の生涯の当り役と、H君)革ジャンの兄貴が花魁揚巻になる京屋(雀右衛門)とはかなり異る変化。そういう意味では梅沢富美男あたりが本当のライバルか?とH君。かなり近いかも。 ただし女に変化する前のダンディズムにおいては京屋、一枚も二枚も上手か。
▼首相小泉三世、参院予算委員会にて靖国に対して見解表明朝日。 「死者に生前の罪まで着せて、死んでも許さないというのは、日本人にはあまりなじまないんじゃないか」という点は理解し難くもなし。が「こういう気持ちも 外国の方には理解して頂きたい」といふのが、しかもその死者=軍人により土地を蹂躙され肉親殺された人々にとっては「日本人の生死観」で済まされる次元で なきこと。それを踏まえず「理解してほしい」といふのは甘え。それにしても「私が首相である限り、時期にはこだわらないが、毎年、靖国神社に参拝する気持 ちに変わりはない」と小泉君。「首相やめたら参拝しないのか?」と揶揄はせぬが。官房長官福田二世「個人の立場で、自らの心情から出た行動ですから、その ことについて政府としてとやかく言うべき筋合いのものではない」と述べるが詭弁、首相といふ公人であるからこそ「個人の立場で自らの心情から出た行動」が 個人の範疇では済まぬのであり……と書いていてまた思いだすは彼の国のクリントン君の情事、あれも言い方によっては「個人の立場で自らの心情から出た行 動」か。いずれにせよ小泉三世一昨年七月の党首討論会にて述べたといふ「日本人の国民感情として亡くなるとすべて仏様になる」といふ発言は明らかに拙し。 国民感情といふが仏様になるのは仏教のみ、しかもそれは仏教徒の信心であり国民感情でなし。こういった発言をしてしまふ智慧のなさ。この発言にも勝るとも 劣らず、否、相手国にて表明してしまった点では更に拙劣なのが中国大使阿南二世、今月14日に小泉三世靖国参拝について中国外務省に呼びだされた際「首相 は自らの政治信条に基づき、日本の国民感情を考慮して参拝したと思う」と宣ふ朝 日。小泉三世の「自らの政治信条」は正しかろうが「国民感情を考慮」と……靖国に対しては国民の意思統一された「首相に参拝を願 う」意思など形成されておらず、寧ろ世論を二分する大きな問題。それを相手国にてかう伝えるとは、外務省チャイナスクールの優等生にて親中派の官僚と言わ れているが、さすが太平洋戦争開戦時に帝国陸軍第11軍司令官として漢口(武漢)にあり陸軍大将を経て 45年終戦直前の鈴木貫太郎内閣で陸軍大臣、御前会議で本土決戦主張し敗戦の日に自刀せし阿南惟幾(一世)の ご子息、当然のことながら阿南大将、靖国の神のお一人として祀られ、阿南家にとって靖国を奉るは当然=国民感情か。それにしても阿南大将の遺文「一死以テ 大罪ヲ謝シ奉ル」、残念ながら阿南一世の一死を以ても殺された側の赦しなど得られるはずもなし。「神州不滅ヲ確信シツゝ」と遺すが神州すでに滅びて久しか らず。

一月二十八日(火)晴。
▼日本の新聞読んでも世界の「戦略」なるものちっとも理解できず。が香港『信報』経済紙でありながら社主兼 編集長林行止氏の双眼世界を見渡すこと秀逸(……かういふ表現も目の不自由な方のことを思ふと不適切、とか指摘あり?)軍 事戦略とはどういふものかという例としてネパール挙げて語る。尼泊爾(ネパール)にまだ米国により国際テ ロ集団に含まれておらぬが尼泊爾毛沢東派共産党(CPN-M)あり。山岳地帯に篭り武装闘争続ける。敵な るは王室内クーデター成功させ前国王ら王族虐殺し王となった(……なんと「劇的」な出来事)、米国支持取 付けた独裁、反民主の国王 King Gayanendra。米国はネパール政府軍に武器供与続け政府援助も多額。今になって思えばあの王族銃撃事件とて突発的とは思えず、かなり計画的に仕組 まれ、しかもそれに彼の国が絡んだといふ憶測も可。では米国の目的は何か? それが米国にとっての「友好的仮想敵国�ookpaktsuen」中国包囲網 の整備、と林氏は指摘。中国にとって友好関係にある隣国は北朝鮮のみ。ロシア(旧ソ連)、越南、パキスタ ン、印度とはかつて戦火交え未だに蟠り溶けず、西域イスラム系国家とはウイグル自治区の帰属問題あり。でネパールは米国にとってこの地域の軍事的拠点とす るには恰好の環境にあり。つまり現国王、そういった世界情勢のなかで米国によって地位安定が図られる。こういった戦略が世界を覆う。台湾問題でも地味で余 り報道されてもおらぬが欧州共同体、27日に台北に経済貿易事務所開設。北京にとっては不快ながらWTO加盟の台湾とEUにとっては当然の「事務」手続き にてWTO新参者の中国政府「政治的」にこれを非難できず。世界的に国交維持の難しい台湾政府にとって欧州26カ国とのこの経貿関係の「政治的」密接化は 重要。しかもこれをEU側で推進するのが北京にとって「千古罪人」と名指しされた香港末代総督Chris Patten卿。
▼首相小泉君衆院予算委での公約不履行「大したことではない」発言について「不適切な発言だったと反省」 「まだまだ修業が足りないなぁと」と反省の弁。修業途中の青二才ならまだしも一国の政治与る内閣総理大臣なる職、職に就いて徐々に業修るほど易しき職に非 ず。修業済み達観した者がなるべき職(……達観したら政治など呆れて拘わられぬか)。感情的に「大したこ とではない」などと宣ふうちは首相たる職の器にあらず、小泉君自身の覚悟浅く、改革成就など遥に遠し。まぁ彼の国の大統領とて執務室書庫にて尺八遊びに興 じる程度の「ボク」勤めた実績あり、かつての独逸ブラント首相の頃の如き大人の政治倫理、価値観など求められず、か。
▼朝日の衛星版は夕刊記事混合だがさすがに衛星版にない「老人面」なる連載、築地H君の知らせでそこに京屋(雀右衛門さま)登場し「体重には気を使ってます。太った女形なんで誰も見たくないでしょう」と放言、と。これを読 めば誰もが懐古するは梅幸のあのぽってりとした藤娘、それが可愛いかどうかは見る人の価値観の問題だが、音羽屋の生前には「太った女形なんて……」絶対に 言及できず。大成駒の逝去にて雀さま天下、何でも言えるか。神谷町(芝翫)とて道成寺などまるで大成駒の 道成寺などなかったかのような発言あったが。京屋にとってラッキ〜!だったのはポスト大成駒の筆頭である大和屋(玉三 郎)、老いても華麗なはずがいい意味でも枯れて水谷八重子的、それによって華麗さ留まるところを知らず成長続ける雀さん相対的に目立つ結果 に。
▼宮台先生について築地H君と考察の結果、最終的には、先生、親政による革命おこしたいのかも?、と。建武 の中興とかいい例か。ただ天皇にはなれないわけで、宮中の止事なき方との縁組み、「女帝論議の流れによっては、うまくいけば、ひょっとして「天皇の父」に なる可能性も」とH君。田吾作を抑えて、天皇陛下の外戚として摂関政治の復活とか。

一月二十七日(月)晴。寒波再襲。先週末よりスパムメール世界中を席巻したそうでかなりの数のスパム メール受取り削除も面倒であったがついに余が生業に使う某機関のサーバーもスパムメール大量に蓄積し不能に。管理会社にスパムメール除去依頼。迷惑千万な 話だがウイルス対策はソフトにしろ人材にしろ電脳インターネット産業において重要なる商売の一つとなっており、これを生業にする者も多し。すでにウイルス との「もちつもたれつ」の産業基盤が成立してしまっている、と認識。いずれにせよ世の中が間違っていること、それは世界中がマイクロソフトのヰンドウズで 作動している、といふこと。27日に米国がイラク攻撃開始か!と思っていたら実はウイルスがマイクロソフト社製の企業向けデータベースソフトを狙って攻 撃、朝日、 またもテロリストの勝ち、か。だからテロなんて防げないんだって……テロの復讐心を起すような社会システムであることが問題。だけどここまでくると美学だ なぁ「企業向けデータベースソフト」だけ襲撃、一般市民無差別攻撃せず、企業=資本だけを狙っている。これまで最近は日に150ヒットほどになっていたこ の富柏村サヒト先週、金曜日に突然50件弱にヒット件数激減し「飽きられたか」とか「突然のURL変更でサイト見つからぬか」などと思案、URL変更はお 知らせが旧址にあり、飽きられたといふのも突然すぎ、もしかすると日に150ヒットといふのも実は旧址virtualave.netの接続に問題ありつな がらず何度も進入試みた方が失敗し再度進入でカウンタだけ上がっていて、実は日に50弱のヒットこそ実態だったのか、と悲観的観測。だが実は自宅でなんて 時間もったいなく暇潰しに「仕事中に富柏村日記読む」方多く、会社のサーバーがダウンしているところ少なからず、もっと凄いのはウイルス侵入に警戒し会社 のサーバーのアクセスを中断して自衛する企業まであり、とわかり納得を通り越して安全保障の極端さに唖然。わずか10数年前に富士通のFMなんとかといふ 小さなパソコンにてパソコン通信始めインターネットは9年ほど前だか香港科学技術大学が香港にて初めて開いたhksuper.netだかで加入、 world wide webとは何か、朝日新聞もasashi.comだかでニュースが見えるとかと新聞にあり畏友M君と「どうしたら見れるんだ?」と手探りで勉強、少ない資 料からモ ザイクなるブラウザをダウンロード、初めて画像を見た日からわずか7、8年……あっという間に世の中インターネットとなり今こうしてインターネッ トの災害に世界中が戦々恐々右往左往。すごい世の中にいつのまにかなっていた。こういったインターネット世界で何事か発生するたびに書棚に眠ったままの Manuel Castells "The Internet Galaxy" (Oxford, 2001) 邦訳ありかどうかわからず……読まねば、と思いつつ未読。これは書名示す通りマクルーハンの『グーテンベルグの銀河 系』(みすゞ書房)を意識しているのだが、この "The Guthenberg Galaxy" すら実は未読のまま書棚に。どうしようもない。晩に豆乳下味にした汁で野菜メインのしゃぶしゃぶ、どうしても朝刊にあった人乳鍋がアタマ過るが目の前で美 味しそうに頬張るZ嬢に人乳鍋の話できず。ニュースにバクダッド市街で茶を啜りつつ水煙草吸うオヤジたちの憩ふ姿あり、あヽして憩いたいと思いつつオヤジ たちの独特の体臭の強烈だと思うと、ふと体臭がキツイから香辛料だの芳香料だのが発達したのか香辛料など多くとるため体臭もキツクなったのか、いずれかか と思ふ。わからぬ。ニュース10で健やかに育つ愛子様の映像あり愛子さまが歩き始めヨチヨチ歩いて雅子さまに抱かれたところで映像は突然、車を下りて足早 に建物に入る雅子さま、一瞬何事かと思えば映像は曽我ひとみさんが運転免許取得のため教習所へ、というニュース。お顔立ちが似ている、とか、それもある が、何が似てたって車を下りてマスコミが待ち受ける玄関を伏し目がちに、でもちゃんと笑顔を見せて、といふその仕種一挙一動が雅子様と酷似。どういふこと かといへばこの拉致被害者の「方々」のお一人でいらっしゃった曽我ひとみさん、日本に帰った時のあの緊張感と驚きに言葉なかった時からわずか数カ月でマス コミ取材に囲まれた日々の中で皇族と同じ「ニン」になったといふこと。それくらいのマスコミの凄まじさ。ビートたけし曰く「あれだけさらしものにしておい て『(北朝鮮に)帰すな』もないよ。あんなに日本中に顔を知られたら、ゆっくりと暮らす余裕なんてないだ ろう」と。御意。同じニュース番組で「いま入ったニュースです」ではエアジャパンのソウル発の便、成田空港にてオーバーランした、と。しかし滑走路の先に 設けられたオーバーランエリアにわずか10m入っただけで怪我人もなし、香港の旧・啓徳空港であれば僅か10cmのオーバーランでも海に突っ込んでいるわ けで(実際に91年だかに中華航空機のオーバーラン、海に突っ込み機体切断の事故あり)、そういう事故で ないかぎり「いま入ったニュースです」と伝えるほどだろうか。朝青龍らモンゴル力士の大活躍では「なぜモンゴル出身の力士がこんなに強いのか、その秘密を 探ります」とか、って、実は「柏戸はモンゴル人だった!」とか特ダネでもあるならいいが、「モンゴル相撲が源流」だって……そんなことくらい小学生でも 知ってるだろうが……ホントにテレビ制作陣、バカかもしれぬ。相撲といへば吉報と思ったのは横綱審議委員会の委員長・渡辺恒雄の引退朝 日。溜飲下ル思いだが後任が石橋某なる共立女子学園理事長、で77歳、ナヴェツネが76歳で辞任理由を「かねてから委員の(在任期間を限る)定年制を主張してきたから」と宣ふが、そんな一筋縄でいかぬがナヴェツネ、何を企むかと思えば、 さもありなむ、委員長代行なる職を新設、これにナヴェツネ子飼のNHK史上最悪の会長と誉れ高き茨城の田吾作・海老沢某(68)が 就任。つまり石橋某は傀儡にて海老沢が実質的な会長、近い将来会長にするための布陣にすぎず。ナヴェツネ05年まで委員として残留、石橋某、海老沢と続く 時代に院政、もちろん狙いは読売グループの将軍様に飽足らず海老沢NHKへの食い込みに他ならず。それにしてもナヴェツネ、朝青龍について「好感を持てた のは初場所千秋楽、国歌吹奏の時に一緒に歌っていた姿。敬意を表すのを忘れていなかった」と。バカである。鍋常がモンゴル力士君が代歌うのに感動するのは 野暮だが自由、だが横綱審議委員会委員長なる者、立場としては国家、国歌など措いてまず横綱になるこの力士の相撲に共感すべし。「本当なら日本人力士に頑 張ってほしいがモンゴル人でも君が代歌ったんだから可愛い奴」といふ程度の発想、これが日本のマスコミの将軍様、世も末。
▼宮台氏の「田吾作」による天皇利用を終焉させ近代個人主義を確立させるために天皇個人への尊崇を通過する ことを戦略的に選択した、といふ思想展開、築地H君曰く「アンタ今さら北一輝?」と。確かになぁ。それにしても問題は「援交から革命へ」を選択していたに してもH君のいふ通り革命で「やはり日本史上、成功したヤツはいない(笑)」と思えば、宮台理論に拠って も「すべての社会運動は成功してナンボ」だと思えば「負けてもその闘いが次の世代へと引き継がれるのだ」などという白土三平流は無意味なのか、と。これは たんなるロマンなの? そういへば白戸三平『カムイ伝』だって、あれだけ熱く読まれた時代あったわけで、あれを読んで大人になった人たち世の中を担う年代 となっているわけだが、あの作品で得た精神が血となり肉となったのか、たんに若い頃の漫画で終ってしまっているとは思いたくないもの。
▼先週の新聞読んでいると24日の朝日「夕日妄語」にて加藤周一氏のお得意な「ふと居眠りしていて私は芝居 の夢を見た」といふ書出しにて、題して「初夢軍逆波(はつゆめいくさのさかなみ)」。夢芝居の筋はおいと いて米国のイラン征伐に正当性なく「爆撃すればバクダットの廃墟から「民主主義」がたちあらわれそうな気配もない」のであり石油目当ては戦争目的にはなら ず(これは強盗以外の何ものでもなし)。で加藤氏の読むLe MondeであるとかLa Republicaなどには反戦を支持する市民の多さが報道されローマ法王による戦争は危機解決にならず国際法の尊重呼びかけが載る。が、そういう世界の 風潮のなか世界=米国と勘違いした東洋某国は最高法規たる憲法に「武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄 する」とありながらその政府は明かな違憲行為に当るのに戦争の現場へとイーズス艦派遣することで世界のなかで役割果たしていると誤解。世も末日なり。
▼狂っているのは日本政府ばかりでなし。新聞読めば些細なことながら日頃その健脚自慢、家族の再三の注意に も反して香港でも有数の交通危険地帯となった北角の狭く交通量多き英皇道の横断歩道、信号無視し、暴走するバスの隙間縫って渡るを得意自慢とする老人あ り、遂にバスに轢かれ死亡。これこそ自業自得、哀れむ言葉もなし。中国湖南省長沙のレストラン、奇を衒って「人乳宴」売りだすが人道的見地から非難多く中 止(蘋果日報)。滋養強壮に、と胎盤だの胎児食す奇食あり、それに倣ったか。母乳提供す「栄養師」、 20〜30歳の哺乳期にある「山区村婦」にて「工業汚染なき辺鄙」ゆえに母乳も栄養高、と。この婦女6名にて毎日2,400ccの母乳を産出。名菜は人乳 鮑魚(鮑の人乳煮)、人乳肚花(魚腑の人乳煮)、乳香蘋 片(蓮根の人乳煮)、人乳魚頭火鍋、人乳豆腐湯にデザートは人乳黄瓜。強いていへば野菜足りず、料理が煮 物ばかりなのは乳の栄養分毀さぬには油での炸炒モノ避けた結果か。商業発展も盛んだが繁盛狙い奇を衒うこと甚だしきは中国、この人乳宴も人辱宴(いずれも発音はren-ru-yanと同じ)と非難される。
▼蘋果日報の看板エッセイ・蔡瀾氏数回にわたり60年代文化懐古。さすが当時謳歌せし氏の内容と感心して読 んでいたが本日、その最後に「もし60年代形象を見たければKonemann出版の中英日対訳の"1660S"をご覧あれ、と。これがネタ本か。それにし ても香港代表する随筆家、ネタ本見てただ書いてはいけないし、反対に親切にネタ本バラすか、普通。よくわからぬ。

一月二十六日(日)曇のち晴。ランニングクラブのハイキングZ嬢主催し16名ほどの参加にて黄大仙よ り慈雲山まで小巴、観音廟まで古道のぼり獅子山の絶壁、初めて望夫岩。妻、遠くへ戦か商いかで出かけた夫偲び待ち焦がれるうちに岩になったといふ言い伝え ある子供背負った婦人の形した沙田の吐露湾見下ろす大きな奇岩。現代では中国大陸のほうを見るその向きからしてさしずめ深センに妾囲い香港に戻らぬ夫を待 つ妻か。慈雲山上、沙田峠の恒益茶店にて牛南カレー、カレー魚蛋、カレー鶏翼などカリー三昧で麦酒。帰宅してドライマティーニ飲みつつBaborakの バッハ無伴奏チェロ組曲聞きながら入浴し憇ふ。昨年の旧正月に年の大根餅購うつもりが正月まで予約で一杯と予約もできずの上環は蘇坑街の慶真粥品郷にて今 年は早めに予約入れ昨日Z嬢が受取り、これを賞味す。
▼築地H君も書いてきたが宮台真司氏が奥平康弘氏を相手に語った『憲法対論』話題になるが宮台氏の昨今の天 皇主義が如何なるものなのか。『週刊読書人』1月31日号にて東浩紀、宮台氏の思想について曰く、問題は 「官僚や政治家を含め、この国の市民が、自らの生活を支えるシステムについてまったく感心を抱いていないように見えること」であり「日本人全体が「民度の 低い」「田吾作」でしかなく、そのせいで制度全体がボロボロと崩壊し始めて」おり宮台氏はかつてはこの田吾作らが「戦後民主主義の諸制度を食いつぶし」 「それは田吾作社会の自壊現象であり、そのあとでこそ近代主義=リベラリズムが可能になるはずだった」のだが宮台氏は2000年に上梓した『援交から革命 へ』を昨年末に文庫化するにあたり『援交から天皇へ』という書名に変えたのだが、よーするに宮台氏はその田吾作らが天皇を頂き何も考えないでただ崩壊して ゆくヌルい社会にあって敢えて自らが天皇主義を掲げることでそういった「田吾作による天皇利用」を停止させ、天皇に個人的崇拝を抱くことを日本に近代を再 導入するうえで積極的に活用しよう……と、そういうことだろうが、これってかなり難解かも。ただ問題はかつて京という都にあってその田吾作らから隔たって いることが人格であった天皇がその田吾作らによって担がれたのが明治維新であって、確かに皇室自体が明治以降近代化を果たしたのも事実だが、近代の導入に 利用できるほど天皇は政治的利用価値があるかどうか。むしろ田吾作排除こそ<社会>では無理なのであり荷風先生の如くそこからの乖離以外ない?
▼前週に引き続き『週刊読書人』1月24日号で小熊英二 『<民主>と<愛国>』刊行を機とした小熊氏と上野千鶴子女史との対談。結局、小熊氏が男でなく「男の子」であると女史切り込めば小熊氏は(40歳の慶應の総合政策学部の教員……だが見た目今どきの20歳の学生なのだが)否定するどころか永遠に成熟した 男になりたいと言い続けた江藤淳を持出し「男」よりも「男の子」のほうが「公」を論じたがる、と言い逃れる。で結局は小熊クンが陳腐な国家主義再構築など には往かないだろうと判断できた上野女史が小熊クンのような優秀な男の子に「満足です」と終わる。すごい世界だよぉ〜。
▼以文社よりMichael Hardt & Antonio Negriの『帝国』 ようやく刊行。翻訳大国日本にあって正直言ってこの『帝国』翻訳本刊行遅し。この本、Harvard University Pressより刊行されたのが2000年の春。それから早三年!、この間にこの<帝国>の成長著しく9-11や今回のイラク攻撃など発生し世界はこの<帝 国>化に向けて着実に進行。訳者の一人である浜邦彦氏、余にメールい ただき2001年夏に共訳者で合宿にて翻訳作業急ぐとおっしゃっていたが韓国にて翻訳刊行早く(確か2001年末)台 湾での中文訳も昨年の9月。朝日新聞が「翻訳刊行前から話題となる異例」と記事にしたのが昨年5月で7月に以文社より刊行予定と紹介。その朝日の記事によ れば著者この書物を湾岸戦争終結の頃に書き始めコソボ紛争勃発前(99年)に書き終えていたそうな。 2000年に出版されていれば今よかもっと「タメになった」かも。
▼『アホ でマヌケなアメリカ白人』Moore, Michael著(柏書房)原題:STUPID WHITE MEN、かなり売れている。これは米国の白人「国民」にとっては自らの馬鹿さ加減を省みる意味で重要であろうが、日本では発禁にすべし。日本人が読んで 「やっぱりアメリカ人はバカなんだよな」と感じても劣等感逆立ちした歪んだ優越感ばかりなり。アメリカ白人もバカだがそれと戦った翌日からはマトモに語っ たことなどなきまま理解もできぬままそれに親しみ覚えるのが日本、これを読む資格なし。

一月二十五日(土)曇。此数日生業に追われ本日も沙田にて競馬ありがなら馬場に向へぬ日も馬券だけは 購ふを常とするも昨日より競馬新聞見る暇さへなく競馬できず。香港におらずとも北京から携帯にて馬券購入までする我にとって尋常に非ず。晩に帰宅せむと 搭った的士の運転手、確かに土曜の夜にしては中環方面に向ひ渋滞ひどしといへど逆方向に走るのだから交差点の渋滞さへ避ければ道も空くのに運転手興奮遠回 りしてもで渋滞回避したく何度も余に迂回を請ひ親しき運転手仲間と発狂した如く渋滞情報の交換に余念なし。塞車〜!、塞車〜!と矢鱈とうるさく流石に我慢 できず昨晩もさうであったし香港にて渋滞なければ寧ろ驚くだろーが、えっどうだい?と質し黙っていただく。帰宅して郵便物見ればキャセイパシフィック航空 のマイレーヂAsian Miles、AmexとVisaに貯った点数振替えれば70,000点となりビジネスで日本往復〜!と思へば疲労困憊も多少楽となる。前回の日本往き、一 昨年の八月もこの特典にて帰国からはや一年半。月刊『東京人』の松葉一清氏による巻頭連載「東京発言」、松葉氏の洗練されたる随筆に東西の冴者による東京 に関する発言載せ短くも適切なる一言を松葉氏付ける。東京に対する愛着さゆへ手厳しさもあるが今月つひに氏、暮れに訪れし紐育の活気と東京を比べ「首都が 国際的な都市間競争の落後者となる恐怖がどれだけ東京のひとたちの間で共有されているのか。近未来の地獄図を思う」と。これまでも悲観的に忠告少なからず とも遂にここまで述べねばならぬ現実か……と悲しき思ひ。同じ『東京人』に乱歩の特集。一度でいいから乱歩邸、書眠る蔵にて古今東西の書、読み耽りたし。 乱歩、専業推理作家となり『一寸法師』など発表し流行作家となった昭和2年に絶筆し数カ月の放浪、その後復活せし作品が『陰獣』とは……この数カ月に耽り たる窟は何処か。ふと『芋虫』読みたいと思うが角川文庫版絶版。小学生の頃に乱歩の怪人二十面相シリーズ貪るが如く読み耽りしが今にし思えば乱歩のその貪 欲なる捜索意欲も少年探偵団の小林少年の如き少年ら、さうして乱歩作品の虜となり貪り読むが姿想像すればこその意欲か、と察す。リチのCurico Valleyのシャルダニイ、Montes'02(これ、美味いぞ)で煮牡蠣のパスタ生クリーム合え。秋田系カナダ人か、カナダ系秋田人かよく解らぬがい ずれにせよ親友T君よりカナダ土産にと頂戴したGibson's Finestなるヰスキー飲みいい気分。
▼警視庁情報公開センターの監視カメラ警察側「防犯カメラの一つ」と説明「センターは玄関から20メートル 離れた所に入り口があり警備担当者が受け付けを済ませるように言ってもそのままセンターに向かう人がいる可能性がある。不測の事態に備えて防犯カメラが必 要」そうな。そのような問題あれば玄関の防犯体制を厳しくすればいいのであり、情報公開センターでの不測の事態とは何か? 警視庁資料を見ながら自慰に耽 る奴とか、か。
▼視覚障害者の男性(72)が国会にて各党まわり「選挙の当選祝いにダルマに目を入れるのはやめていただき たい」と要請。「目がなければ不完全だという差別意識につながる」と。画龍点睛といふ言葉も使えない? 平等とは果たしてこういふことか。差別、であると か北朝鮮拉致者=北朝鮮に拉致された「方々」といふ言い換えとか、なぜにここまで神経質に……。根本的な、理念としての普遍的価値観とか理解できぬまま表 層的な言葉の用法であるとかばかり意識し、それだけで「よし」とする安直なる社会意識。茶番。

一月二十四日(金)曇天強風。
▼米国防長官対イラク攻撃に反対姿勢みせる獨拂に対して「古くさい欧州」発言。仏独が猛反発。仏蘭西は「世 界を好き勝手に支配したい米国の高慢さが出た」と指摘。米国こそ西部「開拓」時代からの勧善懲悪の「古くさいアメリカ」引摺りEUに見られる国家主義であ るとか「政治的な」民族主義からの脱却理解できず。
▼日本公衆衛生協会開催予定の「生活習慣病予防週間シンポジウム」講演者作曲家三枝成彰氏愛煙家であること から禁煙団体が同協会などに交代を申し入れ急遽中止に朝日。 三枝氏禁煙嫌煙運動に批判的な発言あり同協会諸般の事情で事業効果が達成できないと判断「当日までに時間がなく内容変更より中止の方が混乱しないと考え た」と。禁煙団体側「中止するとは思わなかったが、一つの英断かなと思う」と評価するが圧力団体側の期待以上に圧力かけられた側がビビって過剰反応の現実 はまさに日教組全体集会の会場貸し取消しだのマスコミの過剰な差別用語回避だのと同じく自由なはずの日本社会の「市民革命経ておらぬ」ムラ社会ぶり露わ。 こういった民度ぢたいが「思想信条の自由」にまで抵触する違憲さあることも憲法すら会得しておらぬ社会では感じられず。三枝氏曰く「生き方の話をするつも りだったのに、たばこで降ろされるとは思わなかった。たばこが体に悪いのは確かだし、ヘビースモーカーなので怒る気はない。ただ、個人の好き嫌いを縛るの はよくない。ビートルズの写真からたばこが消されたとの報道があったが、声高に言えば通るというのはファッショに通じるようで怖い。たばこをやめるつもり はない。たばこをやめ長く生きていい曲が書けないならば、短く生きてもいい曲を書きたい。でも、できれば長生きしたい、そう思っている」と。いいなぁ、こ の発言。確立した自己と、愛煙でありながら長生きも夢見る本音。

一月二十三日(木)晴。
米国の旗艦空母Constellation、イラク沖にてすでに臨戦態勢と。11月22日前後に戦に向う旅路のほんの 束の間香港に遊んだ米国の子どもたち、あの無邪気な笑み、今ごろ正義に燃え労しく勤める、か。それにしてもConstellationの艦内の壁に大きく "We will always remember 9-11" と書かれ鷲がWorld Trade Centre炎上するを見ながら涙する絵あり。これとイラク攻撃、本来関係なき事ながら米国にしてみれば米国に逆らふ者すべてテロリストにて敵、と。米国 あの9-11忘れぬように米国の覇権にて討たれた敵もまた米国への恨み忘れぬことを理解できぬこと米国の哀れさなり。相手の傷みも理解できぬ者、本当の強 者にあらず正義漢でもなし、ただの威張りん坊にすぎぬ。

一月二十二日(水)快晴。昨晩富柏村サヒト移転すませ復旧していたvirtualave.netの旧 址に移転告知遺すが案の定朝になるとまたサーバー死んでおり移転知れぬ方も多かろうと察す。もっと早くの移転決断をすべきだったと反省。それにしても連日 のサーバーダウンにて70万にのぼるvirtualave.netに属すサイトの不便甚大のはず。もはや改善の余地もなしか。米国時間の晩にダウンし朝復 活ではまるで節電か?と冗談にもならず。午後遅く先週に続き請われて10数名で銅鑼湾の歴史散歩。黄泥涌とよばれた沼湿地の如き一帯、鵝頸橋と呼ばれた橋 のかかる河(Canal)埋立てられその先のトラム操車場(現在のTimes Square)、今日銅鑼湾と云われる繁華街一帯がこれといった名もなく、それ故に大丸という百貨店の名がミニバスの行き先となり、利銘澤氏による一帯の 開発と戦後の日本人への恩恵、ジャーディンマセソン商会の名残、保良局は職員の厚意にて内部見学許可され1956年の三井洋行会社(藤田一郎氏が支店長) の寄付の記録などある重厚なる建物の内部を参観、掃桿埔の香港大球場横に明治から昭和にかけてあった旧日本人墓地跡地など巡り銅鑼湾道に沿った曾ての「銅 鑼湾」と呼ばれていた街歩く。本来このあたりから現在の天后電気道にある銅鑼湾街市あたりまでが銅鑼湾。終わって参加者の有志と天后の“濃情”なる名の地 場パブにて麦酒。競馬簡単に予想して馬場に向かうつもりが気力失せてZ嬢に電話すると丁度銅鑼湾にてバスに乗ったところと天后の場外馬券場にて待ちあわせ 天后電気道にある順寿司分店。5年ほど前の香港彷彿するが如き「香港型ヤッピーと連れの女性」が数組生息しており驚く。砲台山の本店の亭主より店を任され た板前も女将も真摯にて日本人なしでここまで日本料理に徹底するのは中環の福喜くらい。熱燗二合で小鰭と赤貝の刺し身、赤身、細魚、鯖の握りにかっぱ巻一 本と“枯れ”を意識。帰宅して競馬テレビ中継みるが当っても楽しくなき堅い複勝のみ。富柏村サヒトのvirtualave.netの旧祉つながっており転 居案内の告知残した主だった看板ページなどを除き、中途半端に残しても移転完了していることを理解されぬままになりかねず、と一気にファイル削除す。
▼一昨年の911契機に米国主導にて反テロなるプロパガンダ世界席巻せしものの正義だのとお題目唱えても結 局は米国による石油権益と覇権の実態明白地さすがに米国が対イラク臨戦態勢には欧州中心に厭米感漂ふなか日本は本来イラクとの友好的関係活かし調定工作な どに尽すべきところ今その知力も体力もなく忠米国家たらんと日章旗と軍艦マーチ勇ましくイーズス艦中近東に遣って「いざ臨戦」と意気込んだ頃にようやく親 ブッシュにて歩調合わせしはずの英ブレア政府も距離おく現実の世界情勢知る。
▼ビートルズのLPアビーロード、四人が横断歩道渡るヂャケツ、当時ポールの裸足姿にポール死亡説流れるな ど話題事欠かぬ作品ながら、そのポール右手にもった煙草、反禁煙団体の圧力かかりレコード会社それに屈しポールの手より煙草消す写真の偽造に応じてこの無 煙写真、今後のヂャケツを飾る、と。ここまでくるともはやファッショ、キチガイ、禁煙も嫌煙も勝手にどうぞだがポール、この時にこの風景のなかで煙草吸っ て道渡ることはその煙草の賛否の範疇に非ず歴史の事実。それ歪めることの不健康さに気づかぬ健康主義者の馬鹿さ加減に呆れるばかり。

一月二十一日(火)晴、午後曇り気温下ル。連日virtualaveのサーバー死んで最早ここは死に 体と覚悟。米国時間の朝になってようやく修復されているがこれでは不便甚だしく、かつてはかなり環境よきvirtualaveも膨大な規模となり広告収入 のみではgoogleで検索しただけでも70万件に上る無料サイトの維持困難か。移転先探しO氏の厚意でso-netに10mbのサイト空いているのでと 借用受けるが富柏村サヒトの予想以上の容量に10mbでは足りず苦肉の策で無料サイトにファイルのみ置こうかと考えるが日本のTripodとて12mbで は足りず結局「また」米国のTripodに50mbのサイトを設ける。結局、米国の範疇より逃れられぬのか。晩にH嬢まじえZ嬢と銅鑼湾の張生記にて杭州 菜。銅鑼湾には老舗の杭州飯店、銅鑼湾道には華亭會所と杭州菜の名店あり杭州を代表する老舗の香港店とはいへちょうど杭州飯店と華亭會所の中間、百利保廣 場に在ルも神妙。三人で涼拌素丁、龍井蝦仁、火丁甜豆、杭州鹵鴨、宋嫂魚羹、東坡肉、杭州片兒井麺、小龍包、南瓜餅とよくもまぁといふほど食し麦酒四本に 紹興酒一瓶。値段こそ杭州飯店並みに高いが材料好シ、油好シ、味付け好シ、とくに涼拌素丁、火丁甜豆、杭州鹵鴨、井麺と南瓜餅は滋味。

一月二十日(月)快晴。Virtualave全体のサーバー死んでおり晩までつながらず。米国が日曜 深夜のため復旧もせず。米国の対イラン戦争開始を前に真剣に移転検討を要す。Radek Babarakなるチェコ出身の平成のホルン奏者(何処よりも日本でウケているのだから「平成の」だ)に よるバッハの無伴奏チェロ組曲のCD聴く。勝手にもっと滑らかな調べを想像していたが吹奏楽器でしかもホルンといふ長管楽器では(いい意味で心地よく)音が跳ぶのは当然、それにしても至難であるはずのそれをいとも軽やかに奏でられる。ジャコ= パストリアスがバッハのフーガだかベースで奏でた時も驚いたが楽器の特性でいへばそれ以上に驚く。早晩にA氏と湾仔卯佐木にて一飲、福井の無心なる酒。帰 宅してZ嬢とパエリア食す。貴乃花引退。引退決意し気持ちの整理ついたのだろうがこれまでの無口に反して喋りすぎ。やはりダイアナ的にアダルトチルドレン の一人か。千代の富士破り千代関に引退決意させた一番、曙破り横綱昇進決めた一番と印象に残り名力士であったことは確か、88年だかZ嬢と豊島園に平日遊 んだおりまだ十両だったのか?まだ遊園地で遊びたきほど若かった若花田関弟弟子連れて豊島園に遊ぶ姿眺めたことを彷彿、ただしまさに平成の大横綱、日本の 姿と同じく資質あるのかも知れぬが殊に横綱昇進以降は遺憾なくそれを発揮することなきまま。貴乃花は満身創痍もう限界まで本人なりに戦った上での決意だっ たのだろうが、昨年5月に優勝決定戦で武蔵丸を破った貴乃花、般若の如き形相に身震い覚えたが、それに「感動したーっ!」と叫んだ首相、あの頃はまだ無邪 気な国民の支持高かったが、その後国民の誰も感動もできぬままの日々続く末に貴乃花引退、自ら国民に一切「感動したーっ!」などと思わせられぬことを真摯 に猛省すべし。それにしてももう終わっていた貴乃花の遅すぎた引退よか朝青龍が平幕海鵬に負けた一番、どう見ても海鵬の肘が先に坤がついていた気がした が……。
▼月曜日は築地H君と大河ドラマの話題となるが、そう、勘九郎と新之助がこの『武蔵』が初共演。意外だが中 村屋も成田屋もじゅうぶんに客の呼べる役者で松竹もそう易々とは競演にはせぬ、か。片岡京子嬢阿国に扮する一座、京子嬢、宮澤りえ嬢除き正直言ってオバサ ンばかり(笑)。H君曰く当時の阿国歌舞伎はモーニング娘。みたいな若い女が肢体も露に踊ったりしたよう なものではないか、と。NHKでそこまで出来ぬにしてもあの顔ぶれはなし。宮澤りえといへば貴乃花引退。それにしても阿国歌舞伎の舞台で踊るお篠を狙うは 伊達政宗の送った刺客(それも忍者!)とは脚本奇想天外といふにも拙い発想でお笑い。
▼NHKといへば朝鮮中央放送の報道、番組の録画放映についてNHKより返信あり。
送ってくださったEメールの再度のご質問について、ご連絡します。ご存じのとおり、日本と北朝鮮の間には現 在正式な国交がなく、また、北朝鮮は、著作権に関する国際的な条約(たとえば「文学的および美術的著作物の保護に関するベルヌ条約パリ改正条約」など)へ 一切加盟していないため、国際間で放送上の契約を結ぶことができません。ご質問の件については、そのような場合の例外措置とお考えください。以上、よろし くご理解くださいますようお願いします。
と。結局「勝手に放映してる」といふこと。正直で好し。最初からそう答えればいいものをハグラカシは減 点〜。
▼築地H君より歌右衛門の犬のぬいぐるみコレクション。ぬいぐるみも貰った本人は光栄だし嬉しくもあろうけ ど所詮ヌイグルミ、新所有者もやがて亡くなり遺品整理のさいには「このキタナイ人形なんだろう?、おじいちゃんがわざわざとってたんだから何か想い出の品 かねえ」、で丁度尋ねてきた孫に「こんなのあるけど、もってく?」となればぬいぐるみとしても子どもに愛玩されてミルクぶっかけられたり耳がほつれたり、 という使われ方が本望か、と。確かにいくら歴史に残る世界的にも有名な女形といってもぬいぐるみにしてみれば「おばあさんみたいなおじいさん」に可愛がら れるより本望か。それにしても散逸してしまったらコレクションもいずれは「ただの汚いぬいぐるみ」になってしまい、やはり岡本町の歌右衛門邸は中村歌右衛 門ぬいぐるみ博物館としてでも世田谷区なり東京都が保存すべき。皇后陛下のご実家・正田邸は史跡としての価値がないと解体 処分されたがこの歌右衛門邸遺産相続のため処分されたことはまことに残念なこと。うこん桜だけは早稲田大学に移植さ れる……それにしてもこの早大のサイト、utasakuraって歌右衛門桜の略か、故人に敬意もなし(唖)

一月十九日(日)快晴。昼に旺角Nelson Stの榮園麺家にて雲呑麺食し沙田競馬場。第四場に間に合う頃に馬場に入れば今日が三冠大賽の首關(1st leg)である董事盃(Steward Cup)当日であるかと目を疑うほど閑散。R4(二班1600m)霍達のKindred Spiritsの複勝一点買い惜しくも四着、Tom's First(四歳牡)梁明偉騎乗で114磅と軽 い責量で一着。R5(一班1400m)Size厩のCentury Starか告東尼厩のRaiderかさんざん悩んで豪奪としたら四歳牝のElegant Fashionが初戦快勝。Raider二着でCentury Starには競り勝ったからまぁ好しとする。R6(三班1400m)C氏のDashing Champion初戦から二勝のあと2負で挽回を期すが四着。一番人気は五戦二冠一李一亜一負のLittle Elephantが着外、Size厩のPalette naturalが一着。今日もまたSize師にツキありのようでR7(董事盃1600m)も昨年のこの覇者・電子麒麟(Size厩)一 年を経た今日も1.9倍と断トツの一番人気。ただし昨年のこの董事盃で勝ってratingを138まで上げてから二月の香港金杯で八着となりそれを含め四 戦二亜二負と未勝にてrating126まで下げ12月の香港VaseでOlympic Expressに負け二着、OEがrating132まで上げての本日の再戦となる。二年連続で勝ってもいいがやはり昇り調子のOEとしたが電子麒麟三馬 身差で一着。二着に同じくSize厩のDr More入り三着にOEと同じAllan厩で馬主もOEと同じLarry Wing氏のHousemaster、OEは四着。電子麒麟といえば騎手は霍達でその勝負服を来た譚さん、今日はなんと勝負服の色と同じ桃色の花一輪まで 用意し霍達に差し上げていた。脱帽。R8(三班1200m)は京城之威、精英大師、Jolly Gainsと今後活躍楽しみな三歳馬。前戦で41/2差で大勝の京城之威が一番人気だが初戦初勝であった精英大師が二勝目、Jolly Gainsが二着で京城之威が続いたが京城之威の複勝HK$10.1と最安値、他二頭もHK$10.5で単TがわずかHK$25で連複のHK$81よりは るかに安いガチガチ戦。R9(二班1400m)もSize厩の印度之星でSize師今日は八戦に九頭出走 し三冠一亜二李三負と勝率三割入賞率67%、すでに今季35勝と二位の告東尼に13勝引き離す独走。すごいことになっている。R10(一班1600m)馬主C氏のDashing Winner試走よく22倍ながら三着入賞期待するが最後直線に入る位置どり悪くダッシュも遅く馬は懸命に追い上げるが四着。李格力君の騎乗には果敢さな く問題あり。晩にY姐にいただいた台湾産のからすみ、崎陽軒の焼売、鮭粕汁に麦とろ飯。『武蔵』に出雲阿国役で片岡京子嬢出演。10年ほどまえに当時の東 京銀行の広告撮影あり松島屋ご家族で来港、その仕事は松島屋ご本人と長女の汐幸嬢のみで奥様と京子嬢は香港市街に遊びふとしたご縁でお供する。京子嬢、そ の当時はまだ本当に女優稼業に勤しむのか?というお嬢様、それから橋田寿賀子ドラマで画面で見ただけだったが「智恵子飛ぶ」の舞台で突然の三田佳子の降板 で平幹二郎相手の智恵子役に大抜擢され代役ながら好評だった、と噂には聞いていたが京子嬢、貫録ある阿国役はお篠役の宮沢りえよか優ってないか? さすが 祖父からの松島屋の声の良さ。続けてNHK特集「渓谷の大画廊」見る。甘粛省にある楡林窟なる石窟寺院の唐朝から元朝にかけて描かれた仏教壁画なのだが、 茫漠としたゴビの砂漠に走る峡谷の断崖にこの石窟があるのだが二度もナレーションで「荒れ果てた大地の……」と。この中国西域、茫漠か広漠かはしているが 自然の為せる業により草木も育たぬ勁風止まぬ土地ではあるがそれが自然のままの姿であり「荒れ果てた」といふのは緑あり木々が茂り水が流れ(そして人が住み都市ができる?)を前提にしての、それに対峙するnegativeなものとして表現してはおらぬ か。ここ数日また久しぶりに荷風日記(昭和11年読む)少しずつ就床して読む。
▼香港ディズニーランドに対抗してかどうか知らぬが順徳(広東省にある珠 江下流の古くからの貿易町、香港の広東料理の源流として有名)スヌーピーランド建設、と。Snoopyといへば米国は加州のナッツベリーファーム有名だがご存知の通り帝国主義的ディズニーに対して非建設 的、非破壊的で人智?豊かなスヌーピーの世界はナッツベリーファームのその素朴さにもよく体現されているわけで、米国帝国主義に陥落した結果として幕張、 パリ(これだけは失敗だろうが)、香港とディズニーランド=米軍基地が出来、進駐軍にチューインガム貰うように人々ディズニーランドに群がる図式からすれ ば、スヌーピーの世界といふのは遊園地すらなく原っぱに「子ども野球教室」 10¢がある程度、中国の観光産業のキャラには全く似合わないのだが、当然、Peanutsのコミックスなど読んでいない人たちが建設して金儲けする遊園 地。ちなみにスヌーピーの版権について、これも当然無制限のわけないが規制と はいっても商用でないかぎり学校や教会、子どものニュースレターなどでの利用についてはかなり寛容にて多少の手数料徴収するものの許可さえとればお使いく ださい、と某<帝国>と比べればはるかにマシか。

一月十八日(土)快晴。午前康柏Country TrailよりQuarry Bay Jogging Trailを往復10km走る。同会のY氏と康柏の奥深いところで遭遇。午後中環。Colour Six Laboに写真出して撮影科学でBillinghamのカ メラバックの中敷購う。Brooks Brothers、前回購ったシャツが袖長くひとつ短いサイズを、と思ったら紳士物ではその32吋がいちばん短いといわれる。だから米国は困る(笑)。ジム、BCとBP二時間。その後の会合で合流するZ嬢より大きな満月がきれいと電話あり湾仔から乗ったタク シーの窓から眺めれば大厦の合間に月が秀でる。晩に銅鑼湾道の煌庭閣海鮮酒家にてランナーズクラブの定例会。料理は「格別」美味いといふわけでないが充分 にお値打ちで及第、繁盛するも納得。終わって帰る方向一緒のI君、Y氏、O君にZ嬢とRosedale Hotelの樓上のバーにて一飲。銅鑼湾の繁華街見下ろしながらの用足しとなる御不浄もビクトリア公園一望する眺めも秀逸ながら、だからこそ窓が汚れてい ては折角の眺望も台なし。

一月十七日(金)曇。明日の満月まであと一夜、夕方まだ明るいうちに東空に白月現われ見事。月眺めつ つ太古坊に参りZ嬢とEast Endにてale一飲。帰宅してチゲ。『噂の真相』読む。晩遅くに、下綴した岡本町の大檀那のぬいぐるみについてさっそく世田谷のT君、ちょうど初釜で京 都に行っており戻ったところ、からご返事いただき200体以上あったものをやはり知友・関係者にみな頒ちT君のところにも一匹「養子」あり、と。T君は形 見分けとして上等の紬長着を一着頂戴する光栄に与る。もうすぐ桜の季節だが邸内の枝垂桜、梅玉夫人の尽力により伐らずに売却という難しい条件が呑まれ建売 分割になった敷地内にそのまま残っているそうな。初釜といへば東京にて裏千家の初釜に臨んだ小泉君、改革はイマイチだが着物の着こなしだけはさすがに仁侠 者の血筋で粋、と賞めたいところだが痩身に羽織が大きすぎ、上等な柔らかそうな生地(絹か?)で羽織、肩から胸にかけてストンとおちてしまふ。浴衣だの着 流しなら似合ふのだろうが。
▼通訳をする知人より面白い話聞く。日本人の挨拶で中文であるとか英語に訳しにくいのは何らかのイベントな どでの「すばらしい思い出を一緒に作りましょう」とか「いい思い出となるよう楽しんでください」といった日本語の美辞麗句だ、と。何かいい事があれば必然 的にいい思い出になるわけで思い出を作る create a good memory とか一起創造美満的回憶と直訳したらかなりヘン。具体的には何ら意味のない表現。無理に相手にその意を解らせようとしたら、「死ぬ時に後悔しないよ う……」と言えば解ってくれるかも、とM君。
▼米連邦最高裁15日米国の名作小説やクラシック音楽、有名なアニメキャラクターなどの著作権の保護期間従 来より20年間延長した「著作権延長法」が表現の自由を定めた米合衆国憲法に違反しないとの判決を下した、と(朝日紐 育時報)。当然のことながらディズニーのネズミらの権益保護。現在まで厳しい商標管理にて雄琴ディズニー館とか猪苗代ミッキー秘宝館の開業を阻止 してきたわけで今後とも永遠にミッキーは「金の鼠」であり続ける、ってこと。子どもが描いた落書きの如きミッキー鼠に対しても著作権を主張するようなディ ズニー社であり月本裕氏揶揄するよ うにディズニーランドで海苔を使ってミッキーの顔に似せたおにぎりを食べただけで「はい、3億円!」があっても不思議じゃない世界。紐育時報の社説は この判決がPublic Domain(著作権放棄されての公有財産)の終焉と著作権の永久所有権の誕生を意味する、と。"The ability to draw freely on the entire creative output of humanity is one of the reasons we line in a time of such fruitful creative ferment." 「自由な創造表現あってのこの時代」に歯止めとなるこの判決。結局、ディズニーに象徴される米国の自由なるものが本当の自由とは対峙する自らの“権益”保 護でしかないことを象徴。……とこんなこと書いただけでディズニーの権益侵害、とされても不思議じゃないかも。世界はこうしてひとつの独裁の装置の中でそ の装置の破壊をせぬかぎり完全に保障された自由と、いったんその装置破壊しようとしただけで抹殺される不自由の、その大きく単純な二つに分離される。米 国、ディズニー、マイクロソフトといった「それ」が君臨し、その中で付与された美しき世界……不気味。
▼ディズニーといへば、と築地H君思いだしたのは中村歌右衛門所有の「ミッキーの帯」……そういへばあった(笑)、あれはディズニーの著作権侵害の訴えなかったのだろうか。それに岡本町の売却処分となるあの大成駒の邸宅、 膨大な遺品のうち本人以外には大して価値のないワンチャンだのの縫いぐるみ、あれはいったい何処へ行ったのか、とH君。これについては晩年の大成駒にご愛 顧受けた世田谷区在住のT君に尋ねればわかるかも。
▼歌右衛門翁の話が出たついでに、と築地H君より教えられるは中村扇雀の不倫発覚。しかも父の雁治郎(雁次郎=国土交通大臣扇 千景の旦那、といったほうが今ではわかり易いか)の不倫現場と同じホテル、更に弁明が「いっしょにビデオを見ていただけ」と宣ひ 「お父様も同じことをおっしゃっていましたね」と返されてしどろもどろ、と。国宝ご披露のご乱痴気遊びの現場写真まで公開されたスキャンダルを一笑にふし て済ませてしまった人間国宝の父(鴈治郎)に比べ扇雀、役者としてやはり格の違い明か。
 お正月に「晴れ着」がありますがこれは農歴正月用の「晴れ下着」。吉之島百貨(ジャ スコ)の独占販売とあります。
▼意外と知られていない事実であるが香港の人口650万人のうち納税人口はわずか121万人、つまり 18.6%が残り全員を養っている計算。子どもや老人など非労働人口除いても高いのは所得基礎控除が年額HK$108,000(約173万円)と香港の所 得水準からすると高いに設定されているため。

一月十六日(木)快晴。Y氏来港と報せあり新蒲崗にある氏の香港事務所訪れたことなきことに気づき地 下鉄にて黄大仙に赴き黄大仙下邨を抜けて新蒲崗の氏の事務所に参る。黄大仙下邨の団地には団地下の運動場にて子どもら多く遊び歓声団地建物に響き曾て当た り前だったその光景も今では珍しく思えしもの。仕事済ませたY氏と散歩して九龍城、潮州料理の創發にて煮魚、茹蟹など肴に、それから尖沙咀の某酒場で一飲 歓談す。
▼昨日宮中にて歌会始あり。朝刊で見れば陛下の御製は
 我が国の旅重ねきて思ふかな年経る毎に町は ととのふ
と、H君からも指摘あり「我が国」といふ言葉が枕になるは伝統に悖り、お題の「町」が俳句じゃないんだから 和歌に合わぬ(これは陛下とて致し方なきことか)。歌の意は「全国の行幸を何年もやってきたけど、ふと気づくと、いく度に街並みが整備されてきたことだな あ」といふ公共事業推進を賛美される歌か、小泉改革に異を唱える意図かとすら思ったが、それでは「あんまり」、実はサンフランシスコ条約から50周年にあ たり陛下の「今日の日本を築くために人々が払った非常な努力に思いを致し、より良い未来を求めて皆で力を尽くしていきたい」といふお気持ち反映されている と説明されれば「なるほど」と思ふ、が「町が整ふ」といふ語から陛下のお気持ちを読むは易しからず。寧ろ
 現の世の旅重ねきて思ふかな年経る毎に失す佇まい
かも知れぬが歌会始めには雅びに欠けるとすれば、寧ろ来年の「幸」を用いてよいのなら
 現の世の旅重ねきて思ふかな年経る毎に幸多かれと
とか如何なものであらうか。皇后陛下の
 ひと時の幸分かつがに人びとの佇むゆうべ町 に花ふる
は東京(とうけい)の街の路樹より花が舞ふ都会の「町」の瞬く間の美しさあり。それにしても若い詠み手によ る
 夕闇が僕の体を押してくる光へ走る夕暮れの 街
といふ歌、躍動こそあれ、これが召人により「古式ゆかしい発声で披露された」と思うといつたいどう詠まれる のか、不気味、むしろ現代の音にて詠んでこそ心地よき歌。別な詠み手の
 君が住むただそれだけで愛しくてあなたの街 と呼びて親しむ
はH君曰く80年代のニューミュージック。一つの歌に二人称の「君」と「あなた」が使われ、君を「あなた」 といふことに愛情をもたせているのかも知れぬが「君」はいやしくも陛下。せめて中島みゆきっぽく
 わが愛しき人の暮らさん町の名を耳にするたび涙流れむ 
とか如何か。それにしても「半紙を横長に使い」「自ら毛筆で縦書きで記す」と伝統といへば伝統ながら「海外 からの場合、用紙は自由で毛筆以外でも可」としており、海外からなら邦人もそれでいいのか。「障害などあり代筆を依頼する場合は理由」盲の場合は点字も可 と心配りこそあれ「ワープロやパソコンで印字する場合も理由を別紙に書いて添える」とはいったいどういふことか。障害あり口にスタイラスくわえてなら容易 とか具体的な理由がある以外は「便利だから」しか理由はなし。寧ろ指定の葉書に気軽に歌を書いて宮内庁まで送ってください、と広く募ることこそ大切。
で来年のお題で
 つらきこと悲しきことの多き世にただ愛しき人あれば幸
じゃちょっとξか……。
▼十三日の日剩で綴った、NHKのニュース10での朝鮮中央放送制作「子どもの時間」なる番組の放映、平壌 の中学校にて反アメリカ帝国主義が果敢に教育される模様を伝えたものだが、教育の政治的利用の深刻さもさることながら他局制作の映像についてはスポーツや 音楽などかなり厳密に規制あり衛星放送での放映を避けていながら朝鮮中央放送の番組などガンガン流しているが問題ないのかどうか、といふこと。疑問に思い NHKに質問する。
ワールドプレミアムでNHKの報道番組を見ていて気になるのですが、どうしてイチローであるとかナカタのプ レーは著作、放映権の問題があり、1コマとて衛星放送で流せないのに、北朝鮮の朝鮮中央放送の番組だけはニュース映像として「がんがん」流せるのでしょう か。著作、放映権とか問題はないのですか?
それに対して丁寧に返事をいただく。
いつもNHKワールド・プレミアムをご覧いただきありがとうございます。ご理解いただいているとおり、国内 で制作した番組を海外で放送する際には、新たに海外放送権を取得しなければなりません。たとえば、スポーツ番組を放送するには、主催者団体と契約を交わし て放送権を取得する必要がありますが、その際、権利者から法外な権料を求められたり、海外での放送が許可されないことも多々あります。ニュース番組などで 映像の一部を放送する場合も、その都度権利が発生します。交渉の際は、使用時間何秒以内、放送回数は何回以内、といった細かい条件づけが行われます。もち ろん海外での放送が許可されないこともあり、この場合、使用できない映像部分について、時差で放送している場合は事前にカットしていますが、生放送の場合 はそのシーンをカットすることができないため、かわりに「放送権の都合により」の画像を表示するなどの方法で対応しています。なお、ヨーロッパのサッカー については、国内向けという条件で映像使用が認められていますので、海外発信ができませんが、米国メジャリーグのシーズン中の試合映像については、試合終 了後36時間以内に限って海外発信が認められており、条件にかなった映像については、NHKワールド・プレミアムでも放送しています。同じメジャーリーグ の映像でも、海外発信できる場合とできない場合があるのはこのためです。一口に放映権と言っても、その都度細かな条件があって、許された範囲内でしか海外 発信ができないことをご理解いただければ幸いです。これからもNHKワールド・プレミアムをよろしくお願いいたします。
詳しく説明いただいたが残念ながらお答えは余が前提理解しているスポーツ番組などの放映権について、であり 朝鮮中央放送については一切述べられておらず。再度質問をする。ただし考えてみれば海外の放送局のニュース報道などの流用はかなり行われており、慣例と なっているのか。キングギドラが世界中で暴れまわる様を北京放送だのモスクワ放送のニュースが伝える映像が映画でも使われていたものだが、とくに共産圏の 報道番組はよく使われていた記憶もあり。ただし朝鮮中央放送の「子どもの時間」など5分ほどの番組がそのまま使われており依然疑問釈然とせず。

一月十五日(水)快晴。那覇在住のU氏、網上にて余の日剩に惜しまれて夭逝せし天才ベーシスト・ジャ コ=パストリアスについての記述を読まれジャコ愛しむU氏珍蔵のbootlegなジャコのライブ録音をCDRにて数枚贈られる。多謝。案内請われ漢代の李 鄭古墓、客家圍村の三棟屋、1899年新界割譲にて英軍と果敢に戦った吉慶圍の城壁、屏山の厦村登β氏宗祠と九龍西より新界西をまわり日暮れ前に聚星樓と 呼ばれる古い仏塔で史跡見学終わるがこの聚星樓、周囲の開発激しいとは聞いていたもののすぐ横にKCRの西線の巨大な天水圍駅建設進み西線の高架鉄道走り その背後には巨大なマンション聳え仏塔もまるで駅前のライオンズクラブ建立の記念碑の如し。競馬場に行く元気もなく帰宅してテレビ中継見て競馬。鮪の中落 丼。メインレースはR8(二班1800m)にてSize厩舎のDynamic Funは11月より俄然昇り調子で5戦2勝1亜1李1負、而も2連勝中で2勝とも序盤から先行して他にハナ譲らず。今晩も同じくハナをとってそのまま2馬 身差で快勝。Size厩舎の、馬が何の苦労もないように楽に快走する様を拝む。Dynamic Funは一班でどこまでいけるか楽しみ。今季前半快調だった小飛象(呉厩舎)は韋達騎乗で三着にも絡まず期待下げる。
▼首相小泉君また靖国参拝。改革など曖昧模糊なまま依然として進まぬ中こうした海外からの反発招くを承知で 意思貫徹、余は靖国だの慰霊といふものを一概に否定せぬが少なくともその国威の被害にあった隣邦にとって戦犯祀ることに理解得られる筈もなく、であるなら 首相たるもの何れの意思の発揚か知らぬが敢えて近隣の逆撫でする靖国参拝を行うべからず。どうしても参拝貫徹するなら英霊に対して祖国の再建すらできぬこ とを詫びては如何か。
▼一昨日の法律年度開始(法曹界の仕事始め)の典礼にて香 港大律師公會(香港法廷弁護士会)主席の梁家傑氏23条立法について「香港の法律は政治目的に利用されて おり法律が政治の道具と化した」と政府非難。これに対して律政司司長(司法長官)梁愛詩即刻遺憾表明。終 審法院主席法官(最高裁判所主席裁判官)李國能は三権分立の立場から23条について直接の言及避けたが基 本法23条立法が社会分化を引導しており政府と反対意見を持つ者の対立を激化させているが社会の各界が法治と司法独立について徹底した認識が必要であり一 国両制がそれによって維持される、と暗に政府の23条立法を非難。天晴れ。民主、平和、自由、人権を普遍原理とした憲法ですら政治的に利用する国家にて法 曹界よりこういった声も上がらぬことを思えば香港は「まだ」理性的か。
▼経済紙『信報』の社主・編集長である林行止、その秀逸なる連載度々この日剩でも取上げるが本日の話題は氏 先ごろ旅したオランダでの大麻について。アムステルダムにていかに大麻が少なからず日常的に吸引され、大麻合法化がいかに理に適うかを経済学者として述べ る。オランダ政府の衛生省の研究によれば大麻による「酔い」は酒類のアルコールの泥酔に程遠く、それ故に酒酔運転を禁じても大麻運転は禁じず、と。日本な ど大麻が世にも恐ろしき人格破壊する麻薬のように思われ、ましてや経済専門紙が大麻肯定を述べるなど想像もできぬだろうが、大人が常識的に考えればオラン ダなり林行止の思考が正常なり。先日も「20代の若者を中心に大麻の汚染が拡大している」と朝日が一面で深刻に報じていたがこのような日本の合理性欠如の 深刻さこそ世界の物笑い。
▼新聞社といへば読売のナベツネは論外として朝日の箱島なる社長の権力欲も醜悪なもののようで大江健三郎君 の小説酷評が原因で週刊朝日、松下電器の経営改革を論じた記事でのAERA、それぞれの編集長、リベラル派論説主幹と更迭続き。『噂の真相』によると箱島 君「55年体制や護憲といった考え方はもはや限界に来ている。部数低迷に歯止めをかけるためにも社論を転換する必要がある」と宣ったといふが(同じ新聞社の経営者として少しは「大麻ネタ」を気軽に而も学究的に書ける林行止の爪の垢でも煎じて呑むべき)だい たい社説など読まれていないのであり社論を変えて部数が上がるほど国民は新聞など真剣に読んでおらず。所詮、巨人戦の切符であるとか、朝日は難しすぎるか ら読売、といった程度の判断。社論を右傾化させ護憲から改憲だか創憲だかにしたら「それでも朝日」と購読続けた層が乖離して部数など余計に低迷するだろう が。どうれあれ新聞記事の拙さ見ればわかる通り朝日とてかなり質の低下していることは明白、それでも朝日なくなれば一億総ファッショの時代の幕開けと思え ば朝日の奮闘に期待したいところだが、こんなのが経営者にいてはダメであろう、きっと。

一月十四日(火)晴。Z嬢と晩にQuaryy Bayは太古坊傍の仏蘭西料理屋Parisienにて晩餐。立飲East Endの隣にて改装工事の頃よりこの料理屋を識るが、例えば海外で「海舟」といふ名の日本料理屋なら「お、これは」と食指動くが「江戸っ子」なる名なら何 故か「避けたい」ように仏蘭西料理屋のParisienは何処か嘘っぽく訪れることもないまま数ヶ月過ぎしものの唯霊氏も期待もせずに訪れたら予想外に秀 逸と讃め幾つかのグルメ記事も讃めるに至り漸く重い腰上げて訪れる。……と実はここまで書いてこれから晩餐。約束の時間に際どくタクシー拾へば停車する場 所、反対方向から来た車ふだんなら一度切り返しせねば廻れぬところ一度で見事に廻り切った運転手これまでの誰よりも運転お見事にて高速で且つ安定した走り 見せZ嬢に電話すればちょうど道すがらZ嬢拾おうと運転手に告げる間髪も入れず運転手Z嬢暗闇に見分けて清流の如く車滑らせZ嬢の側らに停車、絶妙。で、 Parisien、やはり第一印象であるとか店の名の響きなるものは意外と大切と痛感。食前酒のドライマティーニのさすがにシェイクはしてないだろうが掻 混ぜすぎの薄味に一瞬「えっ……」と思ったが初めて飲んだCh. L'Aigle Royal '99なかなか、一瞬気分よし。Z嬢曰く「景気さけよければ此処でなく向かいの太古坊のオフィスビルに居構える大企業にて働いていたであろう」と、確かに その通り、真摯に接客にあたるがけして自然に仏蘭西料理屋の給仕になったのではなき何処かギコチナサの残る給仕ら、香港では及第の接客に当る、が、結論か らいへば値段でいへば4割増しだがペニンスラホテルのガディスに参れば「夢に出てきそうなほど」エスカルゴも堪能できるしフォアグラも鴨のテリーヌも「も う一年は食べなくていい」といふくらい満喫するが(量ではなく味で)、蝸牛は少しでも生を冷凍させた程度 の素材ならいいが「完燥」した薫製の如き蝸牛にあそこまでこってりとバター搭せて味付けしては台無しであるし値段はガディス並みのフォアグラも新鮮ではあ るが猫の額の如し。おソースはそこそこ研鑽のあとあるが主菜とした鴨の胸肉のソテも肉がZ嬢曰く「これって痩肉?」といふほど沙婆沙婆としておソースが搦 まず。隣の卓で頼んだデザート見ても食指動かず残念ながら主菜終わって即、埋単。コルトレーンの流れる店の雰囲気も懸命な給仕も悪くなく「雑誌見てきちゃ いました」系のワイン頼んだけど飲むよか円広志(古いなぁ)的にグラス廻して廻して廻して味が飛んで飛ん で飛んで、みたいな客たちもご愛嬌。ただし小料理屋系の仏蘭西料理ならやはり粗呆区のLe Tire Bouchonの「コッテリとしてるけど料理それぞれの味付けの差異化と再構築」に比べると素材の吟味乏しく味付けも単調であるし評価できず。期待したぶ ん残念。かういふ晩は不幸なもので先ほどの芸術の如きタクシー運転手に比べ無愛想なばかりか故意に遠回りを意図し(乗車して最初の角で指摘できずの自分が 悔しいが)普段HK$17で来る道程をHK$10多く遠回り。いくら不況にて客少なき稼業とはいへ心貧しきこと寂し。その殊勲賞めて¢単位まできっちりと 払って下車。帰宅しても食べ足りず伊麺を茹で(粉末のスープもあったが捨てて)乾貝柱で即席で出汁とってXO醤、醤油と塩に日本酒で味付けしスープでで伊 湯麺食す。干菓子と珈琲。さういへばParisienで食事中にコルトレーンで"My Favorite Things"流れ「食事中だといふのに」Bjorkが"Dancer in the Dark"の中で歌った(かどうか不明朗、ただ歌ってたようなふうに耳に残る)のを彷彿してしまふ。あの映画はいったい何だったのだろう、とZ嬢と語る。 あれだけ話題になって今は誰の口からも語られぬ映画、そういふ意味では「ベルリン天使の詩」(1987年、仏独、ヴィ ム・ヴェンダース監督)もいったい何だったのだろうか、とZ嬢。あの当時、渋谷のユーロスペースだったかシネマスクエア東急だっかた渋谷 シャンテだったか、とにかく「ベルリン」は「見なければならなかった」し、本当は意味がさっぱりわからなかったけど「けっこういいよね、あれ」と。あえて 青山六本木は外して当時はマイナーだった恵比寿で葡萄酒飲みながら、とか。懐かしきバブルの時代。
▼昨晩の貴乃花雅山戦、どうみても貴乃花死ニ体ながら同体で取直し貴乃花辛勝。あれが取直しになることぢた い不明朗なら横綱のあんな辛勝にもやんやの喝采の観客。柏戸大鵬ならあんな相撲は有り得ず北の湖があの相撲だったら即刻「引退」の二文字浮上したはず。辛 勝にやんやの喝采といへば先代貴乃花だが先代あの体躯で大関を勤めることの辛辣さ背景での苦闘であって、いくら息子とはいへ天性の資質に恵まれた横綱で 「あれ」はなし。負けた雅山も鬱憤どころか横綱の相撲讃め、まさに貴乃花の弱さ「平成」の時代の象徴と言わざるを得ず。……と今日になったら案の定、横綱 二場所連続17場所目の休場決定。通常なら当然すでに引退している筈がこうして横綱であり続けることは資質はあろうはずが現実にそれが体言されぬ15年に 及ぼうとする日本の不景気そのもの。
▼昨年米国でのカソリック聖職者による一連の少年愛と性的加虐明白地となり、それが起因し香港にて一旦は風 化せむ十数年前の神父による15歳の少年へのそれが再び取上げられ法廷にて審議続く。それを報じる新聞に洗礼受けた少年がローマ法王より祝福の接吻受ける 写真あり。愛とは際どく祝福と暴力の表裏一体のものにて教会なる装置でのそれはまさにフーコー言及せし世界。

一月十三日(月)晴。某日本料理屋で昼にふぐちりがあると誘われるが入荷せし河豚がイマイチ、と鱈の 白子の鍋となるがこれも美味。鏡割りと餅を善哉で頂く。晩に乗っていたタクシーでラジオからビージーズが流れる。そのメンバーの一人が亡くなったと新聞に 訃報あったがラジオではギブさん三兄弟でBrother Gibbsのイニシャル取ってビージーズだとか。訃報といえば深作欣二監督、すでに前立腺癌がかなりひどいことを公開して「バトル・ロワイアル2」の撮影 に入っていたそうだが仁侠物もアクション物も殆ど見ないため深作作品も『蒲田行進曲』を見たのみ。だがテレビの「キイハンター」や「傷だらけの天使」が深 作作品だったと今日訃報で初めて知る。あの掠れた感じが深作カラーだったと思うと出きればウルトラセブン(ウルトラマンでは非ず)も深作演出があったら もっと凄い作品になっていただろうと制限速度時速50kmの路線工事中の東区走廊を100kmで爆走するタクシーからハーバーを眺めつつ、そう思ふ。久々 に『週刊香港』誌に連載始まるので初回の原稿に呻吟。「老舗の風格」という題で料理屋紹介の随筆。じつはこちらからの持ち込みネタにて文藝春秋社から昭和 44年に『香港台北いい店うまい店』といふ当時にしては革新的な海外グルメ本上梓され、その中から今でも残る店を尋ねて歩こうといふ企画。料理屋紹介ばか りでたまには曾てのSouth China Talking Hostのやうな書きたき事を勝手な視線と理論で書きたい気もするが時節柄元気なき社会にてかうして自分のサイトがあれば何の制約もなく言いたいことを綴 れもする。NHKニュース10にて朝鮮中央放送の「子どもの時間」といふ反米思想満載の教育番組を見る。「われわれは米帝とはひとつ同じ空の下生きていけ ないのであります」というメッセージは秀逸。御意。私も同感。原語の意味は解らぬがどうもNHKの翻訳があの朝鮮語のノリをなんか「それ風」の日本語にし ていると思えてならず。NHKのソウル支局長の望月なる人は「亀戸駅前のキャバレーの支配人」っぽい雰囲気(錦糸町じゃ なくて亀戸)、彼の背後にあるソウルの夜景がどうしても亀戸のネオン街に見えてしまうのだった。同じ朝鮮中央放送からは集結させられた平壌 市民が「アメリカの帝国主義者をこの世界から抹殺せよ」という主張に「抹殺!、抹殺!」とシュプレヒコール(撲殺だった か?)。けして合衆国国民全てを敵にした「反米」なのではなく「反アメリカ帝国主義」なのであって(これ は大切なこと)、純粋にアメリカの帝国主義者は「いると困る」ので「いないほうがいい」と、それだけとれば真っ当。ところでNHKの衛星放 送、日本での放映権しか買っていないから「著作放映権の関係で」と、わずか数秒とてナカタもイチローも衛星では映せぬのに何故に朝鮮中央放送だけは「子ど もの時間」とか丸ごと流していいのだろうか。北朝鮮は悪で、その悪を報道する大義名分?、悪の枢軸局だから著作放映権もないってか?、どう考えてもあの 「子どもの時間」の番組の著作権は将軍様にあり、勝手に使うと怒られるぞっ。朝鮮といへば何故ニュースの文字にキムイルジョン(金正日)総書記と、カタカ ナ(漢字)式で書かれるのだろう。少なくてもハングルでは日本で通じないにしても金正日という名はハングルの音とつながる正式な朝鮮でも通じる文字であり 日本も同じ漢字を使うのだから金正日(キムジョンイル)総書記と書いて正式漢字名(仮名読み)とすべきれは? 朝鮮といへば米国の国務次官と対談した韓国 の次期大統領「も」英語がダメ、台湾の阿扁総統も英語はからっきしダメ、日本の首相は「当然」ダメ、つまり米国にとっての東アジア軍事同盟での日韓台とい う枢軸の全ての国家元首、首相が米国と言葉が通じない! 米国がイランや北朝鮮攻撃に出るなど有事発生の場合、どうせ話してもあまり実のある話はないだろ うがブッシュ(彼自身の英語も危ないが)から電話があっても直接話せないのだ。米国に忠誠を誓いイーズス 艦派遣の前にまず英語が通じる首相を! しかしこの英語の通じぬ米−日韓台の関係は米国にとっては楽だろう。余計な説明もいらず、下手に賢明な相手にブッ シュを諭されるようなこともなし。そういへば反米といえば元ジャズベース奏者でウクライナの正教会のソプコ司祭が昨年10月に市内の学校で予定されていた 米国流ハロウィーン行事を「これは魂のテロリズムだ」として中止を呼びかけていた、と(朝日)。司祭自身 がジャズマンであり文化帝国主義への抵抗。米国の文化帝国主義といへば昨日「香港ディズニーランド」の起工式あり。大嶼山(ラ ンタオ島)の自然豊かな湾を香港政府が埋め立て鉄道を通しディズニーはそのインフラの整った更地に遊園地建設し営業するだけ、そこまで好条 件を提示して上海に競り勝ったディズニーランド、土地埋め立てが終わり三年後の開幕の起工となったが董建華はじめ政府高官など式に参加した面々の式典での ディズニーキャラが踊る舞台見る無邪気な笑み。ディズニーといへば千葉県浦安市は昨年に引き続き好評だった浦安デズニーランドでの成人式開催。成人式を迎 えるガキもガキだがガキのガキらしさは今に始まったことでなく中上健次世界だってガキはガキなのだが少なくてもオトナは曾て今日日のように成人を迎えるガ キ共に媚びてはおらず。「おまえらバカか」と叱咤できたのがオリュウノオバだのトモノオジの世界。
▼一瞬、ここは常磐線の牛久駅前商店会か、と思った。帰宅したら郵便でStandard Chartered Bankから創立150周年記念の香港の顧客対象のLucky Drawつまり福引きだね、それの申込用紙が届いている。世界的にも有数の英国系大銀行であり香港ではHSBCと中国銀行と並び発券銀行、それが重要なる 基盤である香港で創立150周年の、福引き。せめて一等はベンツ1台、二等でも世界一周ファーストクラスの旅とかアマン系リゾート優待ぐらいにしてほし い。それが一等はパナソニックの42型モニタ1台、二等がSamsungのノートパソコン5台、三等Samsungの携帯5台、四等がニコンのデジカメ 10台、五等が安っぽい記念金貨150枚……牛久駅前商店街だって香港旅行くらい一等にしやせぬか。しかも景品とてどうせタダがタダ同然での入荷、安っぽ い記念「金色」幣くらいしか身銭きらぬとはあらためて銀行のセコさに唖然とする。

一月十二日(日)快晴。八仙嶺下の大尾督にてミズノ香港ハーフマラソンあり参加。朝6時すぎに天后よ り専用バスにて向かいK氏の車で暖をとらせてもらふ。靴が合わないのが確かなようで全くスピード出ず持病となっている左耳の三半規管の異常なのか水平感覚 にも支障来し10kmで60分余とこれまでになく芳しからぬ時計、速度遅きぶん心拍数は150台とまさにLSDの世界、このまま完走もできようが気力失せ てしまひ14kmでいったんスタート地点に戻りその先堤防上の直線の往復となるが断念し初の途中棄権を味わふ。大埔にバスで戻りKCRで深セン。昼前に通 関し一人で深センに来るのも珍しく市街散策、Walmartなど品ぞろえ凄まじく生鮮食料品どころか活魚や蝦など海鮮まで売っているのにかなり驚く。深セ ンの唯一の問題は羅湖に近き市街でふと一人で食すようなこざっぱりとした食肆乏しきこと。一見して不味そうな茶餐庁だの焼臘店ばかり。美味い餃子屋とか上 海麺屋などさがしきれず。昼すぎ一瞬マクドに入りそうになるが麺麭屋にて菓子パン購い飢えをしのぐ。午後遅く按摩して香港に戻る。深センの往復に車中『世 界』読み「現代貧乏物語」なる特集に暗澹たる思ひ。なぜここまで貧しくなってしまったのか、高卒の就職が4割台、昨日は盛岡の材木町にある宮沢賢治の銅像 が鎖捲かれ植木を抱かされ火をつけられた、と……もう終わってしまっている。同じ『世界』の「BC級戦犯裁判」取上げた対談で井上ひさし氏が樋口陽一先生 の「国民であると同時に国の外に立つ精神」といふ言葉を紹介。国家の外に立つ、不当な上官の命令を拒否する、そうした原理と制度の重要性をどう作ってゆく か、という問題提示で対談は終わっているが、日本国旅券を有することだけで日本という国家と首の皮一枚つながっているだけで物理的にも精神的にも日本とい う国家の外に立ってしまっているアタシ自身じゃ何も言う立場に非ず、か。NHKで大河ドラマ『武蔵』視る。かつて『花神』で村田藏六(のちの大村益次郎) 役が秀逸であった梅之助の子といってももう40半ば、若衆頭といふには老けているが梅雀の芝居よし。先週の西田敏行にせよ梅雀にせよNHKの大河ドラマだ からこそチョイ役であっさりと殺してサヨウナラ。おつう役の米倉涼子を除けば女優陣が寺島しのぶ、玉緒、かたせ梨乃と揃っているし内山理名まで先輩たちに 影響されて芝居にいい緊張感、来週から阿国役で出演の片岡京子嬢に期待。

一月十一日(土)快晴。朝寝貪る。競馬予想。昼にMount Parker Rd走る。午後競馬少し見てから拙宅の近くまで来たR君とPacific Coffee、夕方ジム。Z嬢と銅鑼湾East Endにて麦酒、Hoegaarden余り好きな味ではなし。帰宅しておでん、うどん。週刊読書人に『民主と愛国』上梓した小熊英二と上野千鶴子の対談あ り。小熊の記述が愛に基づくものでそれを鋭く上野女史が「愛して書いちゃダメでしょ」っと叱咤するような対談。小熊氏の著作読んで慶應大で小熊氏の講義受 講すれば学生が入ってきたと勘違いするだろうし何よりも余にとっての大事件は新進気鋭の女性若手社会学者であった上野女史が54歳の野際陽子系カッコいい オバサンになっていたこと。『ゆっくり走れば早くなる』の後半読む。
▼行政長官董建華昨日香港総商會(香港の主だった商工会議所の纏め組織)に て新年挨拶し、もともと商界出身のため商會に戻ると家に帰ったように安堵するという董建華この五年の政績振り返って曰く「最大の成果二つあり、その一つは 一国両制が実り愛国主義向上し自らを中国人と思う香港人以前に比べ増えて将来を中国に依頼する市民が増えており前景に光明あり。二つめはアジア経済危機の なかで香港政府が香港経済を軟着陸Soft Landingできたこと、と。本当にこの人は愚才。一国両制の成果は中央にあり寧ろ香港は昨日の日剩に指摘したように珠江デルタの脅威など負の一面の深 刻さ、そして香港経済はもともと安定した強固な基盤であったからこそ経済危機の中で持ちこたえたのであり、これは董建華の執政以前の成果であること。思い 上がりもここまでくると病的である。

一月十日(金)曇。二週間ぶりにジム、C君と遭い湾仔の卯佐木にて一飲。銅鑼湾こそ人出賑わふだろう が湾仔など二更ともなれば閑かさは驚くほど。実用書なるもの殆ど読まぬがT氏がランニングクラブに寄贈せし佐々木功『ゆっくり走れば早くなる』といふアマ チュアランナーには必読書の如きLSD(Long Slow Distance)について書かれた本を読む。実用書、実用だから当然ながら読み易く驚く。なぜ非実用書はああも文章が読みづら いのかあらためて疑問に思ふ。
▼董建華による施政方針演説、その空虚なる内容と安易な増税策など非難高まる。とくに昨日ラジオにて市井の 声聞けば「政府の急ぐことばかりに熱心にて民衆の急ぐことへの対応がない」だの珠江デルタ地域との経済的連携の強化も「今や珠江デルタは香港の金卵ではな く香港経済脅かす驚異となっている現実を理解しておらず」だの厳しくも冷静な分析が聞こえるなか年収5,500万円の財務長官景気回復の見通しについて 「2005年にディズニーランド開園すれば海外からの旅行者増加にて……」などと呆れるほど無策。新聞に掲載された笑い話は、董夫人、旦那に「不景気な時 代だから景気づけにアナタが飛行機の窓からHK$1000札を一枚撒いて誰かが拾うというのは如何?」と語り、それに財務長官が「いえ、どうせならHK $500札2枚にすれば二人の市民が喜ぶ」と。いざ飛行機に乗っても「いやHK$100にして10人」「HK$10紙幣で100人」と議論続くなか操縦士 振返って曰く「Mr.董建華を窓から放り出せば香港市民みんなが喜びますよ」と。
▼23条についてナイスな音楽サイトあり(こちら
▼築地のH君、司馬“国民作家”遼太郎先生の「坂の上の雲」NHKでついにドラマ化と。先生自らが「現代の 日本では軍国主義賛美と誤解されるおそれがある」と封印を決して映像化を許さなかった作品、司馬先生が御座した「現代」から早10年経ち今や最もその危険 高まったというときにあえて映像化するNHK。そして夫の遺命に背きテレビ化を許可した著作権継承者・福田みどりの罪は大、とH君。未亡人著者の意志超え て作品私物化がはたして許されるものか。三島夫人は「恥ずかしさ」もあってだろうが福田と対照的。過去にも石坂浩二の伊藤博文が印象的な「明治の群像」で あるとか吉村昭原作の『ポーツマスの旗』明石元二郎演じた原田芳雄の好演懐かしければこれも小村寿太郎役は確か石坂浩二、などあり偉大なる強き明治日本の 懐古は今に始ったことでないし「大日本帝国」など映画もあるが少なくても当時は日本が経済的に実際に強国である認識をもちつつあった勢いのある時代、寧ろ 「明治の群像」に出てくる元勲や明石元二郎は理想的な自立した逞しき個人として御座したか。それが今ならこのご時世「昔の日本人は偉かった」→「いまの時 代こそ、明治の先達の偉大な勇気に学べ!」→「北朝鮮軟弱外交は日本の恥!」→「戦争に訴えてでも解決するのが真の勇気!」とされなくもなし。H君曰くこ の「坂の上の」がドラマ化されるとして一番メッセージを受け取るべきは「なぜ作者はこんな元気の出る作品をテレビ化させなかったのか」ということか、と。 御意。まぁそこまで見てとれる者も少なかろうが。かりに産経新聞がコラム書けば司馬が封印した時代を振返り「しかし司馬氏自身がそのようにいわざるをえな いほど、当時の日本は左傾し異常な状況にあったということであろう。冷戦下の特異な国際環境下であったとはいえ、今昔の感がある。今日の健全なナショナリ ズムの発展にあたっては、本紙もいささかなりとも寄与するところがあったと自負している」か、とH君。テレビドラマ見て感動した声は「正々堂々と生き る……僕はこの気概を日本人が取り戻すことに期待する」(東京都知事・作家 石原慎太郎)って感じか。

一月九日(木)晴。先日ふと気まぐれにて中国のマルチビザ申請、HK$600(約1万円)で半年、一 度の中国査証がHK$250、深セン特区査証がHK$100だがとてもモトはとれまひと思いつつ興味心だけのものが7日に受領可とあり本日旅券受け取ると 申請日は03.01.03で06.01.03まで有効と。何を血迷ったか中国政府、旅券受取り日前日に執行の僅か三日有効の査証とはこれ如何にと憤るがよ くよく見れば2006年1月3日つまり三年有効なり。朱鎔基首相香港特区永久居民の中国入境に査証必要の不合理さ言及していたがまさか三年とは緩和著しく 間違いでは?と当局に問いあわせるかと馳せるがもし黙っていれば三年のままかも知れずと苦慮の末に事情通の通訳S君に問えば今年1月からか永久居民に対し ては査証三年に延長と吉報。毎月一度中国に越境すれば一回HK$17の計算となりタダ同然。最近、午後になると胸焼けといふか偏頭痛といふか珈琲で誤魔化 そうとすれば更に不快感まして悶々と黄昏迎え帰宅してウォッカだのジンだの蒸留酒大ぶりの盃に一杯キューッとやると直ぐさま治まるのは単なるアル中か。と りわけ寒さ厳しく血行悪く手足凍え痛むほどなればそのキューッと一杯にて途端に血行回復し指先温まりこれがこのままひどくなると野坂昭如的症状になるのか と怯む。岩波『世界』二月号読む。かつてベトナム戦争、冷戦、核、知の境界……などと特集に文字が踊ったものが本号は「現代貧乏物語」。敗戦直後の貧しい 時代でも貧困の特集はなし。来世紀初頭に解雇、高卒就職難、貧困、生活保護といつた貧困が特集になろうとは誰が予期しようか。
▼『世界』に「ほんとうの伝統とは何か」と題した「作家・辻井喬」の文章あり。社会のあり方に逆らってなぜ 教育だけが官僚統制によってなされるのか、差し迫った現実的問題が山積みしているのになぜ教育基本法の改正なのか、という疑問を提示し、<伝統>といふも のに対してその重要性を説く者の抱く<伝統>がけして古来の美しい伝統とは別のものであり、また逆に否定するものはいい伝統まで頑なに否定してしまってい る、と。この要旨以外は「ええ格好し」の辻井先生らしさ(なぜ財界人堤清二としてこの主張ができぬのか自ら問へぬことがこの人の限界)も見られるが「政治 家たちに言いたい。あなた方は偉いのだから、愛国心を持てるような国をつくってください。そうしたら基本法に書かなくたってみんな愛国心を持ちますよ」 と、これは確かに。……で前述の答えは明白で、本来はここまで辻先生に言及いただきたいのだが、なぜこれだけ統制緩和が進む時代にあって教育だけが官僚統 制なのかと言えば、教育、殊に初等教育こそ国家の根幹であり国家による社会統制が効かぬ時代になるからこそ教育統制が図られるのであり現実的問題が鬱積し ているが解決などできぬから基本法改正などという蛮行に走る、と。で、初等教育の問題が何かといへば国家の意図するそれとその意図とは無縁に教員が子ども と接し子どもの健やかな成長を望む実際の現場との差異。この明らかな意図の違いが教育の根本的な問題。この問題の顕著な例が同じ『世界』に紹介されている 94年福岡県北九州市でおきた憲法9条ポロシャツ事件であろう。これは北九州市教育委員会の主催する研究授業に参加しようとした教員が「せんそうはいやだ ニャー」と背中に印刷され胸に「戦争を永久に放棄する 日本国憲法第九条」と書かれたシャツを着ていて、それを校長が「その服装はふさわしくない」と指摘 し教頭が「その胸のところの憲法の文字はまずい」「それは政治的主張」「政治的アピール」「市民運動」と“指導”。研究会の現場で教委の職員から、その “文言”が問題と指摘され、校長に会場からの退場、発表を実力阻止され、更に北九州教委がこの九条を政治的主張としてこの教諭を文書訓告処分。裁判となり 一審は九条や戦争反対の門限が「特定の政治的意見、政治勢力の主張を象徴する概念と受け取られる」「政治的色彩を帯びた行為」と断定しつつも校長らの行為 を職務権限内とは認めず権限逸脱とし損害賠償命ず。被告(教委)側は判決不服、実力阻止も「有形力の行為は認められるべき」として上訴したが控訴審も一審 判決支持、しかも一審の政治的色彩という部分を「明確政治的主張が記載されていたわけでもなく」と修正。今度は被告側は実力行使を「正当防衛」として(何 の?と嗤ってしまふが国家安寧か、きっと)最高裁に上告受理申し立て、結果的に昨年七月に最高裁は裁判官全員一致で不受理。当然であろう。政治的背景が あったかどうかは別として、苟も憲法の精神が偏った思想、禁忌であるが如くされる現実、むしろこの校長、教頭、教委が公務員の違憲行為か。国家による教育 管理は憲法すら超越してしまっている、ここが恐ろしき現実。
▼築地H君による日本が長嶋茂雄大統領での共和制であった場合の真っ当な保守系内閣の顔ぶれ。(首相)加藤 紘一、(副首相・兼防衛)野中広務、(外務)緒方貞子、(法務)団藤重光、(財務)亀井静香、(官房長官)谷垣禎一、(文部科学)梅原猛、(金融担当)寺 島実郎、(総務)小林こうき、と。梅原猛といふ人もよくわからないが教育基本法改正反対。中学の修学 旅行前に数学のO先生に勧められ『隠された十字架』読み氏の柔軟な発想で法隆寺がライブで面白く感じたものの14歳の素直な疑問として「なぜ法隆寺で十字 架なわけ?」と。ヤマトタケルの芝居は受け付けられず。
▼昨日ふと「戦争を知らない 子どもたち」の歌を思いだす。あの歌は、戦争を知らずに生まれた子供たちだから平和な世の中だけで自由に生きていこう、のはず。だが実際に戦争を 知らずに生まれた子供たちの中には戦争の怖さも悲惨さも知らないから子供の遊びのように敵を簡単に想定してしまってまるで戦争ゲームをするみたいにテレビ 映画を見るみたいに簡単に戦争の雰囲気を享受できる人たちが生まれてしまった。だからそういう国防キッズや新しい歴史教科書が好きな人のために一曲。
 1 戦争が終わって僕等は生まれた
   戦争を知らずに僕等は育った
   おとなになって戦いはじめる治安の歌をくちずさみながら
   僕等の名前を覚えてほしい戦争を知らない子供たちさ
 2 歴史の見直ししてみーたいなら
   日本が強いと感じーたいなら
   今の私に残っているのはアメリカと一緒に戦うことだけさ
   僕等の名前を覚えてほしい戦争を知らない子供たちさ
 3 戦車が好きでプラモが好きで
   いつでもテーロを憎む人なら
   誰でも一緒に戦ってゆこうよ悪の枢軸はびこる世界を
   僕等の名前を覚えてほしい戦争を知らない子供たちさ
国防キッズの筆頭の代議士は総選挙初出馬のとき初めての演説が終わると傍らで控えていた母親に「ママ、これ でよかった?」と尋ねたとか、某軍事産業メーカーから戦闘機のプラモをもらって喜んで飾ってあるとか、マジだろうか。かういふ人が日本の軍事に采配を揮う 立場にあると思うとマジに怖い、怖い。
▼検索で偶然に鳥取の或る小学校の校長先生の書かれたものを 読む。いい先生だ。そう、相手の人権を犯してはいけない、だから悪の枢軸などと言ってはいけないしパレスチナも占領できない。
▼昨日、香港特区行政長官董建華君の施政方針演説あり。廃話。自らを含め政府高官の給与削減は美徳のようで いてあの程度の能力では当然。董建華、もともと自ら経営する船会社の倒産の危機を北京資本により救済された恩義あり北京に忠実なる下僕にて、その恩義思え ば無給でも公務に尽すべきなれど、無給でも市民はその無策無能ぶりは赦すまい。寧ろ在任中は本人から慰謝料請求するとか。財政赤字分を補填していたら行政 長官に据えておくことも許可、と。それにしてもたかだか人口700万弱の「地方自治体」である香港で一割削減しても董建華が391万円、(これ以下が実際 の公務員系列のため董建華より高い)Donald曽Chief Secretaryが476万、財務長官Antony Leungが460万、司法長官の梁愛詩で444万、その他11名の局長で430万は高すぎ。

一月八日(水)晴。厳寒続く。正月も三が日過ぎふと年賀状なるもの一葉も受け取っておらぬことに気づ く。曾て小学生の頃か正月二日に年賀状配達あるのを心待ちにし玄関の郵便受けに年賀状の配達ありし事をその年賀状の束がドスンと音たてて玄関に落ちたこと で知り駆けて参りて年賀状を母に渡せば百枚単位のその束を紐解き家族毎に年賀状を一枚ずつわけ家族それぞれ自分宛の年賀状を見ては甲さんにお子さんが生ま れただの乙さんは結婚しただの引っ越しただのと話に花が咲きし日々。今日になってようやく東京中野に住むネパール人のF嬢より賀状届き余のサイト見ている ので近況は何となく知っています、と。年末年始はF嬢、件の「王宮殺戮事件」発生から初めての帰省にてカトマンズとのこと。晩にHappy Valleyにて競馬あるがこう寒くては自宅にてテレビ観戦。一ト月半か久しくHappy Valleyにて観戦しておらず。R7は一月杯(一班1800m)あり人気は8戦2冠2亜4負Size厩 舎の心願(Dye騎手)、調教の時計もよくいい仕上がり、懸念はトライアルレースで5着なのとHappy Vallryが初戦。対するはAllan厩舎のCome See You、12月の香港カップ(G1)に まで出たが89倍で9着と振るわずとも腐っても重賞馬、そのプライド以外は調教がいい程度であったが出走5分前にCSYのオッズ、6倍から3.4倍まで急 降下し心願を抜き一番人気。すでにSize贔屓で心願を買っていたがふと見たらこのCSY、Happy Vallryは4戦1冠2亜1季0負、1800mは1亜1季でこれは「負けた」と直感したら案の定CSY一着で心願は埋没。どうにか他7戦で2冠1亜1季 3負でそこそこ黒字。勝ちはいずれも僅差でAdmiral(呂/William)とCheeky(何/韋達)。R4にて伍さんの厩舎の進勝、今季7戦1勝 1亜2季3負とそこそこ好調にて12月最終戦が韋達騎乗で初勝、だが李格力君騎乗だから?19倍と失礼なオッズ、でも単勝は買えないのはZ嬢理論でも李格 力君の勝ちパターンが賭率10〜15倍のため、複勝にしたら二着で4.3倍とこれは美味しく頂く。かういふ晩に競馬場にいると李格力君が赤ら顔を更に赤ら め優勝騎手より興奮して凱旋する姿に歓声送れるのに残念。競馬といえばMacのノートブック期待裏切られ遂に覚悟を決め初めてMacに浮気してSharp のMuramasaを買う決心つき妹に買って送ってもらおうと日本に電話すると妹が有馬記念でシンボリクリスエス軸で脚にタップダンスシチー組んでいたこ とを知る。脱帽。朝日の音楽評にバッハの無伴奏チェロ組曲の1〜3番をホルンで吹いたCDが話題呼ぶボバラークなる26歳のチェコ出身の注目のホルン奏者 の記事ありベルリンフィルの首席奏者に大抜擢と。このCD探すにもバボラークなる名のローマ字書きがなければ一苦労、Bavorakと調べCD注文。人の 名前のローマ字綴(中国の場合は漢字)と映画の原題を記載できぬものか。
▼ミノルタとコニカが経営統合。それにしても朝日新聞でこの一面トップ記事でコニカ紹介を「カメラやフィル ムを主力事業として1873年に創業」と。書いた本人は文章力欠如としても組織として誰か一人くらい、これがヘンな文章と気づかぬものか。見識疑わざるを 得ず。江戸末期に江戸で米穀商であった杉浦家開業せし薬種問屋が1873年に写真材料の取り扱い(当然輸入品)を 始めたのが創業。1882年に写真暗函(カメラ)、写真台紙、石版器材の国産化に着手。「1873年に当 時舶来であった写真材料の取扱いを始め、後にその国産化に着手、カメラやフィルムを主力事業とする……」と書くべき。余の世代にはまだ小西六という名に馴 染みあり70年代にストロボ内蔵カメラ「ピッカリコニカ」と今では当たり前の24枚撮りフィルム(それまでは20枚)のヒットで社名もコニカとする。それ に比べてミノルタについては余は何も知らず。創業者が実田さんで、と安易に想像したがそれは田嶋さんで、ミノルタはMachinery and Instruments Optical by Tashimaの略(かなりきびしいっ)、但し創業者の母が「稔るほど頭を垂れる稲穂のように常に謙虚であれ」と言ったのを肝に銘じ 「稔る田」の意味もあり、と。ただこの母の格言は「謙虚であれ」であって「田が稔る=繁盛」ではない、と思うは我のみ、か。母の言葉をそのまま社名にした ら実穂(ジツホ)かsounds good〜!なら「イナホ」。ホンネは儲かりますように、で「稔る田」、それじゃ下品だから母の教えを含み英語でコジつけた、といふところか。いずれにせ よ統合での名称はコニカミノルタホールディングスと早口言葉の如し。どうせならこの大規模統合の成果は稔るか?で「ミノルカ」が好し。誰でも思いつく か……こんなゴロあわせ。
▼年の暮に投宿せし広州の白天鵝酒店、珠江の川岸に臨むがこのリバーサイドに突然多数の水 蛇珠江より上がり始め大騒ぎ(蘋果日報)。毒性はないが噛まれてはすわ大変と職員狩り出され三時間格闘し て長さ40cmから90cmの水蛇、三桶分収穫と。気温四度と寒さ厳しくこれで晩餐は豪華「蛇宴」と職員笑う(蛇料理は 冬の味覚なり)が何の突然変異かといへばこのホテルより川上300呎ほどに水産市場あり、そこに前日或る男二人づれ現れ三万元(約50万円)で1頓の水蛇購い即刻珠江に放流、と。水蛇一匹50gとして約20,000匹。まか不思議な御仁。
▼あなたは自分を何人だと思いますか?といふ香港大学による調査。中国人意識の高まり、って結果ね。台湾独 立については15%が台独支持、67%が反対(ちなみに97年調査では57%が反対)、これも中国人意識 の高まりもあるが李登輝のあの「日本人」ノリじゃ反発もあろう。
 
香港人
中国の香港人
香港の中国人
中国人
その他
2002年12月7日
30.0%
21.7%
14.7%
31.1%
2.5%
1997年12月7日
35.9%
23.6%
19.9%
18.0%
2.6%
そういえば中環の旧総督府の坂上にある香港動植物公園、此処に英国ジョージ六世(エリザベス2世の父君)の銅像あり。歴史的ではあるがこれが中国香港にはそぐわぬとして現在、これを除去し屯門の 公園にある国父・孫中山の銅像を移転しては?といふ案が真面に浮上。それにしても帝国主義侵略は支那の不幸としても香港繁栄は英国が齎したもので英国あっ ての香港、この程度遺してもよかろうに。毛沢東像でないことがまだ救いか。
▼Apple社からMacintoshのノートブックG4の新機種発売。PowerbookG4の発売から 早2年、iBookの失敗、その間にSharpのMuramasaだの軽薄なる洗練され たノートブック発売されAppleがどう対抗するかとWin陣営への移行思い止り一日千秋の如く待つ。その結果がこれ。呆れてモノも言えず。今 どき17inchのノートブックなど誰が持ち歩こうか、12inchとて「世界最小、最軽量のオールインワンノートブック」と宣ふがMacの Powerbookの中で、の話であり井の中の蛙、Muramasaの厚さ14mmに対して30mm、重さ1kgに対して2kgでは誰もがどちらを選ぶか は必然。世の中が何を所望しているのか、Macという鎖国世界の中で完全に盲目。もはやここまでか。
▼明日だか明後日発売の『噂の真相』、トップ記事は「対北朝鮮強硬路線で「次期首相」を狙う安倍晋三の危険 なルーツと背後関係」だそうな。小泉君は印象派なだけで改革はできぬが少なくても安全ではある、がこの安倍先生は実際に権力握ったら怖い。剃刀後藤田がそ の強靱な異名とは逆に実は安全剃刀であったのとは反対にかういふ「最初に権力ありき」の家に育った坊やたちは戦争も真の抗争も知らぬぶん怖いもの知らず。 怖い。日本の「その他多勢」に詳しからぬ余にH君曰く党内勢力の「抵抗勢力」のニューリーダー古賀誠前幹事長がポスト小泉に谷垣禎一を指名とか、と。谷垣禎一君、実に宏池会的なお顔、これを今後「宏池顔」と云おうか、余は知 らぬ御仁であったが東大(法)出て官僚にもならず在野で弁護士開業、加藤紘一の腹心でいまの自民党ではい ちばんマトモな選択、と。ただサイト見たが富柏村サイトより閲覧者少ないのはマズい。唯一、自民党で常識的な選択?で谷垣総裁・亀井幹事長・古賀総務会 長、で野中副総裁に小林コーキ政調会長、小林君の「住基ネットは本人選択制」を自民党の政策に。小林君も警察出身と思えば後藤田、亀井、小林と警察出身者 は権力がリヴァイアサンであるというリアルな感覚を抱くか(とH君)、確かにお坊っちゃん系の国防キッズ にはこれが決定的に欠けてる。今にしても思えば保守本流の宏池会は理想的リベラル。加藤紘一失脚はまさに自民党内部でのそういった良心の排除。宏池会的な 政府であれば、かりに共和制が実施されていて「ミスターが大統領でも加藤紘一が首相だから、まあ大丈夫だろう」と、そういふ明るいRepublic of Japanがあったかも。
▼同じ『噂』に「『週刊朝日』と『アエラ』編集長解任! 朝日新聞箱島社長の独裁権力の野望」とあり。日本 の良識、リベラルを標榜するこの新聞社が実は企業形態としては曾てのセゾンと並び称させるほど不透明な権力機構。少なくても「独裁」とはっきりわかるナベ ツネ読売のほうが透明か(嗤)。さういへばセゾンとて経営者は堤清二といふ日本の財界では良識、リベラル と評判の文化人であったわけで偶然?
この日剩にたびたび登場する
香港競馬の超有名人「譚さん」
12月26日の競馬で電子金龍を祝福のお姿。
凛々しいです、実に。
譚さん、じつに演出上手なのはこの勝負服を来て来場していま すが
返し馬での応援でもジャンパーを着たままこの勝負服は見せ ず。
電子金龍が一着でゴールすると、
そのゴール前で颯爽とジャンパーを脱ぐ。
そして人々の注目のなかで
こうして凱旋する電子金龍と騎手フラッドを祝福。
「この人は誰?」って中村雁治郎と老け役の泉ピン子 じゃありません。
まだ生きてたの?と思いますが元党主席華国鋒と夫人です。
毛沢東の後継者……ただなぜ華国鋒なのか?と考えると
これは林彪失脚よりもっと理解に難い謎です。
偉大なる毛主席の後継者ですから誰がなってもシコリがある。
それなら、と絶対にシコリがない宇野元首相的な暫定で選ばれ たのか、
いずれにしてもすぐにいつの間にか政治の表舞台から消えてい ましたが
こうして、あ、これは毛沢東生誕109年記念式典
なぜ109回を祝うのかわかりませんが偉大だから毎年祝うの でしょう。
まさか人間には108つの煩悩があって
109周年で毛主席の煩悩が消えた、ってお祝いではないは ず。
華国鋒氏は党主席だったのだからこうして晴れの場に現れま す。

下の写真、こっちは中央が毛沢東の娘、李敏。
注目すべきはその右の老いても美しき女性。
毛沢東の秘書を長年務めた張玉鳳女史。ほんとうに美しい。
毛沢東の主治医であった女医李志綏が米国に移民し『毛沢東の 私生活』(文藝春秋)という
毛沢東の皇帝色を好む私生活の暴露本を上梓して数ヶ月後
シカゴの自宅で遺体となって発見され、この本は中国では発売 禁止。
そういったわけでこの張玉鳳だって彼女だから知る真相は凄い のでしょうが
彼女はそれを語らずこうして引退後の今も厚遇されておりま す。

一月七日(火)晴。年老いて足冷えひどく行火まで支度し寝ても暁方寒さに小用覚え目覚めれば熟睡でき ぬまま朝を迎え寂寥の感。摂氏七度の極寒の朝。雑務に追われあっといふ間に夜となる。ブリのあら煮を肴に菊正宗。最近かなりの確率で富柏村のサイト開か ず。日に100以上のアクセスあり有難いことながら読んでいただけぬとは真に辛いこと。閲覧が多く大変込み合っておりますならまだしも実は virtualave.netの何十万軒といふサイト全て開かず。www.virtualave.netのサイトぢたいも開かず。これは www.virtualave.netの全般に亘る技術的な問題。合衆国を代表する無料ヱブサヒトであり日頃あれだけ米国先導主義を非難しながらこの米国 的なサイトに自らのサイト立脚するも矛盾あり、また米国サイトにあってはいつ「テロ」の襲撃に遭うかもわからず移転を考慮すべき。米国といへば北朝鮮の軍 事優先思想のアッピールに対して「北」の核開発を非難、これは自家薬籠中のことにて驚くにも値せぬがNHKのニュースとて「北朝鮮による核開発に世界の非 難が集まっていますが」と何故に北の核開発ばかりが非難され米国の核軍事利用は非難されぬのか、余には解らず。
▼2chの時代劇でもH君によると本日の東京“都”新聞にもやはり『武蔵』の『七人の侍』「パクリ」につい て論難する文章あり、と。作り手も受け手も「おっ、七人の侍じゃん」という共通理解のもとに楽しむべき、とH君。芝居でも本歌取りはいくらでもあり。ただ 重要なる点は本歌取りは「しただけの」筋になるべきこと、下手な筋、演出では嗤われるだけ。
▼築地H君によると宮台真司センセイが奥平康弘先生との対談『憲法対論』を上梓、その中であの宮台先生がか なり本気で皇室尊ぶ、と。田舎漢による皇室利用を嘆き、この皇室への恭敬とリベラリズムは両立する、というような姿勢と。奥平先生の主張は言わずもがな。 H君と、確かに若手のかなりリベラリストがリベラル=反天皇制でなく寧ろ皇室への敬慕をさらりと晒すこと少なくなし、と語る。余も少なからず日剩にて戦後 民主主義の象徴の如き、いろいろな意味で憲法に立脚した思想信条の自由を謳歌された陛下について語り、またその下々の者への優しいお心遣いなど称賛をたび たびお聞きする、芳香馨しき光の君が如き皇太子殿下も国民の象徴としては素敵ではないか、と思う。天皇制がないとダメなのか、つまり共和制は日本にて成立 しへぬのか。H君曰く、敗戦時に國體の維持こそ枢要にてGHQも戦後の日本統治においての天皇を用立があったが、かりに一連の戦後改革のなかで「皇室は廃 止しまーす。今日から共和制にしまーす」としていたら、革命は件のポツダム宣言受諾の「八月革命」で済んだといふことにして、で意外と日本国民は「そうな んですか」と適応したに違いない、と。大統領制なら長嶋とか石原裕次郎が選ばれていたかもしれず、その統治に疑問なくもないが、現役の総理であの為体です ら国家が維持されるわけで「あの」都知事に首相待望論があるほどなのだから東証ですら今年の景気回復を願掛けする長嶋大統領の方が100万倍マシかも知れ ぬし都知事よか「弟よ」のほうがずっと冷静な判断力がありか。ただ余が思うにこれは結果論であること、もし八月革命が成功して共和制が実施されていたら可 能だったかも知れぬ、が、今になって天皇制廃止で共和制への意向などしたらマジに「あれ」が大統領にでもなったらそれこそ亡国。それならば折につけ憲法擁 護、平和主義を宣はれる陛下御座して戦後民主主義の見直しだの強い日本への幼稚な願望に暴走しかねぬ国家の右旋回への歯止めとして天皇制といふ装置が作動 していることが有効ではないか、と思う……って美濃部博士の天皇機関説の延長か。それにしても本来、保守反動の象徴に位置すべきが如き天皇制が中庸に在る こともある面では戦後の立憲政治が上手く機能していることに他ならぬかも知れぬ。まぁ具体的な政治の質は別として、だが。さういへば昨日だかの朝日で90 年代の政治改革の総括の如き特集記事あり細川殿があと1年政権維持すれば、つまり政府予算を二度作っていたら単に政権奪回だけではなく自民党が築き上げた 予算バラマキの仕組みが崩壊し、その後の、かつての55年体制による自民党長期政権時代よりも更に強固なる今日の自民党一党政治には陥らなかった、と。殿 にその辛抱ができなかったのであり、それよりも日本新党なる、全く思想なきイメージだけの「何か新しいことがおきる」が如き団体を生んでしまい、そこにま た思想信条乏しき政治志望家群集し国民もまたそんな実体なき団体に期待を寄せてしまったことが90年代の最大の失敗であった、と。それが今日の民主党の為 体まで続く。80年代にバブル謳歌しそれが破綻し本来そこで抜本的改革の最大の機会を過失したこと、これは戦後の最大の国家的国民的失態。それを今日の首 相に見られる漠然とした意欲だけの小手先だけの改革で改革などできよう筈もなし。

一月六日(月)寒さぶり返し昼頃より降りだした雨は夜になり雨足強くなり気温も摂氏九度まで下がり深 夜には七度、郊外では二度ほど低くなると天気予報。Bang&OlfsenにてB&Oと通常のピンプラグ端子のアンプを通してターンテー ブルだのビデオだのつなぐケーブルを購入、これを期にオーディオの配線の整理整頓。数カ月ぶりにレコード復活。最初に聴いたのはPink FloydのThe Wallなり。ちなみに最初にターンテーブルをつなごうとした八年ほど前にはこの変換ケーブル売っておらず部品購入してきて自作、これが傷んで、当時は B&Oもまだターンテーブルを生産発売しており他社のものをつなぐ必然性はなかったのだが現在は発売中止、時節柄このケーブルが発売されていても おかしくない、と数日前にふと思ってB&Oのショウルーム本日訪れてみたら「あります」と。厳寒に自宅にてZ嬢とチゲ鍋。冨山房から出版されてい る薄田泣菫の『茶話』三冊、注文する。難解ながら近代詩では重要なる詩人であり岩波文庫にもあった希代の随筆家ながら薄田泣菫を「すすきだきゅうきん」と 読むことすら知らず今日に至るは含羞に値す。この名、断腸亭日剩に出てこなかったか?と築地H君と思案。
▼昨晩の大河ドラマ『武蔵』について築地の通人H君と語る。さうさう昨晩は小次郎役が松岡君では剣豪という にはちょっとニンがないか、と思ったが今日ふと、若い方はご存知ないと思ふが、この役、新国劇にてデビューした当時の若き日の緒形拳にでもやらせたら極致 であらう、と。H君もやはり感じたことは、武蔵(新之助)らが通りがかった街道筋で突然或る母(かたせ梨乃)と朱美(内山理名)に傭われその家を毎年襲う 悪党どもと戦うことになるという筋、「あら、これって『七人の侍』か?」と。盛り土に刀さしてる場面もあり、それくらいハッキリやれば「パクリ」でなく 「リスペクト」だか「オマージュ」だかということになるか、と。配役にしても『七人の侍』で菊千代(三船敏郎)が武蔵なら、志村喬演じた勘兵衛に当るは傭 われ侍の頭・半兵衛(西田敏行)、小次郎が木村功演じた若侍の勝四郎。H君曰く『七人の侍』では勝四郎は志村喬や久蔵(宮口精二)にインスパイアされて一 人前となってゆく筋あったが、どうせなら青二才のタケゾウがムサシに成長してゆく契機のようなものをもう少し書き込んでもよかったのでは?と。悪党と戦い 夜襲を受けて半兵衛が呆気なく死んでしまい、復讐相手となった悪党の頭も意味深長な殺気を漂わせたわりに余りにアッサリと武蔵が勝ち、それだけで「俺は強 い!」と悟ってしまっては余りに即席すぎはせぬか。どうせなら、極論であるが戦国時代という背景であるからこそ内山理名演じた朱美という娘の設定を若衆の 少年とすべき。H君のホンでは「俺をなぶりものにしやがった奴らを絶対にブッタ斬ってやる!」「おめえじゃ無理だよ、小僧」「自分だって小僧じゃねえか」 とかいうやりとりがあったのち、意気込んでしゃしゃり出てきた小僧を助けようとして西田敏行が斬られる。「小僧、よく聞くんだ。おまえの父ちゃんは決して 弱虫なんかじゃねえ。本当の勇気ってのは、刀を振り回すことじゃあねえんだ……」と。黒澤明ならここまでもってゆくはず。美学とはさういふもの。ただH君 曰く、それだと「荒野の7人」になってタケゾウは剣を捨てて百姓として生きることになってしまいそう、と……確かに、これでは武蔵にならず初回で終わって しまふか。黒澤明が88歳で亡くなった98年なら新之助21歳。成田屋を黒澤時代劇で抜擢できていたらさぞや面白かった、かと。「おい、新之助君!」と注 文多くどこまで成田屋がそれに応じるか。あの勝新が『影武者』で降板したのも結局は黒澤のどこまでが映画制作上の要求で何処が個人的なエゴなのかわから ぬ、そういった体質が嫌いだったのでは?と思う(映画制作など個人的エゴの究極といってしまへばそれまでだが)。勝新なら役者馬鹿ではあるが芝居は芝居、 芝居と自己の現実は混同されておらぬはず。洒落で遊べる役者。その勝新にかわって信玄役勤めた仲代達矢は黒澤に『椿三十郎』の室戸半兵衛役で大抜擢された こともあり、今更、黒澤のさういふ芸風に反発などあらうはずもなし。

一月五日(日)晴。Nike香港10公里挑戦賽 03、将軍澳工業団地にて開催され参加。HKAAA主催にて香港の10kmレースでは最大規模、数千名参加あり昨夏開通した将軍澳の地下鉄駅にて 専用バス待つ長蛇の列。54分台と5分30秒/kmと余にすればまずまずの記録、ふだん練習など全くせずこうして大会に参加しこれまで途中棄権なく完走し ているだけでも我ながら感心しつつどうせなら日々鍛練すればもう少し記録もよかろうものをそれをせぬのが余の致命的欠陥なり。終わってZ嬢とタクシーで清 水湾道を上がり釣魚翁郊遊經6.5kmほどを歩くことに。西の眼下にはさきほど走っていた将軍澳の工業団地広がり東には清水湾の海岸と絶壁にたつ高級住宅 地を見下ろす。この經にては釣魚翁(High Junk Peak)344mが最高峰であるがこの香港三大尖頂(他は屯門のCastle Peak、西貢のShark Peak)の一つは径路に急崖危険立入禁止の表示あり道遮断。急崖はいいが径に薮茂りとても入る気にならず郊遊經の通りまずMiu Tsai Tunを迂回するがやはり凛々しく聳える名峰にてちょうどMiu Tsai Tunからの尾根道にあがる横路を見つけそれを上がり釣魚翁に登る。絶景。ただし東の清水湾側は確かに彼方から眺めると美しい急稜も真上から見ると足の竦 む急崖。さすがに10km走行用のReebokの薄底の超軽量靴をはいており下りで膝から足首がかなり痙痛。靴がいかに重要であるかと思い知らされる。こ の清水湾半島の稜線から西半分が見事に崖まで崩されその岩土にて将軍澳が埋め立てられる。この郊外自然公園の境界線ぎりぎりまで岩盤100mほどの高さま で削られた奇景。朝、工業団地(当然全面通行止め)を走っていた時も汚水の悪臭あり工業団地で下水未完かと疑ったが稜線を歩いていても時々悪臭あり不思議 に思えば将軍澳もかなり南に新設の下水処理場ありそこの汚水処理での悪臭が広範囲に漂うと察す。汚水処理といへばマレーシアから生活用上水を購入している シンガポールがマレーシア側の水道料値上げに対抗して星港にて汚水処理から生まれた真水を飲もうといふキャンペーン実施、政府キャンペーンが全ての管理国 家において首相みずからがこの飲料用水のペットボトルの水飲み懸命に宣伝していたことを思い出す。香港も中国側に水の供給止められたら一発で破綻する都市 であり、それも英国から中国への復帰決定の一因。地堂咀まで到着、大廟と呼ばれる天后廟参拝。南支那各地にある天后廟であるが此処は大廟という名からして も香港の九龍側の最南端の位置する、ここから大海に船出する重要な位置であることからしてもかなり見事な廟。仏像も拝むに値す。この大廟の波止場から香港 島の西湾河まで船があると地図にあったがすでに実質的廃線。大澳と岬を挟んで東北に位置する布袋澳にて海鮮で遅めの午餐。海鮮島なる料理屋。南Y島の天虹 の如くこの海鮮島が布袋澳では一人勝ち、か。生簀には蟹、蝦、蝦蛄、貝類と豊富であるし他よかかなり廉価であるがZ嬢と二人なのに「小さめで」とで石班魚 を選ぶ。ふつうかなりの人数での海鮮で出てくる石班魚であるがすでにかなり満腹状態で出てきた石班は美味いのに白飯のおかずでざっと白身だけ喰って終わ り、であるから、たまには寧ろ他は何も食べずに清蒸石班だけ、それに清炒豆苗だけで、じっくりと骨の髄まで石班を食べよう、という次第。美味。客は西洋人 多し。子供づれ、和やかであるが親の威光の絶対さがあるのだろう、どんな巫山戯た餓鬼でも親には忠実で、親という存在の絶対性を垣間見た思い。ファンキー な運転手の超古いミニバスで坑口站、地下鉄で帰宅。夜、昨年あれだけ揶揄して一度も見ておらぬNHK大河ドラマにて『武蔵』見る。唐沢某ぢゃなく顔良し、 声良し、姿良しの成田屋の主演とあっては見ぬわけもなし。それにしても新之助演じる武蔵の父親はビートたけしではあるまひ。ビートたけしじたいはいい役者 だが新之助の父といふニンではなし。まさか実父の十二代目もニンが異なり、歌舞伎でこの役が演じられる役者がおらぬ(故實川延若とかニン)。この役でニン があるのは実際には無理な話だが役者でもあった張芸謀監 督でしょう、やはり。ジャニーズの松岡演じる小次郎かて歌舞伎で役者おらず。歌舞伎の役者の層の薄さ。ハイビジョン用?、画質が鮮明すぎて背景の緑だの滝 だのまで必要以上に映ってしまひ役者は役者で特撮で背景にハメコまれたような像となってしまい、現実感を通り越して煩いだけの映像となってしまっている。 成田屋といへば今日の朝日の大岡信・折々のうたに「助六は凧となりても傘挿せる」と。はやく新之助の海老蔵襲名で京屋の揚巻相手にした助六が見たいもの。 『武蔵』見てから(といっても時差で一時間早いのだが)夜遅く映画館で『金鶏』見る。先日何年ぶりに『無 間道』見て香港映画の奮闘に驚いたが普段香港映画のことなど語らぬ劉健威氏が絶賛した『金鶏』(監督:趙良駿)も素直に面白い。呉君如演じる妓女が深夜銀 行の現金引出しで強盗(曽志偉)に襲われたが停電となり其処に閉込められた二人、そこで呉君如が自分の十五歳からの風俗人生を語るという設定は『蜘蛛女の キス』とか『東宮西宮』など映画や芝居の定石、これまでの半生を香港の経済成長、六四、移民潮、香港変換と不況……といった香港お得意の“滄桑”、 その時代の風潮で少女風俗から夜総会、バブル炸けて売春宿での淫売から性感按摩、一樓鳳(自宅淫売)と風 俗の変遷。ここに出てくる客がAndy劉徳華、Leon梁家輝が真骨頂の好事家役などいい役者ばかり、胡軍は渋い大陸ヤクザ、産婦人科医の張堅庭など、こ れでもかといふほど芝居のできる役者総出演。老いたスケベ客の俳優たちも名前は知らぬが実は日本でいえば藤原鎌足、伴淳、殿山泰二といった渋い老俳優が出 演。いい役者がいていい脚本(ホン)があれば他は何もいらず。

一月四日(土)晴。午後、沙田にて競馬。12月15日の国際レース以来の観戦。当ったり外れたり、ど う見ても騎手なら韋達、厩舎はSize師というのが堅いとこの組合せで賭けるがなかなかそう上手くはいかず。晩に視たNHKスペシャル「千年の道具を守り たい」、輪島の漆塗りの蒔絵に欠かせぬのが1mmに数本の線描ける熊鼠なる鼠の毛、これが日本全土にいる熊鼠の中でも琵琶湖周辺の葦原に生息する熊鼠だけ からしか採れぬもの、だが乱開発だの農薬散布だのでこの葦原の鼠がもう獲れなくなりその漁師も亡くなり京都の絵筆屋に一匹の熊鼠の皮が残るのみ、今後輪島 のこの蒔絵が廃れてしまふ懸念あり、と。これを見ていてZ嬢と「中国ならきっと広州の清平市場で鼠さがせば食用だし毛皮なら入手できるのでは?」などと軽 口を叩いていたら、欧州にて数多く残る蒔絵の修復師!をするSさんももう筆先の僅かな熊鼠の筆を二本もつだけで、この筆がなくなれば蒔絵装飾の修復もでき ぬとSさんが得た情報が中国、番組はこのSさんの中国行きを追うのだが、「香港から電車で四時間くらいだそうなんですよ」と語っており「え、まさか?」と 思ったらマジに広州。さすがに映すのもおぞましき清平市場ではなく郊外の肉食市場だったがちゃんと鼠肉屋あり郊外の鼠飼育場を訪れて、もしかすると熊鼠の 毛にかわって蒔絵用の細筆となる毛を持ち帰るS氏。……長くなったがただ「広州〜!」と言って笑っていたら当った、とそれだけの話なり。
▼昨日、川端康成の『雪国』の「国境の長いトンネル……」の国境が「くにざかい」か「コッキョウ」かといふ ことを綴ったが、そこで紹介した日本語面白言葉のサイトのYeemar氏にこの 「関西人のクニザカイ発言」についてメールしたら早速ご返事いただき、面白い例として東海林太郎の歌「国境(コッキョウ)の町」では歌詞が「橇の鈴さえ寂 しく響く 雪の曠野よ町の灯よ一つ山越しゃ他国の星が 凍りつくよな国境(くにざかい)」となっており「タイトルは「コッキョウ」なのに歌詞では「くにざ かい」なのです」と教示いただく。面白い。
▼尖閣列島で魚釣島など民有地となっている三島について日本政府は土地所有者より借り上げ、これに中国、台 湾が抗議。そこまでは事実だが「尖閣列島は日本固有の領土だが、石油埋蔵の可能性があることなどから中国や台湾が所有権を主張」と(朝日)。中国は中国固 有の領土と主張するであろうし、日本とて琉球占領によって得たにすぎぬはず。政府見解ばかりか新聞まで「日本固有の領土」とするのは報道が政府のプロパガ ンダ報道に成り下がらぬか。領土権を返上した上での日中台での共同での自然環境維持であるとかリゾート開発であるとか、打開策の検討できないのだろうか。 同じ朝日に「20代の若者を中心に大麻の汚染が拡大している」と。これも大麻=悪いもの、という前提。政府ですら大麻取締法を麻薬取締法とは別にせざるを 得ぬほど、国によっては所有、喫煙が合法化されているほど大麻は麻薬に比べ社会的許容があるのに、煙草汚染はいっこうに減らないのは放置したまま大麻蔑 視。「大麻の汚染が拡大」と書いている記者が煙草吸いつつ、でも許されるのは、客観的に煙草と大麻の身体に及ぼす影響だの中毒依存性の客観的評価でなく、 たんに煙草が合法で大麻が非合法である、という法的基準に依存しただけのもの。報道といふもの公正のようでいて前提からして明らかに偏っている場合少なか らず。
▼揺滾楽隊ロックグループBeyondの黄貫中が一昨日商業電台TVBの音楽番組の収録中に演奏終了後「実 際、おれたち一人一人に自分の空間があって、自分の素直な気持ちをそこで語る、おれはおれの口を封じる全てのものに反対、おれが何を言ったかみんなが知れ ることが大切、強烈反対!……何にかは言わないけど、みんなわかるよね」とコメントあり観衆が声援と拍手と。これがその晩に放送され、このコメント部分が カット。局側は政治的敏感とは関係なく単に放送時間により編集上カットされただけ、と説明。明らかに23条絡みの政治的問題だがカットされることも当然 で、カットされればされたでマスコミが取上げぬわけもなく、さすが大御所・黄貫中の作戦勝ち。

一月三日(金)見事な快晴ながら風邪治りかけて山にも向えず。小熊英二『民主と愛国』どうにか半分、 四百頁ほどまで読む。昼すぎ湾仔華潤大厦にて「人体の不思議展」 なるもの好評開催中にて要するに人体解剖された肢体標本。養老孟司先生とかが監修で日本だの中国を巡業してきたらしい。日本アナトミー研究所といふところ が主催で株式会社マクローズといふ会社が運営し何故か南京大学/江蘇省教育委員会/南京蘇芸生物保存実験工場とかが協力で日本、南京といわれては日本軍の 蛮行が頭を過るが香港でもこれが臆測されることを察してか人体は医学的目的のため献体されたものであることが予め強調されていたが、実際に見てみるとすで に展示用にきちんと整理され内臓など整頓された乾いた「物体」は死体という生々しさもなく、まさに乾物。街市でもっと血なまぐさい肉だの骨だの、内臓を見 慣れている者にとっては、あ、排骨、肝、腸と。ちょっと干からびた肉はまさに皮蛋痩肉粥に入ってくる痩肉。広州の清平市場を数日前に見てきた者には皮を剥 がれた山羊が何頭もつり下げられた姿のほうがずっとグロ。この展示、向かいが親方五星紅旗の新光酒樓、ちょうど店のガラス窓からこの展示会場が見えるのだ が日本ならまず料理屋側から苦情か。中国マルチ査証取得のため中華人民共和国外交部駐香港特別行政区特派員公署領事部外国人簽証處へ。新装なって見た目は 機能的ながら「テロ国家」と米国が指摘するイスラム系の国の方々、たかだか中国のビザ取得するのに沢山の書類など持参し不憫。中国にとってはイスラムは米 国が指摘するまでもなく新疆独立運動などとの絡みもあり、でか。見た目機能的だが職員の横柄さは百年一日の如く変わらず。同じビルの階下に「中国人」証件 處があるのは香港に居住する大陸中国人の香港滞在許可延長の申請場所。こうして海外に滞在していても当地の居留許可は要るものの日本政府には一切管轄権限 もなき日本は自由と改めて思ふ。Hennessy RdのEtech CenterといふApple社Mac製品の多いという電 脳中心訪れる。そこそこ広いフロアは閑散……客などおらず。Macの需要がけしてないのではないにしても、である、ハードとして新製品がずっと出てないの だから集客などできる筈もなし。深水歩の電話屋へ携帯の16日要した修理受取りに出向く。「一応」直っているが電池ケース部分の蓋見つからず暫く探してい た売り子どこからか持ってきた古い同機種の蓋をさっとはめて余に渡す。「これは違うやつだろーが、見てみいぃ、こない傷ついとるやんけ、何してんねん、こ のド阿呆」と指摘すると「あ、やっぱりバレたぁ?」と。結局、店には見つからず何処だかこの近くに、小売店は同じような携帯屋が何軒の軒を並べるが胴元は 数軒らしくその修理場所より店子が蓋を持参。最初のはInfraredの部分が外れており二回目ので(これが当初のもの のわけないのだが)どうにか納得。やはり並行輸入品はいけない、と痛感するが、それにしても現行のNokiaに欲しい携帯ないのだから古い 機種を選ばざるを得ず。一旦帰宅してオーディオ配線修理。晩遅くZ嬢と天后の利休ですき焼き。隣の席についた会社員二人の会話が耳に入ると上司が「それ で、その工場はクニザカイからどれくらいなんや?」と。クニザカイ?……ふと齋藤孝『声に出して読みたい日本語』(草思 社)が川端康成の『雪国』のあの冒頭の有名な一文「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」の「国境」に「コッキョウ」とルビを振り、 これが「くにざかい」が正しいと「どこか声に出したいや、間違っとるやんけ?」と非難され「くにざかい」に二刷から訂正したそうだが(実は「コッキョウ」か「くにざかい」かは断定できず、これについてはこちらに詳しい←日 本語好きには超お勧めのサイト)、その客の話を耳ダンボにして聞いたら深センの国境から東莞だか珠海の工場までどれくらいか?という話題。 香港と深センの境界が厳密には「国」境でないのに国境と呼ばれていることもあるが、それをクニザカイと呼んだのは余は初めて耳にする。このオッサンにして も関西のほうがクニザカイかと呼ぶのだろうか?と思うと川端先生が大阪ということで「くにざかい」が有利か、などと思う。
▼小熊英二『民主と愛国』に石原慎太郎の『太陽の季節』に対して当時、評論家から「植民地的な日本のある種 の上流階級の子供たちが自由を勘違いして何の目的もなく生きている姿」と評されたことに対して石原側が「理屈よりも実感」と応えたという話あり。現代にこ れを置き換えてみれば「植民地的な日本のある種の上級階級に育った子供たちがオヤジとなり、享受きてきた自由を勘違いして無理矢理に対外の敵を作ってそれ の排除を目的として生きている姿」であるとしたら石原はやはりそれに「理屈よりも実感」と応えるのであろうか。
▼『飲食男女』誌に香港日本食隠れた名店特集。銅鑼湾のいろり、慶、北角の寿司加藤、中環の天麩羅あげ半、 と同じくA氏経営のらーめん処札幌。確かに日本人には有名だが地元では知る人ぞ知る、かもしれぬ店ばかり。寿司加藤、親方は取材拒否で勝手に取材、と。そ りゃそうであろう、あれだけ繁盛していて雑誌見た香港人の客に酒も飲まずに「醤油つけたわさびにサーモンの刺し身からませて」食べられた日にゃ客単価が悪 いとかそんなシケた話でなく寿司屋の看板が泣くってもんだぁな。

一月二日(木)曇。風邪ひどくC医師の診断受け終日臥床。薬にて昏睡の如く眠り入り読書もできず。
▼一条さゆり嬢、尖沙咀の「銀座」にての女将稼業、一度訪れご尊顔に拝したいと思っていたら先月末を以て辞 職。事の経緯は日記に。 給料のことでさゆり嬢の気配りが裏目に出た感じでまた広州に戻るそうな。店側にしてみたら蔡瀾氏の口利きでさゆり嬢傭えば店に華も添えられるし客も誘える という魂胆でさゆり嬢を女将にしてみた、と。いずれにせよ一条さゆりほどの才媛、一軒の海外にありがちな高級日本料理屋の女将に囲われる身柄ではなく自由 人として振る舞ひ、その空気を人々に授けることのほうがお似合い。
▼SCMPによると聖誕節Eveの晩の路上に投げ捨てられたゴミが23屯に対して「僅か」6屯だったことを 政府成果として宣ふが尖沙咀周辺だけで31万人!の人出があったとすると一人あたり19.4gのゴミを捨てたことに。何かと物議を醸す董行政長官の妻この ゴミ散乱を見るに見かねてボランティアとして早朝の清掃活動に参加。公共心もつ美談になるはずが「何かといえば口先で非難ばかりする人が多いが自分が体を 動かして公共のために働くことが大切」などと宣い政府非難をする人士への揶揄か、と逆に非難される。
▼年頭を三勝で飾ったSize調教師曰く「馬たちはみんなよく走った、馬が勝つ可能性があるレースで勝って いる」と当たり前のことだがきちんと馬の特性を理解し実力に見合ったレースに参戦させ馬を気持ち良く走らせば結果は必然的にいい、といふこと。特に Grand Delightの場合、12月15日の香港国際レースでの香港マイルでブービーという結果でスタミナが疑問視されたがSize師曰く来港前にこの馬が豪州 のマイル競走のG1で優勝しているためずっとマイル馬と思われていたが香港の層の厚いマイル競走にはこの馬が立ち向かえず1400mが理想的で1200m でも大丈夫ということ、と。企業経営であるとか人材活用のお手本の如きSize師。

一月初一日(水)曇。久しぶりに日本の実家に電話、妹より地元の江戸時代の呉服屋時代から創業270 年を越えた老舗の百貨店が来月閉業と知らされる。子どもの頃、豊かさと賑わいの象徴の如き客があふれた百貨店。百貨店前の傷痍軍人、七味を売る老夫婦、正 面玄関横に設置されたテレビから吉田茂の国葬の様子が流れ、そこにのちにマクドナルドが初めて開業。この頃が最盛期か、百貨店前のバス停は百貨店の客、マ クドの客、バスを待つ者と歩行者。この頃の市民は何処に消えたのか今では休日とて閑散とした百貨店。屋上にあがれば当時の屋上遊園地の賑わいなど嘘の如く 何もなし。見下ろす街もなんの喧騒もなし。広州で風邪をひき元旦恒例の長洲島での10kmに参加できず。午後テレビ中継見ながら競馬。R7より最終R10 まで好戦。R7(三班1000m)はSize厩舎の五月初戦から1冠1亜2負のForte(父Snippets/母Salamore)と10月の初戦で冠 軍のSuper Brose、実力伯仲だが調教の時計とSnippers系ということでForteとして接戦で勝ち。両馬ともダービーに向けてかなりの期待。R8(香港 G3、1200m)は期待のAnabank(父Anabaa)が退出してしまひ韋達騎乗の喜望峰Cape of Good Hope、両馬とも12月の香港Sprint参戦馬だった、とするがSize師のGrand Delightが132磅背負てまさかの一着、結果論だが1400mを得意とする先行馬の1200mでの初戦で外したのが間違いだが12月の香港マイルで も11着。Size師にただただ感心。R9(二班1200m)は今季四班より登ってきた飛鷹(告東尼厩舎)か原居民の陰に隠れてしまっているが九歳にてま だ活躍する彩色時代(華)か、で飛鷹にして見事一着。本日、告東尼師、高雅志騎乗で四勝目。今季は独走するSize師に告東尼がどこまで追い上げるか、が 見物。R10(一班1400m)、侵略(東)、名前はイヤだがKiddyland(Woods)、Clement Supreme(Hynes)に時代巨星(Size)と面白い組合せ、注目は時代巨星が三月からの7戦で5冠1亜1負と好成績で四班からついに一班まで昇 りつめ初戦、本日はハンディは116磅と軽いが一班戦に立ち向かえるかどうか、告東尼師と高雅志の本日四勝目かSize師とDyeの三勝目かということも あり最後まで悩み時代巨星がSize舎にしては調教の時計が振るわず侵略としてQは侵略と時代巨星、結果二馬の競り合いとなり時代巨星が勝ち。Qのみ取 る。現場で見たかった競馬日。夜、K氏とT夫妻来宅し酒処Zといわれるほど酒の肴が美味いと評判のZ嬢のおせち。K氏持参の越之寒梅(金無垢)と福井の黒 龍という大吟醸4合ずつをさらさらと飲み干してバランタインの21年で歓談。
▼テレビの新聞報道では昨晩の午前零時のカウントダウンの様子、とくに尖沙咀に群がった若者どもが聖誕前夜 の混乱を再現したかどうかの様子が繰返し流される。広場の樹木、塑像の類には厳重にサランラップがまかれ噴射塗料での破壊から守り警察だの民安隊だの政府 が応急で組織した公共物愛護大使といふ名のボランティアだのが秩序維持に乗出す、と。ただ群がって時間を共有すること以外に何もなき若者ども手にした午前 零時になると蛍光棒を投げて新年の到来を祝し落ちてきた蛍光棒を今度は誰彼ともなく投げつける遊戯始まり無数の蛍光棒が放られる狂乱。とくに警官とテレビ のカメラに向って投げられる蛍光棒は何を意味するか。反権力? 公共物破損の場合、口頭注意でなく即検挙というお触れが功を奏したのか大きな混乱も破損も なく何人かが連行され粗野なる群衆が去ればけして大量とはいへぬゴミが散乱した程度。若者のこういった行為が悪烈になるにつれ警察など官憲の治安維持叫ば れ公安装置が強大となる。その時の被害者はなんら自立も自律もなきままただ貪る如く「自由」を謳歌する自らであることも解せぬ若者たち。不憫。
▼昨年は<アフガニスタン戦場となりて>
 カブールの戦終わりて人々の街ゆくすがた喜びに満つ
と謳われた陛下、今年の御製は葉山御用邸にて、と
 年まさる二人の孫がみどり児に寄りそひ見入る仕草愛らし
と詠まれる。国の文化だの伝統などと宣ふ代議士官僚の諸君が「みどりご」を「みどりじ」などと読まぬこと を、また「緑色の子ども、って何だ?」と嬰児(これは字は若葉の如くで「緑児」でもよいのだが)を怪奇映画的発想せぬことを祈るばかり。
かりに陛下、アフガンに続けて今年詠まれたら
 アメリカを悪むテロとて人の世の幸を願ひて過ちを為す
とでもお詠みになってしまふからか(御製を偽作は不敬なり)、 視線をお近くに御座す孫宮らにお配りになったか、とお察し申し上げる。
陛下の新年のご感想には「振り返ると,平和条約が発効して初めて迎えた新年がちょうど50年前になります。 この50年間に今日の日本を築くために人々が払った非常な努力に思いを致し,より良い未来を求めて皆で力を尽くしていきたいと思います」と。歴史の見直し だの世界平和への軍事的貢献だのと吐く輩にかぎって陛下への敬意を払ふが如き態度を見せるが、明らかに陛下のご感想は戦後の日本の憲法とそれに基づく平和 主義へのご威徳の念に他ならず。余談であるが宮内庁サイト、気持ちはわかるが雰囲気だそうとIEにてMSのだろうか何か明朝体など使ったがため Netscapeでは文字化けあり、配慮足りず。
▼SCMP紙、C.K.Lau氏が編集主幹となってからの紙面改革でできたInsight頁、掘り下げた論 説記事に読ませるもの多いが日本についての記事少なくなし、いや多い。一昨日日剩に綴った三扁もそうであるし本日はRichard Halloranなる紐育時報の元アジア特派員で現在はワシントンで軍事関係を担当する記者が、マレーシアの首相マハティール博士の12月の来日でマハ博 士は日本に対して欧米のイスラム対峙姿勢に対して日本は第三者の立場で欧米がイスラム諸国を理解するために国際政治の場において独自の立場で働きかけるこ とを期待、と述べたことを取上げ、Halloran氏はルックイーストなどマハ博士の日本をアジア諸国の発展の目標としてきた経緯もあり(でも知日派のマ ハ博士はちゃんと「日本の失敗から学んだことも多し」と言及)日本の役割への期待の大きさを紹介。マハ博士の期待はわかるが、余はこのマハティール首相の 来日とこの発言、日本の新聞で読んだ記憶なし。国防キッズの独走であるとか都知事石原の宣ふ「強い日本」など放置するまえにこういった非常に有効な外交政 策が紹介されるべき。だが、紹介されたところでそれじゃ日本政府、外務省がそういう立ち回りをできるかどうか期待できぬ、か。
▼東証は大晦日の締めくくりの大納会に長嶋茂雄を招き長嶋の手締めで来年の景気回復を祈願。誰か縁起のいい 人を、という長嶋起用か、時代錯誤。まだ長嶋に頼りたいといふ発想じだいが来年も景気低迷の予感。なぜアントニオ猪木ではなかったのか、長嶋と猪木という 選択の思考に差異はあるまひと思うが、猪木の場合、わけのわからぬ怪しい投資歴などあり長嶋のほうが株式という仕組みを理解できていない可能性すらあるぶ ん潔癖か。
▼農林省はアイガモ農法の合鴨など特定農薬に指定し利用合法化を、と。管理上のこととはいへ感性の問題とし て田に遊ぶ合鴨を農薬とできる恐ろしさ。こういふ人たちが官僚。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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