2000 年11月24日からおそらくあなたは
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三月三十一日（日）小雨。香港映画祭にて『日本鬼子』（松井稔/2001）。日本軍の中国での侵略戦争を語る上で加害者の立場であった元兵士の証言として貴重なフィルム、但し14名の証言者全員がかつての残虐を後世に伝えようと決心した人たちであるから語るのであり、看ながら思いだしたのは奥崎謙三氏の『ゆきゆきて神軍』（原一男/1987）、奥崎がかつての上官を尋ねそこで当時の事実を叱責するのだが家族にも戦争の時の出来事を語ってはいない彼らが狼狽し震える事実に比べると、その時折照れ笑いしながら語る饒舌ぶりはかなり目立つ。尖沙咀の見城にて寿司。寿司ネタでは香港でも格別、ただしシャリが炊き具合も冷まし方も握り方も緩いのは気になるところ。カウンターで野暮な若いアベックがコーラ飲みながら置き煙草で寿司食ひかなり不快な思ひする。テメーらは回転寿司でも行け！といいたいが喫煙をさせぬ回転寿司は悧く強ち蔑ろに出来ず。高い客単価に応じることができれば反吐が出そうなウニ、トロ、コーラ、サーモンのどんな客でも上客に扱われる＜文化＞を容してしまった寿司業界の責任は少なからず。ペニンシュラホテルのバーで次の映画の上映まで飲もうと（Ｚ嬢と）ペニンシュラホテルのバーに行く途中で葉巻購いにシェラトンホテルの葉巻屋に寄ると粗呆区の葉巻屋と同じ経営にて顔見知りのマネージャー居合せ閉店していたが招き入れてくれPartagas勧められ確かに納得の芳香。ペニンシュラのバー、日曜の夜にて他に客一組のみ。夜二更より『リリーシュシュのすべて』（岩井俊二/2001）は今回の映画祭でいちばん観たかった作品。この時間に香港文化中心の大ホールが満席になること、客は香港人ばかりか西洋人まで民族を越えて岩井俊二の映画に共鳴している。若者はいつの時代も未知にてそれはいいとして、善良だが無力の存在としてのみ描かれる教師、ワイドショーの話題にしか興味ない親、援助交際の客としてでしか描かれないさういふ大人たちの酷さ……そればかり気になって見てしまった。やっぱりいい映画。ただ私は個人的にそのリリーシュシュなるミュージシャンがいいと思えなかった（笑）。ところで物語ではエーテルについて中学生が語るが彼らも講談社ブルーバックスとか読んでエーテルとかエントロピーとかマクスウェルの悪魔とかから何か感じたんだろうか？ とても読んでいるとは思えぬが。一瞬、今どきの若者は……と思ったが、ふと思えばインターネットでチャットこそしなかったが私らだってあの世代で「相対性理論の世界になると鏡に自分の姿が写らないんだって」とかブルーバックスで読んださういふ話をしながらELPを聞いていたのだから、さういふ意味では若者がヘンであることはいつの時代でも同じはず。ただ違いは大人が元気だったかどうか。映像がかなり気になってどんなレンズで撮ってどんな照明でどんな編集がされているのかと思って帰宅して調べたらこれ、納得。
三月三十日（土）小雨。香港映画祭。朝競馬予想済ませ天星小輪の場外にて馬券購入し午前中に『プウテンノツキ』（元木隆史監督2001）。若者のけったるい日常を追って一瞬かつてのATG映画を彷彿したもののATGに描かれていた若者たちとの決定的な違いは彼らの場合自分たちはそのへんの日常とは何か違うのだという意識があったのだがプウテンの若者たちは徹底的にフツーの日常生活と怠惰にどっぷりと漬っていること。桃井かおりは日常の味噌臭さから逸脱していたが北川千恵はどっぷり。キョービの若者はここまで元気の欠片もないものかと見ていて悲しさばかり。ましてやそれを映画としてカネを払ってまで見るには値せず。午後BBC/NHK制作のドキュメンタリー『KUROSAWA』。黒澤明の生涯をきちんと収めた良質のドキュメンタリー、なんといっても野上照代がいい役どころ演ずる。山田五十鈴もさすが。それに比べ黒澤監督はじめ脚本人に茶を運ぶ三船敏郎と『乱』の演技の恐ろしさを語る仲代達矢がやけにフツーに見える。それにしても『影武者』『乱』が勝新太郎で撮られていたら看たかった。夕方『傾城之戀』（許鞍華1984）。いかにも原作・張愛玲といふ、1940年頃に上海から香港に逃れてきた令嬢（繆騫人Cora Miao）が富裕の花花公子（周潤發）と出会い日本が香港を侵略する中で愛を培ってゆく、という物語。物語の外撮の多くは淺水湾のかつてのRepulse Bay Hotelが舞台にてよくぞここまでロケさせたと思っていたが日本軍侵攻ではセットとは思えぬ実写での壊しぶりに、おそらくRepulse Bay HotelからThe Repulse Bayへの大幅な改築があったのが80年代できっとその改築前にこの撮影を許し、しかも旧様を残す意図で大幅に協力があったのでは、と察す。南Ｙ島出身の野良である周潤發がここまで貴公子を演じるところに冴え、か、それ以外はとくに語るに値せず。晩には早いがGranville RdのIndonesia Restaurant、老舗で味は大したことないが老給仕のその心地好さ。今日四本目で『愛の町』（田坂具隆1928）。Hector Malot原作のEn Famille（家なき子）を、大工場を経営する父（三桝豊）と離縁して満州に女と駆落ちした息子、その息子は満州にて不遇の死、日本に戻る船で母も死に、遺された娘（夏川静江）がこの祖父の下へと向うのだが、祖父は息子を失ってからというもの目を患い狂人的に他者不信に陥り工場の労働者たちにも厳しく当たり虫けらを扱うよう。孫娘は祖父に名乗りを上げられぬまま工場にて働き始め、その働きぶりに老社長も心を許し始め、実は祖父が没き息子を探していることも知り、工場の火事を機会に老社長は労働者の厚生まで重視した新工場を建設し目も手術で治り孫娘とも再会を果たしこの工場のある愛の町が生まれる、という資本家と労働者が協力すれば幸せになれるという、フェビアン派のような美しき物語、脚本はPCLでエノケンを撮り始める以前の山本嘉次郎、なるほど。あと数年遅かったら当局の検閲が入ったのであろうか。このようなまだ大正からのノリのある理想主義がここで崩れ時代は昭和の暗い時代となるギリギリの作品か。Ernie Corpusなる奏者が電子オルガンにて映画伴奏。競馬はSize様が一番人気R3のCentury Star、R4のBillion Delight、R6のToymarkの三頭いずれもDye騎乗とR10のScore（Marwing）で四勝上げ41勝でついに最多調教師に。40勝で次点に並ぶA Cruz、ALLANは308、326戦で40勝で勝率は13.0%、12.3%とわずか174戦で41勝あげてしまったSize様（勝率23.6%）とは歴然の差。Dye騎手も三勝と絶望的な不振のCoetzee（本日も一番人気二戦を含め入賞せず、とくにR8からのRed Sun、D'or Win、Super Goal Strikerで入賞もできぬのはかなり重症）を抜き46勝とWhyteに四勝差の二位。騎手ではMarwing安定、Cahillも騎乗佳さ確かで二勝、弟Marcusも二勝（ともに梁定華調教師、注目）。R8のThe Chairman's Trophy（G2）は一番人気のRed Pepper（Mosse/簡炳犀）、二着がHappy Momentum（Size/Legrix）で三着にAucash（Allan、Marwing）。重賞は簡炳犀強い、いつもSizeと争って獲得するは勝負感の好さか。重賞で簡炳犀、Size、Allanというのはお決まり、AllanにはG2は重賞でない？、Happy MomentumはLegrixだから二位だった、か。馬券は十戦中五勝、二戦複勝、外したのはR2一番人気Kingdom Of Gold（Coetzee！）R5はHoly Quest（Allan/薛順強）とR10のRebel Leader（Lane/Cahill）。
三月廿九日（金）基督人にとつてはGood Fridayなり余は関せず。週刊香港Ｋ氏と中環は陸羽茶室にて原稿打合わせ兼ね早茶。七時店が開き休日の為か早朝に客少なく極めて静か。普耳茶ですら臭みなく一流。帳場に坐る老板が晩年の六代目……いや二代目左団次または梅蘭芳彷彿させる品の好さ。寶雲道往復に多少前後距離を延ばし12kmほど走る。じつに二月の香港マラソン、香港trail50km以来一カ月ぶりの走行。夕方ジムにて数年ぶりにＫ君に邂逅しＷにてビール。帰宅して生ハム＆メロン、ミートパイなど肴に新西蘭のMarlboroughはOyster Bayの白2001は甘口すぎて合わず。
三月廿八日（木）曇。PDA（Palm）の日本語化は断念。とくに必要なくローマ字にて日本語を打ってまでの用途もなし。ただしＭ君などPDAにて日本語にて青空文庫あたりから仕入れた小説など読んでおりあれに魅かれ英語で何かじっくり読めるものをと思い『聖書』を探せば僅かUS$11ほどで旧約新約入手でき僅か2.3MBにて六千頁弱の全巻をダウンロードする。ついでにモノポリーコレクターとしてはモノポリーpalm版と英伊/伊英辞書。Morrison Hillの公営プールにて泳ぎかなり久々に灣仔はＱ麥にて炸醤麺と紅油炒手を食す。仕立屋にて仮縫いfitting。太古城に藪用あり行き先のつい目と鼻の先に住むＭ君の愛息が二歳八カ月にもなりＭ君在宅を知っていたため「問い晒す」にてどらえもんの玩具購いそれを土産に街角にて愛息を連れてマンションを下りてきたＭ君と会う。可愛い幼児なり。明後日より香港映画祭にて競馬の時間もなく一日早く予想始める。
三月廿七日（水）曇。携帯の契約を同じPCCWでOne 2 Freeより1010に変更せば携帯競馬投注SIMカードも新規となり馬會場外中環にて変更登録手続済ます。新しいSIMカードは全ての複雑なる馬券（TTから6 UPまで）も買える。昼遅く卑利街陳成記にて牛南伊麺。昼の混雑も終わり飄々と雲呑つくる主人の愛想好し。牛南カレー飯も食したいが昼にさらっときて暴食は下品と外賣にして家でカレー堪能す（笑）。競馬全く揮わず。Whyte出場停止中につきCoetzee回復かと期待したが絶不調にて全七場出て複勝にも絡まず。DyeもR4の本命Winmark（Size）を含む五戦複勝も絡まず全滅。当然Coetzeeと組むA Cruz厩舎も未勝にてDoleuzeを欠いたD Cruz厩舎もR3の本命Mission PossibleはSt-Martin騎乗では取れず。おまけにSize様まで前述したR4はじめ四戦複勝絡まず全滅。……というわけで私も全滅。快活谷では殆ど買ったことのないAllan調教師がMarwingで二勝、頼維銘で一勝。うーん満月（は明日だが）の快活谷の夜競馬はいつもダメ。▼今朝の蘋果日報にて昨晩遭遇したオネエサンの働く佐敦の的士高は昨日未明に新義安の組の方々がすでに満員御礼の最中あとから来た関係者を入れろ店側は満員を理由に入れぬでその筋の方々が騒ぎ警察が派られ怪我人まで出ていたことを知る。▼Caine Rdの古い飯屋・海燕は元来地元オヤジ系ながら粗呆地区が賑わったいっときはメニューに英語を加え片言の英語を解す気さくな親方も現れ毛唐が夜な夜な古びた店で飯を済ませ賑わっていたがそのノリも一切腐食されまた古色同然とした店に戻り夜の営業はさっぱりにて調理師募集広告を店頭に貼るという絶体絶命で早茶と昼客飯のみでどうにかやっていたがかつては節句だけだった休業目立つようになり死に体かと思っていたら完全に閉まり店舗賃貸募集の不動産屋の看板掲げられる。合掌。この界隈の飯屋は粗呆の時流にも何故か乗った貴如のみ。▼朝日「声」欄に「『元凶は外に』安易な都知事」という投書あり。内容は下記の通り。有事法制に関する政治面の記事（10日）で、石原慎太郎・東京都知事は、昨年末の不審船事件と中国からの覚せい剤密輸を結びつけ、さらに覚せい剤が引き金となった若者の凶悪な犯罪がおきていることを関連づけて「これは侵略、戦争ですよ」と語りました。私は、関連性に根拠ないものを並べる短絡的な主張に、疑問を感じました。中国から覚醒剤が入ることよりも、都知事と同世代の「大人」たちが起す犯罪こそ政治・経済がらみの犯罪こそ悪質ではないでしょうか。先日の新聞は、この春に就職を希望する高校卒業生の四分の一にまだ就職の内定がない、と伝えています。我々は、大人として若者たちに就職の機会すら与えられぬことを深刻に考えるべきです。このような社会しか若者たちに提供できないことこそ、彼らが廃退し凶悪犯罪に走る元凶ではないでしょうか。経済は不況に出口を見い出せず、政治は疑惑に右往左往するばかり。理想も改善も示せずに、若者だけに姿勢を正せと言えるのでしょうか。「悪」を外部に求めるやり方は、あまりに安易です。……同感。この投書を読んだ築地のＨ君それを「新聞の投書欄で知事の発言が批判されていますが……」と石原君に聞く記者がおらば面白いが都知事の返答は間違いなく「だからね、こういうくだらない投稿を載せている朝日新聞社が、過去、文革についてどういう報道をしてたっていうのかね。シナから犯罪者が流入してるなんてのは、事実ですよ。事実を指摘することがどうしていけないってのかね」となるか（笑）。▼週刊文春の記事で名誉を傷つけられたとして芸能プロダクションジャニーズ事務所とジャニー喜多川（本名喜多川拡）社長が発行元の文芸春秋を相手取り同氏による少年への猥褻行為などの報道に対して名誉棄損で約1億1000万円の賠償などを求めた訴訟の判決が本日東京地裁であり井上哲男裁判長は同社に880万円の賠償を命ず。裁判長は記事のほとんどについて「重要な部分が真実との証明がされておらず、真実と信じる相当の理由があったともいえない」と。性犯罪で被害者に立証責任負わせるのもキツイ話。いずれにしても法や正義は神々悪霊魑魅魍魎蔓延る芸能の世界には太刀打ちできず、か。
三月廿六日（火）曇。二更佐敦は彌敦粥麺家に食す。雲呑麺美味いとも思へぬやうになり久しく馳名と冠つけし及第粥を食すが味は呉松街和味粥屋に及ばなきこと明か。心なしか十年前に比べれば客に入り芳しくなし。これは外したかと思いつつ『大勝』にて競馬予想などしつつ粥を啜つておれば大柄活発なお嬢さん来店外賣にて粥を注文するが声いささか太きと思つたところ携帯にて電話すればfxxkに当たる広東語粗口連発にてお嬢さんオカマと認る。それにしても江口寿史『ストップ!!ひばりくん！』彷彿させるほどの可愛らしきオネエサンにてさういふ可愛らしい外見にてその辺の路地の若衆の如く（さう中上健次のタイチの如き精悍な勇ましさ）粗口を撒き散らすその不均衡さがつまりは均衡とれてしまひたるヘテロなるsexualityの美には没き危さなり。美に遭ひたる川端康成君の如く余は目眩にて先に勘定済ませ街頭に出たるものの気になるは彼女トーシローかプロかということにて丁度携帯に電話あり用件すませつつ粥手提げ店出ずる彼女待ちて佇めば我が姫は西貢街を渡り粥屋と向いがMajestic Hotel地階がDisco&Karaokeの従業員用出入口へと消え姫はプロであると認る。まさにMajesticなる一期一会なり。▼この粗口嬢との遭遇を忘れられぬまま帰宅しいざ日記綴らふと思ひ網上にて『ストップ!!ひばりくん！』検索かけると本来は江口寿史氏がサイトが先頭にてヒットすべきところ何故か「篠ノ井優華の女装鉄ヲタなページ」なるサイトヒットし覗けば女装鉄ヲタなる言葉の意味がわかり仰天。されど女装は単なるsexual identityにすぎずその上にて鉄ヲタなり競馬好きなりソープ狂なりいても可笑しからず、か。いずれにせよこの女装さんが偶然にも香港MTR東涌線を詳細にレポートするは興味深き記事なり。▼日本政府の国会に設けられた憲法調査会は参考人からの意見聴取を行っているが参考人の多くが現憲法の理念を踏まえた上でそれを発展させる方向の意見を開陳し安易な改憲論には警笛を鳴らした（と朝日）。安念潤司（成蹊大）は「日本国憲法はごく普通の憲法」であり「先進国に共通する憲法の役割は、国家権力を制限して国民の自由を保障するという一点に尽きる」と述べ特殊な点は「一方に憲法がすごく好きだという人が、もう一方にすごく嫌いだという人がいて、両者の間で（憲法が）『消費』されてきた、その日本的な議論のされ方だ」と。安念氏に対して自民党の長勢甚遠氏「最近、人間関係がぎすぎすしてきたことと、権利を強調する憲法思想が定着しつつあることは無縁ではないのでは」という問い（ああ曽野綾子的……笑）に安念氏は「親孝行がなくなったのは憲法のせいだというような意見も聞くが、憲法に対する過大評価だ」と。御意。憲法は国家と国民の間にある最高法規にて親孝行だの礼儀だの修身を説くものに非ず。また山口二郎（北大）も「90年代の総選挙制度や行政機構の改革」を総括せず、憲法議論のみ行うことに危惧を感じ」「本来取り組むべき政治や行政の病理について、まじめな議論、的確な分析なしに、あたかも制度改革それ自身を目的のようにしている」と。確かに改憲すれば外務省の体質は改まるか、そんなはずはない。この調査会は自民党の意向強く「憲法がすごく好き」な憲法学者などは排除され比較的中立な者が招かれていてもこの結果である。道徳を憲法にもちこむような低レベルの発想が背景にあって意図された安易な改憲は避けるべき。
三月廿五日（月）薄曇ノチ晴。南條竹則『ドリトル先生の英国』を読む。ドリトル先生はHugh Loftingという作者、井伏鱒二という名翻訳、それに南條竹則のような読者に恵まれたのは幸運。夕方銅鑼湾の某背広屋にて百年ぶりに背広をお仕立し仮縫い合わせ。ついでにHermesでネクタイ購ふ。週刊香港Ｋ氏と打合わせ兼ねＴ嬢、Ｚ嬢と上環の朝鮮料理・梨花苑。いつも潮州料理屋金島燕窩の看板を目印に行くのだが別の潮州料理屋に改まる。梨花苑も内装が変わっていたがメニューも新しくなり店の女将も変わりどうも違う店のようだが客は賑わい真露が嫌いな蝦蟇印になっており甘口なのも困ったが二更には客が一気に退いたと思ったら店の掃除を始めてしまい床を拭く消毒液の臭いに閉口。萬千不再来。西環の源記にて蓮子緑豆沙。▼アメリカの経済学者Ａ・ハースマン曰く「繁栄するのは都市であって、国家は所得再分配の機能をもつ」と。故・羽仁五郎翁を彷彿す。そう都市は自治でなければならない。
三月廿四日（日）雨不穏。今年は香港trail50kmと搗合わずでMount Butler Race 14kmに出るつもりが昨晩深夜二時までDubai中継を見てしまったこともあるが天気は不穏にて落雨の上に風強くイマイチまだ今月始の疾病から体調も優れず（言い訳）昨日ジムにて過重にて筋痛みあり参加を断念。自分への罪滅ぼしにジムにて昨日と同じメニューこなす。高松宮記念は12トロットスターが人気だが10エアトゥーレの複勝、エアトゥーレとアドマイヤコージンが同枠なんで枠連はトロットスターとで5-6、馬連は10-12。ジムから戻りラジオ日本の競馬中継、現実は先行馬の小難還付がそのまま逃げ切って一着。トロットスターは五着（笑）情けない。フジヤマ館長からの競馬業界Ｓ氏情報によると今晩はドバイから帰路の日本人観戦ツアー客がトランジット利用して沙田に行くそうな。ドバイは日本馬全滅で香港は大雨で散々（笑）。沙田には行かず自宅にて昨日のおでんの残りなどつまみながらテレビ観戦。荒れるとは判っていてもそれじゃ荒れてどうなるのかなどわからないのが辛いところ。R1（新馬1400m芝）は荒れるのだからと予想もオッズも無視して調教の時計だけを信じたPowerful（王/Cahill）が先行してyieldingの重馬場でこのまま逃げ切るかと思ったら最後直線でしっかり沈んで現実には「もっと荒れて」×。Fortune Life（Hill/St-Martin）が26.3倍で一着。そういえば蘋果日報だかにC+3コースの今日は6枠が有利なんて書いてあったよ、Fortune Lifeが六枠ならR2（新馬1400m芝）も6枠でWinning Combo （呉/Whyte）か、でもWhyteは買わない、先行馬逃げ切りで一番人気のGood Win（Hayes/Dye）が堅いだろうと思ったら×、マジにWinning Combo一着 、ついでに雨の日はマジに強い鄭雨填（本当は填の字もサンズイなのだ）がShabu Shabu（笑）で二着。R3（�｣1400m芝）は本命Splendid Bo Bo（Size/Dye）がいつものSizeマジックで後方から第四コーナーで外枠から追い込んで来るはずが曲がりきれず（笑）あやうく観客席ゲートにぶつかりそうになり×、さすが雨でも風でも悪天候は強い簡厩舎のBlessings' Partner（今朝二時にはまだドバイにいたMosseが騎乗！、馬も騎手も酷使するね簡炳犀）が一着。R4（�｢1800m芝）マジにここまで一番人気が三着にも入らないのだ、一番人気はSpeedy Dragon（簡炳犀/Mosse）で重馬場に強い馬だし買うべき、いや一番人気でしかも簡/Mosseで二連勝はちょっと、外してMedic Hero（D Cruz/Coetzee）は自信ありだがこれも×……簡炳犀/Mosseの二連勝とは勝ちを逃す。昨晩のドバイの3レースから高松宮杯から通算8レース、単複で買っている馬が一頭も複勝にも絡まない。かなりマズい。R5（�｢1200m泥）一番人気はProfit Day（呉）だがWhyteだから外して（正解）Woods騎乗が心細いがTabbris（Hayes）でどうにか三着に入り八連敗からは片足だけ脱出○。鄭雨填のGood Time For All（黄）が15.2倍で一着。マジにジンクス通り。R6（�｢1400m泥）一番人気Touch of Class（苗）は本来は苗/Doleuzeで本命なのだがDoleuze離港した今Coetzeeでは明らかに不調であるが手だてなし、やっぱり×、また鄭雨填が大地友愛（D Cruz）なんかで一着になってしまい唖然。負けが込んでR7（�1800m芝）はこれは我らが獅子花Darwin（Size/Dye）心配なのは12月26日から1-2-1-2-1-1と勝ちすぎなこと程度で余裕の一着◎、すごい馬だ、なぜまだClass-2にいるのかが不思議、ダービーmissed馬。R8（�｡1000m芝）はBacchus（呂）を勝たせたいし一番人気、ただ問題は鬼門のWhyteなのである、Energy Vitalityがデビューから二戦1000mを二着、一着ときており調教の時計もいいしなぜ10倍なのか不思議だがBacchusで勝負。一週間ほど前にいつも罵詈雑言だが某朝日新聞に投書したらそれを掲載すると連絡ありそれの応対、いざレースに戻ったらEnergy Vitalityが5.8倍まで落ちてゲートイン、あっこれはやられた、と思ったら案の定、やっぱりWhyteで×。R9（�｡1600m芝）本命はDanriva（Size/Dye）、二番人気は華東之寶（A Cruz/Coetzee）でCoetzee不信でも調教の時計信じて華東之寶×、Danrivaは二着に入ったが一着が227.3倍でCellini（卓/薜順強）入ってしまい万馬券、馬主のあの喜びを通り越した恍惚の表情はいったいいくら単勝を買ったのか。かなり負けが込んだまま最終R10（��1200m芝）一番人気のWishmaster（岳）などWhyteでは買えるわけもなくSaintly Partners（Size/Dye）が12倍、しかもDyeは一番人気を２つ落としてかなり燃えているはず。これが入れば、である、今日の負けをチャラにできもする。ただ気になるのは実は本命であるべきはSmart Winner（D Cruz）にてDoleuzeなき今Marwingが騎乗しているのが今季終盤かなり期待できる調教/騎手組合わせで要注意。それにDashing Winnerで目が覚めてしまった「もっとも持ち馬の少ない」調教師・伍さんはこのまえ四連勝しており薜君が騎乗して112磅のVictory Warriorも無視できない。Saintly Partnersはこれは単勝は単勝で、それにこれを軸に「来たら儲けもの」でVictory Warriorと堅い狙いでSmart Winnerに流したが、さっきまで11倍だったSaintly Partnersは5.5倍でSmart Winnerを抜いて二番人気、これじゃ目論み外れたが最後直線でまずVictory Warriorが薜君の懸命な鞭で飛び出しSaintly PartnersがいつものSize/Dyeで外から差しに来てその間をかなり後方Smart Winnerがとんでもない追上げ、三頭が完全に群れから飛びだして結局はSaintly Partnersが首差で一着。いやー馬券も取ったが最悪の馬場ですごいいいレースを見せていただきました。結果Saintly Partnersの単複◎、Saintly PartnersとVictory WarriorのＱも◎。これでTrioやTierceを買えない自分。負けを回収できただけでも御の字か。▼それにしてもDubaiは日本馬が活躍どころかレースにも着いてゆけぬ酸敗をきす。2001年のDubaiと香港での活躍にて日本の競馬はまるで80年代の日本の経済と政治のように「世界の日本」を勝手に自覚してしまっていたが現実の厳しさを思い知っただろうか。それにしてもChina Visit、Ekraar、アグネスデジタルと買った馬は三着にも入らぬ結果。▼財務司・梁錦松（50）が中国女子飛込みでシドニー金牌の沈明霞（23）と婚約というニュース、朝日新聞は政治欄にて梁の顔写真入りにて報道。これに政治性でもあるのか。香港政府高官が27歳年下の中国のスポーツアイドルと結婚することで北京政府との癒着か（笑）。ステビアの「政治問題」のことも伝えずにいて、こんな報道をするとは朝日の見識を疑わざるを得ず。
三月廿三日（土）未明に大雨と雷。Dubai World Cupである。Nad Al Sheba競馬場でのR2はGodolphin Mile （G2/dirt/1600m）にてChina Visit （2-7）でまずは小手試しするが賞外、一着はGrey Memo。R4は昨年ステイゴールドがFantastic Lightを破ったDubai Sheema Classic (G1/turf/2400m）にてEkraar（1-11）としたのは香港Vaseにてあの８馬身差の逃げ切りをステイゴールド（武豊）に頭差でさされEkraarの単勝を逃したからという私にとってはステイゴールドとEkraarはもう一年の因果、が、一番人気のNayefが一着、二着に香港馬のHelene Vitality喜蓮精神が入る。R7のDubai World Cup （G1/dirt/2000m）は昨年トゥザヴィクトリーが二着に入ったわけでSakheeがあんまり人気あるからDettoriも要注意と語ったアグネスデジタル（1-6）とするが騎手の四位君はちょっと苦手。もし11月のジャパンカップdirtの優勝を最後に12月に突然引退してしまった未完のクロフネが武豊で出ていたら、と思うばかり。香港時間深夜1:40まで『優駿』だの『噂の真相』など読みレースを待ち、結果はStreet Cry（Bailey）が五馬身差で一着、Sakheeは三着、アグネスデジタルは六着。あゝクロフネがSakhee筆頭に青い勝負服の艦隊を引連れるようにあのdirtを走り抜けていくのを見たかった。▼久ケ原のＴ君よりの便りで成駒屋の大旦那の逝去から春が一巡したことを思い返せば月末には歌舞伎座で六代目を偲ぶ会とか。昭和31年の道成寺を記録映画で上演。三島先生もご覧になったのだろうがさぞや美しき成駒屋、フィルムでも見てみたきもの。一周忌には売却した岡本町遺邸を一日だけ借り開けごく身内で一年祭の追悼式との事。今年の東都は未曾有の早咲きにて、御庭の枝垂桜もほどよく散っていることと、悲しくも楽しみにしてゐる、とＴ君。▼キューバのカストロ議長メキシコシティにて開催された国連開発資金国際会議にて曰く、世界経済の現状は「今や巨大なカジノとなった」と。「世界の三人の金持ちの総資産は48の最貧国の国内総生産GDPの合計に匹敵し、八億人が飢えている、これは真の虐殺だ」と。また暗に米国を指摘し「最も富み権力を持った国は精巧な武器で飢えた人々を殺すことはできても貧困そのものをなくすことはできない」と言い残し議長との同席を嫌いメキシコに圧力をかけたブッシュを避けて自主的にキューバへと去る。格好ええなぁ（23日朝日）▼2001年9月11日から半年が経過しあれをある程度きちんと見つめる時期になったわけで加藤周一が『夕陽妄語』にて曰く、今回のブッシュの「反テロリズム戦争」には不明瞭の点があり、まず軍事行使の目的がテロリズムの根絶なのか復讐なのか、多くの国家がテロリズム根絶には協調したが復讐ではない事。次に戦争の相手は一般的に政府とその軍隊であるが今回は地下組織を相手に行った「反テロ戦争」は一種の形容矛盾である事。そして反米テロリズムの背景には強い反米感情があるのだが宗教的原理主義だけでは充分に説明できぬその原因の究明がされていない事。このような問題を孕みながらそれでも多くの国家が米国のアフガン「征伐」に協力した、というここまでが第一期である、と。そしてブッシュが年頭教書にてイラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」などと呼び次の戦争を示唆したことで、加藤はこの米国と同盟国との世論の開きは「おそらく第二次世界大戦以来もっとも大きくなった」と見ているのだが、この事実と米国観念の乖離が明らかになったのが第二期。第三期について加藤は述べないが米国社会には核兵器よりも強力な武器があり、それは「国内での」民主主義、外国人に対しての開放性、学問と芸術の高い水準、そして素晴らしい自然と国民の魅力といふ。が、裏を返せば、私が思うのは、国外での非民主的な強権発動、外国人への自らの価値観の強要、最終的には国家からの自由が容されぬ学問とコマーシャリズムにどっぷり漬った芸術、豊かな自然資源の確保とそういった全ての強さを背景とした国民性……ということぢゃないのか。▼ステビア（甜菊糖、Stevia）なる食品添加物を含有する食品（多くはスナック菓子、即席ラーメンなど）について香港政府がこれらの輸入及び販売について強い姿勢で臨んでいる。日本のこういった食品の多くがこのステビアを含んでおり日本では問題にはなっていないどころかポカリスエットステビアのように食品名にまで銘打ったものまであるほど（汗）。それがなぜこうして海外で問題になるかサイトで見たら「米国ではステビアの甘味料や食品添加物としての使用は禁止されていますが、これは100%ナチュラルであり且つパテントを持たない安価なステビアが、高価であり且つパテントに固められた既存の合成甘味料の市場を奪うことを恐れたノンカロリー甘味料メーカが、自社の権益を守るために行っているロビー活動によるものであるとの見方」があるほど（参照）で私には有害なのか無害なのかわからぬが、そもそもスナック菓子も即席ラーメンも食わぬのでどうでもいいが、香港ではステビアの害の有無よりもスナック菓子と即席麺の中毒のような現状を思えば多少それへの依存が軽減されるのはいいことか。それにしても味の珍味だの優の良品といった日本菓子専門チェーンは大打撃か。▼話は旧聞に属するが17日のダービーの日のR5にてDettori騎乗にて素晴らしいレースを見せたFirebolt、ratingは+20でいきなり124の一流馬。確かに凄い馬だがDettoriの騎乗がよかったことは差し引いてratingするべきでは？▼台湾の海上保安当局が中国からの密航船を拿捕したら17名の多くは台湾での密入国就労目的だったが内一名は台湾の人気アイドルグループF4のZai Zai なる芸人のファンの少女にてF4見たさに二万元を払って台湾に密航……こういう時代か。
三月廿二日（金）曇。午前、先日South China Morning Postに掲載された80歳のランナー葉氏の記事を翻訳する。非営利の会報か何かで在港の日本人にも読んでいただきたきお祖母さんが日本人で日本生まれの葉さんの人生。晩久しぶりに益新飯店。一昨日Ｋ君と私で帰国が数日延びたＭ君を再び送別しやうといふ話になり走るＨ氏夫妻、Ｋ氏、Ａ君にＪ嬢とＺ嬢。クラゲと豚肉白蒸し、金銭鶏が前菜。焼鴨、清炒菜、火局魚腸、紅焼豆腐、例湯、檸檬鶏、家郷炒米粉に揚州炒飯と甘盤。さすがに卓が二、三回転する時代ではないが繁盛はいつも感嘆するほど。給仕の数名が黒服となり知らぬ給仕見習いも増える。Ｋ氏らが忌まわしきラグビーセブンスの交通規制で遅れたが益新（つまり利舞台）を出たら丁度セブンスが終わり興奮泥酔した観衆どもがスタジアムから下りてくる。さすがにサッカーなどのフリー癌のような凶暴性はなく陽気な酔っ払いだが国家対抗は国家対抗。これぢゃ飲み屋はどこも奴らで満杯だねぇどこか空いてるかねとスタジアムから筋向かいの南華會の屋上のバーはさすがに混んでいるかと思えば灯台下暗しにていつもより多少混んでる程度で卓もあり。Ｋ氏は福島にて私の両親と従兄弟にあたりもう15年ほど前だろうか若くして逝去した修さんの高校の後輩で同じ音楽畑を進んだことを知る。▼Far Eastern Economic Reviewはかれこれ10年以上定期購読してきたがとても読む時間がなくいつも記事数本に目を通すばかりで捨てている状況続き購読を断念する予定。3/28号に インドネシアはバリでAIDS非拡散などに尽力するI Made Seriawanといふ医療人類学者の文章ありバリ島で調査するとHIVの蔓延は麻薬での注射器共用と性産業での生感染が主因、と。興味ある事実は麻薬中毒者は麻薬を得る資金欲しさに収入の大きい性産業従事を選び、それを生業とする者は仕事上必要な性感覚の高揚を得るために、また「やってられないのよね」モードで麻薬に染まっていく、と。この循環。いずれにせよ麻薬は錠剤とすべし。▼蝦王劉錫康氏の正蝦王が青見蝦王、快蝦王に続き姚厩舎よりAllan厩舎へ移る。劉氏は姚氏には10戦6冠2亜の成績で不満はないが青見と快がAllan舎なので正もそこに移るのが順当、と。いずれにせよ姚では満足できないのは事実。▼4月7日のマカオダービーにDettori、Doleuzeが客串と。行きたいが藪用ありいけぬ。Doleuzeは海南島競馬でも客串一天と。見てみたい海南島競馬のDoleuze。
三月二十一日（木）晴。土曜日のDubai World CupはSakheeは1.4倍とあんまりの一番人気で三番人気6.0倍のアグネスデジタルとする。Sheema Classicはなぜか香港からHelene Vitalityが出ているのだが「いい加減にせーよ」という感じで、ちょっと自信をもってEkraar。ついでに4月7日の英国Grand Nationalは六番人気で17倍のPapillionで勝負である。英国のブックメーカーで馬券購入す。まえから一度やってみたかった銅鑼湾は翅世代で「まるで吉野家で牛丼を食べるように」魚翅スープを食す。午後二時より六時までならフカヒレは二割引き。それでも一人でふらりと来てそれだけ食って去る客は少ないようで紅焼排翅を頼んだらほんとに一人でこれだけか？という女給の表情。美味いがやはり魚翅はこうして独り食しても楽しくはなし。太古城にて藪用あり終えて何か食そうと思っても太古城にロクな食肆もなくMTRで上環まで戻ったので九記にて牛南麺とカレー汁。いついっても夜のあの時間にあの場所であの繁盛ぶりは見事。▼労働者が主人であるはずの中共において黒竜江省の油田で有名な大慶にて労働者が自主的に労働組合を結成しようと立ち上がったら共産主義政府に弾圧される。資本主義政府が資本を否定しないだけ資本主義のほうがまだマシか。
三月二十日（水）曇。今晩は沙田の夜競馬にて数少なき機会とて会食あり夕方開門と同時に快活谷競馬場に飛込み葉巻楽しみつつ急ぎ予想のみして中環はWllington Stの上海總會にてＡ氏夫妻、Ｈ氏夫妻にＱ嬢、Ｌ氏集ふ。四冷盤は海折香箏（クラゲ頭部と香箏）肴肉、怪味鶏に素鵝（湯葉）で始まり清炒蝦仁、火筒鶏燉大排魚翅（フカヒレ）、椒鹽排骨、松子黄魚、豆辨蒐菜、小籠包に高力豆沙。上海系の倶楽部にてこれまで訪れる機会もなくかなり期待したが全般的にかなり塩辛く素材の味を活かしている点では北角雪園の足下にも及ばず。黄魚は及第。かなり喉が渇きＺ嬢と蘭桂坊のAgaveにてマルガリータ。競馬は中環の場外にて結果のみ見れみれば兎にも角にもこの日記に調教師の呉定強とか騎手の頼維銘とか出てこないわけだが『大勝』にも沙田の夜場にて未知数の馬多く多額を賭けぬ事と尋常ではない警告がなされていたわけで呉氏がR1からR4まで四連勝するとか頼維銘がR1とR2を連勝するとか不振のWhyteが二勝するとか誰が予想し得ようか、つまり荒れたのである。Coetzeeは完全にスランプに陥っており調教師ではD CruzとA Cruz兄弟がが未勝で（D CruzはDoleuzeの離港でもう今季は終わったも同然か）Size様が一番人気で入賞もせずでは完全に当てが外れている。どうにかいずれも一番人気ながらR3の機縁巧合（呉/Marwing）とR7の幸運組合（Size/Dye）の一着で多少の損だったが終始±0近くまでもっていけたことだけでも奇蹟。一昨日のダービーにて健闘し三位の多利高はratingにて+5でついに102となる。▼同じ日の新聞に興味深き二つの異る視点からの記事あり。一つは蘋果日報にてアメリカ人宣教師が数十年に渡り香港にて若者の麻薬からの戒毒施設、孤児の養育を続け慕い続けられているという「美談」、そして信報では名門Ｗ校校長が「自分には子どもはいないが神は千人の子どもを授けてくれた」という教育に対する信念を取り上げている。一方、蘋果日報にはFBIが大掛かりな児童ポルノ、児童対象の性行為の取締りを行った結果、その地下シンジケートが存在し摘発をすれば警察、神父、看護、教師といった者が少なからず、と。まさにフーコーの世界。いずれにしても「まなざし」とはいやらしきものなり。
三月十九日（火）晴。元アジア経済研究所研究員にて現在某国立大学教授のＹ氏より今話題騒然たるウイルスメール"important"頂きコソバユイおもひ。開けてみるがMacのため開かず。ウイルスからも見放されているのかと思うとMacユーザーの悲しさなり。歌舞伎の市村萬次郎夫妻が来港とのことで橘屋さんとはもう五年程前の香港歌舞伎公演で「大向う」役を僭越ながらさせていただいた縁もありＦ氏が夫妻と今晩会食とのことでお誘いいただくが藪用外せずお誘い断る。佐敦で藪用済ませ二更に寧波街でぶらりと妙吉祥素食館に入るとジムでよく会うＫ君が丁度茶碗と箸を運んでおり「あ、この店で働いているのか」と独り合点して「一人」と示したら彼が卓につき彼も客でありただ卓を移る最中だったことを知り穴があったら入りたい気がしたが余が客の数を言ったつもりでの「一人」を彼は自分が一人なのか他と一緒なのかと尋ねられたと受け取ってくれ「よかったら一緒に」と誘われ安堵。廉価にてなかなか味のある素館にて気に入る。
三月十八日（月）曇。昨日葉巻を吸ってから晩と今朝と二度もシャワーを浴びているのにジムで汗をかいたら葉巻の香りがまだする。すごいことだ。▼東京都知事は不審船が中国から覚醒剤を積み込んで日本への密航を企てたことと日本で覚醒剤が蔓延し若者たちの精神も肉体も蝕みそれが引き金となって凶悪な犯罪が頻発する、この二つを関連させて「これは侵略、戦争ですよ」と語るほどの馬鹿者であるが、保守反動がこれなら中道左派リベラルもまったくの無能であることは同様にて、武蔵野デパート社主でしない堤清二が辻井喬として近著『伝統の想像力』（岩波書店）にてセゾングループの飛躍の舞台となった渋谷について「1960年代のはじめから小売・流通・ファッションといったビジネスの中にいた私は、自分が推進してきたのはこうした猥雑な都市を造ることだったのだろうかという不安に捉われないわけにはいかなかった」と堤氏とは対局にいる猥雑な民衆としての若者に渋谷を席巻されたことを嘆いていることを今日の朝日（「生活総合産業」セゾンたそがれ）で知り、どちらもいずれにしてもどうしようもないことに唖然とする。高校卒業生の25%が就職内定を得られぬ状況なのである。大人の責任とは社会に巣立つ若者に就職の機会のある社会を提供することではないのか。それが自らの世代に責任があるのをシナ人のせいにしてみたり（石原）、成熟した資本主義での消費社会の未来図のようなものを描いてみせた一大企業の社主が結局はご破算で今度は作家きどりで社会の儚さを嘆いてみたり（堤）、本当にどちらも情けない姿である。▼Edward Saidは今年に入ってもエジプトのAl Ahram紙で積極的に提言を続けている。今週は、マスコミはパレスチナ過激派によるヨルダン河西岸とガザ地区イスラエル移民40名の死亡と赤十字スタッフの死傷を取上げるが35年に及ぶイスラエルによるパレスチナ不法占拠については語らない。オスロを舞台にした10年に亘る和平交渉が結局は合州国とイスラエルの＜言語＞はこのパレスチナの地面から浮いた世界にあったこととアラファトではパレスチナは和平を得られぬことが明白となっている。サイードは次の世代こそがこの硬直した世界を打開すると希望を述べるのだが……。
三月十七日（日）小雨。香港ダービー。Ｚ嬢が馬券購入するのに洒落たボールペンなくPacific PlaceのMontblancにてボールペン購入。ダービーにDashing Winnerが出て馬主Ｃ氏に誘われ沙田の競馬場のOwners Boxにて観戦。R1（�｢1200m）2-Sing A Song（A Cruz/Coetzee）初戦から三着、二着と上って初勝利、WPで◎。二着の7-Flying General（Allan/Marwing）も三着の1-Salut Beaute危険人物（Hayes/Dunn）も含めこの三歳馬たちは来年のダービーも期待あり。Sing A SongとSalut BeauteをＱにしてQPにせず△。R2（�｡2200m）若い長距離馬で期待の9-Monza King（Ho/Whyte）Whyteへの抗議は先週の快活谷からまだ高潮のままでも一番人気は信じられず1-Diamond Talents（A Cruz/Coetzee）のWPとしてMonza KingとＱとするが12-Happy Fortune（Wong/Leung）が10倍で来てしまひMonza King 二着でDiamond Talents三着○、またしてもQP勝っておらず△。R3（�｢1600m）何が来るのかわからぬまま1-Flying Bishop（Yiu/Marwing）、3-Nice Memories（Kan/Mosse）、5-Return A Smile（Allan/Lai）をＱとQPにすると1-3で◎。R4（�1400m）よくわからず2-Gift（Size/Dye）のＰのみ購入するが38倍でさすがの神様仏様Size様の神通力も通じず×、絶対に買えない4-祝福Bowman's Treble（Oughton/Whyte）が10倍で一着、Ｚ嬢のいふ通り118磅しか背負ってない14-Operation Humour（D Cruz/Doleuze）が三着に入りHK$23といい配当。R5はThe Cnetury Spirint Cup (Terms G1)にて期待は1-All Thrills Too（Hayes/Dye）だが馬券として面白み感じられず5-Firebolt（Allan/Dettori）のWPとして5-1でＱとするとその通りに入る◎。Dettoriの美しき騎乗に魅了される。R6（�｡1400m）一番人気の4-Medic Corps（A Cruz/Coetzee）にWP、9-Toymark（Size/Dye）とＱ/QPとすると今度はDettoriがR5とは全く異なる強烈な鞭さばきで押し上げて3-Cheeky（Ho）一着にただただ敬服、どうにかＰとQPにて○。R7（��1600m）今日が香港冬場出稼ぎ最後のレースとなるDoleuze、そろそろ勝ってくれと一番人気8-Super Blitz（D Cruz）にＷ、SizeのDr More（Dye）が予想以上にオッズよくＰとするとDr Moreが一着○でSuper Blitz没む。R8（Terms 香港ダービー G1 2000m）は5-Dashing Winner（Ng/Woods）ビリ三の46倍、確かに2000mは長すぎるかと思ったがパドックに入り馬主らとDWを見るにつけいつも以上に仕上がりよく闘志も漲り（と見えて）Ｐは来るかと期待してＷはご祝儀、でも本命は12-Olympic Express（Allan/Marwing）でこれもＷ、それにＷ氏の7-Goggles（Moore/Coetzee）を加え他之馬は一切視野にいれずＱ/QP/Ｔ/Tceと全ての馬券購入。第四コーナーで絶好の位置につけたOlyxは3.5馬身差で快勝……すると二着も順当に13-Precision（Oughton/Kinane）が入ったあとにDashing Winnerがまさかの追上げを見せて三着！（ちなみに三着でも賞金HK$1,400,000）、強豪揃いの中で大健闘を見せてＰはHK$51と高配当。Ｗ/Ｑ/QPを獲り◎。やっぱりG1はAllan調教師二連勝でOlyxの馬主Larry榮智健は97年のOriental Expressに続き二度目のダービー制覇の栄光。ダービー馬は97年のこのOrix、翌98年のJohan Cruyffはその後も活躍したが99年のまさかの万馬券のHoly Grailから一昨年のKeen Winner、昨年のIndustrial Pioneerとダービー以降活躍できぬ馬が続き今年のOlyxは今後かなりの期待。昨日購った葉巻も美味い。R9（�1200m）これはもう黙っていても4-Winning Dragonは調教師がSizeで騎手がDoleuzeという香港の今の最強コンビは当然の如く一着でWP◎。これも来年のダービー当確。R10（��1400m）一番人気のThanks Heavens（Lane/Kinane）にしたいがちょっと返し馬みても元気なき我がAsia Rising金龍馬（Wong）はWhyte騎乗もイマイチだが金龍馬から浮気できずWPでThanks Heavens一着でＰのみ○。結果10レースで単勝的中４、複勝7、連複1で完全に外したのはR4とR6だけという快適さ。レース終わって「完全に」引退の馬佳善B Marcusの簡単な引退セレモニー。なぜ一昨年のあの六月で引退しておいて二季も出稼ぎに来たのか……優秀の美を飾れず。一昨年のあの今でも印象に残る素晴らしい引退セレモニーに比べファンが数十名見守るだけの悲しき幕切れ。終わってＺ嬢、フジヤマ館長、Ｓ夫妻と競馬場から歩いてWo Cheの団地を抜けて沙田の龍華酒店にて鳩料理など食しデザートの豆腐花まで満喫。
三月十六日（土）小雨。多利高明日のダービーに参戦にて馬主Ｃ氏にお誘いいただき昼前に快活谷の賽馬會本部の前でＣ氏と落合いＺ嬢の分入場バッチ授かる。午後九龍某所にて寛ぎ競馬予想。実に二月二十三日以来でジム。明日のダービーで東京よりフジヤマ館長来港、馬鞍山Ｓ氏夫妻と銅鑼湾の杭州飯店。雲呑鶏、龍井蝦仁、東坡肉、海折頭（くらげの頭）など食し満足。明日のダービーにて多利高が勝った時のために深夜Cochrane StのCigar Express CentralにてRomeo Y Julieta No.2 購ふ。
三月十五日（金）晩に知人の送別会あり北角の海逸酒店。途中退席して灣仔芸術中心にてDaniel 楊春江君の哥仔戯を看る。香港芸術祭の興行の一つにて三晩の初日らしく最初硬さが見られたがなかなかどうして兼職のパフォーマーたちとは思えぬもので殊に揚春江の構成は一つ一つの演目に充分に語るに値する主題が込められそれが全裸もありの肉体の無言の戯れから明確に伝わりお見事。終わってご一緒したＮ君とGrand HyattのGrand Cafeにて一服しつつ80年代の東京は新宿の賑わいなど物語す。此処に先ほどの出演者数名現れるが舞台上の勇姿ほどの魅力もなし。
三月十四日（木）曇。夕方にQuarry Bayは海光街の京城にて白菜餃麺食す。餃子が美味いと聞いたが確かにわざわざ他から足を運ぶほどではないがあっさり系で佳し。百年ぶりに太古城、Cityplazaはフロアの天井の低さと奥まった商店が見えぬ面取りはミスだろうが通路空間をあれだけ広く採る余裕は近年の同類のショッピングセンターには活かされておらず。薮用済ませ銅鑼灣の某居酒屋にて一昨日香港に戻ったＹ氏を囲んでの飲み会に参加。愛想のない女将のいる店。銅鑼灣ではまだ静かなParklane Hotelの最上階のbarにて飲む。
三月十三日（水）曇重し。快活谷にて競馬の前に黄昏てトラム站傍の吉祥にて寿司。にぎりで白身の美味いネタが供され魚知れず親方に尋ねると桜鯛。桜鯛そろそろ旬だが鯛など皿の柄が透けて見えるほど薄く下ろしてしか食したことなく肉厚に握りにされ桜鯛とは全くもって分からず。あまりに美味くてさらに二貫握ってもらうがお勘定にはいらず親方に深謝。こういう日はなにか勝ちそうな予感、吉祥でR1（�｣1000m）は永勝組合（方/馬安東）の単複を購入して馬場に向う途中第四コーナーにて永勝組合がいい位置につけて入場して一着を知る◎。馬安東は今日より季末まで滞在。兄馬佳善不調（老人力？）につき拳闘を祈る。R2（�｢1200m）好調なる告/Doleuzeで天天欣喜は面白いと想ひ伏兵Cahillが簡炳犀で但求旺舗（それでもまだ商売繁盛を求む、か……笑）は返し馬よく一瞬食指動くが下馬評で好運王（羅/鄭雨填）とするが×（やはり鄭君ではダメだ）、天天欣喜一着にて48倍、但求旺舗も今晩はＣコースのレースで一枠にて二着複勝HK$40、見事に外す。R3（�｣1650m）告/Doleuzeの笑見風雲が一番人気3.3倍、神様仏様Size様でSize/Dunnの勇将の単複にするが二着△、Doleuze二連勝で一枠の青童（呂/李格力）が三着。R4（�｢1200m）喜發（文/Kinane）1.9倍の一番人気を単複◎、一枠が寸土必争（蘭）だったが騎手がHammer-Hansenじゃ、と複勝も買えなかったがHHでも二着。R5（�｡1650m）またも告/Doleuzeで財倒が一番人気だが三勝目？は最終レースの魅惑小子が控えているのだからと思い（四勝はないでしょう流石に）走石（愛/馬偉昌）の単複とするが昨晩6.2倍が出走直前に3.6倍から一番人気の3.3倍まで下がって「おお！勝利の予感」と思いふとレープロを見れば馬主はマカオ賭博王Stanley Ho君……これってHo君がただHK$100,000くらい単勝勝っただけでオッズが下がったにすぎぬ!!!と思ったが遅し。走石は九着？か×、SCMPの予想でやたら評価の高かった12倍の無価寶（何/梁明偉）がデビュー二連勝を飾る。財倒も三着。R6（�｢1800m）一番人気は韋達の超水準（岳）だが最近はWhyteの一番人気ほど不振なものはなく外して自信をもってSpeedy Forward（簡炳犀/Mosse）とするが×、買うと負ける新年代（卓/薛順強）が一着になるが二着の超水準から抗議にてそれが通り一着入替えになると一番人気の返り咲きに観衆は安堵のはずが韋達が自力で勝てずこのような勝利では不満なのかあと五勝で見習い卒業の薛君への応援なのか観衆から大きな罵声のブーイングがこだまする。告/Doleuzeは順利発達にてまたも三着。R7（��1800m）快活谷といえば告東尼、今日はまだ未勝にて騎手馬佳善なのは不安だが一番人気の権駿星の単複、不安的中して三着△。一着は弟・馬安東で新鮮（約）はなぜ一着？、敢えていへば結果論だがデビューから四戦が9/9/9/7着と不振ながらratingはデビューが88で85までしか落ちていないということがこの馬への評価値だったはず、そこまで読めず。R8（�1650m）は魅力小子（苗）の六連勝確実なレースにて単複、当然の如く余裕で一着◎。R7の権駿星とこの魅力小子の複勝を地味に2x1で掛けていて的中◎。Doleuze今晩の三勝目。三着に寶樹副将入る。沙田の1400mの専門家だが人格者にて今季で引退の調教師・王登平はこの良馬を薛順強君にのみ騎乗させ薛君の見習い卒業へと応援は見事。六枠にて惜しくも三着ながら立派。戦績は±0。▼朝日新聞にての大江健三郎君とサイードの往復書簡にて大江君曰く、このイスラムに対する「悪の枢軸」論すら融合する自立した誇りもモラリティーもなき日本は「私は、それが教育によってしか回復されぬと考えます。その主体となるのは、地方教育行政を担当する機関、教育委員会に抵抗しうる教師と、母親、子どもたち自身のほかありません」と大江君断言するのだが、悲しいかな、教育なるものは特に初等教育こそ＜権力＞による国民要請の機関であって、教育委員会とて終戦直後の独立・選挙制がすぐに任命制となった段階ですでに教育は国家に取り込まれたのであり、現状は悪化を辿り教育委員会に抵抗した教師は解雇されることを思えば、まさに大江君の講演会を取り消した新潟の県立高校の校長のような輩こそ生き延びるのが教育界の現状であり、そのような抵抗しうる教師、教育に夢を託すことはやはり大江君が60年安保世代であるからなのだろうが、いくら立派な教師がいても国家に取り込まれた教育機関においてはそれに理想を託すことは無理ではないのか。出来うる事は唯一、そういった＜権力＞から距離をおき自らを自らが自立した誇りとモラリティーがもてるよう自己教育することしかできぬはず。▼小倉のＫ氏よりメールにて先日のＮ響の香港公演がNHKにて衛星生中継されていたことを知り驚愕。香港文化中心という音響の悪い小屋にてあの曲目、演奏にてそれを経費をかけて衛星生中継するとは無謀。
三月十二日（火）曇。一月中旬に香港の会社存続させしまま日本に戻り小売を創業せしＹ氏十数年の香港生活からの転身に一休みと南米を数週間旅し東京に一泊して伊太利マルタまで旅し東京に戻り新居に落ち着いたも数日香港の会社に月一度の出勤のため香港に戻る。佐敦にて薮用済ませ二更にＹ氏と落合い呉松街は潮州料理の新兜記、二更に中年二人が盃を傾け佳肴をつまむにはウッテツケの店。給仕然とした紅色のチョッキ羽織った壮年の給仕は常連客と馴染み深夜まで客絶えず。椒鹽白飯魚、鼓油皇鵝腸、鼓油醸三寶（蝦すり身入り苦瓜と茄子の蝦醤和え）いずれもビールによくあふ味つけにかなり満足。香港は酒を飲まぬというがこの時間に呉松街の客はよく酒を飲み彼らの九割は明日は競馬か。
三月十一日（月）晴。香港貿易展覧中心にてCitysuper創業者であり社長であった石川正志氏の追悼式あり参列。香港西武の店長として来港し香港がバブル経済を謳歌していた96年に日本の西武建直しで香港西武の経営権をDicson Groupに譲渡にて当時の部下を引き連れて西武を退社Citysuperを立上げようやく経営も軌道にのった最中今年一月初旬膵臓癌にてQueen Mary Hospitalにて急逝し遺骨は柴湾の公営墓地にも納骨される。個人を忍び西武時代からの旧知が集い懐かしい面々と邂逅す。
三月十日（日）晴。咋月曜よりの入院と静養にて週を棒に振り本日は終日仕事場にて諸般雑用整理す。夕にＩ君来て自宅にてＩ君が缶より美味いという瓶のスーパードライに始まりブランデーソーダ、Ｉ君のボトルキープのジョニ青（飲み終わる）と食前酒が続きＺ嬢の秀でた酒肴にて山崎、ニッカ仙台と飲み続ける。▼四月二十一日のQE�杯、日本より12月のG1にて香港マイルのエイシンプレストン、香港カップのアグネスデジタルにラスカルスズカが参戦、と。日本馬の扱いは殊更格別であらう。▼加藤紘一君につき昨日の朝日に星なる姓の論説委員のコラムあり「英語、中国語を話しインターネットを自在に操る……」という書出しにただ唖然とす。国会議員の先生方は英語ができぬは当然、その上第二外語など皆目解さぬしインターネットも使えぬ、か。国会議員も議員だが朝日の論説委員も同等？。今回の国会議員にしては「まだまし」だったはずの加藤君窮地に陥る様なにか不自然にて神の見えざる手を感じざるを得ず。▼四月歌舞伎は松江……といってもわからず生涯「歌右衛門の養子の兄のほう」という形容が付纏うのか、が魁春……そんな役者の名はあった？といわれればこれは歌右衛門の俳号といへば成程に春の魁とは大旦那らしいと思うが、を襲名する歌右衛門一周忌の興業にて、その松江が本朝廿四孝にて八重垣姫を演じるとは翌月の辰之助の狐忠信と弁慶より更に驚くべき事なり。なかなか当たり役のない役者にて、そりゃそうである歌右衛門の道成寺で後見までしてきた人なのだから、築地のＨ君より伝えられしは都新聞にて松江がこれまでの赤姫ばかりでなく今後世話女房など芸域を広げたいと述べたそうだが、地味な女房役とて立派にそれがなければ芝居が成立しないのだから重要にて、確かに立女形の不足は深刻な事態ながら無理に松江を立女形にする意図は松竹は何を考えているのか。世話女房だろうが歌右衛門という不世出の立女形の後見とて立派な当たり役ではないか。▼朝日新聞の有事法制に関するインタビューにて東京都知事の某「昨年末の不審船だって中国で覚醒剤積み込んできてるじゃないの。その覚醒剤が日本で若者たちの精神も肉体も蝕んで、それが引き金となって凶悪な犯罪が頻発する。これは侵略、戦争ですよ」と、都知事が天敵朝日の記事では或る程度差し引いて読むべきだろうが、覚醒剤が流行るのは別にシナ人の所為ではなく市場があるから、若者の精神や肉体を蝕むのは覚醒剤などほんの一部、若者の廃退と凶悪犯罪は関係なく（貴様らと同世代の政経絡みの凶悪犯罪を先ず反省すべし！）、そういった本来根拠なきものを並べておいて侵略だ、戦争だと宣うとは、これははっきりいふが××××であるし、その××××を都知事に選ぶ都民の心地も理解に難し。
三月九日（土）薄曇。香港の競馬場の最も深刻な問題は食事の不味さ。場内では食肆を選べぬ故に誰にもで受入れられる味を追及した結果がファミレス的なあの味付けになるのだろうが総じて倶楽部の食事が不味いのは浙江同郷會を除けばの話だがその所為にて競馬場内は一般席のぶっかけ飯から馬主Box、Jockey Club Boxの食事まで評価できず。灣仔の中藝にて父母の知人から頼まれた高価な中薬を購い税務署下の郵便局にて発送し一旦海底隧道バスにてHung Homまで行くがさういふわけで食事してからと尖東の六益園。たかだか茶餐廰でありながら充分納得できる餃子、上海麺、坦々麺の類を供す肆にて餃子の飴は灣仔の北京餃子皇よか此方のほうが上ではないか。店員がかなり心智傾け客に接するは佐敦の好好に匹敵。沙田。馬偉昌が休番。下季となるとR1はGriffinの1000mレース多くClass-2当確であるAnabatikが大熱門だが豪州から新参の騎手Cahill未知数にて原居民の馬主彭遠慶氏の新馬・原村民（笑）かと思いつつCherished（苗厩Doleuze）としたら原村民やはり田舎漢にてゲート内にて騎手・頼維銘を振落し隣枠の李格力まで傷つけ頼維銘も李格力もR2より出場中止。Cherishedは賞外、結局Anabank入り二着に丹山飛駒（Kinane）。二倍を下回ると単勝買わぬ悪い癖を反省。一着から三着まで複勝はHK$10.5と白ける。R2（�｣1600m）的盧Darley（蔡厩Dye）一番人気で当然の如く一着◎、今日もSize調教師の独舞台の予感。R3（�｢1650m）一番人気で新世紀（岳厩Kinane）は三着△、馬偉昌から洗毅力に替わった華協之寶が前走は確かにいい時計だが16倍で一着、洗毅力「でも」勝つとは！。R4（�｢1400m）混戦承知で洗毅力だが返し馬凛々しき無敵熊（蘭厩）が見事一着◎。R5（�｣1400m）活力威龍（蔡厩Dye）1.7倍、終わってみれば確かに活力夫妻の指摘通りSize氏は七、八倍で複勝でもおいしい時が買い時なのだし平民百姓（告厩Doleuze）が来たら面白いと思いつつ「どうせまたSizeなのだろう」と安易に活力威龍の単勝としたら×、平民百姓だった（失敗！）。興味ある事実は勝っても当然なのかなかなか口取りにも姿見せぬSize氏はこのレース終わったら珍しく急ぎ足で現れブーイングの中を戻ってきたDyeに近づき興奮気味のDyeからかなり詳細にわたり事情聴取する姿をみてSize氏の真摯さに感銘。なほ我らがSize氏は調教師では珍しく夫妻でもって場内放送受信の携帯電話を愛用（次レースの馬の装着など忙しく当レースをゆっくり見ていられぬためと察す）。R6（�｢2000m）恐ろしいことに同陞（告厩）は馬偉昌の代打・洗毅力がまた一番人気、三勝目あり！と普段は洗毅力など買わぬ私も便乗して◎。R7（�｡1200m）このレースこそDoleuzeで徳雲精英（苗厩）と狙っていたが×、Suborics騎乗の翡翠金将（蘭厩）なんかが来る。R8（�｡1800m）今度こそDoleuze頑張れ千杯勝（告厩）は×、やっぱりR5で一番人気で賞外というSize&Dyeでは考えられぬ屈辱を晴らすだろうと思えばマジにこのコンビで幸運組合で雪辱。R9（�1400m）一番人気は富源、これが馬偉昌なら買いだがSuboricsじゃダメよと外して三度目の正直で告厩Doleuzeで春堯としたら三着△、最後のハロンの踏切りが一歩遅いし四位にいて見せ鞭はないよ（笑）、Suboricsでも富源が一着。ちょっと黒字でお終い。R811巴士にて帰宅。Kennedy Town行きで東隧潜って北角から流すのはやっぱり遠すぎ。
三月八日（金）曇。ようやくＴ医師より退院許可下り退院手続しつつ南條竹則『ドリトル先生の英国』（文春新書）読む。入院中の新聞、メールなどまとめて読んでいたら15日のダービー、馬主Ｃ氏の多利高Dashing Winnerも楽しみだがＷ氏の期待馬・新力軍も出るではないか。Ｗ氏の会社の株を僅かばかり所有しており、ふと思えば期待の星・奧運精神Olympic Expressも馬主榮氏の会社の株ではかなり損をしたまま所有（笑）といふことでダービーは因縁めいて奧運精神本命で多利高と新力軍とすることに決定す。Ｚ嬢と尖沙咀はKnutsford Terraceにて香港にては珍しき某ロシア料理屋。ロシア料理といへば神田駿河台のサラファンであるとか仙台のもう閉業してしまつたが一番丁のヤマハ隣りのトロイカであるとか（仙台といえば三月ともなると三陸の魚介が美味くなるかと思えば立町のフランス料理屋あづまやは懐かしさ限りなし）小さな佇まいの店を想像しこの店も白系ロシアの貴婦人が赤色革命を怖れ亡命し……などと勝手な想像。ただし場所が場所にて流行の飲み食い処ばかりにてこの店もさもありなむ経営はEl CidやClub Havanaと同系列。香港にて本格的なビーフストロガノフと新聞にあり料理人は露西亜人。やたらに店員多し。種類多きウォッカはじめスピリッツを氷点下16度の氷室に貯蔵など視覚的は凝り（食事には合わぬがアルバニアのスタルカないかと氷室に入ったがやはりない）ロシア民謡のライブは御免なさい私らには苦手な雰囲気。El Cidをそのままロシア料理屋にしたな、って感じ。味は不味くはないがいまいち旨みなくピロシキなら那須の南ケ丘牧場のほうがよっぽど美味いし（と小学生の頃に初めて食べたピロシキを思いだす）ビーフストロガノフは香港なら銅鑼湾の皇后飯店か。星巴珈琲。香港芸術祭、香港文化中心にてNHK交響楽団。香港に「日本公演のついでに立寄り」でなき珍しきオケ（当たり前か）、いずれにしても中華食べに来たのは他のオケと一緒。Charles Dutoitの指揮にて武満徹Requiem for Strings、Prokofievのバイオリン協奏曲二番（小提琴は竹澤恭子）とBerliozの幻想交響曲。来賓は総領事離任中にて首席領事、徳昌電機の蒙さん、東京三菱支店長といったところ。Ｎ響、銀行員（それも合併前の三菱銀行みたいな、ね）のオケじゃないんだからもっと楽しく演奏しようよ、という感じ。武満のレクイエムはもっともっと大らかに、プロコイエフもロシアとはいえこの1935年の曲はまさにパリにてベルリオーズもDutoitにとっては十八番だから勿論巧いのだが何か演奏に硬さ目立つ。Ｚ嬢の評ではＮ響の主力抜きの1.5軍が来港、と。演奏終わっても万雷の拍手に笑みもなきオケは悲し。
三月七日（木）晴。終日病院。Ｔ医師の診断では三半規管が不調というがいわれてみれば前から走る時には首が左に傾いでおりバランスが悪いのは靴底の減りが右靴が極端に減ることからも明白なる事実にて納得。病室にて何もすることなく朝早くHappy Valleyのトラム站にていつもの新聞三紙購いこれまでにないほど熟読。Ｚ嬢より差し入れにて南條竹則『満漢全席』読了。エッセイ全盛期の躁モードの北杜夫が書いたらさぞや面白い話と思う。文章がルポなのか随筆なのか小説なのか散漫。昼には『大勝』出て週末の予想。関曠野『民族とは何か』講談社現代新書も読了。元共同通信の一流の書き手だけありきちんと理路整然とした書きっぷりにて読み捗る。たんに民族主義などどーしようもない、という理屈にならず民族主義に到る必然性を説きその上で本来の民族主義（そこいらの下衆な右翼、保守政治家のいふ民族主義にあらず！）なき日本は、という問いかけをし、明治維新、1945年と二度に及ぶ大変革の機会がありながら明治維新では共和制に移行せず討幕派が天皇を担ぎ出し王政復古なることをし、1945年には軍部こそ一掃されたが官僚が残り財閥が残りと結局は大改革の機会を逸し今日の日本に至っており、日本に民族なるものを形成するためには憲法改正が必須、と（ここは驚いたものの）但しいわゆる保守反動の占領憲法改正でもなく左翼の箇条主義的は護憲でもなく関のいう憲法改正は確かに一理あるのだが、問題は明治維新でもそうだが福沢諭吉や中江兆民といった碩学こそ居れども果たして日本に立憲主義まで届くだけの政治的アイデンティティがあったのかは難しいところ。もちろん「ええじゃないか」的な幕末のエネルギーに仏蘭西の市民革命的な市井の熱気こそあれ、である。
三月六日（水）
三月五日（火）順寿司仲間Ａ氏Ｈ氏見舞い給わる。昨日の如き歩けぬほど坐っておれぬほどの目眩はなくなれど本に目を落とせば行間が多少揺れもす。さりとて入院していて治療あるわけでもなく（メニエール病か？）自宅療養せよとのＨ医師の指示にて退院。中上健次『奇蹟』、中上君の係り結びは読むに難儀にて「代官の命令で働けない年寄りを穀潰しだからと、ことごとく山に姥捨てをしていた」などちょっとした文だが句読点が気になるところに打たれてしまひ「働けない年寄りを穀潰しだからと代官の命令でことごとく山に姥捨てをしていた」という意味だととるのに0.4秒を要す、こんなことにかなり不便にて読み留まりしものの病床にて漸く読了。久々に読み続けるに精力果てるほど疲れし物語なり。物語は三月三日雛の日が町内にては雛人形を飾り賑やかな節句の日なれど路地にては雛人形を購う余裕のある家もなく子ども等には幾許かの菓子を持たせ磯辺に放ち磯遊びさせることで節句がわとする日にて、またその日はイクオが縊首した命日、タイチに奇蹟の数々起こりし日にて、また小森陽一が紹介せし通りこの節句が宮中の曲水の宴と呼応し、この遊びこそ階層に基づく言葉遊びなる＜構造＞をそのまま体言したものにて、宮中とこの熊野の路地にて高貴にして澱んだ血の流れを象徴するもの。奇しくもその三月三日を通して『奇蹟』を読みひどい目眩とは。中上君が存命であればこの路地の物語はタイチの弟ミツルやシンゴという中本の若衆に継がれていくのだろうが、路地じたいがイバラの留のような路地上がりの土地開発により「都市化」され物語の残る場所すら消える。これがその掲載された『朝日ジャーナル』の廃刊じたい路地（差別）、極道（右翼＝対局としての左翼と朝ジャ読者）といった世界が喪失され中上健次が逝去する時代の終焉か。▼三月一日に歌舞伎座にて坂東三津五郎「一日消防署長」（笑）。かつての八十助は酒酔い運転など前科あり警察署長はできないぬが火消しは江戸の華、昔から大酒飲みだから三津五郎に適役。▼巷にて噂の四代目尾上松緑襲名披露「五月大歌舞伎」は「寿曽我対面（ことぶきそがのたいめん）」が祐経（三津五郎）、五郎（新之助）、十郎（菊之助）に舞鶴（芝雀）にて新之助と菊之助の五郎十郎は今が華。「素襖落（すおうおとし）」の郎冠者は富十郎なら当代一。で（笑）問題の「義経千本桜・川連法眼館の場」は忠信/源九郎狐が辰之助、否、松緑、義経（團十郎）、川連法眼（左團次）に妻の飛鳥（田之助）で静御前（雀右衛門）。これでは法眼館は田之助を除けばまるで俳優祭。それで昼之部最後が京人形で左甚五郎（菊五郎）に京人形の精（菊之助）はせめてもの口直しか。そして夜之部は昼の寿曽我対面と素襖落が見られなかった客にせめてお代に見合う程度ということで「舌出し三番叟」にて三番叟（三津五郎）と千歳（新之助）を見せて、四代目尾上松緑襲名披露。そして昼の部の義経千本桜でめげずに「勧進帳」は弁慶（辰之助改め松緑）に予想は富樫が成田屋で義経が音羽屋かと思えば富樫（菊五郎）にて義経は富十郎。辰之助君の名演を期待す。でも何故か最後は成田屋で半七捕物帳（笑）。▼Ｚ嬢が知古の小学生曰く水上レストランのジャンボは『千と千尋の神隠し』の湯婆の油屋そっくり、と。御意。
三月四日（月）昼前から目眩ひどく昼にはまっすぐ歩けぬほどになり生欠伸も絶えず一時間ほど横になるが治らず某病院へ。目眩押さえる注射するが回復せずそのまま入院。点滴打たれ本を読むにも不快感あり静養す。
三月三日（日）薄曇。50km精根尽き果てたかと思えば意外と体力悪くもなし。昼前まで家事雑用済ませ昼すぎジム。思えば50km走れるも日頃のジムでの基礎体力及び筋力トレの結果かと。午後北角和富中心のＣ氏宅訪問。夜某宴会あり鍋。某地方のかなり入手困難なる地酒頂く。終わってＺ嬢と銅鑼湾のEast EndにてAle飲む。
三月二日（土）晴。Greenpower主催香港トレイル（山頂～石澳）50kmあり。連続三度目。一昨年の初回は在港の日本人若衆のチーム参加に同行、膝故障した者あり11時間15分。昨年はスタートしてすぐ自動車の通行に走路塞がり最後石澳のDragon's Backにて怪我人ありヘリコプタでの救助に一旦通行止めあり8時間30分ほど。今年はせめて7時間半ほどを狙うがスタートより走り始め結局登りを除けば走り続けて25km地点の陽明山荘まで3時間10分。ただしJardine's lookoutよりMout Butlerで体力を使い大潭水塘の下りで膝に負担がかかりSection-7の土地湾までの引水路ではもはや走る体力もなく……というのが常ながら今年はアミノ酸のドーピングが効いたのかMt Butlerの下りから止まらず引水路に入り25度くらいはあるのだろうか強い陽射しながら体力も落ちず6.5mの引水路を走り15名ほど抜いて自分でも信じられぬがDragon's Backの上りでも数名抜いてそのままさすがに速度は落ちたが小走りを続けゴール。6時間57分。この自己新はもう達成できまい。ランニングクラブの精鋭チームは5時間45分にてチームでの総合三位。日が暮れる頃まで後続の到着を待ち石澳で打上げして帰宅。こういう日は昨日急ぎで購入した馬券も当たっているものでR1（新馬1200m）はMarcusの先力之城の複勝にしたが一番人気の1.9倍で四着×。R2（五班1200m）は聖程（Allan厩/Marwing）の単複、一番人気2.9倍で４1/4差で一着◎。R3（四班1400m）はTT絡みレースのため用心して輝煌勇士（Size厩/Whyte）の複勝とするが一番人気2.9倍で１3/4差にて○。それにしてもSizeの安定感は見事。R4（四班1400m）はTTのみで敬遠。R5（二班2000m）師父（Allan厩/Legrix）の単複、十頭だての四番人気7.2倍ながら一着◎……やはりジョッキークラブの主席馬だ（笑）。R6（四班1800m）はTTで敬遠R7（三班1400m）は百浚（告厩/Doleuze）の単複としたらこれも一番人気になっており1.7倍、余裕で勝つ◎。R8（三班1400m）よくわからないレースで飛快到（洲厩/Whyte）の複勝のみ勝ったがこれも一番人気1.9倍（汗）、荒れたレースだが三着○。R9（精鋭班1600m）高耀之星（Hynes厩/Dye）しかないと単勝とするが一番人気ながら5.0倍は×、但し「知ってる馬主の馬は買う」鉄則でＷ氏の新力軍の複勝はHK$31.5の高配当◎。R10（二班1600m）は侵略（平厩/Marwing）が強いが好きな馬で上風（苗厩/Dolueze）に期待して複勝とし侵略との連複、ワイドとしたら上風が一着となり○（単勝は買えず）ワイド○。外したのはR1複勝とR9の単勝のみという天晴れ。
三月一日（金）朝通り雨。憂鬱なる曇天にアスファルト湿る多湿にて長い雨期の到来か。朝一瞬月初めは果して二月か三月か不明となる（マヅい）。香港大図書館にて資料整理と競馬予想はブースなので周囲に競馬資料見られず安堵。明日の馬券購入。オッズ知らず買う緊張感。もうこの季節最後の湯豆腐。▼董建華君当然のことながら村長選挙は対抗馬なく自動当選。▼中環の由緒正しきJimmys
Kitchenは1928年創業にて善くも悪しくも英国料理屋たる店が家族経営を放棄し経営権をSherman
Tangなる地元資本に売却と。すでに英国領にあらず経営者のNeil Mackenzieはすでに香港に経営意欲なし、か。