かなり「読みにくい」日記なり。文体が読みづらい上にフレームを使うとか改行するとかフォント大きくするとか改善の余地はないのか、と。この日記を読んでいると目の平行運動を続けるうちに気持ち悪くなる、といふ。モニタのスクリーンをフルにして読むと、つまり一行の文字数がかなり横に長くなるとこの現象あり。せめてもの対処法はこの日記の幅を半分ほどにしてご覧いただければフレームなきため自由自在にて目にも優しく一読可。
競馬が話題はたかだか香港の地方競馬にかなり密な記述多く香港競馬を愛好する方すら読むに値せぬ記述が続くがこれ富柏村本人の自己への反省とせめてもの忘備録と思い綴りし事にて読むに耐えぬ向はお飛ばし下され候。ちなみにFvは一番人気、Sfは二番人気、Wは単勝、Pは複勝、Qは連複、QPはワイド……他の専門用語は香港賽馬中心をご参照のほど。
六月三十日(日)薄曇。Z嬢と珍しく日曜日の昼間にショッピングセンターにて家電の買い物などすればユニーでランニングクラブのO夫妻、中環エスカレータで同じくK夫妻に遭う。昼に擺花街の羅富記にて雲呑麺、炸魚球。ミッドレベルはPrince's
TerraceのChouninard Galleryにて内蒙古の画家・Deng Xiao Hongの個展。夕方ジムに行けばW杯決勝始まる19時前にはジム閑散とし旺角の街もふだんの喧騒が嘘の如く彌敦道も閑散。W杯見ようと家路急ぐが金鐘のタクシー乗り場は長蛇の列、タクシー一台も現れず(笑)運転手、車など走らせて営業しておらず。バスは金鐘道渋滞し走りもせず何かと思えば花園道を上る筈のバスが路線変更あり明日の返還記念式典にて国家元首級が来港し道路規制らしき。まことに迷惑甚だし。何が人民のための共産主義を標榜する国家か、市民生活を妨害するべからず。帰宅遅れ後半戦より観戦。伯剌西爾1.45倍、独逸4.5倍が伯剌西爾先制点入れれば伯剌西爾1.10倍に対して独逸21倍まで急落し英国のブックメーカーも伯剌西爾優勝を確定。伯剌西爾追加点入れ優勝(祝)。五月末の予選開始前に四番人気の伯剌西爾の優勝を誓った(五月二十五日の日剩参照)は我ながらお見事。伯剌西爾優勝せばY社長、酒場トンズラI君にMoet
Chandonのシャンペン、Q姐I嬢D嬢に晩餐を振る舞うと豪語したことが悔まれるが優勝はまことに目出度し。
▼暴走する芸人・謝霆鋒君度重なる交通事故、暴走(四月十三日、五月二十八日などの本日剩参照こと)続けしは昨日マレーシアでのコカコーラ広告撮影へ向う空港への高速にてAudi大破させ病院にて救急措置。まさに死に急ぐが如き。昨日謝君のマンションのまえを走り通れば午前中というのに(つまり夜型芸人にとっては在宅時間)蘋果日報などの蝿記者湧いておらず珍しきことと思えばすでに事故発生せし時刻にて記者現場へと向っていたか。
▼South China Morning PostにてFrank Ching曰く、返還から五年の董建華君の施政の最も大きな問題は董君の施政での揺らぎと優柔不断にて、二期目の内閣制はそれを補う上では有効に作用するのではないかと予測。さうあればよいが。
▼経済紙『信報』(明日祝日にて休刊)社説は返還から五年の董建華君の施政を「家長制的勝利、民主化的挫折」なる題にて論じ香港と中国の経済方面での関係の密接化評価しつつも香港の特色である民主、自由、法治と人権は本来内地の模範になる筈が(登β小平の掲げた五十年普遍と中国の香港化は正にそれ)民主化は後退し自由は受損、法治は褪色。論者もマスコミの一人として有形無形の圧力がありマスコミの自主規制も甚だし。もし香港がこのまま深センのようになり大陸の一都市のようになりどう一国両制などと言えようか、と。
▼立法議会にて政府提出の反テロ法につきテロ襲撃のデマを流したり市民によるテロ分子密告の奨励、テロ組織への資金提供の刑事責任、法執行人員の調査権力などにつき民主派議員からこれらの警察国家的な規制の緩和に意見あり、それに対して保安局長葉劉ゲシュタボ淑儀は「議員らの提唱する建議を受入れれば反テロ法はテロ保護法になる」と一蹴。この反テロ法まさに戦前日本の治安保護法の如し。香港の場合殊に懸念されることはこのテロが拡大解釈されれば北京中央を非難することも国家転覆のテロ分子といふ範疇に置けることなり。
六月二十九日(土)晴。久々に梅道から山頂のBarker Rd、Coomber
Rdを抜けBlack's LinkよりDeep Water Bayに下り南湾まで走る。一時間四十分。海で中西進『万葉の秀歌』(下)講談社現代新書読む。万葉の歌を読むたびに人間といふもの感性など寧ろ退化しているのではと思わされる。風、霧、雨といったものになぜにあそこまで感じてしまへたのか。海で波の音を聞き雲が流れその間に間に光がさしてもそれを万葉人のようには感じられぬ我。晩にランニングクラブ例会にて銅鑼湾・功徳林にて精進料理。かつて上海の映画制作人であった老板が美食を続けた末に体調を壊した反省より始めたという由来の店にて味は確かに他の素食に比べ抜群だが油が多いのは気になりゃせぬか。厠所から戻る廊下にて棟続きのカラオケから歓声あがりW杯三位決定戦終わったことを知る。K氏が咄嗟に日本の家族に電話して(笑)結果聞き韓国負けるを知る。祝儀で韓国××したのは祝儀ゆえにいいがつい欲を出し明日の決勝戦の伯剌西爾と××して××したことが悔まれる。勝負はそう単純ではなし。
▼四川省の国立パンダ増加研究中心にて晩生にて雌と交尾を恥じる雄パンダに他のパンダの濡れ場映像を見せ交尾に馴染ませる実験開始と一昨日の新聞各紙。パンダを自然から隔離し施設に閉込めることじたい非-自然でありパンダとて晩生もいれば性接触に関心示さぬパンダがいても不思議ではなくパンダを増やさんが国策のためにパンダも不憫。この実験に更に怯え檻の隅に縮こまるパンダの写真は残酷そのもの。この不自然な視聴覚教育を試みる人間という生物こそ奇っ怪。まさにフーコーの世界。
▼荷風斷腸亭日剩昭和七年十月初三日の日記より。満州外交問題の記事紙面読む荷風散人曰く。
余窃かに思ふに英國は世界到る處に領地を有す。然るに今日吾國が満洲占領の野心あるを善ばざるは奇怪の至といふべきなり。然りと雖日本人の爲す處も亦正しからず。二十年前日本人は既に朝鮮を其領地となし今日更に満洲を併呑せむとするは隴を得て蜀を望むものなり(柏村注)。夕を仁義に假り平和に托するは僞善の甚しきもの。弱肉は畢竟強者の食たるに過ぎず。國家は國家として惡をなさざれば立つこと難く一個人は一個人として罪惡をなさざれば生存する事能わず。之を思へば人生は悲しむべきもの。然れどもつらつら天地間の物象を觀るに弱者の肉必ずしも強者の食ならず。猫と鼠とは同じき家に在りと雖鼠は常に能く繁殖して盡きざるなり。深山幽谷には鷹あり鷲あれども燕雀は猶能く嬉戯する事を得るなり。都會の喧嘩に慣れ電線に群棲し人家の殘飯に腹を満すは雀の能くする所にして猛鳥の學ぶ事能わざる處なり。猛鳥にして一たび深山を出でて人里に來らば忽餌なきに至るべく燕雀は人家の軒に濳んで始めて安全なる事を得。天地の生物は各其處を得て始めて安泰なり。弱肉必しも強者の食ならず。
日本の満州侵略の貪欲を強者弱者の例えにと猫鼠、猛き鷹鷲の類と燕雀で天の理を説くはまさに荷風散人の骨頂なり。
(注)隴は現在の甘粛省の地名、蜀は四川省。貪りて飽くことなきを云ふ語。御漢書より。
六月二十八日(金)快晴。源吉兆庵に苦情電話にて伝える。会社として銅鑼灣店開店をインターネットを使い宣伝することまでは宣伝担当の他社と確認できているが、どうやらどういった方法手段で宣伝がされるかまで把握しておらず。安い経費で大量の宣伝が送れる、といったような文句に乗った様子。悪質なデータ利用が行われており、かういつたメール宣伝の利用は高級和菓子屋の信用問題にて善処願ふ。
▼ウルトラマンコスモスで主役を演じる役者・杉浦太陽君が恐喝傷害事件起し逮捕されウルトラマンコスモスの放映中止などの事態に発展した事件。杉浦君は弟の友人であるこの「被害者」が杉浦家より金を盗み返済をせず……という弁明をしていたが築地のH君によるとこの「被害者」少年が「暴行は別人によるもの。金は以前から杉浦君の家から盗んでいた金の弁償金としてバイトして支払ったもの」という陳述書を「被疑者」杉浦太陽君側弁護士を通じて裁判所に提出、と。冤罪であった可能性大。……となるといったいなぜ杉浦君が冤罪に巻き込まれウルトラマンといふガキの英雄までが放送中止となるほどの社会的事件となったのか、が核心。事務所間の抗争かクスリなどの疑惑か警察検察の意図的作為か……と想像するに、あっさりと結論に達す。これは地球征服を狙うカオスヘッダ
ーがウルトラマンコスモスに仕掛けた罠だっ! カオスヘッダーも正面切って闘うにはウルトラマンコスモスが手ごわいためムサシ隊員(=杉浦君、大阪出身だが武蔵とはこれ如何に?)を事件に巻き込み警察に逮捕させてしまふとは。こうしてムサシ隊員が刑務所に拘束されている間に易々と地球征服をする計画だったのだ。しかし、である、地球、いや日本には芸能マスコミとワイドショーなる強靱な勢力があることをカオスヘッダーは理解しておらず。だはははははっ……警察や健全マスコミ、制作会社・松竹は騙せても「事件は面白くなければいけない」という大原則を有する芸能マスコミとワイドショーはこれが冤罪と早々と察知(週刊朝日の快挙)今回の「被害者」少年の事実陳述へと至ったのだ。偉大なる勝利。文藝春秋社や読売新聞が「国家を転覆させる」と非難する朝日新聞社が地球を救ったのだ(笑)。……それにしても被害者少年の供述で杉浦君を逮捕しウルトラマンコスモスの放映中止まで事態を大きくさせた警察、立場なし。
▼昨日W杯関係者を招き歌舞伎座にて歌舞伎の特別観賞会あり(朝日新聞)。演目は中村勘九郎さんの「身替座禅」と坂東玉三郎さんの「鷺娘」と。写真には中村屋と橋之助、写真のキャプションには「中村勘九郎さん(左)らが熱演したW杯歌舞伎」と。橋之助の名は全くなし。当然ながら身替座禅は二人の演者の駆引の面白き狂言にて勘九郎一人で出来る狂言でなし。而も相手は勘九郎がこの相手でなければならぬハッシーにて名前を出さぬは非常識。たんに知名度で玉三郎、勘九郎とする安易さ。かつて羽左衛門逝去の際に「歌舞伎の男役のトップ」と書いたさすが朝日新聞だけのことはある。その朝日が松竹と組んで歌舞伎を後援するのだから歌舞伎も未来はなし。
▼昨晩新聞(朝日)読み一面のW杯記事『未来に生きる勇気、隣国に見た』なる記事読み呆れる。文章の構成、係り結び、区点の乱用など甚だし。
それにしても、韓国の国民性の「ダミナミックさ」を痛感する大会だ。アジアカップ優勝やシドニー五輪の8強入りなど、日本の躍進に危機感を抱き、1年半前にオランダから、98年フランス大会で母国を4強に導いたフース・ヒディング監督を招いた韓国。開幕前は「日本だけがベスト16に上がってしまうのでは」と、心配する人が多いくらいだった。だが、ふたを開けてみれば、16強の日本をはるかに上回る快挙だ。
下記の如く整理すべき。
それにしても韓国のサッカーの躍進を痛感する大会だ。日本チームのアジアカップ優勝やシドニー五輪の八強入りなどその躍進に危機感を抱いた韓国。98年フランス大会で母国オランダを四強に導いたフース・ヒディング監督を一年半前に招いた。それでも開幕前には「日本だけがベスト16に上がってしまうのでは」と心配する人が多いくらいだった。だが蓋を開けてみれば四強入りと日本をはるかに上回る快挙だ。
六月二十七日(木)快晴。英国の某ブックメーカの優勝予想は伯剌西爾1.4倍、独逸2.75倍。決勝戦の単独倍率は伯1.8倍、独4.5倍。何故に優勝チーム予想と決勝戦の倍率がこうも異なるかといえば決勝戦は準決勝にて勝ち残ったチームが決まってからの賭け開始に対して優勝予想は予選開始前より賭けが始まっておりかつては独逸が英仏伊などと並びかなりの掛け金がプールされ賭率を上げる。今宵はW杯なくジムも連日のW杯観戦にてジムさぼった輩が大挙して鍛練に励み今宵ばかりは盛況。晩22時に中環の餃子縁にて韭肉白菜麺。この時間に満席と盛況。Wellington街の向いにも某餃子屋あるが閑古鳥鳴き悲惨。インターネットにてジャンクメール届くは珍しきことに非ず而も特定のプロバイダの利用者アドレスを如何に入手せしかは知らねどbccにて不特定多数に宛先匿名で送るならまだしもご丁寧に宛先を列挙し個人のアドレス一目瞭然に送られるは不届き千萬。またかういつたジャンクメールを利用するは鼠講、怪しい投資会社、ポルノなどなら驚かぬが香港ではかなり名の通った岡山が出自の源吉兆庵、宛先こそbccにて匿名化しつつもno@body.comなどという怪しき発信元を利用して銅鑼湾店開店広告を余が利用せし香港大手プロバイダの顧客にジャンクメールとして送りたるは唖然として言葉もなし。高級和菓子屋の信用墜落す。余は甘味党にて屡々菓子購ひ、かつて馬主C氏に源吉兆庵の白桃ゼリーなど贈り事もあれどかなり不快。
▼W杯にて奇妙な光景が世界に映されるはブラジルだのイングランドだののユニフォームを着て各国応援団に混じり歓声上げる我らが日本人諸君にて欧州であればフランス人がイングランドのユニフォームを着て応援することはなし。各国にしてみればそれが奇妙に見えるが応援が盛り上がると思えば歓迎だが、と(朝日新聞)。愛しき日本人。本来のナショナリズムより見れば奇っ怪なれどこれこそ日本国憲法に則る跨-国家主義として多いに誇るべき事なり。
六月二十六日(水)晴。市街某所にて伯剌西爾対土耳古観戦。順当に伯剌西爾勝ち昨日の独逸勝利と×××し××していたため喜びも一入なり。太子の彌敦道は寶發餐廰にて鹹肉粽。あとは伯剌西爾優勝を期すだけながらつい韓国の三位決定戦、決勝戦も××にて伯剌西爾の勝利に××す。
▼文楽太夫竹本越路大夫死去。89歳。89年5月に東京国立劇場にて菅原伝授手習鑑の桜丸切腹の段の引退興行、仕事サボって見たことも懐かしき思い出。引退するのも惜しまれるほどの腹から渾身の義太夫語りはいまだに耳に残る。
▼韓国にてノート型パソコンと現金の窃盗容疑で身柄拘束された少年(16)に対して地裁が「深く反省しており、W杯で韓国代表を懸命に応援すると思われる」として、検察当局の逮捕状請求を却下。判事曰く「国全体がサッカーの熱気で満ち、ベスト4にまで進出しており、国民の和合という意味から逮捕状請求を却下した」と。美談(笑)。かりに「韓国なんて応援してたまるか!」とでも少年言えば少年刑務所送りだったのか。ついでにW杯恩赦で大統領の愚息たちも放免?。大統領といえば金大中氏といえば生死を賭けて韓国民主化のため闘った人物、それがいざ権力の座に坐れば汚職に紛れ政治権力とはまさに麻薬のようなもの。大麻解禁して政治を非合法化するとか……あ、政治はもっと汚濁するだけか(笑)。
▼横浜市議会にて本会議場での日の丸掲揚に反対して議長席などを占拠した会派「市民の党」の市議二名を「除名」可決し両市議は議員の資格を失った。市民団体と共産党が「市民の負託を受けた議員の身分を奪う除名には同意できない」と反対したが市議会の懲罰特別委員会が「除名は妥当」との結論。議長席占拠などの「暴挙」を理由にしているが所詮は非国民議員の排除。国旗を掲げたいオトーサンたちの気持ちもわかるが(悲しきサガ)日の丸に反対する市民もいるのが自然。ただ思想信条の合わぬ者を排除しては社会は不健全になるばかり。
▼昨日の朝日にて加藤周一『夕陽妄語』にて曰く。30年代の日本にて他人を罵る言葉として「それでもオマエは日本人か」が流行ったこと。宋左近(詩人)が語るに依れば宋が召集令状受けその歓送会にて故・白井健三郎(当時海軍軍令部に勤務)が友人に「君、それでも日本人か」と言われ白井は「いや、まず人間だよ」と答えた、と。非国民扱いに屈せぬこの白井の態度に加藤は感銘を受ける。この「それでもオマエは日本人か」という翼賛体制が生んだ戦争の悲劇であり、その反省にたって戦後、日本国憲法が誕生したのであり「まず人間だよ」という発想があってこそ憲法が活かされ人権が尊重され日本が平和と民主主義の道を歩む、と加藤。加藤周一ほどの碩学が今このやうな些か青臭いヒューマニズムを語らねばならぬほど加藤にしてみれば日本は危うい。W杯も日本を応援しなければ「それでもオマエは日本人か」となりかねず、横浜の市議も「それでもオマエは日本人か」となる。しかし、である、「それでもオマエは日本人か」などと問ふ輩に「まず人間です」などと答えても所詮土俵違い、むしろ「それでもオマエは日本人か」「そうどぅぇ~すぅ!」とでも答え相手を更に逆鱗モードにするほうが一興か。もしくは「是的、我也是日本人!」とでも。
六月二十五日(火)快晴。猛暑。さすがに韓国決勝進出はなしと予想。やはり韓国独逸に敗退す。四強入りで十分に見事なり。先に決勝進出を決めた独逸の倍率4.33倍より2.62倍に騰がり相対して伯剌西爾多少下げ1.61倍、土耳古10倍に下がる。明日は伯剌西爾だ(ろうな、まさか土耳古では我の全ての夢が葬り去られる)。
▼行政長官董建華君による香港政府閣僚制、北京政府の銭其深副首相(事実上の香港特区担当の最高責任者)がインタビューにて今回の閣僚制導入について董の「孤家一人」に比べたら(閣僚制は)良い、とコメント。英国統治からの官僚制のなかで返還にあたり民間から行政長官に就き(律政司長・梁「反民主」愛詩女史を除けば)孤軍奮闘してきた五年に対して二期目は民間からの閣僚参入が良い、とそういう意味だろうが裏を返せば董建華の空回りの改善策としての閣僚制を北京中央も認可ととれなくもなし。また董建華のこの新内閣をW杯の何れの国家に例えるかという質問に銭其深「韓国」と答えたは時節柄いろいろに解釈可なり。
▼この閣僚制、野暮人事ながら気になる点は香港の良心たるべきICAC廉政公署の廉政専員に入境事務処処長の季少光が任命されたことにて季少光といえば同処処長であった葉劉アイヒマン淑儀女史が保安局長に昇進した際の後任にて葉の舎弟として有名、政府権力よりの独立を背に廉政を期するICACが事実上これで保安局長の支配下に置かれ先日の警察高官逮捕の如き動きに「指導」が入ることは確か。また教育統束局長であった羅范椒芬女史など香港政府の良心派が降格人事も目立つ。結局は董建華の子飼いばかりで周囲を固めたのみの野暮人事。
六月二十四日(月)快晴。今年始めての炎天警報発令。韓国のW杯四強入りに対して審判の不公正につき伊太利や西班牙など韓国に敗退し国家、また2chの如き罵詈雑言でナンボの掲示板、また中国といった覇権国家などばかりか市井の民の口からも韓国は審判に贈賄だのといふ噂や、あれほど興奮してどうするだのといふ冷ややかな視線まで。ふだんはかなり誠実にてリベラルに映る或る人に「あれだけカネを積んだら韓国が優勝しないわけがない」などと神妙に語られ閉口す。審判に誤審もあるが事実にしてもそもそもアテネ・スパルタの昔より<国家>がその権威の下に競ふがスポオツにて政治性なき筈もなく政治といふ体系は健全ばかりのはずもなく(けして韓国がどうのかふのでなはく)技量を競ふ選手諸君は懸命とて政治性を利用する権力が裏に蠢いては昨冬のソルトレイクシティにての仏蘭西による露西亜審判の買収や韓国選手の失格による合州国勝利など例余多ある如く公正を期することは不可なり。W杯、韓国の勝利の公平性など真偽を語り韓国の勢ひを揶揄するに意味なし。余は寧ろ自らが韓国勝利を「予想できず」にあったことに悔ひ積もるばかり。ちなみに伯剌西爾が総合冠軍の倍率は1.53倍まで下がり亜軍が独逸4.33倍、季軍は韓国7.5倍、殿(しんがり)は土耳古にて9.0倍。独韓戦は独2.0倍、韓国3.75倍、伯土戦は伯剌西爾1.44倍にて土耳古7.0倍なり。政治を見るが如くW杯を楽しむべし。今宵は満月。二更にZ嬢と月眺めつつ散歩す。月余りに美しくマンションの屋上でもって月見。
▼行政長官董建華君による香港政府局長級の公務員制から任命問責制(内閣制)への移行、北京中央も期せぬ董君の主体性(誤謬)露見されし改革にて先週末には組閣公開されるべきところ北京中央の批准おりず今日に延期される。夜のニュースにてこの問責制に係わる報道に多くの時間割かれ、ふと察すはこのところW杯の報道ばかりながら今夜はW杯空き日なるは偶然か。敢えて話題性を鑑みて本日を選んだか?。
六月二十三日(日)快晴。朝、中国銀行主催Olympic Day Runなる4kmの持久走に参加。二年前に北京奥運誘致キャンペーン盛上げが為に始まりしものにてゴールして記念品配布かと思い列に並べば北京五輪誘致のための署名にて呆れたり。北京オリムピック開催も決定しこの行事も目的は開催誘致から五輪に向けての市民意識向上となる。僅か4kmとはいえ摂氏32度は炎天下にては肌が痛むほどの陽射しにてアスファルトが焼け運動靴の底を熱す。二十分余にて走り終われば汗で靴までぐっしょりと濡れる。昼前にH氏と打合わせありZ嬢と某処。Z嬢と灣仔に戻り急雨のなか蜀家菜にて川式点心。午後芸術中心にて台湾映画祭も閉幕にて『自由門神』(監督・王童、2002年)。葬式行列の吹奏隊営む家族を父・石英、母・文英、長男阿輝・李康生、次男阿明・陳嘉裕が演じ、これだけで十分だが吹奏楽団員として脇を固める役者もよし。阿狗(張瑞哲)は父親が重度の中風にて寝た切で意識もなく鉄工場で働きながら父親の病院代を工面する。また楽団の家族のなかで今ひとつ報われない小児痲痺の阿明にもいい兄貴分である。が欲が出て地元の廟の門神の扉を盗み骨董品商に売ったことから門神の祟りか阿狗は没落してゆく。それに対して吹奏楽団一行は偶然に手にした紐育旅行でやはり偶然に紐育のレストランに買われていた門神の扉を買い戻し幸運一途。いい物語ではあるが「穢れ」と「浄め」としての葬式家業は前半は文英が吹奏団の制服と黒ネクタイのまま仕事を終え賄い飯しようとする楽団員に「葬式のお清めのようだから制服を脱げ」といったり電車の中で隣りに坐った女が吹奏団を避けるなどしっかり描かれていたが後半はその穢れと浄めが消えてしまいただの善男善女となってしまったこと(それは狙いでもあるか)、それに阿狗の没落はちょっとハプニングが多すぎ。あそこまで劇的にする必要はあるまい。個人的には阿狗が骨董商殺害に巻き込まれ父親の酸素マスクをとって父親を看取り自殺し、吹奏楽団は門神とともに台北に戻り、この阿狗の葬式行列にて吹奏する、その列の後ろを阿狗が送った三輪スクーターに乗った阿明が続く、とそういう終末を期待したのだが……。この映画にては年ごろになった阿明に阿狗が機転をきかし買春宿にてそのやり場のない小児麻痺の少年に快楽を与える、その買春婦役にて僅かに出演した連碧東がこの映画撮影後に債務を苦に自殺していたことを知る。連碧東は水曜日に視た『放浪』では美麗役、『美麗在唱歌』にも出ており(林正盛作品)、亡くなったと知って検索したらかなり昔に視ている『南国再見』や『熱帯魚』などにも少女役で出ていたのだった。銅鑼湾にてOakleyのアイヱア購ふ。帰宅して泡盛で皿うどん食すがW杯の中継なき夜は何か物足りず(笑)。
六月二十二日(土)快晴。昼前に水泳。午後ジム。陽明山荘元亭主I氏、Y氏、佐敦氏にZ嬢とDiscovery Bay。愉景湾に船が着くと丁度夕立となりPacific Coffeeにて雨宿り。数年ぶりにDB訪れるが住宅増え自動車が入るようになりバスの発着も頻繁にてかつての静けさもなし。トラピスト修道院を抜け梅窩まで二時間歩く。ト修道院も空港に離陸する飛行機の騒音途絶えることもなく厳粛とは言い難し。梅窩への峠は夕立のせいか空は綺麗に澄み渡り遠く九龍の清水湾まで見通せるほどの眺め。まだ明るいうちに月は出て香港島の上に虹もかかり絶景。視野の中に海あり山あり緑広がり香港の高層ビル立ち並ぶ市街あり、麓にはトラピスト修道院ありゴルフ場からデズニーランドの造成地までこの世の全てのものが凝縮されたような風景。これぞ香港と感嘆。梅窩の街ほうからウォーッという歓声が峠の東屋まで2kmはあろうが轟き何事かと思い時計を見るが韓国対スペイン戦はとうに終わった時間のはず、もしやPK戦にまでもつれ込んだか、あの歓声は韓国が勝ったような気がする。H君、A氏加わり梅窩の波止場横の飯屋。やはり韓国が勝ったと知り「静観などすべきでなかつた」と後悔。I氏にご馳走になっておいて何だが七人でかなり食し麦酒も大瓶15本ほど飲んでかなり安いしそこそこ美味い。帰宅してセネガル対トルコ、延長戦に入り「さくっ」とトルコに負けるを見る。準決勝の組合わせが伯剌西爾対独逸、土耳古対韓国になっていたらすごいことだったぞ。
六月二十一日(金)晴。伯剌西爾対英格蘭。英に先制点取られるが伯、天王山の一戦を制す。英国ブックメーカにて試合前3.4倍であった伯はこの一戦に勝ちオッズ2.0倍まで下がる。二番人気西班牙は4.0倍、独逸4.3倍。独逸は米国制するは1.6倍にて順当。明日はセネガル頑張れ(対土耳古は2.6倍と同率)。西班牙対韓国は西1.9倍だが韓国4倍応援したく静観。W杯は距離置いていたはずが……(笑)。
六月二十日(木)雨のち晴。食通・唯霊氏イチ押しの北角は寿司・加藤。たしかに「酸っぱくない」旨味あるいい寿司を供す。香港にありがちな見習を叱り飛ばす板前多いなか親方の品格もご立派。晩に日本から来港の(といっても数ヶ月前まで香港に住まいし)陽明山荘亭主I氏とヒコーキY氏、それにI君Z嬢とBank of America Towerの韓国料理・秘苑。骨付きカルビ。茹豚肉。明日広州に朝早く発つI氏ホテルに戻り残りのメンツにて蘭桂坊の某酒場。酔うと突然帰宅する癖あるI君そろそろ出来上がったかと思う頃に立上がるが酒場の階下には降りず手洗いへと入るを見届けるが暫くしても出てこず覗いてみれば蛻けの殻。トイレ横に非常階段あり「してやられた!」と出てみれば蘭桂坊の通り。I君トイレに行ったつもりが酔って記憶なきまま帰宅と察す。
六月十九日(水)久々の競馬なき水曜日。香港大図書館にて台湾総督府熱帯産業調査会編『明治初年に於ける香港日本人』(昭和12年刊)を複写。一冊丸々複写のため国会図書館のように複写業務を請け負うかと思えばさういった提供はなく司書は寧ろこの貴重なる書籍が開架になっていたことに驚き痛みもひどく製本の上閉架資料とするべきだろうと判断(その通りだ)するが複写は認めるので自分でと言われる。この本は戦前の香港国民学校から香港市民図書館に寄贈されそれが戦後香港大図書館に移贈されたもの。大学の複写機もOctopus Cardが使え便利。香港大博物館急ぎ足にて参観。芸術中心にて台湾映画祭『白棉花』(監督・季幼喬/2001)。季幼喬の監督第一作は50年代の大躍進時代の大陸、陝西省か何処かの棉花工場を舞台にウブな青年(蘇有朋)を主人公にその青年が恋い焦がれる姉貴分(寧静)などとの単調ながら過酷な紡績工場での日々の中での葛藤を描く。この時代なのに「毛主席万歳」と壁面に書かれているのは間違ってないか?。画面にはずっと白い棉花が山のように積まれ、この若者たちの暮らしは棉花を運び紡績し恋人との逢引も山と積まれた棉花の中、この白い白い世界が対比されるのが『紅高梁』(赤いコーリャン)だが映画終わって資料を見れば原作は『紅高梁』と同じ莫言と知りさもありなむと思う。蘇有朋演じる無垢な青年を暗示する白い棉花といふわけか。Z嬢来て続けて林正盛監督『放浪』視る。李康生が主演、雨の台北、安ホテル……それだけで蔡明亮監督の世界だが林正盛。軍役を終わって帰郷する弟の帰りを楽しみに待つ姉、だが執拗に姉を避ける青年は父親からカネを盗み安宿で売春婦相手の日々。姉を避けるのは自分が11歳のときに姉と同衾せし過去あり理想的な姉からの乖離を試みるのだが、仕事もせずサクスホーンでバンドマンとして生計を立てようとしつつも無職のまま、売春婦だった彼女との結婚まで決意するのだが、この彼女は偶然にも姉の携帯電話を拾っており(軍役を終わる弟を迎えに行こうとした時になくした携帯)、姉は行方不明の弟からの連絡を待つため携帯の番号を失効させずこの売春婦と電話を返せ返さぬと通話を続けるうちにお互いを語るようになり(これは昨日の『美麗在唱歌』の少女二人と似ている)、姉は弟の彼女がその売春婦だったことを知り、そこまでして弟が自分から逃げようとしていたことを知り家を離れる。とそれだけでもストーリーに複線多くややっこしいのだが、これに更にこの姉と別居している夫、その夫はこの姉弟の父親が営む道教の廟で老父の舎弟でもある。最後は青年は自分の彼女と姉が携帯で語りあっていたことを知り呪縛から逃げられぬ現実を知り、失踪した姉を老父と別居中の夫が探しに行くところで終わるのだが、結論のない映画。それはそれでいいが。終わってZ嬢と灣仔の北京餃子皇。かつて香港でかなり美味いと思ったが中環の餃子縁などに比べるとイマイチか。真剣な北方餃子屋でもなくそのへんの茶餐廰でもなく中途半端。
六月十八日(火)曇。昼まえ電話で相手に「午後はどうされてます?」と尋ねられ打合せでもしたいのかと思いスケジュールは開いていると照会すると「いや、そうじゃなくて、観戦するのか、って思いまして」と(笑)。もうW杯しかないのか。W杯の日本対土耳古戦が始る一時間ほど前から世の中が静まり返っている。電話もかかってこない、メールも来ない。1945年の8月15日、陛下の玉音放送を聞き終わって野原に出て時もこんな静けさ、か。明日逮捕されるムネオもこの対土耳古戦を見ているのだろうか、と思う。日本負ける。これで韓国が勝てば日本は韓国の応援へと向かうわけで、こうなれば歴史的なことだ。これで日韓に友好が生まれればよし。夕方昨日に引き続き芸術中心にて台湾映画祭林正盛監督の特集で『美麗在唱歌』を看る。映画館の切符売場の小さなブースで働く二人の偶然美麗と同じ名前の少女二人。この二人は日がな一日この隔絶されたブースの中から外界を眺めつつ男の話題などしているが生理や失恋の話を通して二人はお互いを愛しく思うようになる。たった二日のことなのだがこの映画館の切符売場のブースなんてそういう世界を設けるだけでこの林監督の凄さ。そしてこの二人は同衾するのだが一人の少女はあくまでこの愛を通過儀礼のように早朝自宅に戻りかつて夫に捨てられ姑に買春宿に売られたという辛い過去をもつ祖母、死を豊かに迎えようとしている、を看取ることから人生の素晴らしさを感じているが、この少女を愛して忘れ去ることのできないもう一人の美麗は去っていった美麗にもう一度会いたくてこの少女と老婆の住む家へと向っていく、というところで映画は終わる。地味だが設定がきちんとした作品。昨日の十名ほどの客に比べかなり盛況で驚かされたが台湾のレズ映画といえばそれまでで女同志少なからず。佐敦の彌敦粥麺家にて熟客と店員がサッカー談義。日本がまさか前半にあそこで得点を許すとは思わず、と。前半は0-0で後半日本が1得点といふ賭け方をしていたらしき某男無念そう。「チャンスをつくったし攻撃はよかった。でも負けたのは何かが足りないということでしょう。いい経験をした」と中田(英)。何かが足りない、って攻撃は良かった「でも」なら……防御、ってこと?。中田サイトは「このホームページ上のすべての文章の無断転載・引用は一切お断りいたします。以後、無断転載・引用があった場合、中田英寿本人のメール掲載を中止しなければなりません」と引用すら赦されないほどなのだが(宮内庁より厳しいぞ!)、中田日記、文章が本人のクールさに比べ文章は稚ひながらやはり凄い選手である。日本の勝利よりも日韓の決勝トーナメント進出を喜び伊太利の出場チャンスの乏しいDELPIEROが決勝ゴールを決めたことを喜び「監督トルシエが早くも動いた」と(あっ、引用してしまった……笑)この監督をまるで手下の如く見据えた表現、やはり偉大だ、中田先生。次回のメールは18日だそうである。明日か、期待。韓国が伊太利に逆転勝利。マンションの階上の韓国人K氏のところで絶叫あり。先日エレベータで一緒になり韓国がまだ決勝トーナメント進出確定せぬ時期にてK氏に「日本は凄いが韓国はダメだ」と落胆されたが、勝負というのはわかならないものだ。K氏宅に赴き祝賀を述べる。K氏は韓国の礼節か自らの大騒ぎがきっと日本敗れ落胆しているであろう私に障ったかと思ったようで「うるさくして申し訳ない」だの「地元の利で審判の裁定など韓国に有利だったことは否定できず。伊太利に実力で勝ったとはいい難い」などと。いいじゃない、勝ったんだから、おめでとう。応援するよ。朝日新聞には日本惜敗のあと静寂の後「ありがとうニッポン」コール、と。記事からは「ありがとうニッポン」なるコールが実際にあったのかどうか不明ながらいずれにしても横浜市の会社員森岡巨博さん(28)の「ああ、終わってしまった」とかさいたま市南中丸無職橋本純さん(25)の「ずっと一緒だった日本。終わってしまったことが寂しい」とか神奈川県綾瀬市の公務員小坂仁さん(25)も「いい時間を過ごさせてもらった。満足しています」と言うが、「いい夢、見させてもらった」などと浄めてはならぬ。楽しいこと、嬉しいことは夢などと潔く祓ってしまってはいけない。いい夢を現実にするべし。伊太利だってセネガルだって毎日楽しんでいるのだ。あー楽しかった、また厳しい現実、とせぬこと。余暇などもうけるな。現実が楽しいことが一番なのだ。楽しくなければ改革すればいい。余暇で改革に向うべきエネルギーを発散させてしまふこと(ガス抜き)は19世紀英国にてブライトンが観光地化されロンドンから週末庶民がブライトンに向うことになって以来の資本主義によるレジャー政策の悪しき<システム>なり。それにしても伊太利まで撤退してこれでますますブラジルだ、イングランドとの次戦が天王山だ。英国の某ブックメーカーはイングランドvsブラジルはイングランド3.0倍、ブラジル2.25倍とブラジルが有利。優勝はW杯開催以前に7.0倍で四位だったブラジルが3.4倍、西班牙4.0倍、英国4.33倍、独逸4.5倍。ブラジル頑張れ! もしかするとブラジルは本当に勝つかも。××が××だ(凄い)。W杯興味ないと斜に構えつつなんだかんだいってW杯のネタばかり(笑)。
▼築地のH君よりみすず書房よりサイード『戦争とプロパガンタ2』が発売と知らされる。『戦争とプロパガンダ』が予想以上の反響だったのか(二月二十六日の日剩参照)。1,200円という最近では廉価に属する価格設定がいかにも網上で読めるものを活字にして出したことへの気の咎め?、1,980円だったら「ばかやろう、ネットで全部読めるんだぞ」とお叱りがある(笑)。いずれにしてもサイードは日本で読まれるべき。サイードは昨日発行されたAl-Ahramでも熱い。イスラエル=パレスチナ交渉というとオスロ合意が挙げられオスロ合意が理想的な共存の道のように思われているが、サイード曰く「オスロに返ってはいけない」と。オスロ合意は成果のようでいてそれはイスラエル側の譲歩だけに依存した暫定的共存であり、問題はそれに守られて存続し得るアラファトのパレスチナ自治政府が実は張り子の虎であること。それじゃ全く意味がない、というのがサイードの視点。フランス革命であるとか南アフリカの改革を見ればわかることで最も大切なことはパレスチナ人自身の名での合意による唯一の、根本的な正当性が必要なわけで、これを確立するためにアラファトや欧米諸国、アラブが何か手を貸すのを待つ必要も意味もなく、必要なことはそれの確立のためパレスチナ人が真摯にパレスチナ人の自治社会を建設すること。周囲がお膳立てしてパレスチナに暫定自治が生まれても意味はない。実際のパレスチナ社会がない脆い状況では状況だからこそ世界がイスラエルを支援しパレスチナは窮地に追い込まれるのであり、パレスチナ人がみずから社会を組織しイスラエルや他の諸国に立ち向かえるだけの精神性がないと(フランス革命や南アフリカでの自由や平等といった信念に値するもの)到底パレスチナは存続できない。政治があり経済があり学問があり文化があり、そういった全ての総体としてのパレスチナ社会を建設するために労働者、教師、農民、弁護士や医者、そして全てのNGOがこの改革に取り組むべき、というのがサイードの主張。
▼ネッスルがアイスクルーム大手のDreyer'sを買収。高級アイスといえばDreyer'sかHaagen
Dazだが実はHaagen Dazもネッスル傘下であり高級アイスはもはやネッスルの独占となりぬ。ちなみに星克巴珈琲もネッスル系列なわけで「あーん、どうしよう、スタバで珈琲?それともハーゲンダッツにするぅ?」なんて悩んでるギャルもしくはオネエがいても実はネッスルの掌上にて弄ばれているが如し。
六月十七日(月)晴。夕方、芸術中心で台湾の張志勇監督『沙河悲歌』を視る。台湾映画祭が数日前より始まっていたが知らず土曜日に粗呆区のAguis
bのギャラリーにあったチラシにて開催を知る。今回の特集は数年前に『天馬茶房』を視たのみの林正盛監督。平日の夕方では観客は十名ほど。1949年からの数年後、家が困窮し進学もできず音楽が好きで身を立てようとした青年(黄耀農)は音楽といってもドサまわりの劇団の伴奏や座敷遊びの流ししかできず、それでも家に仕送りする健気さあってもオンナに惑わされ結核で医者に楽器の吹奏を厳禁されながら音楽を止められず若くして結核で一生を終える儚い物語。この青年が、日本統治時代を象徴する父、剣道を愛し台湾光復後は人格破壊され死ぬ運命にある、と国民党統治の時代に育ち次世代といえる弟のその狭間で、結局はどちらの世代にも属せぬまま人生を終わるという、いかにも時代をうまく体言させた人格設定で、地味な作品ながら見応えあり。『週刊読書人』を二十年ぶりか?ふと購読し始める。『群像』に大塚英志が書いた「不良債権としての『文学』」を中森明夫が再・評論しているのが一面にあり、中森明夫が一面に書くことじたい『週刊読書人』も変わったのか、と思うがもともと中森の<揶揄体>は「おまけ」のコラムだからこそ活きるのであり、これを一面にもってきても面白くない、と思わないか。渡部直己らが「東大元学長」蓮實重彦にインタビューする連載が31回!も続いており、しかも「ブランショ」について、だ。他にも椅子から落っこちるようなノリは少なからず、日本図書館協会の選定図書週報の欄では『フランスだったから産めると思った』という仏のスキーリゾートに移住した日本人女性のエッセイ集が「出産・育児」というカテゴリーで「500工学・技術」の範疇となっていたり、週刊日誌では「ジョイス草稿15億円で購入」の見出しでアイルランド国立図書館が£800(笑)にてジェームス・ジョイスの未発表原稿を購入とか誤植のセンスまでピカ一、なんか時代とは全くかけ離れた凄い世界がここにある。W杯は余り興味もないが或る事情あり(笑)ブラジルだけは声援を送る。ベルギーに勝ちこれで××がより×××になる。次の準々決勝の対イングランド戦は決勝戦のようなものだ。
▼八月納涼歌舞伎、昨年はここに勘九郎の研辰があったわけだが今年は第一部は真景累ケ淵(しんけいかさねがふち)豊志賀の死にて福助の豊志賀、勘九郎の勘蔵、第二部では勘九郎の宙乗りありで浮かれ心中は勘九郎、橋之助、福助に扇雀、獅童、第三部は怪談乳房榎(ちぶさのえのき)にて中村屋三役早替相勤め申し候と七月の沢瀉屋に続き八月は中村屋が定番となりぬ。ここまで朝から夜まで出ずっぱりで中村屋お見事。40代の今、勘三郎襲名まで注目せぬわけにはいかず。『東京人』の特集にてそういえば串田和美がうまいことを言っていた。歌舞伎というのはもう代々継承されてきた伝統なわけでただそれを面白可笑しく変えても一回限りで終わってしまっては意味がないこと、研辰が革命的といわれるけど革命的というのは歌舞伎役者が「もうこれまでの歌舞伎は止めよう」「出来ない」と思うまで衝撃的なら革命。野田版・研辰は歌舞伎というより野田の演出の芝居を歌舞伎役者がやった、ということ(を悔しさこめ串田が言うのがいい、自分だってそりゃやりたい、と)。自分たちが勘九郎とコクーン歌舞伎でやっていることは全く新しい歌舞伎(例えばジーンズ歌舞伎とか)をするのではなく、むしろ歌舞伎の原点に返るひとつの試みだ、と。御意。
▼先週W杯中継を行った沙田競馬場で発見された小型時限爆弾、犯人逮捕される。がその捜査ぶりに警察国家の具体例垣間見た思い。まず時限爆弾に仕掛けられた時計がわりの携帯電話、これがプリペイド型にて本来利用者が限定されるものだが犯行人が犯行前にこの携帯を使っていくつか通話しておりSIMカードに残ったデータからいくつかの特定の電話番号が検知された。警察は電話会社の協力を得てこの電話番号の住所を特定。また競馬場に設置されたモニタカメラの映像に爆弾がいれてあったParknshopの袋をもった男が映っており、携帯に残った電話のある家の居住者数名と照らし合わせた結果、当日爆弾が置かれていた場所付近の警備員がその居住者の中から競馬場内にて容疑者を見かけた記憶あり、この男を尾行の末、羅湖の国境にて端午節連休にて中国に入ろうとした男を逮捕。失業ゆえむしゃくしゃして社会不安を起そうと犯行に及んだと供述。爆弾犯が逮捕されぬのも困るが携帯電話の通信記録、モニタカメラの監視など我々が普段意識しないところで確実に素行の記録が残ってしまっている現代社会の現実。
▼北京ではインターネットカフェ網琲が深夜火災にて24名が死亡。北京の「火災事故としては」24名の死亡は建国後最悪という事実にも驚く。網琲の安全に問題があるとして北京市長はこれまで法的に規制のなかった市内に百軒あるといわれる網琲に対してむこう三ヶ月の営業停止を命令し安全基準の見直しを図る、と。それだけの事故と対策なら単にそれまでだが結局はインターネットといふ中国政府にとって最も規制の難しいメディアに対してこの事故を機に許認可制とできる、といふことか。誰かが放火していたりして……。
六月十六日(日)曇。昨晩遅く馬主C氏の悴C君よりメールありC氏が今日の今季最終戦の競馬(沙田)にて馬主ボックス席に一席あるのでぜひと招待受け馳せ参じる。一番人気が十戦中五勝といふ堅い日に「一番人気を外す」といふ我が悪癖はどうにかならぬものか(笑)。それでも一番人気は連複の脚にはする狡さ幸ひしどうにか黒字(汗)。注目の調教師最多勝は57勝で首位のSize師が九戦出走に対し55勝の次点Allan師は五戦のみ、R3にてSize師がPrime
Vainにて勝ちR6にてAllan師がC'est La Vieにて負け残り二戦となった段階でSize師の首位確定。豪州より来港し一年目で勝率二割、入賞率五割は脱帽。首位騎手はWhyteが取る。王登平調教師が引退、最終レース・香港馬主協会錦標は王師のGolden
Years(Whyte)が一番人気。王厩でWhyte騎乗は僅か五戦ながら三冠と「ここぞ」の騎乗で最終日の最終レースにて引退する調教師の馬が一番人気は出来レースという感あり、成績いいが10倍と人気薄のGolconda(Allan/Marwing)の単複、Golden
Yearsとの連複とするがGolden Years直線で見事に差して一着○。今季はC氏のDashing
Winner、昨季�班rating54だったのが今季rating48上げて�班102、殊に昨年12月16日の香港Int'l日の�班でLegrix騎乗にて正直いって「まさか」の一着(2001年12月16日の日記参照されたし)、偶然李格力が乗れなかった次戦にてC氏曰く「なんだか新しくフランスから来たドルなんとかって騎手をLegrixに推薦されて」と言っていたのがDoleuzeにて(笑)二冠一亜と好成績を収め夢のダービー参戦し期待薄のなか「Woodsで」三着と善戦。二度も口取りに交えてもらう光栄。また「わが持ち株会社である」(笑)W氏のGoglesも良駒にて一月に�班デビューし活躍。楽しませていただいた一年であった。で、今季の我が戦績は、といふとHK$3,044.50の赤字。言い訳だがうちHK$1,440は1月16日日記に詳しいがとんでもない間違い馬券購入、それまで安定してHK$2,000以上の黒字を出していたのがこれで運を抹消しこの傷口癒えず以後全くふがいなき成績続く(汗)。これを除けば78開催日中僅か3開催日を除き賭け続けHK$1,604.5の赤字で一年楽しませてもらったと思えば開催日あたり僅かHK$21.4の負け(本当はそれに『大勝』HK$20と毎回のビール代が嵩んでいるが……笑)まぁ娯楽としてはじゅうぶん楽しませてもらった(といふことにしておこう)。王登平の勝利、その素晴らしい笑顔を拝みつつC氏と二人閉幕式典を見て帰途につく。九月の来季開催まで二カ月半の休養に入る。さて本を読まねば。
▼「この荒涼たる風景は何なのだろうか」と、これは昭和40年代の『オール読物』の出だしではない、朝日新聞社説の「首相よ目を覚ませ」の出だしである。国会の空転、政府与党絡みの防衛庁リスト隠蔽工作だので小泉首相の指揮ぶりに暗雲が漂う、と。昨年四月に小泉首相の圧倒的人気での迎え入れは「密室政治との訣別を国民が期待したから」でりハンセン氏訴訟での控訴断念など永田町の常識のひっくり返しが鮮かだった、と。「就任一年で日本が見違えるように良くなるとは誰も思うまい」が「良くなる希望すら断たれたら政権の命運は尽きる」ので「原点に返るべき」で「小泉さん、目を覚まそう」と結ぶ。もともと変人なのだ。「目を覚まそう」って目が覚めたら凡人になってしまう。永田町政治の改革ができると本人が思ったのは幻覚、ハ病訴訟断念は立派だがあの時の本人の恍惚の表情は首相たる自己への陶酔以外の何ものでもなし。もともと志立派な人なのだと期待する朝日の社説も社説、これも八割が小泉内閣を支持してしまった安易な風土そのもの。小泉首相は目を覚ましたり原点に返ってはいけないのであってシャヴでも射ってここは変人にますます輪をかけるのが上策では?。
▼(朝日新聞)精神分析学の(……といってもあれが精神分析とは高校生の私にも思えなかったが高校生という時代の自己啓発の観念論としての読み物としては面白い)岸田秀が現代日本の教育の崩壊を招く固定観念として5つ挙げている。1、みんな潜在的には平等な能力をもっているという観念。2、誰にとっても勉強は苦痛だが我慢して勉強すればそのうち役に立つという観念。3、一定の正しい教育方法というものがあって、それを実施すれば生徒の能力が伸び個性が開発されるという観念。4、学校教育は長期であるほどに本人に有益という観念。5、ある学校に通学し卒業すれば一定の能力とか教養とか技術とかが身につくという観念。そう、その通り。1、能力は平等ではない。2、勉強など役に立たない、だから面白い。3、教育方法などどーでもいい、問題は中身(ネタ)が面白いかどうか。4、できるかぎり学校教育は早期に終わらせ本人が勉強すること。5、大学は自然科学系を除き全廃してもいい。
六月十五日(土)晴。端午節。H氏交えZ嬢と某所にて某打合わせ。終わって灣仔。Q麥にて四川辣粉と紅油抄手。利東街の靠得住にて端午節の粽を購わんと参るが当然の如く売り切れにて甜味の粽のみ、一つ購う。春園街の金鳳にて牛乳紅茶。濃厚な味が欠けぬよう氷入れず冷蔵庫で味が褪めぬ程度に冷し砂糖も紅茶の渋さをほんの少し消す程度に押さえた見事なる紅茶。トラムで中環、粽は庸記も売り切れ。一旦帰宅して居間のソファ購うため擺花街のAlminium、ソファは二カ月待ちで支払い済ませる。Z嬢がWellington街の華豐焼臘なら粽あるのでは?と粽に凄まじき執念みせ(笑)華豐に僅かに残った鹹肉の粽をゲットす。粽を得られたので粗呆区のbocaなるバーにて祝杯。
▼『東京人』七月号の歌舞伎特集、勘九郎と丸谷才一の対談、昨夏の野田版・研辰の討たれの話題となり研辰を讃める丸谷が見に行った日に初日(昨年八月十二日の日記参照のこと)にあったカーテンコールがなかったことを不満というと中村屋「初日の晩の拍手はすごかったから」と。そりゃそうである。中村屋の女将さんが一階席の中央で涙流しながら誰よりも派手に拍手しいていたのだから(笑)。丸谷先生曰く「研辰が殺されて枯葉が一枚ヒラヒラと落ちてきて幕……というのではあまりに寂しい終わり方」であり「幕が切れない」と。御意。しかし丸谷先生続けて「あれはカーテンコールがあってこそ完結する」と。そうだろうか。幕が切れないのは脚本(ほん)が悪いから。「つまりカーテンコールなしでも行けるような他の演出を考えるか、必ずカーテンコールをつけるのかどっちかなんだね」とご高説だがカーテンコールをつければ成り立つような芝居ではつまらない。つまり演出の問題。同じ特集にて福助も「生まれて初めてスタンディングオベーションするような、歌舞伎座のお客さんが立ち上がって拍手してくれて嬉しかった」と。私はこの晩、二階の東の桟敷席で見ていたから丁度目に入ったのだがこの歌舞伎界初のスタンディングオベーションも最初に立ち上がったのは間違いなく中村屋の女将さん。一階席の所謂トチリの真ん中、だ、しかも。別に身内だから興奮していけないとはいわないが(……言ってるか)騎手の妻がゴール前で競馬新聞振り回しながら夫に歓声は送らず婚約発表後に倍賞美津子がアントニオ猪木の試合を見ていたのもかなり奥まった席でひっそりと、だといふこと。不思議なのはこの野田版・研辰程度(私にはあの演出が「そこまで」面白いとは到底思えず)がこうして一年経っても話題になるほど歌舞伎全体がつまらないものになってしまっている、といふこと。中村屋と丸谷先生が指摘している通り「石切梶原」や儀式ばかりの「曽我の対面」ばかりやっていてはどうしもなく福助も言うように高校生に歌舞伎教室で「石切梶原」を見せるのが「やっぱり歌舞伎はつまらない」と思わせているようなもの。丸谷先生が井上ひさしの『雨』を歌舞伎にしたら面白いというのは確かにそうだし、中村屋が井上ひさしの『手鎖心中』の再演、『薮原検校』の歌舞伎上演など多いにすべき。中村屋の『薮原検校』が地人会のそれより上出来かどうか期待。来年は野田版・鼠小僧があることを中村屋がこの対談で口を滑らせたが、平成中村座やコクーン歌舞伎くらいが私には趣味があうようであんまり演出を奇抜にすることは私の肌には合わず。
六月十四日(金)晴。ContaxのG1を床から一尺ほどの高さから落とし(汗)ただチタンボディにてレンズが割れるでもなく撮影に支障なく安堵するがどうもファインダが曇ると思えばファインダの硝子フィルタが割れており驚愕。牛頭角の京セラに持参。今度は間違えず貴賓専用の玄関入らず裏の荷物用エレベータにて上る。日本に送り修理とのこと。カメラ点検の間に職員休息場所(なぜか修理依頼の客が通されるのがここ)にある駐在員のための邦字書籍の棚を眺めていると表万智『カラダ記念日』なる全く意味不明の書籍(自主出版?)あり何故にこの本がここに?と悩まされる。検索してみると2ちゃんねるに
「この臭いがいいね」と君が言ったから1月6日はワキゲ記念日
なる表万智氏の本家どりの歌を発見。N君、Y君と晩に旺角廣華街の景記にて粥。粥屋にはつきものの魚皮ふつうは揚げてあるがこの店は生魚皮供し美味。佐敦のRなる飲み屋。カラオケがない時間のはずがカラオケにて何が起きたかと思えばカラオケ大会にてタジログが仮装ありでショーパブ化しており珍しきものと参観。佐敦から戻る深夜のMTRにて電光ニュースにて韓国もW杯にてポルトガルに勝ち決勝トーナメント進出することを知り今晩は尖沙咀の韓国料理屋へ行けばさぞや盛り上がっていたことだろうと後悔。恐らく「これまでに飲んだことのない量の」焼酎を韓国朋友たちは浴びていることだろうに。
▼(朝日新聞)W杯日本の勝利で大阪府警が大阪・ミナミの「道頓堀ダイブ」に悩んでいる。横浜の対ロシア戦でさえ飛び込んだ数は阪神タイガース優勝時の数十人を超えて140人に達した。戎橋付近の道頓堀川の水深は約3.5メートル。意外に深いが川底は自転車でいっぱい。大阪市河川管理事務所によると半年に1度の浚渫で酔っぱらいが投げ込んだ自転車が100台以上出て来る。河川工事の関係でこの2年近く浚渫しておらず、沈んだ自転車でけが人が出かねない。だが規制に法的な根拠はない。ダイブを阻止する法的根拠はない。警察官職務執行法で「犯罪が行われようとするのを認めたとき」は制止できるが川に飛び込むのは犯罪ではない。河川法が禁じるのは川の流れを変えたり水を汚したりする行為で府庁によると「法的には、川はだれもが自由に利用できる」……(笑)。憲法に則り基本的人権を謳歌させよ。本人の意志で飛び込むのだ、それを妨げぬまひ。飛び込めるだけ数十年前に汚水のようだった川の水質が向上したことも日本の環境行政の成果、か。そして忘れてはならぬことは有事法制。かういつた法では「全てのこと」たとえ川に飛び込むだけこととてそれが国家の有事政策に牴触する行為であれば(実際にそうでなくともそうする理屈さへあれば)川への飛び込みを統制できるものなり。つまり川へ飛込みたくば有事立法に反対し護憲せよ(笑)!
▼自民党の江藤「国の伝統文化を守れ」隆美先生江藤亀井派会合にてW杯に絡み「日本・ロシア戦を応援しようと思ったが、どっちを応援したらいいのかわからん。頭の茶色いのが日本人で、トサカをつけているものもいる」と揶揄。「国家を代表するんですから」と。その言葉そのまま先生たちが肝に銘ずるべき。江藤は江藤でも江藤淳ならいいがこの先生とは伝統文化語りたくないし「若者たちが自信と誇りを持ってる国」を提唱する先生たちの感性にはご相伴遠慮したし。畏友の静香チャンとて外に出すには強面すぎる。それと比べて紅髪モヒカンの戸田和幸君が溌剌とプレイする姿は防衛庁報告の隠蔽疑惑の山崎幹事長の下半身プレイなどに比べよっぽどマシではないか。
六月十三日(木)曇。昨未明のナンシー関嬢の急逝あらためて『噂の真相』の「顔面至上主義」を読む。何度読んでも見事な筆致。三井ゆりといふ「終わっている」はずの事象をここまで書ける書き手が他にいようか。ナンシー嬢の遺言として私たらちは野口五郎&三井ゆりの愛児をワールドカップベイビーと呼ばねばなるまひ。あらためてナンシー関に哀悼。
▼昨日書いた冷房の話の続き。偶然『信報』で知るが今年は冷房ができて丁度百年。百年の昔に紐育はブルックリンの印刷工場にて毎年夏になると紙が反り湿気にて膨張せし印刷効果に甚だ悪影響与えたり。この印刷工場或るBuffalo
Forgeの機械会社に救いを求めればこれがWillis Carrierなる工程師に任されCarrier電気にて温度を下げた水管の間に空気を通し冷気を送る装置を発明す。印刷会社これを採用しCarrier氏この特許とり1906年に会社興せば最初の客はチョコレート工場、紡績、百貨店にて氷室、冷凍倉庫などに広がる。これが昨年の総売り上げ80億米ドルにも上る今日のCarrierブランドの冷房機となるがCarrier氏エジソンの如く発明を称えられもせずノーベル賞を授けられるでもなく1953年に逝去し今日の隆盛を知らず。同じような発明にOtis氏の昇降機もあり。思えば冷房機なければ夏は蒸そうが地球温暖化もなく昇降機なければ911のテロもなし、か。
▼中国各地で大雨による河川氾濫あり二百人死亡。単なる自然災害か。無理なダム造設並びに浚渫の影響はあるまひか。治水は時の権力にとり治世の大きな事業であることは古今東西同じ、中国の三峡ダムが実利よりも揚子江を堰止めるといふ象徴性において1955年に建国間もなき共産政府が古来からの夢であった揚子江に初めて架橋(武漢長江大橋)して以来半世紀を経てまさに国威発揚、それに日本資本が便乗しての神をも恐れぬ愚行。二十年ほど前に広州から北京に向かう列車にてちょうど英国人T君と食堂車にて夕暮れを楽しみつつビールで乾杯していると列車はこの橋を渡り長江上流に沈む夕陽とあたりいちめん紅く染め上がった景色に酔いしれ数年前西安より広州に向かう列車が長江増水を武漢にて足止めくらいこの河の大きさと怖さをまざまざと見せつけられ、この河を弄ぶことの愚劣さを思ふ。あらためて田中康夫長野県知事の「脱ダム宣言」を読まんとサイト見るに知事動静にて昨12日首相官邸にて政府主催「武力攻撃事態対処法案等に関する意見交換会」
に出席とあり康夫ちゃんがこれにて何か進言ありやなしやと期待。それにしても有事立法と略されるこの法案、911以降武力攻撃なるものはミサイルが飛んでくるに非ず本来攻撃手段ではなきものが攻撃武器となる時代になんともはや時代錯誤の陳腐なる法案にて呆れるばかり。
▼昨日訃報に接した新宿の「おかあさん」について築地のH君より今年のパレードは見に行かないと、と。「おかあさん」追悼できっと今年は「おかあさん」を形どった巨大な「ねぶた」のような山車が出るのかと思ふ。サイトみて知ったが山車じゃなくて「フロート」というのですね、ステキ�
六月十二日(水)雨。昨晩のプロポリス液の所為かかなり快適に早起。或る文書に「ワールドカップもはじまり、世界中の人々の関心が日韓に集まっている今日この頃、皆様には、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます」という時候?の挨拶あり。世界の人々の関心はW杯に向いているのであり日韓に向いているのでは非ず(笑)。しかし悲しきことばかりのなかW杯の快勝にて日本益々ご清祥なのは事実かも知れぬ。『週刊読書人』購読を決める(高いなぁHK$27)。街に出てみれば街中からうざったい塵芥消えたり。日三前に条例発効し路上でのゴミ捨て、煙草吸い殻、犬の糞、宣伝ポスター貼りなどHK$600の罰金。バス停にて数十年の習慣にて地獄の底から轟くガーッという雷鳴とともに痰を絡み上げたオヤジ、ペーッと吐き捨てようとした瞬間にHK$600が頭過り思わず飲み込む姿可笑し。ちなにみこの二日間にて90名が罰金とか。ハッピーバレー今季最終戦。昨年同様に関係者にて会員席ボックス席にて一年を振り返り納め会開催のつもりが参加人数三十人を越える一大行事となる。ボックス席にて食事しつつ酒を飲みつつの競馬で勝った試しなく今回は生牡蠣半打でビール一杯口にしただけでカリー飯喰い腹八分目、あとはチーズとビスケットを珈琲で流し込みつつ精進ぶりに徹したが8番だけ賭けたトーシローに大穴を当てられドラゴンボートする者がDragon
Winに賭けて大勝とさういふ環境にて運は全てそちらに向かい、我が卓は競馬好きばかりながらさっぱり当たらず「風水が悪い」と解り(笑)何か黄色いモノを卓の四隅に置き風水を変えるべしと黄色い包装の紙包砂糖を置くが風水好転せず。もはやこれまでとSize師に馬にばかり賭けるがSize未勝、トホホ……。
▼ナンシー関、急逝。昨晩も『噂の真相』の連載、笑いを噛み殺しながら読む。何故にこの人にかかるとこうもテレビのいかさまの事象が理路騒然と真理に於て語られるのか毎月楽しみにしていたものを。身体を動かすこともせず命をかけてテレビの前に座りスナック菓子にて食を繋ぎつつブラウン管の彼岸を凝視していては命ももたぬ、か。哀悼。ナンシー様のサイト『ボン研究所』は閲覧殺到し繋がらず。初めて『週刊朝日』のナンシー関の連載「小耳にはさもう」を読む。第461回にて偶然にも我が天敵(笑)石原慎太郎を語る。日韓、いや日刊スポーツW杯開幕直前の石原へのインタビューにてナンシー関曰く「この時期にわかサッカー評論家が全国で七千万人くらい発生している」と語り始め石原のインタビューは「日刊スポーツ側が多少暴論めいた『W杯とナショナリズム』というお題の石原節を期待したけど、でも石原慎太郎は思いのほか乗ってこなかった」「ナショナリズムガンガンで国威の発揚でも目論んだのかもしれないが、実際にはトルシエ批判や「だから日本はダメ」論、揚げ句はサッカーファンが大切にする甘美なる心の痛み、ドーハ悲劇までおちょくる始末」で、つまり石原本人より日刊スポーツのヤマっ気を揶揄するナンシー関。後半は「たとえばボブスレーという競技を語るとして、ボブスレー国体選手より松岡修造のほうが成立する」メディアの真理を語り、「芸能界で最も高いサッカー経験を持つのはお笑いコンビDonDokoDonの平畠だという」「でも平畠にはワールドカップ関連の仕事は来ていないらしい。まあ、結局そういうことか」と締めくくる。『噂の真相』の連載に比べると『朝日』では多少毒に欠けるがいつもながら見事なタッチ。惜しい評論家を亡くす。
▼ナンシー関が亡くなったと思ったら今度は新宿二丁目の「おかあさん」も。築地のH君よりの弔報にて始め伊勢丹角の新宿の母かと思いきや二丁目。H君、歌舞伎のT君、シアトル出身で日本舞踊を習ふJ君、文兄、Z嬢らと新宿に遊んだ80年代を懐かしむ。
▼『信報』社説にて中国人民元が将来国際通貨になる推測について述べる。早ければ十年後にかうなつた場合、現在米ドルをpegせし香港ドルは人民元を信用対貨とするとか若しくは香港ドルじたいがなくなり人民元にとって替られるということもあり。国際通貨の条件として使用人口が多いこと、その通貨建ての貿易が多いこと、健全なる金融体系、信用のおける中央銀行の存在、長期的な信用など条件と述べるが、我がふと思ふことは日本円にて、貿易量こそ未だ多いが使用人口は一億余、金融体系の旧態性と日銀の弱体ぶり、泡沫経済破綻からすでに十余年回復せぬ信用といふ情況を見るにつけ日本円が国際通貨たらんとするにかなり厳しき現実。このままでは日本円が人民元に取って代わられることもあらんや。
▼シンガポールの発展にとって最も重要なものに冷房機ありき。李光燿建国にてまず着手せしは中央官庁への冷房機設置にてこれによりシンガポールの労働効率上げたり。事実なれど赤道直下にて朝早く労働し炎天下には日陰にて憩ふ伝統も捨てざりき。暖冷房もグローバリズムの重要なる要因。また冷暖房もそれぞれの家屋大廈毎々に非ず中央管制とせしこともエネルギー効率高めると同時に社会管理と同根なり。
▼築地のH君この日剩余がサリンジャーについて綴るを読まれ返信にて曰く、暫く前に小平中央図書館「不要本コーナー」屑本の中にサリンガー著『危険な年齢』なる並製本書見つけ奥付け見れば昭和30年代。それにしても『危険な年齢』?寡作のサリンジャーにそんな本ありやと訳者「あとがき」読めば驚くなかれ本邦初訳の"Catcher
in the Rye"なり。余はこれを『ライ麦畑でつかまえて』としたはこの物語原作になきメルヘン性を与える白水社の明らかな異訳であり『ライ麦畑の捕まえ手』とすべきと思ふがH君見つけし『危険な年齢』の訳者曰く「なお原題は、ライ麦畑でとらまえる者、の意だがわかりにくいので編集部の案にまかせた」と。やはり。それにしても『危険な年齢』とはダサし。サリン「ガー」の『危険な年齢』では猟奇譚だ(笑)。また訳者は「原文は、将来1950年代アメリカの青少年の口語を知る恰好のサンプルになるであろうといわれているが、拙訳がどこまでニュアンスを伝えきれたか不安である」と正直(笑)。もちろんH君談ず通り白水社版の「名訳の名をほしいままにする」野崎訳の「生き生きした口語体」も原書の英語のガラスの破片を触るがごとき感覚に比べ顕然なる青少年物語の感あるは否定できず。H君その野崎訳も昭和30年代には物語の序盤にてホールデンが兄貴を「やっこさん」と読んでいる(笑)、と発見。この当時若者口語として「やっこさん」が生きており、そうなると江戸時代以来の「やっこさん」が死滅したのが、まさに高度成長時代ということ、とH君。
六月十一日(火)大雨。蔡瀾氏今朝の蘋果日報にて(株)明治屋と明治屋産業株式会社の誤認の件につき明治屋に謝罪。誤解は誰にもでありそれを責めはせぬが、問題はこの偽牛肉につき氏が旧知のテレビ関係者、それも松阪牛のDNAにまで詳しい程の御仁がこの明治屋産業(株)を(株)明治屋として言及している点にて、どうもこれは蔡瀾氏の作り話ではないか、という気がしてならず。氏は『料理の鉄人』などでも食についての博識を披露し知日家を看板にする氏は日本についての記述で誰も他に知らない環境にあってかなりいい加減な点も少なからず。実はこの誤認につき個人的に蔡瀾氏、蘋果日報ついでに明治屋まで知らせたり。これまでの氏の「盆栽猫」「ハヤシライスは醤油であの色になった」「某映画監督の若死はエイズか?」といった数々の発言に比べ今回の件は対社会的に誤解を生む発言にて放置できず。明治屋は六月五日正式に抗議文を蘋果日報に送っていたそうな。今回はそれを受けての訂正並びに謝罪と察す。
明治屋より蘋果日報並びに蔡瀾氏に今日の訂正謝罪の掲載に対して感謝を伝えた、と担当者よりメールあり。先方の事実誤認と名誉毀損あっても謝罪に感謝とは度量が広く敬服。献血。三ヶ月に一度ちょうど肩凝りとかひどくなった頃に献血を続け気がつけば19回目。D氏、Z嬢と打合せありExcelsior
Hotelのカフェ。隣のPacific Cigarにてキューバ人師傳が葉巻き手巻きを実演。巻き上がった葉巻即売で吸いたいところ香港の条例にて発売不可(煙草税の問題と思われる)ながら本人巻き上がった葉巻に火をつけて上手そうに一服し、その吸い方もまた年季入り見惚れる。Z嬢知人よりプロポリス液なるブツ入手し試服。深夜『噂の真相』読む。
▼朝日新聞が米英の介入で調定をと宣った印パ対立について『信報』林行止の専欄は合州国の介入を詳細に渡り分析、何故に合州国が印パに介入するかといえば合州国が世界平和を調定するという大義名分の他に具体的な利益(目的)があるからに他ならずイラン・イラクを中東の火薬庫とするならそれに対しての包囲網として印パを押さえねばならず、それ故に外交官交渉ならまだ理解できるが国防部長までが乗りだすのであり、また冷戦時代にはソ連との親密な軍事的関係にあった印度を合州国に順応させることで次なる<覇権>としての中国を軍事的に包囲できるもの、それが合州国の策略、と。Arundhati
Royがいふように(六月四日のメモ参照のこと)印度これまでこうした<覇権=帝国>から距離を置くことで安定してきたが合州国の介入で以て印度もグローバリズムの「洗礼」を受ける。「印度なり」の民主主義(カースト制度もありどこが民主主義かと西欧は見るが)も崩壊。ネグリのいふ<帝国>の支配着実に広がる。
▼民主党首席Martin Lee氏STMPに寄稿して曰く論旨は下記の通り。かつて国家主席趙紫陽氏が「何をそんなに恐れているのか?」と香港に向かって言ったのは香港返還についての中英交渉の序盤であり香港から人々が自由を求め海外に移民するのを見た時で中国はそれに対して香港が高度な自治権を有することを表明した。しかし89年の天安門事件で硬直化した中央政府は香港にて反中国の世論が高揚し香港独立といった動きが起きることを恐れ90年に制定された香港基本法では中央政府に重きをおいた。それでも天安門事件から13年経た今日、中央政府の指導層にとって香港の政治的安定は満足いくものであろうし香港で誰も独立を叫ばない。もし趙紫陽が今日同じ質問を発したら香港の人々はかつてほど中国政府を恐れておらず寧ろWTO加盟に見られるような現実的な経済革新を続ける国家に董建華に対する以上の信頼も寄せよう。現在の中央政府は天安門事件の10ヶ月後に香港基本法を制定した時とは明らかに異っている。この中国の大きな構想の中で香港はどういう役割を演じることができるのか?。もし一国二制度を構想した登β小平が生きていれば「香港が自由、法治、廉政などの質を維持し発展させることで中国はそれを手本とできる。それが50年不変の意図するところだ」と言うであろう。が、実際には董建華がこの五年の施政でしてきたことは香港を前進どころか後退させることだった。二つの市政局議会の廃止、区議会での任命制の復活、基本法の自己解釈、ICACによる星島日報社主Sally
Auへの捜査打切り(指揮権発動)、薄扶林にCyberport建設にあたり公共入札をせずデベロッパーの任命など……(これらは大陸からの不法移民の居留権や法輪功など対中央政府の顔色を窺う問題に非ず)。その上に董建華は香港政府に部長制を導入し自らの言いなりで動かすのだから今後五年の施政は思いやられる。警察の権力増強、報道の自由への介入、ICACによる警察上官の捜査への圧力などが続く。中国が世界経済の中で重要な位置に向かうなか董建華が香港でこのような施政を続けたら香港は中国のparasite(寄生虫、たんに中国にくっついているだけの存在)に陥ってしまうのである。
……(富柏村解釈)数ヶ月前にMartin Leeは董建華再任に当たり董建華が行政長官としては失格ながら他がこの職についたら董建華以上に中国政府と良好な関係が維持できるかという点を考慮すると董建華の再任以外に方法はないということを悲観的に述べたが、それでも董が対中央に対して忠実なる犬であるだけならまだしも中国政府がけして意図してもいない部分での董の劣悪な施政ぶりに呆れた、というわけ。
▼昨晩W杯中継眺めし折ゴールした選手様々な所作見せ韓国選手は対米戦にて冬季五輪にてのアイススケートでの判定を揶揄しスケートの真似などするに若しルーマニアW杯に出ておれば「コマネチ!」などすると日本ではかなりウケるのではないか。▼Z嬢連日喉痛あり龍角散服さんとするが苦味嫌ふ姿を見れば、ふと龍角散オブラートに包む者や龍角散を喉のまわりに天花粉の如く塗す者はおらぬかと思ふ。
六月十日(月)雨。風湿といふ病あり。ここ数日の低気圧は屡々大雨となるもののどんよりと雲立ち込め然れど気温は今ひとつ上らずじんわりと汗をかくこの時期体内の生理悪しく血液循環せず息苦しく肩凝り頭痛不快感甚だし。終日気分悪く夕方風呂に赴き垢擦、按摩。ふと思ふは荷風先生脚気だの微熱だのと中洲医院までよく通われたこと斷腸亭日剩に綴られるが懸命に西医の診断受け投薬されるがあれは明かに風湿と察す。漢文に暁達せし荷風先生も漢方には感興なし。この風湿は自らの身体の症状にて理解できるが余も未だに「熱気(いーへい)」は判らず。天麩羅を食べると熱気がたまるといわれると何となく理解できた気がしつつも同じく茘枝にても熱気がたまるといわれ茘枝などさっぱりとした夏の果物にて熱気を取るやうな印象にてさっぱり判らず。ちなみに幸福薬局は恵比寿にある日本の中医の碩学・幸井俊高医師の主宰。
▼モスクワでは対日本戦に敗れたことに興奮した市民が暴れチャイコフスキー国際コンクールを見に来ていた日本人の大学生五名が暴行を受け日本料理屋ギンノタキが襲撃される。ギンノタキは養老の滝の如き居酒屋だそうだがモスクワにあって銀の滝とは中々凝った名にて感心す。日本では昨晩は日本の勝利にかなりの人々が繁華街に繰り出したそうだがロシアに勝って皇居に提灯行列しなかっただけでもまだマシか。先の中国対ブラジル戦にて福建省福州市では屋外大型スクリーンにて中継のところ混乱を恐れた市当局が中継を見合わせそれに反発した観衆数万人が市内で器物破損など。政経的には抑圧された環境にあっても我慢できるものが「サッカーに負けた」「サッカーが見れない」というような一見たわいなき不満にて巨大な権力に対してなんの恐れもなく抵抗を見せる、キョービの不思議なる社会。
▼カシミルに絡む印パ対立に関し朝日新聞にて「米英に監視を委ねよ」なる社説の見出しに目を疑ひたり。「それにしてもインドはいつまで2国間交渉にこだわるのか」「カシミール問題は国際的な仲介を拒むことで解決の展望が開けるとでも言うのか」と印度を非難するが、それが何故に「米英に」監視を委ねよといふ結論に達するのか朝日の見識を疑わざるを得ず。米国主導のグローバリズムに於てイスラムはすでに悪となりこの覇権を阻害する次なる覇権は印度なら印度が屈せば次は中国か。余は印度、中国を支持せずとも安易にグローバリズムにて印度を敵視することには賛同せず。このやうなリベラルを標榜しつつ脇が甘き朝日の姿勢が保守反動、右翼の諸君に揶揄されるものの元凶なり。主張も粗雑なら「2国間」などという算用数字の使ひ方も不快極まりなし。そこまでするのなら「これまでも国連や第3国の関与を1貫して拒否してきた」とでもしては如何か。呆れてモノも言えず(言ってるか……)。
六月九日(日)昼にジムにてBodypump、Bodycombat。競馬に行くまえにふらりと尖沙咀楽道の源記なる麺屋に入れば尖沙咀に多い源記を名乗る店の一つながら店員明らかに柄悪く埋單にてHK$27の麺にHK$40出したら釣り銭をHK$3しか寄越さず黙って睨み返すと「多謝」とHK$10を寄越し、勘定間違いでないことは明らかにて不快なる思い。店頭にて招客するほどの熱意に見えて釣り銭を誤魔化すとは卑怯なる輩。かういふゴミ屑の如き奴が尖沙咀にて観光客など相手に狡い商いながら客も客で厳しさなく騙されるのも事実なり。久々に沙田競馬場。R1(新馬1,200m)父馬DanehillのWinning
Sunchine(姚/馬偉昌)にて馬佳善なき今、4.2倍の二番人気、調教の時計もよく姚厩の新馬は買いかと思ったが×、前晩51倍だったThe
Only One(呂/Dunn)15倍までオッズ下がり一着。R2(�1,650m)再び馬偉昌にてCharming
Stride(呉)前七戦一冠三亜一季で馬偉昌の初騎、獅子花と同父のDefensive Playは見事五番人気の7.2倍で一着◎。R3(�1,400m)は何故かCoice
& Chance(韋達/華)二番人気ながら根拠わからず買えずFvのPlaim Vain(Dye/Size)とするが用心して複勝で◎、一着はCoice
& Chance。R4(�1,400m)Self Fit(馬偉昌/Allan)Fvでこれ軸にNamjong
Sprit(Dye/Size)、Best For All(嚴/蘭)とするが見逃したりGreen Century、馬場の状態悪くこの父Danehillの先行馬、同距離で前三走3/3/5で調教の時計もよく、これからBest
For All、Self Fitと入る×。R5(�1,800m)FvはSerevi(韋達/文)、一番人気の韋達買ってしまい×、20倍のChinesesport
Glory入り穴馬ながら調教の時計47.2きちんと見ていれば入れぬが間違い。New
Asians(Dunn/呂)は埋没。R6(�1,600m)FvのSuccessful Spirit(高雅志/東)軸にKoh-i-noor(Dye/Size)と天候不順にてStrategic
Select(鄭雨填/希)と流し(鄭雨填が悪天候に強いのか!)Koh-i-noor七歳にして一着◎。Size調教師お見事。R7(�1,400m)大雨の中FvのDr
More(Dye/Size)四着×、113磅と有利だった三歳馬Golden Years(馬安東/Allan)が獲り(将来有望)冠軍調教師はAllanが今日二勝目、Size師に一勝と迫る。Asia
Rising金龍華は三着と善戦○。またも一番人気はSize師にてLucky Trio(Dye)自信をもって買ったが×、12倍のParadis(Mosse/蘭)が入ってしまふが父Hennessy系は晴歌、獅子山など�班あたりの12-1400mは要注意。R9(G2、2,400m)女王の母・皇太后は崩御あそばされたがQueen
Mother's Cupである(来年からどうするのか?)。天気は大荒れ、鄭雨填が雨に強いと言ったのは活力太太か私か誰だか知らぬがGreenmore(王)鄭雨填騎乗にてCharter
Cupの悪天候で52倍で三着、満を持して複勝で一発勝負するが×(笑)、29倍のCorecoler(Woods/希)今季�班でデビューしたものの11戦未入賞で誰が買えるか!と思うが一着……。R10(Premier、1,400m)W氏のGoogles(馬安東/摩)前勝がCharter
Cup日の大荒れのG2 Jubilee Cupにて同じ悪条件で再勝を期するが×、118磅と軽負のScore(Dye/Size)一着。W杯なんぞに押されイマイチ盛り上がりに欠けるシーズン終盤ながら
調教師レースだけは俄然面白く今日の悪天候でのSize師とAllan師の追って逃げての二勝差。しかもお互い「これぞ」という馬で勝ってなかなかいいレース。しかしR10でSize師がScore、Happy
MomentumにBest of The Bestまで三頭出してきてるのみるとかつてのALLANか簡炳犀さんのよう(笑)。それにしてもSize様、いくら悪天候とはいえR7より赤胆福星、三生有運、獅子花で入賞もしないとは(怒)。帰宅途中に灣仔のアウトドア屋Protrekに寄ればいつも陽気な店員の少女、帰宅してW杯の日本vsロシアを応援しなくていいのかと我に質す。べつに興味もなしと答えると「どの国家が好きなの?」と尋ねるので「別にどの国家も好きではない」と答えると傍らにいたいつも無口で話したこともない少女が微笑み「自分が好きなのね」と。御意。帰宅してZ嬢となりゆきにてW杯観戦。Viva
Italiaの主人にZ嬢が生ハム&メロンならと勧められしVilla Verde2000 Pinot
Grigio del Veneto、確かによく合う。W杯は試合前の国家演奏にて「君が代」はいきなり中田君が大写しになり(故意か?)カメラをちらっと意識しつつ中田君今回は君が代歌う。どーでもいいが日本チームの監督は君が代歌っておらなんだようだがあれは赦されるのか(笑)。監督の知ってる日本語は「かわいいお尻」だけ、という噂もあり。各国その国らしい応援の装束もノルウェーならバイキング、ブラジルならカーニバルの衣装とあるが、今晩は「バカ殿」のメイクの若者が大写しになりあれが世界に流れているかと思うと我が国に誇りを感じざるを得ず。英語の実況中継にて柳沢がヤナグスワ、宮園がミヤゾノフと発音され日本だかロシアだかわからず。頭髪を赤く染めた日本選手おり、ディアナ号だのプチャーチン提督の昔は紅毛といえばロシア人であったものがわずか百数十年で日本人も紅毛になろうとは歴史は面白し。この日本vsロシア戦の間にこのサイトのカウンタ17ほど上がり歴史的勝利も見ずにこの日記読む酔狂な方もいるのだと感服す。
▼落合博満といふ人日本の硬直しきったスポーツ界においてはっきりモノ言ふ姿勢に共感。落合氏朝日新聞にて曰く、プロ野球の危機といふが客観的にみてかつての娯楽とスポーツが野球「だけ」の時代が異常だったと分析を見せつつ「もし」プロ野球関係者が真剣に危機感をもつのなら、まず野球を知らないコミッショナー、両リーグ会長を置き半世紀以上前の野球協約を掲げている体質を改めコミッショナーは球界OB、次席に経営の専門家を置き、そのコミッショナーに王貞治氏を落合氏は推薦する。「ある球団オーナーの一言でコミッショナー決定が翻ってしまふような組織にメスを入れることが必要」と落合氏。それにしても落合氏もかつて大リーグといわないまでもメキシコやプエルトリコを偵察に行ったそうだが落合氏がこの中南米のラテン野球で活躍していたであろう姿を想像するだけでも愉快。
六月八日(土)快晴。海岸にて読書。一旦帰宅してジムにてBodypump、Bodycombat。Z嬢と中環Wellington
Stの餃子縁。今晩は停電なし(笑)。あらためて美味いと思ふ。長白山の野兎肉や興安嶺の鹿肉など珍味もあり。
▼個人情報法案今国会成立を政府与党断念。防衛庁の個人情報リスト問題に加え小泉純一郎「試案好き(笑)」読売新聞の修正試案(たかだか一新聞社の私案!)発表を受け御用学者大臣竹中平蔵に修正検討を指示という国会軽視どころか三流ぶりが露見、国会審議も中断し僅か七時間のみの審議。文藝春秋にまで反対される拙法とりあえず回避さるる。
▼有事立法も見送り。自民党代議士森岡正宏は新潟で開かれた衆院有事法制特別委の地方公聴会にて反対表明した大学教授らに「反対しているのは大学の先生ばかり。日本の教育はどうなっているのか」と批判。寧ろ「賛成しているのは自民党の先生ばかり。日本の政治はどうなっているのか」と思うが如何に?。そもそもポスト911テロの時代にあって大規模な軍事侵略を前提とした有事法制など時代錯誤もいいところ。ダサい。
▼大規模な軍事侵略といえば官房副長官安倍晋三が「憲法上、原子爆弾やICBMは保有できる」と発言したと週刊誌に報じられしことについて語る(朝日新聞)は「これは早大から講義の依頼があり学生にいまの政治の話をするのは意義があると考え発言を一切外に出さないことを学校側も了解した」上での講義であり「それを週刊誌が報じたことは学問を自由を侵す」と。そもそも学問の自由とは学問研究に<権力>から圧力がかかることを却け一切の拘束なく学問できること、大学の研究者が「憲法上、原子爆弾やICBMは保有できる」と言うのはひとつの学説でありそれが圧力をかけられぬわけで、政治家が場所が大学だったからといって発言をマスコミが取上げたからといって「学問の自由」を持ちだすか?。寧ろ羽仁五郎翁の言ではないが大学は最高学府たるもの、そこで宣われた発言は寧ろ博く流布され知らしめられるだけの価値があるから大学の講義にて、そこでの漏れて動じる程度の発言ならするべからず。
▼一新聞の私案に動く首相、有事立法成立に命をかける代議士、学問の自由を誤解する官房副長官……政治家の知力の低さにただ呆れるばかり。しかし最も深刻なる問題はこういった政治家に政治を委ねる日本の市民の(……というか思想的に自立した市民というものがはたして存在するのかも疑問だが)この個人情報保護法案に対しての関心の低さであり、松井茂記(大阪大教授・憲法学)が言うように「行政は市民の人権の守り手であって侵害するような危険な存在でないという意識」が市民にあり「もっと根底には人権の身近で指摘な側面、髪形や服装などに見られる<他者の規制を受けず放っておいてもらう自由>のみを重視しそれを超えるものには無関心」というさういふ風潮がある、と。まさに。かりに行政が若者の風俗などに介入したら叛乱おきようが、結局は「愛想つかされ呆れられ希望ももられぬ政治行政」と「服装や髪形、自らのライフスタイルに介入して来ぬ者に対する極度の無関心の固まりになってしまった人々」との、この二つが大きく乖離している中でただ全てが悪い方向に向っている恐さあり。
六月七日(金)快晴。観塘の香港歴史档案館(HK Public Record Office)に初めて赴く。香港の公文書館ながら多くの歴史的資料は日本占領下で処分された事実あり。日本関係の資料を検索すれば銅鑼湾の掃桿埔に戦前まであった日本人墓地の地図あり。荷物預け白手袋までして閲覧室に通されマイクロフィルムにて見れば土地造成の図面にてその前後のフィルムに1910年に当時の日本総領事が日本人墓地建設がために当時の植民地政庁宛に打診する公文書あり、曰く毎年平均25名の邦人がこの地で没くなり基督教でなき者その墓地に眠れぬ由にて墓地を設けたしと。政庁それを呑みの地を供す文書もあり。日本占領下の1941-45の地図も拝見するがどれも30年代の地図の焼き直しにて日本占領が見えず。観塘まで来たついでに牛頭角の京セラ、Contax G1の覗き窓内の汚れの解決に赴く。表玄関に賓客専用とあり客ゆえに迷ひもなく玄関を入りたれば警備員余を呼び止め用件を尋ね写真機の修理と判ると玄関から外をまわり裏に貨物並びに職員用の昇降機あればそれにて13階に登り再び階段を上がり修理部へ、と。修理の客は賓客に非ず、か。Contax G1の覗き窓内の汚れを見せるが担当の若者曰く二眼レフにて覗き窓の汚れは画質に支障なく撮影時の気分の問題なり、覗き窓の掃除日本に送ることとなり緻密な部分にて掃除できぬ可能性高く交換せねばならず、と。承知し現状の侭使うこととする。Contaxといえば七、八年前に新品にてContax T2を購いし折に一カ月ほどにてシャッター降りなくなれば当時は中環に香港でのContax扱う総代理店あり其処が修理受付、保証書を見せるが平行輸入品とわかると自社通せしContax以外は修理代が倍かかると宣われ、確かに香港の総代理店といふ立場では平行輸入品に憤慨する気も判るが其処はContaxが指定せしWorldwideのサービス網での香港での服務中心であり何処でどう購おうがContax製品であれば一様に扱うべきではと尋ねるが埒あかず此の牛頭角の京セラまで赴き駐在の京セラ氏に事情を話し保証期間内といふことで無償修理に応じていただきし事もあり。結局その中環の総代理店によるサービスセンターなくなり総じて京セラの事務所にて扱うことになりたる模様。本日余に対応せし青年も気さくにて簡単な修理はその場で応じる小道具持参にて現れかつての総代理店に比べ自社対応こそ善策。牛頭角の古いバラックの飯屋昼時に近隣のムサ苦しきオヤジたち集まり食す雑多な「めし」は油に醤油が焦げ強烈な大蒜の香りにてかなり美味そうだが昼を用意してきてしまい喰えず。
六月六日(木)薄曇。Web紀伊国屋に或る研究書注文せば余が期待せし香港関連の細目につき一切の記述なく11,000円払って一読するには懐も厳しく紀伊国屋に郵電にて返品申し入れれば小一時間にて返品申し受け候と返事あり。書籍代余は先方に預かり金とし次回の支払いに充てて頂ければ結構と伝えしが先方はクレジットカードにて返金措置までの厚意。深謝。早晩に十年ぶりか銅鑼灣霎東街の何洪記にて茘湾艇仔粥食す。某雑誌にて揚州が揚州炒飯を登記せばこの店の艇仔粥は香港にて幾つか登記可なる料理の一つと紹介。生腸及第粥が名を馳すが艇仔粥は具細々味散々。『優駿』六月号にて香港QE II Cupの記事あり連載「世界の競馬場」のにて沙田競馬場紹介されるがJRA何故に沙田をシャティンと云うか。フランスのChantilly競馬場(カタカナにてはシャンティと云われている)の名の響きあり。通常カタカナ書きはシャーティンにて広東語真似てもシャティンでは通じずシャーティンが寧ろマシ。『東京人』五月号の喫茶店特集にて沼田元気氏の姿を見て十数年前に恵比寿の裏町に住まひし頃に長屋住まいの沼田氏余の同僚だったT氏と懇意にて恵比寿広尾界隈にてお茶されていたがそれがここまでの文化になろうとは。
六月五日(水)曇。昨晩『発言』の四名の碩学のノート、深夜結局忘れないうちにとまとめてしまう。ノートは昨日のこの四名の名前クリックにて参照可。ノートをとるなど十数年……いや二旬近くしておらぬ作業にて肩凝り。某団体の見学での解説乞われ再び香港歴史博物館。歴史教育に詳しい方の話によると日本では今年の文部科学省の指導要領の改定で小6で勉強する歴史は「いきなり」吉野ヶ里遺跡から始って米作り。弥生時代。縄文土器は「これまでの土器(縄文土器)とはちがった、うすくてかたい弥生土器」という下りで述べられるが縄文時代と狩猟生活、それ以前は当然記述なし。うーん、新しい歴史(笑)。人類というのは最初から村があって集団生活を営んでいて古墳があるというのは権力者がいた、ってわけで、集団生活と不平等には甘んじないといけない、か。聖徳太子も不在。だけど不平等条約に関連してノルマントン号事件に半頁割くならもうちょっと通史教えてもいいのでは?と思う。沙田にて夜競馬あり赴かんとKCRに乗れば大埔のP君より来電にて晩のW杯独逸対愛爾蘭が一戦パブにて睇波(波球に睇(流し目)つまりサッカー観戦の意)との誘いあり蹴球じたいにはそそられずとも一度くらいパブにての睇波も面白きことかと興じて大埔。カリー屋(というふ名前)にてカリー食し百年ぶりにBobby London。中文大に住まひし頃週に一、二度と赴きしBobby Londonも店の主人もウェイターもそっくり替る。何処の席からも睇波出来るやうにと店の中にはモニタ四台も設置。鹿嶋での試合を眺め漢字だけのバーナー広告、埼玉会場の野村証券、東京海上火災、東京電力の三社に続きもう一社発見すれば朝日新聞なり(笑)。独逸が先制点取ればCable TVの解説者曰く「あ、今、携帯で慌てて電話した人多いでしょう」と不法ながら盛んな蹴球賭博を揶揄。競馬は予想も儘ならず用心して五レースのみ複勝で賭けるが内三つが一着になり嬉しいやら悲しいやら。『発言』読み続ける。
六月四日(火)曇。64、天安門事件十三回忌。ジョンレノンの暗殺と並び「あの日何をしていたのか」鮮明に記憶に残る。89年のこの日恵比寿の山手線を望む渋谷川に面したアパート、六畳風呂なしトイレ共用にて銭湯から戻り冷房なども当然なく扇風機の風に当りながら衛星放送の受信機だけはあり衛星放送にて流れる北京の画像に焦る。チャンネルを変えればフレンチオープンにて弱冠17歳のマイケル・チャン君が奮闘。あれから13年。同じテレビ中継はW杯にて中国チーム映す。中国共産党にとっては首都の建国宣言せし広場にて国家の将来を憂ふ若者たちの生命を蹂躙してまで死守すべきものは何だったのか。革命第一世代にとっては自分が数十年前に国家を将来を望む気持ちと同じものであれば若者の熱意は誰よりも理解できるはず。革命勢力が権力となり保守となりそれが倒されるべき立場となることもマルクス主義にて明か。それでも若者たちに応じられなかった理由は何か。みずからの権力の保持もあろうが天安門広場に集結せし<希望>たちに国家を担わせるだけの価値を見いだせず?。共産党政府が瓦解すればそこには混乱だけが残ると察したのか。そうでもなければいくら独裁政権とて国民を殺すまひ。現状の中国にては必要悪の一党独裁……。中国を肌で知るまでは理解できずにいた中国の難しさあり。いずれにせよあの事件は現実の中国が「どう在るのか」を理解するうえで風化できぬ重要な事実なり。黄昏にジムにてbodypump。季節がら食欲もなく食生活を考えこのところ高カロリー避けSupersandwichにてBLTと野菜ジュースの夕食。夜『発言~米同時テロと23人の思想家たち』続けて読む。Edward Said、Paul Virilio(都市学)、Giorgio Agamben(伊・哲学者)、Arundhati Roy(印・小説家)の論証には敬服。近いうちにノートにまとめようと思う。
六月三日(月)曇。夕方Sie Cecil's RideをA氏H氏と歩く。ジムにてBodypump。中山元『発言~米同時テロと23人の思想家たち』(朝日出版社)読み始める。中山氏は在野の哲学者・翻訳家にて氏の哲学サイトhttp://nakayama.org/polylogos/は必見。Negri&Hurdtの"Empire"をかなり早くから取上げこのサイトを昨年知る。当然のことながらサイード先生から始まる『発言』も必読の価値あり。
▼W杯光州にて開催されるを見て思いだすは1980年5月の光州事件。民主化を求める市民デモが軍部に「暴動」として鎮圧され政府発表ですら二百人近い犠牲者、金大中君は内乱陰謀罪などで死刑判決。当時まさかその金大中君が大統領となりその民主化に命を賭けた闘志が家族ぐるみの汚職にて大統領逮捕が先かW杯開催が先かと揶揄されその光州でW杯が開催とは。光州事件の翌年だったか在日のフォーク歌手・白竜のコンサートを小さなライブハウスで友人たちと聴いたことを彷彿す。
▼『信報』の社説にW杯語られるは日本の今回のW杯のための設備投資が前回の仏蘭西の三倍になり(韓国との共同開催で日本だけで三倍!)日韓で今回のために作られたサッカー場十ヶ所はサッカー専用で今後の十分な活用は疑問、そのうえ80万人の海外からの観衆を当て込んだが最もサッカーに熱狂的な英国ですら一万枚しかチケットが捌けず韓国に応援にいく中国からのサポーターは10万人と期待されたが四万人余なのが実績。つまり予想したほどの経済波及効果はなし。日本の不況は構造的な問題であり一時的なW杯にその不況を打破はできず、と。まったくその通り。海外でこれだけ冷静に日本のW杯経済が語られているのに……。
▼仏蘭西ダービーはThulliez騎乗のSulamani(12-1)が優勝しAct
One(8-11f)は二着、DettoriのSimeon(15-2)三着でどうにか複勝に絡む○。武豊のLe
Fouは惨敗×。
▼香港からの馬券購入が香港の法律で禁止されその上にW杯の煽り受けたマカオの競馬はニュースで見たら単勝の売上げが37,000パタカ(50万円余ほど)にすぎず。かなりマズい、倒産だマカオ競馬。
▼先週末に米国ウィスコンシン州の大司教Weakland君が22年前の神学生への性犯について公式に謝罪、神と同僚、信者の赦しを乞う。世の中の真に不思議なることは人々の懺悔を聴き正しき道を示すべき神父がその権威を利用して少年を犯し大統領クリントン君はホワイトハウスにて葉巻&フェラの情事あっても謝れば済み、些細な万引き、ノミ行為の類が厳しく断罪される矛盾なりけり。
▼M君知人の香港IDの申請につきあいImmigration Deptに赴くがその知人の名前の漢字が日本「国」字にてシナの漢字になく書類はローマ字表記のみにて申請したら職員曰く「名前を中文で入れない理由を書いてください」と。M君何故にと問えば「署名が中文なのに漢字名を入れないのはイレギュラーだから」と職員宣いたり。「他にも漢字名入れなぬ日本人はいるだろうに」とM君言えば職員「だってこのサインは中文なのに」と答える。そこでM君「あのね、サインとは文字じゃなくて記号なの。絵を書こうがマル書こうがサインはサインで、字ではないの」と常識を説明するが職員理解するオツムもたず「しかし、これは香港においては中国語の文字ですから」と。アホな押し問答続きしまいには係官「わかりました。このまま通しますが、でもあとで私の上司に同じ事を言われるかもしれませんから、<心理準備>しておいてください」と言われた、と。かつて我も成田の入管にて署名を「もっときれいに書いてください」と言われ卒倒しようになった経験あるがそれに近いオツム。それにしても金融関係者を除き日本人の署名が余りにもマネしやすい楷書で書かれることは平和ボケそのもの。
六月二日(日)昨晩子刻に雷雨。金本安民『異常愛・ギリシア神話』(東邦出版)半分ほど読む。ギリシアの物語読めば夜な夜な想像ほとばしることは、アドニスといへば三島由紀夫が匿名で『愛の処刑』を掲載せし戦後の同人誌の名前の由来、不二家のネクターがギリシアの神々の飲料ネクタルに由来し、村上龍の『コインロッカーベイビーズ』に出てくるアネモネなる、花の名前の少女がいかに美しいか、などなど。飢えから自らの身体を喰うエリュシクトンの話はキョービのどんなホラーより恐ろしく、牛頭人身の怪物ミノタウロスは王妃パシパエが海神ポセイドンの怒りゆえに呪いかけられ牡牛と獣姦の結果生まれたことを初めて知り(小学生の読み物にはここまでの記述なし!)、ヒヤシンスがアポロンと遊ぶ美少年ヒュアキントスへのゼヒュロスの嫉妬にてヒュ少年の額が割られそこからあふれる鮮血から咲いた花という由来、話術も巧みな森の精霊エコーがゼウスの呪いで相手の言葉を繰り返すだけしかできななくなりそれがエコーなる語の語源であるとか、ナルシス神話は有名だが水仙の花が首を深く擡げるのは水面に写る自分の姿に見とれているからだとか、ウルトラマンガイアのガイアが地母神であるとか、真に様々なことが勉強になる。これだから古典は楽し。一睡すれば曇。日曜朝から新聞読めば朝日に「ッタマに来るんだよ!」の如き事象多く日剩綴る。昼通しでジムにてBodypumpとBodycombat。HMWでフルトベングラーの1951年の録音でバイロイト祝祭管弦楽団の演奏でBeethovenの第九購い帰宅して聴く。昨日の鈴木淳史『クラッシク批評こてんぱん』にて名盤で(当然だが)ネタになっていた音源にて、さういへば小学生の時に確か稲葉君の家だったかで聴いた覚えあり数十年も前のこと。ふと聴き返したくなったが、三楽章までは荘厳に且つ抑揚豊かに歌い上げるが突然乱れて始まる最終楽章はとんでもない速さで弦の音がついていかず録音も悪いから全く聞こえないほどで、でもやはりこれは凄い実演録音だ。実演とはこうぢゃなくちゃ。1951年に戦後6年目でバイロイト音楽祭が復活し、その初日に演奏されたのがこの第九だ。もうそれだけで凄いことだがそれをフ氏がバ祝でこれを演ってしまったのだ。指揮者も演奏者も聴衆も「悲しくも我らは独逸人でありそれを嬉しく思えむ日よ再び」という、そういう感情がこの演奏に集結されている。ここに独逸の戦後のConstitutionなるものがすでに体言されているのだ。そこが第九をたんに年末のお浄めに使ってしまふ生半可な日本とは違う。第九といえばすでに不治の病に冒されていたバーンスタイン先生がウィーンフィルを振ったベルリンの壁崩壊記念のライブも(あれは世田谷久ケ原の新井君から贈られたCDだった)あれも良かったが、第九を聴くということはちょうどジャズでMiles
DavisのKind of Blueを聴く、新潮文庫で大宰の『人間失格』を読むようで「初心者です」みたいで恥ずかしさが伴い、やはりショスタコービッチを聴いてるとかならいいんが第九は聴く機会もないのだが、やはり凄い曲だと、そしてそれが独逸人にとってそういう歓喜の時に演奏されると最早神々の世界に逝ってしまっているのだと痛感す。第九といえばデュトワ率いるN響がソウルで韓国の合唱団入れて第九とか。でも独逸人の歓喜に比べるとW杯での日韓親善はまだまだ弱いか。安田記念は七番人気のアドマイヤコージンが優勝。いやこれは後藤浩輝騎手の優勝と言ふべきか。後藤君先月だかの『優駿』の対談に出ておりなんか不思議な騎手だと思っていたがG1に54度目の挑戦にて優勝し馬上で号泣しスタンドのファンに向かってヘルメットを取って頭を下げた、と(日スポ)。見たかったなぁ。見たらもらい泣き必至。でも騎手では買えず。一番人気エイシンプレストンは五着×。結局二番人気まで賭率上ったゼンノエルシドはドン尻あたり。香港馬二頭も入賞せず。今晩は仏蘭西ダービーだ、楽しみ。武豊様の日仏ダービー制覇とか?。日曜の黄昏になぜピンクフロイドが聴きたくなるのか。確か中学生の時にピンフロを初めて聴いたのが週末の夕方、多田君の家だったからか。Z嬢が枝豆茹でたので野菜ジュース飲みつつW杯イングランド対スウェーデンの試合観戦するがサッカーに余り興味なく埼玉の会場のバーナー広告みていたら世界に中継される由かなり広告料も高いのだろうが敢えてローマ字使わぬ広告はかつて野村インターとして世界を制覇したかのようだったがすっかり萎んだ野村証券、やはり日本だけが相手の東京海上火災、それに当たり前だが東京電力の三社は漢字広告のみ、それは理解できるのだが今や世界食となっているはずの日清食品のカップヌードルがカタカナ広告だったのは興味深き事実。すでにあのカタカナ表記でも世界中でカップヌードルと理解されるほどの知名度なのか。夜引き続き『異常愛・ギリシア神話』、読了。
▼W杯イングランド隊の碧威(ベッワイと読めるがこれが英語、カタカナ書きでなんと云うか余は知らず)二カ月近く前に欧州冠軍球會盃にて負傷し戦列より離れていたものが本日英国宿敵瑞典との一戦にてこの碧威君復帰にて香港はこの一戦にHK$10億が賭けられその四割はこの碧威に起因する、と蘋果日報。ちなみに賭けはこの碧威がゴール(3.5倍)、フリーキック(6倍)スキンヘッドにて参戦(8倍)、左足でのゴール(17倍)、ヘッディングでのゴール(26倍)、頭髪をユニオンジャックに染色(34倍)、ハットトリック(81倍)、監督と対立し離隊返国(201倍)と様々あり。明日は日本にて新聞休刊日のところW杯あり通常通りの発行、言葉もなし。
▼コロンビア大学により張学良の口述記録が近く公開される、と朝日新聞。張学良が昨年百歳の長寿を全うし誕生日である六月一日を以て遺族が公開を認めた、と。西安事件に関しての貴重な資料ではあるが此処でも気になるのは周恩来の存在。蒋介石を軟禁し周恩来の調停で国共合作の契機を作ったが南京に向う蒋介石に従えば拘束されることがわかっていながら同行し、それでも殺されずにきたのは周恩来のおかげであり感謝しているが、周恩来という人間の本当の姿については張学良が語っているとは思えず。先週読んだ『十九歳の日記』でもそうであるが周恩来は本来の姿を頑なに隠し通している。
▼朝日の「声」欄の投書で茨城県ひたちなか市の73歳の男性曰く、地元の文章講座に通い投稿文の書き方を学びそれを実践せむと朝日新聞茨城県版に二つ投稿が載ったところ、一つは産経の「新しい歴史教科書」の採用率の低さを国民の良識の表れとしたところ、この文章講座の講師に「右翼が押しかけてくるから以後このような投稿は避けるように」と言われ、もう一つは茨城県民の歌に「世紀をひらく原子の火」と歌いあげるのが臨界事故などあり恥ずかしくないかと書いたら「原子力施設で働く人にはむかつく表現だ」と言われた、と。昭和の始めの「特高が来る」「お国のために働く兵隊さんに不敬だ」というのと同じ講師の発想。お国を滅ぼすのは小泉でも石原でもなく、こういった一木一草に宿るが如き市井のイノセントな「おもひやり」。それを基盤に小泉君が自らへの支持と誤解し国家瓦解してゆく。
▼メディア論を始めてからのここ十年以上嫌いだったがヨシモト(隆明のほうである)が首相小泉君を「ナショナリストのように見せかけているくせに国家間の近代以降のふるまいをまるで知らない」(そりゃそうだ、バカなんだから……笑)わけで「小泉内閣はとうとう半世紀前の自民党内閣にまで退化してしまった」と言う。ヨシモト先生の物言いにも政治は進化するという思想が見え隠れしてるし、これでは半世紀前の三木武吉、大野伴睦、緒方竹虎といった先達たちを小泉君と同格にしては大変失礼であろう。だがヨシモト先生を見直したのは「戦争を知らない戦後生まれの幸運な国民が日本の大部分を占めるようになった現在、それを幸運の極みだと思わないで、『有事』などという曖昧な言葉で、戦争状態や戦闘状態を空想し始め」「何の訳にもたたないそんな架空の議論よりも現在の平和を胸いっぱいに享受したほうがいいと思う」し「そんな話題は予め議論しても無効」で「『有事』が目前にきたら勇ましいものも臆病なのも沈黙してしまう」し「架空の政治的な遊びである『有事法制関連法案』も『個人情報保護法案』も吹っ飛んでしまうに決まっている」と。御意。平和だから出来る小泉君の改革という名の玩遊とそれにつきあう国民の愚かさなり。小泉君などかつて変人と云われ誰にも相手にされず昼から歌舞伎座で芝居見物していたが、あれでよかったのに。
▼豪州在住の作家・森巣博氏曰く、凶悪犯罪の犯行が中国人であっただけで石原慎太郎君が「こうした民族的DNAを表示するような犯罪が蔓延することでやがて日本社会全体の資質が変えられていく」「将来の日本社会に禍根を残さぬためにも我々は今こそ自力で迫りくるものの排除に努める以外ありはしまい」と「産経新聞で」危惧することに、この明瞭な人種論をもつ者が都知事に選ばれ石原新党まで期待されてもいるのだが、森巣氏が疑問に思うことはマスコミは仏蘭西のルペン君やオーストリアのハイダー君にはいとも簡単に「極右」なる形容をするくせに何故にこのルペン君やハイダー君すら言わぬこのナチスを彷彿させるDNA人種論を説く石原君には「極右」の形容をせぬのか、と。全く同感。石原君が悪いのではない。ああいう輩は存在する。ただそれを都知事に選び改革をどこか期待するマスコミがある。結局、石原を支持した者というのはシナ人蔑視など全く考慮しておらぬわけで、ただ、上述の茨城県ひたちなか市の文章講座の講師の如き<市民>が創造力も実行力もなき政治家が跋扈する中ではっきりモノを言いモノを見せようとする石原に共感している。非常に低レベルのそういう構造。
六月一日(土)晴のち曇。明日の安田記念は香港にてQEII杯制覇したエイシンプレストンとゼンノエルシド。香港から参戦のRed
Pepper(Mosse/簡炳犀)と正蝦蝦(嚴顯強/Allan)は厳しいであらう。香港の最長老ランナー・葉さんの記事(South
China Morning Post)を我が翻訳した記事の載った香港日本人倶楽部の会報誌『香港』六月号届く。海で鈴木淳史『クラッシク批評こてんぱん』洋泉社、世田谷久ケ原のT君より譲られし、読む。著者の名が鈴木敦史と間違っているという奇書。クラッシク批評の若き巨匠(笑)批評の面白くかついい加減な部分を露骨に批評する。だけど我はやはり個人的には吉田秀和の批評が好きだ。夕方藪用あり終わってZ嬢と北角。渣華道の鳳城酒家。順徳の家郷名菜の老舗。晩の開店前で店で茶でも飲んで待てといわれビール飲んで競馬予想。猪頚、蝦醤炒菜牛肉、菘子蝦仁、揚州炒飯。江蘇省揚州市が揚州炒飯と云う場合の調理法を登記し(日剩五月十六日を参照のこと)その味が香港で云う揚州炒飯よりも不味い(笑)と物議を醸しているが香港ではこの鳳城酒家の揚州炒飯かなり名を馳せる。全体的に「悪い意味ではなく」味精(味の素とか)を使ったであろう味つけにて美味いが出来すぎか。沙田の夜馬、R5(三歳以上1600m)沙田新星錦標(G2)は昨年二月の初戦から七戦二冠二亜二季一負のStrong
Scotch(Whyte/安)がFvながら沈みこれまで我が買って勝った例しなき相性悪しき富源(StMartin/Allan)×。