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富柏村日剰は丙戌十二月初三より「富柏村日剰 香港日記」と題を改めました。
一月卅一日(水)晴。昨日までの悪寒と鼻水から今日は喉にきてほとんど声が出ず。熱が出ずに眩暈だの咳だの、といった症状
の人少なからず。ウイルスの脅威、と言うが実際には医薬が「発達」しウイルスもそれも負けじとより進化して、の鼬ごっこ。その舞台となる人間の身体だけが
どんどん壊れてゆく感じ。
▼厚相柳澤君の失言による野党からの罷免要求。民主党や社民党など修正予算案の審議拒否など強行な姿勢で勢いづいてみせるが「人間として許されない」とい
う表現など如何なものか。人間以外に女性をこう蔑視した発言などもともとせぬ。日本共産党は国会の予算案審議と柳澤失言は別として審議拒否には同調せず
(民主党らの予算委欠席で「審議にならず」と退席してみせる)、柳澤失言についても「人間として許されない」といった感情的な表現はせず(科学的社会主義
思想の立場か?)たんに「最低最悪」(志和氏)と。いつの間にか最も現実的な政党が共産党になっているの鴨。
▼中国が胡錦濤国家主席のアフリカ歴訪を前にアフリカ33カ国の対中債務免除を決定。円借款受けている国が有人宇宙ロケット飛ばしたりアフリカ諸国に経済
援助ばかりか、その債務免除とは!とこれもまた日本の嫌中派が怒るのも当然か。まぁ寛容の精神で「間接的であり日本からアフリカにも善意」と思えば良いし
(アフリカ諸国とて日中の台所事情は弁えておろう)、それよりも気になるのは国内にさまざまな貧困問題など鬱積であるのに対アフリカ援助とは……<国家の
意思>まざまざと見せつけられる思い。
▼廿九日の朝日(衛星版)に掲載の、本田由紀さん(東京大学助教授・教育社会学)の教育再生会議批判が興味深い。安倍三世肝煎りの教育再生、一言でいえば
「インパクト重視」。ゆとり教育見直し、学力向上のための授業時間増、イジメ加害児童生徒の出席停止措置、奉仕活動必修化。批判の骨子は「授業時間数増加
は学力向上に直接結びつかない」こと。そもそも学力低下は「現実に生じているのか」と疑う。日本の子どもの学力は国際的に見ても「非常に高い水準を維持し
ている」。ただしOECDの読解力調査結果(04年12月)の云わば「日本の為体」で日本の学力低下が印象づけられたが、あれは「日本の成績上位層には低
下は見られないが、成績下位層の比率と点数低下傾向が増大しており、全体ではなく下方に「底が抜ける」形での低下が危惧されている」と事実を見破る。つま
り「落ちこぼれ」が極端に落ちこぼれてしまっているのが実態。また日本の教育では、勉強が「好きだ」とか「楽しい」と答える子や将来の仕事と結びつけて勉
強しているという意識がもてない現状に問題がある、と。具体的には「学ぶことの意義」を中身に則して実感できるような教育内容の改善、下方の「底抜け」が
生じることを防ぐ制度的な仕組みの導入、の必要。「今回の報告のように手前勝手に「愛」や「規律」「奉仕活動」を押しつけても、子どもたちはいっそう内面
的な離反を強めるだけ、と本田先生。御意。
一月卅日(火)晴。風邪で気分すぐれず。終日マスクして過す。N氏が数碼写真機でさんざん悩んだ揚げ句に佳能の
Power Shot
G7購入。家電というのは不思議なものでパナソニックの製品ばかりに囲まれている人もいればパナソニックが不思議と何一つない人もいる。余にとっ
てはキャノンがそれ。とにかく何か家電であるとか数碼機器購入する時に最初からキャノンならキャノンという選択肢が一切ない。デジカメでもEOSとか
IXYとかEFレンズが全然いいと思えない、のだ。G7もけして「いい」とは思わなかったが実際にN氏の実物を手にしてみると「カメラらしいカメラ」と納
得。フィルムカメラの頃の味わい、シャッタースピードダイヤルや多彩なマニュアルモードなど。首からきちんと下げてお腹の上に「これはカメラです」と「中
年が喜びそうな」代物。お若い方、とくに女性を全く無視したようなフィルムで育ったオトーサンたちを納得させよう、というコンセプトは正解。ただ、ファイ
ンダーを敢えて組み込んだのは評価できるが非常に視野が狭く暗くて、液晶の大きさと明るさと雲泥の差。リコーGRデジタルの場合、ファインダーはオプショ
ンで異様な外付けだが明るくて視野は広い。だがG7が5万円台というコンパクト数碼では高価なのに(ニコンのD40なんて一眼で4万円だ、ボディだけだ
が)人気で品薄というのも納得。帰宅して白菜の鍋と鰤の塩焼き、熱燗を正一合。早々に臥床。
▼朝日新聞の「鶴見俊輔さんと語る」の時々連載が面白いのだが今回は詩人のアーサー=ビナード氏。鶴見氏曰く「国家社会のために頑張って」などと(国家と
社会は全くことなる事象なのに)平気で口にできるのは日本で「言葉を使う前提となる理解を欠いたまま言葉を使っていること」によるもので、それが日本の政
治に影響し「国家の形成より先に社会はすでにあり、国家の中にいくつもの社会はあるのに、社会をつぶして何でも国家本位になると思っている」と(中国でも
言えることだが)。ビナード氏は安倍三世の「美しい国」を「美しい属国」と揶揄してみせる。
▼NHKテレビのETV2001で2001年1月に放映された「問われる戦時性暴力」という番組はNHKが安倍三世、中川二世の圧力で放送直前に内容が改
変されたと朝日新聞が報道し「圧力かけた」とされる安倍三世らが怒り話題となったが、この番組で取り上げられた市民団体がこの内容改変について総額4千万
円の賠償求め訴訟。東京地裁は制作会社に100万円の賠償支払いを命じ、今回の東京高裁の判決は「制作に携わる者の方針を離れて、国会議員などの発言を必
要以上に重く受け止め、その意図を忖度し、当たり障りのないよう番組を改編し」「憲法で保障された編集の権限を乱用または逸脱した」としてNHKに200
万円の支払い命ずる(NHK側は即日上告)。判決では安倍三世が局側を呼びつけたのではなく局側のアプローチであり安倍三世が「公正・中立の立場で報道す
べきではないか」と発言したことを「その意図を忖度して……」はNHK側の落ち度であり「政治家が一般論として述べた以上に本件番組に関して具体的な話や
示唆をしたことまでは、認めるに足りる証拠はない」とする。安倍三世は首相官邸で記者団に「この判決ではっきりしたんじゃないですか。政治家が介入してい
ないことが、極めて明確になったと思います」と語る。お笑い草。政治家に媚びたにせよ本来は、この番組改編についてはNHKは被害者。かりにお伺いを立て
て安倍三世が「公正・中立の立場で報道すべきではないか」と宣った言葉を、ただ一般論で「その通りですね」と聞いて、言葉の暗喩、シニフィエを理解できず
何もせずにいたら「アホか」の世界。中学生でも
1.安倍晋三さんは、憲法の原則に従い報道は「公正・中立の立場で
あるべき」と言いたかった。
2.安倍晋三さんは、番組が左傾しているから、ちょっと気をつけて
ほしい、と言いたかった。
3.安倍晋三さんは、NHKの受信料問題で国民のNHKの関心が高
まっているから、NHKに番組制作も慎重に、と言いたかった。
の中で「正解は?」と正したら「2」が正解と大多数が思うだろうに。それを「1」と答えたのが東京高裁の裁判官だと思うと情けない。裁判では安倍三世らの
言動を一般論、強要示唆は認められず、と逃げてNHKの責任論に転化とは……。まさに前述の鶴見先生の言葉ぢゃないが、政治というのは一般の言葉とは違
う、その原理を裁判官が知らぬはずまるまい。例えば「正義のために」という言葉は普遍的な言葉だが、ブッシュが使えば色がつく、それくらい簡単な認識。こ
の裁判、どうせなら原告の市民団体と被告のNHKが結託して「悪いのは政治家の報道への介入」として安倍三世と中川二世を訴えたら、原告&被告が原告に転
じて、而も市民団体とNHKが首相らを控訴、という前代未聞の司法劇となるのだが……。
▼東京オリンピック開催前の東京が日本橋の上に高速道路を架けてしまうほど異常(ある意味では面白い)であったように2008年に向けての北京が今、可笑
しい。英エコノミスト誌の北京briefingにある「ネタ」だけ写してみても
・星巴珈琲の故宮内にある支店の閉鎖(これについては我が日剰で記載済み)
・ネット使った買春組織摘発。ネットで600万人!に買春斡旋した組織が摘発受け63名のネット技術者、38名の売春婦、45名の客と5名の暴力団幹部に
加え、この買春組織の医療スタッフ(避妊、コンドーム使用奨励、性病防止などを職務とする由)まで検挙される。最年少の淫売婦は15歳。
・北京市政府人事部の発表によると大学新卒の採用職員(中級公務員レベル)のうち半数を教師や医療スタッフとして北京郊外の農村部に派遣。実習積ます、
と。地域の実情理解と中央政府が提唱する “new socialist
countryside”建設のためだとか。政府の期待では今年の500万人!の大卒者のうち30%が農村部に遣られることに。北京では20万人の大卒卒
業者に対して求人が8.7万人しかなく、その対策としての「下放」政策という面もあり。
・北京オリンピック開催に向けて北京市内の「悪名高き」汚い公衆便所の改善。すでに5,580か所(細かい……笑)が衛生的な水準に達しているが、市内で
歩いて5分以内に1ヶ所あるという公衆便所全ての改善はかなりの難題。また市内の商業ビルだけで3,000の公用トイレがある由。北京の公衆便所というと
80年代当初、地面にただ穴が開いただけの囲いすらなき悪臭漂う便所で、私ら外国人がもつ外貨兌換可のFECと人民元の闇取引の「警察が来たら捕まる」の
懐かしい思い出あり。
一月廿九日。来客あり晩に尖沙咀星光行の
金
島燕窩潮州酒樓に食す。凍花蟹(茹で渡り蟹)、魚翅、鮑片、石班といったこの金島の「接待メニュー」は二十年来?不変だが贅沢な話だが客も
食傷気味ではないかしら。

食
事のまえに装いも新たなThe GatewayからOcean
Centreのショッピングセンターを歩く。昔の鄙びた、ちょっと怪しげな頃が懐かしい。市街や公園がどんどん健全になってゆく今日この頃。食後、客を連
れてハーバー沿いの星光大道を少し散歩。香港の夜景背景に記念写真撮影します、のデジカメと高速印刷機活用の記念写真屋が並ぶ。どの店もA4サイズの
100万ドルの夜景を背景にした写真がサンプルで何枚も飾られ、HK$10と大書きで「お、安いねぇ」「これで商売になるの?」


と思うが「この値段なら旅の記念に」と思って
近づくと「実は旦那、この小さい写真のサンプル、えー、手前どもでは、このサイズ、2RがHK$10でございまして、A4のこちらのサイズでございますと
HK$80とあいなっておりますんでぇ」という次第。確かによく見るとA4サイズのHK$10の大書きの済みに2Rの写真があり(2Rというのは証明写真
の一回り大きいくらいのサイズ)、さらに小さく2R
HK$10と価格が(笑)。「なんだよ、そりゃ」と客が笑うと「旦那、ちょいと手前どもも勉強させていただきますんで、ここはお一つ、是非記念に一枚」と
なってHK$50くらいで折り合いをつける、って感じか。
一月廿八日(日)晴。せっかくの快晴の日曜日、風邪で臥床。といっても朦朧としつつ「モンテクリスト伯」の第6巻読了。そ
の勢いで最終巻(7巻目)も読み終える。いやいや、出来過ぎ、の話だが19世紀半ばのフランスの新聞に連載された大衆小説と思えば、これなら大好評間違い
なし、の筋。日本では明治の頃に黒岩涙香が翻訳し『萬朝報』に『史外史伝巌窟王』として連載された由。これをぜひ読んでみたいところ。今にして思えば小学
生の頃に、岩波少年文庫版だったのだろう、学校図書館にこの『巌窟王』あり。表紙絵は、確か島の刑務所から出て来たところだったか。小学生なりに余は感動
したようで、何かの作文(創作)で、ずっと洞窟に閉じこめられていた男が九死に一生を得て脱出する話を書き「まるで岩窟王のようだ」だとか何とか表現して
一人、悦には入っていた記憶あり。昭和の巌窟王といえば昭和38年に半世紀ぶりに無罪判決を得た吉田石松翁だが、

お
若い方はご存知なかろう哉。夕方、香港大学の図書館に沈従文の本二冊返却。散歩がてら石塘咀のあたりに下りてトラムで中環。Queen
Victoria街の牛棚書店、今月末で閉業の由。早晩にFCCでZ嬢と待ち合せ。ハイボール一杯。風邪でウイスキーの味すらせぬ。軽く夕食済ませIFC
の映画館で台湾の映画『
盛夏光年』監督:陳
正道を看る。昨年の東京国際映画祭でそれなりに評判で期待していたが(
こちら)、台湾の花蓮
の郊外を舞台に、幼なじみの少年二人が高校生の時に現われた転校生の少女が絡んだ三角関係という筋と演出は、映像学科の学生の卒業作品といった水準で、
「やおい」の少し秀作、という域を残念ながら出ておらず。淡い恋の悩み、なんて予備校生になってしまうと、もはや醜悪ですら、ある。
▼来月、東京で開催される「
東京マラソン」について。今年は香港か
らも、関西からも知人が何名も参加。例年に比べなんで今年はこんなに盛り上がっているのかしら……と思ったが、例年の「東京国際マラソン」とこの「東京マ
ラソン」は別モノなんだそうで(それすら今日まで知らず=一応、アタシもフルマラソンのランナーなのだが……笑)1981年から開催の東京国際はマラソン
で参加資格は2時間30分以内なのに対して(これぢゃ知り合いから参加がないのは当然か)、第1回目の東京マラソンは制限時間7時間。香港マラソンで昨年
まで5時間、いちおうあたくしでも制限時間内に余裕で完走、今年は5時間30分の由。7時間なら誰でも参加できる。ここが大切。意図は何か……。で都庁か
ら皇居、東京タワー、品川で引き返し、銀座から日本橋、浅草で折れて最後は晴海の東京ビッグサイト、とコースとしては「おいしい」が銀座など6時間に及ぶ
交通規制。ここまでできるのも東京都=石原慎太郎の東京オリンピックへ向けての肝煎りゆゑ(朝日新聞記事
こ
ちら)。
主催:財団法人日本陸上競技連盟、東京都
共催:フジテレビジョン(全国中継)、産経新聞社、読売新聞社、日
本テレビ放送網、東京新聞
後援:文部科学省、国土交通省、特別区長会、財団法人日本体育協
会、 財団法人日本オリンピック委員会、日経連、日本財団、他
主管:社団法人東京陸上競技協会
特別支援:笹川スポーツ財団
と、とても「カラーのはっきりした」組織(協力で「はとバス」というのは、まさにこの42.195kmがはとばすコースだが脱落者ははとバスでピックアッ
プしてくれるのかしら)。ところで、佐藤卓己先生(京大助教授、メディア史、大衆文化論)が『考える人』06年で1964年の東京オリンピックでの新聞輿
論とテレビ世論について興味深い事を書かれている。戦後の国民的祭典と印象づえられる東京五輪ではあるが、実は2年前(62年2月)に都政調査会が実施し
た世論調査で東京五輪の具体的な開催「年」を正しく回答できたのは68%に止まり(つまり三人に一人は二年後と知らず)、東京開催を「大いに賛成」は
38%、反対は10%で、「決まったことだから、賛成」34%、「反対だが決まったことだから仕方がない」11%の追従派が45%と多数を占めている。
8ヶ月後の62年10月の総理府調査でも東京五輪開催をちょうど2年後の64年秋と特定できた人は全国で42%と半数に達せず東京五輪が「立派にやれる」
23%に対して「心配」が47%と悲観論。池田内閣は「オリンピック精神の涵養」「国旗・国歌の尊重と日本人の品位の保持」など積極的なオリンピック盛り
上げの国民運動を展開したるするのだが実際の開催まで世論は東京五輪にあまり盛り上がらないまま、であった、と言う。それが、あの、1964年10月10
日の見事な秋晴れの開会式、そして女子バレーやマラソンの円谷選手らの活躍、である。これが全国津々浦々までテレビ中継されることで「生まれて初めてス
ポーツを見て涙を流した」(三島由紀夫)や「戦後になってはじめて、全くなんらの抵抗感なしに、全くのいい気持ちで日の丸があがるのを見た。ツブラヤ君、
ありがとう」(山口瞳)といった感動、これが国民のもの、となる。東京五輪は「国民的ドラマ」となり、あの開会式を家族でテレビの前で見た、という「記
憶」が国民の集団的回憶となるのである。実際、佐藤卓己氏も当時、自分の家には白黒テレビはあったものの4歳当時のその開会式の記憶はなぜかカラーであ
る、と。つまりその後、何度もこの「国民的ドラマ」がテレビなどで放映され、その美しい青空のカラー画像が記憶に刷込まれている事実。2016年の東京オ
リンピック開催を目ざす石原慎太郎。06年2月に発表の
東京オ
リンピック基本構想懇談会報告書は
振り返れば、昭和39年10月10日、東京・神宮の社の上空には、
抜けるような青空が広がっていた。あのとき、多くの日本人が体の芯がしびれるような感動を覚えたのは紛れもない事実である。しかし、40年後の現在、東京
のみならず日本全体を覆っているのは、残念ながら閉塞感という名の曇天である。経済が多少上向いてきたとはいえ、日本は、目標を見失ったまま漂流を続ける
不甲斐なさを、未だに拭い切れないでいる。
と嘆いてみせる。どうであろうか。昭和39年10月10日のあの開会式の、有無を言わさぬ感動的な<国民的記憶>として絶対視、そして現在、オリンピック
が何にどう利用されようとしているのか。
一月廿七日(土)安倍内閣メールマガジン号外「教育再生特集」届く。安倍三世曰く
「美しい国、日本」の実現のためには、その基本は次代を担う子供や
若者の育成にあります。教育再生は、安倍内閣の最重要課題です。昨年末、60年ぶりに教育基本法が改正され、教育再生の理念と原則が確立しました。
と。わかりやすいといえばわかりやすいが、国家戦略として「美しい国」実現のため理想的な国民の養成が必要、なのは近代国家らしさ。教育再生、再生と何か
の一つ覚えの如く連呼するが、それほど教育が死に体であったのか。米国にとってのアルカイダの如く、美しい国日本においては教育くらいしか「諸悪の根源」
に値するものもなくスケープゴートの如き「教育」の有り様。勝手に教育基本法を好き放題で改正しておいて「教育再生の理念と原則が確立しました」とはお笑
い草。本来であれば最も重要課題は「政治再生」なのだろうが……。やはり昨晩しっかりと風邪をひいたようで鼻水と喉痰、喉痛に悩まされ早朝に養和病院。服
薬するととたんに喉痛と鼻水が収まったが薬が効きすぎ喉は空々、朦朧とするほど。本日は午前も午後も諸用あり。日本人学校(Happy
Valleyの小学校)のオープンデーで古書バザーもあったが面白い本がほとんど見つからぬので覗かず。だいたい皆さん面白い本は手許に置いておくわけで
「どうでもいい本」に当たるハウツー本や金融経済の仕組み本、推理・武侠小説の類ばかり放出するから延々とその本がバザーに出てくる。昏時早々に帰宅。豚
と韮の鍋。「モンテクリスト伯」少し読み早寝。
▼South China Morning Post紙で編集高層部に人事異動あり。HK Standard紙の老練編集者Mark
Clifford氏が昨年4月にSCMP紙の総編集長となり近々編集長のFanny Fung女史が離職、現在Executive EditorのCK
Lau氏が編集長に就任の由。CK
Lau氏といえば十年ほど前迄は教育問題などに詳しい記者で風貌からして生涯一介の記者然とした人だがSCMP紙でここまで出世しようとは。物言えば唇寒
し南華かな。
▼蘋果日報に左丁山の説くところによれば、今年三月の香港行政長官選挙は投票所が空港の先の
Asia World Expoの由。本来であれば湾仔の展覧
中心ででも挙行すべきところ、自動車で片道40分かけて各界のお偉方が投票に向うとは(投票率がけして下降せぬであろうことは提灯選挙ゆゑ明らか)。05
年に行政長官前任の董建華君が「脚痛を理由に」行政長官辞任し後任を「自称政治家」Sir Donaldが襲ったがSir
Donaldの任期が就任から規定通りの5年なのか、董建華の任期残存期間なのか、で最終的に北京中央の全人代常委で後者と決まり07年の選挙が確定した
が「見本市で糊口を凌ぐ」香港で湾仔のコンベンションセンターの予約は数年先まで一杯。で、行政長官選挙だというのに場所の確保ができず最果ての地
Asia World Expoになった由。
一月廿六日(金)早晩に中環。皮膚科専門のA医師の診断を請い帯状疱疹の経過観察。疱疹ぢたいは快方に向うが疲労感などまだあり。おまけに風邪気味。
FCCでハイボール二杯飲み帰宅。鮭のアラ汁。NHKのNW9で奇妙な表現あり。六年前にJR新大久保駅で人命救助に挑み亡くなった韓国人青年について
「当時、韓国人留学生だった李秀賢(イ・スヒョン)さん」だの欧州で盗難された高級車が日本へという特集で「ヨーロッパで盗まれた外車が」だの、と。観点
の軸が狂ってないかしら。




「モ
ンテクリスト伯」の続き読む。
▼一昨日の信報の文化欄に今月六日観劇の、梅蘭芳京劇團の若手女形、胡文閣のインタビュー記事あり。梅派こそ女形が演じることで京劇の最高水準であると自
讃する胡文閣はもともと男性ソプラノ(ソプラニスタ)の歌い手。坂東玉三郎の知遇を得、大和屋の紹介で(!)梅葆玖の門を敲き2001年より梅葆玖に師
事。目下、梅葆玖のたった一人の女形の継承者。歌唱家の時に比べ収入も一晩の舞台で数百元と激減したが京劇の梅派にて女形の藝を継承するために毎日の鍛練
の日々も悔いはなし、と胡文閣。その胡文閣が女形の面子で許せぬのが中国で若手女方役者として人気の
李玉剛の存在。李玉剛は中央電視台の演芸番組「
星光大道」で女形として登
場、「霸王別姫」の男、女の旋律を一人二声で歌い上げ現代風な「新京劇」と称し当代一の女形としてテレビなどで活躍。陳凱歌監督が李玉剛主演に「梅蘭芳」
の映画制作だとか。この李玉剛に対して胡文閣は「要破舊立新必須在舊基礎上有很深的造詣、一天京劇都没學過的人、憑什麼要改造呢?胡説八道!」と基礎も足
りず伝統芸能の修業もせず新京劇などと称す李玉剛の仕業、と梅派継承をと勉める女形の意地で容赦なき批判。李玉剛は梅派で胡文閣の弟子では?という質問を
きっぱりと否定。内地のテレビ局が胡文閣と李玉剛の美しさ競う女形PK合戦(笑)企画のことなども胡の逆鱗に触れた由。そもそも梅派女形の正統なる継承者
自認する胡文適にとって李玉剛以前にレスリー張國榮が映画『霸王別姫』で虞姫演じたが、あれこそ梅蘭芳の侮辱、と。「あたしこそ梅蘭芳の正統なる継承者」
との自負か。
▼昨日今日の信報に前新華社香港分社副秘書長の何銘思氏による「達徳學院與共和國的誕生」という連載あり。終戦後のわずか数年、香港に達徳學院という学舎
あり。日本の敗戦で中国から日本軍が去り北京は束の間の平和、で国民党の白色テロ横行。北京のリベラル派知識人ら北京を離れ来港。郭沫若、茅盾、譚平山と
いった人ら。香港で中国民主化運動画策し、その拠点となったのが屯門の達徳學院。現在は中華基督教何福堂書院で、敷地内に達徳學院の馬禮遜
(Morrison)樓が現存。国民党の暴挙に反対し蒋介石の国民党主席からの失脚では香港の華字紙に祝賀広告載せるほどの勢いあり。中国共産党は革命成
功に改革派知識人の協力を重視、毛沢東自らが達徳派知識人に革命への協力求め(当然、周恩来が活躍し)政治協商会議の主だったメンバーとして彼らを招き入
れる。人民共和国建国当時は共産党独裁よりも協商会議など改革派資本家、知識人、少数民族など全体が一致した民主国家建設が主題。革命の夢多き美しき時
代。その後、この達徳派文化人が反右派闘争や文革でどのような境遇に陥るか、は語るまでもなし。
一月廿五日(木)毎週木曜日朝に届く「安倍内閣メールマガジン」だが安倍三世の支持率低下にも繋がる、この人の足りない部分について。首相官邸の広報担当
官に尋ねたいが、まずメールマガジンの送り主の、首相官邸
<kantei@mmz.kantei.go.jp>、の記載を改めるべき。例えば米国で大統領候補の
バラック小浜君などメールは嘘でも送り主は From:
Senator Barack Obama <info@barackobama.com>であり、メールの内容も
Dear Friend,
If nothing else, the last
election proved that politics-by-slogan and poll-tested sound bites
aren't going to cut it with the American people anymore, and that's why
the real test of leadership is not what the President said to Congress
last night, but how he works with Congress in the months to come to
find real solutions to America's problems.
と語り始める。送り主が「首相官邸」ではソ連のクレムリンか北京の中南海か、まるで一党独裁国家の党政府中央から国民への指示伝達の如し。内容といえば相
変わらず不祥事にはダンマリを決め込むくせに
昨日、教育再生会議は、7つの提言と4つの緊急対応策を盛り込んだ
第1次報告書をまとめました。
と速報である。通信の最後では
国会が本日召集されました。私は、いよいよ明日、施政方針演説に立
ちます。予算と重要法案の早期成立を期し、美しい国づくりに全力を尽くします。
と。美しい国、ねぇ……。夕方、中文大学に所用あり沙田へ。中文大学の校内もビルが続々と建ちかなり様変わり。一瞬、崇基学院の学食に試食、と思ったが
「不味いことには変わりない」はずで「わざわざ不味いものを不味いとわかっていて食すこと」も不愉快なので諦め大埔へ。

KCR
の大埔墟站より舊墟(市街)に抜ける小高い丘に
国民教育中心と
いう公教育施設あり。薄気味悪し。大明里の
群記清湯腩。評判
の店で牛腩河を食す。美味い上に牛南の絶妙な滑らかさと牛のエキスたっぷりのスープ格別。数年ぶりに大埔屈指のパブ、
The Bobby London Innに寄りギネス一飲。このパブ
もすっかりスタッフ入れ替わり前世紀に余が馴染みはおらず、当時まだ幼稚園に入るか入らぬかであったろう若者がてきぱきと酒の給仕に勤しむ。晩に大埔で所
用済ませM氏に車で送られ天后。独り
寿司加藤に寄りマグロ赤
身で冷酒二合。鉄火巻き。帰宅して久々に『モンテクリスト伯』の続き(第6巻読み始める)。本日、Z嬢が今どき「携帯用テープレコーダー」購う。MP3だ
のiPodの時代にまだ携帯用テープレコーダーが、それもWalkmanよりも前時代的なるモノーラルな録音機能付き、がこの世に存在するとは……。
Sony製でわずかHK$280の代物なり。

▼朝日新聞の世論調査「愛国心」について。
Q:日本に生まれてよかったと思いますか?……「よかった」94%
Q:自分に愛国心がどの程度あると思いますか?……大いにある(20%)とある程度ある(58%)で計78%
Q:日本人は愛国心をもっと強くもつべきか?……「強く持つべきだ」63%
Q:外国の軍隊が攻めてきたら戦いますか?……戦う(33%)、逃げる(32%)
Q:愛国心は学校で教えるべきか?……教えるべき(50%)、そう思わない(41%)
Q:アジアの侵略について……大いに反省すべき(32%)、ある程度反省する必要がある(53%)で計85%
この数字を見て何がわかろうか。いわゆる「郷土愛」的なものと「国が求める」愛国心の違いがこの調査では一緒くた。郷土愛という意味では私だって「日本に
生まれてよかった」し「愛国心が大いにある」が「愛国心が大いにある」から時の政府権力のバカさ加減には黙っておれず、政府や都知事が推し進めるような意
味での愛国心なら「もっと強くもつべきとは全く思わない」し「学校で教えるべきではない」と思う。外国の軍隊が攻めてきたら愛国心どうのこうのではなく自
らの命を守るために戦うであろう。そういう例えばこの私自身の考えが、この調査の数字で反映されるか、というと全く反映されず。大新聞の世論調査がここま
で稚拙とは。
▼自称「政治家」Sir
Doland行政長官が本年の香港特別行政区行政長官選挙に際し数日前、突然、選挙事務所を公務時間中に行政長官の専用車にて訪問。正式な立候補表明は未
だ。前任の董建華君ですら立候補後初めて自らの選挙事務所訪れ、マカオ行政長官の何厚鏵氏にあっては現職での再選立候補にあたっては立候補表明後も法定選
挙期間までは一切選挙に関わる行動はとらず法定選挙期間になって政府に対して休暇をとり公職を暫定的に退いた形での選挙運動という潔さ。Sir
Donaldは「24時間いつでも行政長官で公私の区別は難しい」と公務時間中の選挙事務所訪問も開き直り、のさすが「自称政治家」と呆れるばかり。
一月廿四日(水)早晩に中環。カメラを持っているとHollywood Rdの画廊もPottinger
Stの古い石畳もいちいち足を止めたくなる。Colorsixで写真現像受取。


三
聯書店。Page One書店。FCCでジャックダニエルのソーダ割り二杯。晩遅く沈從文の『邊城』読む。
一個天真無邪的女孩,一對手足情深的兄弟,交織成含蓄而浪漫的鄉情
故事。翠翠與爺爺相依為命,以撐渡船為生。十多歲的翠翠認識了碼頭總管的兩名兒子 —
俊秀挺拔的儺送二老與豪放豁達的天保大老。兄弟同時愛上翠翠,議決輪流唱山歌競取芳心。唱歌首晚,大老自知技不如人,毅然引退,下河去了,不料,在茨灘淹
死。二老把事件歸咎於爺爺拿不定主意,一氣之下出走。爺爺不久病逝,剩下翠翠日夜盼望心中的二老回來。
という物語。1930年代に敢えて革命文学に揉まれず湘西鳳凰県の少女と二人の兄弟の恋愛悲劇。少女・翠翠が主人公。これを天保と儺送の兄弟二人が主人公
なら中上健次の物語にもなろう、というもの。ところで物語のなかに「美孚油」という言葉あり。




石
油のことで、はたと膝を打ち半世紀ほど前の香港市街図を見れば確かに今の美孚に石油庫があり、ここが美孚=モービル石油。その跡地が今の美孚の団地。シェ
ル石油が北角殻街で、モービル石油が美孚。しかも美孚に九龍バス会社の本社、車庫があることも、偶然よかガソリン供給と関係あったのではないか……などと
夜な夜な想像ばかり。
▼昨日の朝日新聞に加藤周一「夕陽妄語」で「超楽天主義のすすめ」という、もう加藤先生も平成の喜劇的悲劇な政治状況で楽天主義の勧め。まず「たくさんの
希望(のぞみ)を持つこと」。そして「行く先のはっきりしない大事については、初めから最悪の結果を予想する」こと。もし幸いにして自分の予測が外れるな
ら=最悪の事態が避けられたこと。不幸にして最悪なる予測が当たったら、せめて自分自身は「トロイの滅亡を警告したカッサンドラの知的自負をもって自らを
慰めることができる」と。だが何よりも「何とか細々と、時には冗談なども交えながら、根本的な思考の軸は変えない。それが大事だ」との言葉は大切。肝に銘
じる。
一月廿三日(火)東區走廊(Island Eastern Corridor)を車で走る時にいつも気になるのが銅鑼湾避風塘(Typhoon
Shelter)と天后沿海の銅鑼湾消防署の間にある荒れ果てた船工場の跡地。ヴィクトリアハーバーに面した個人経営の船工場など筲箕灣の譚公廟のあ




た
りまで行かぬと他になかろうし、小さいながら砂浜があることも珍しい。砂浜に船を陸に引き上げるレールが敷かれている。その砂浜もずいぶんとゴミが打ち上
げられているのだが。ヴィクトリア公園の海側、この銅鑼湾消防署からの海沿いの一角、いままで一度も歩いたこともなし。で本日、早晩に二月旧正月晦日で閉
業する日本料理店・
利休に某寿司屋親方のK氏、某バーの店主
M氏と食す約束あり、夕方、偶然一緒になったK嬢誘い利休に向う。夕陽がきれいだと思いながら、待ち合せまでちょいと時間あり、

K
嬢といったん別れ、その船工場のあたりを歩く。なかなか香港らしい光景。中環と尖沙咀の高層ビルが夕陽でシルエットに。避風塘の小舟もまた風情あり。しば
し佇む。船工場は敬記船廠とあり廃業(あるいは移転)して久しい荒れ具合。利休の、うどんは勿論だが糠漬けの胡瓜と茄子、自家製の蒲鉾や薩摩揚げなど、こ
れから食せぬと思うと寂しくなろう。酒壺入りの吉四六、神の河。Z嬢来て、うどんすき。金柑の甘露煮。皆で銅鑼湾のバーSに移り一杯だけ呑んで散会。
▼昨日の蘋果日報で陶傑氏が当世、映画館に集まる若者男女の品のなさ、野暮さを非難しているのだが(なぜ、ここに陶傑氏の不愉快がいったのか、は不明)、
映画を見ている間に携帯で電話するとか五月蝿いとかそういう問題でなく「私生活を公共の場所に持ち込む」ところが困ったもの、と。御意。公共の礼儀
(Public
Courtesy)の欠如。自制と矜恃。まさにその通り。ケータイでくだらぬ事を延々と話す、ピコピコとゲームをする、化粧、自分の世界に嵌っているつも
りで釈迦釈迦釈迦釈迦と耳元から音楽が漏れ、とまさに私生活の露出。不愉快。
一月廿二日(月)右の写真は蘇州の金鶏湖。蘇州に住まうI君が早朝ジョギングで撮影。Le Lac du Coq d'Or とはさすが蘇州な表現。


「フ
ジテレビ」の報道2001の世論調査で安倍内閣不支持(48.0%)が支持(41.2%)上回る。早すぎはしないか。こんなことでは我々日本国民の悲願で
ある憲法改正なされる前に安倍退陣となってしまう。鹿児島の知人が送ってきてくれた菓子箱の中に意図的なのか偶然なのか不二家のミルクキャンディーあり。
「これが一生で最後かも」と子どもの頃に慣れ親しんだ味のキャンディー舐める。帯状疱疹で右腕に痛みあり憂鬱。夕方、総領事館で「印鑑証明」を申請。手数
料1通につきHK$121は郷里の市政府が350円なのに対して1,800円とは……別に日本で登録してあり電信扱いで証明を取り寄せるわけでもなし。面
白いのが印鑑証明の申請書の住所の記載。「日本式に」と<見本>で
香港 タイクーシン ハーバーガーデン シルバーオークマンション 35階8室
のような書き方であり、香港の住所(英文か中文が正式)を勝手にカナ書きして何の法的根拠があろうか?、「億の単位の遺産相続」など考えると怖いものもあ
り。でいずれにせよ「そういうふうに書く」のだろうから、とそれに從うと、職員に「登録の住所と違いますよ」と指摘され、確か昨年に登録して転居しておら
ぬはず、と訝しいが、登録住所見たらカナ書きなどせず「住所」とあったので英語より中文のほうが「馴染むか」程度の判断で、この例に則して綴れば


香港太古城海景花園銀柏閣35階8室
のように記載していたわけ。この中文の住所表記が
Room 8, 25/F, Silver Court Mansion, Harbour View Gardens, Taikoo Shing,
Hong Kong
と同一であることは法的に証明できるのだが、カナ書きで、しかも太古城が「タイクーシン」なのか「タイクウシン」なのか、Silverは「シルヴァー」で
もいいのか、となると、全く個人の判断という恣意的なもの。それで「億の単位の遺産相続」の場合でも在留証明や印鑑証明がなされていると思うと……。住所
表記は「香港の地所登録で有効な英文又は中文での表記」に「便宜上、カナ書き等を添えることも可」としておくくらいが無難だと思うのだが。ちょっと飲んで
帰るのもジムも憚られさっさと帰宅。NHKの7時のニュース(香港時間午後6時)なんて見る。晩飯はカレーライス。一昨日、石崗咖喱を食してはいるが印度
カリーと日本のカレーライスは「リゾットとお茶漬け」くらい違うもの。


▼宮崎県知事にそのまんま東氏当選。そのまんま氏の当選への驚きより具体的に(朝日の調査では)共産党支持の4割、公明党支持の3割が今回の選挙では党を
裏切りそのまんま氏に投票。共産、公明という「党中央の指導」強きはずの政党でこれでは政党離れはより具体的。そのまんま氏の宮崎県知事当選に安倍三世曰
く「地方選挙ですから地方の判断でしょう」「参議院は国政選挙ですからわれわれが示す日本のあり方にむけて判断がされるわけで」だったか、と宣う。この
「突き放したような感じ」や「われわれが示すもの」の空虚さに期待(期待、って安倍政権崩壊を、だが)。それにしてもニュース報道もいい加減で7時の
ニュースではそのまんま氏当選に宮崎県民の声は期待と不安が半々、であったのがNW9では四、五人の宮崎県民が全員「期待」であった。ニュースなど見て物
事を信じてなどおられぬ。
▼北京の紫禁城内に星巴珈琲の出店あり。けして風景を壊すでもなく城内のいっかくの土産物屋などの並びにひっそり、でそれはそれでいいと余は思うが「中国
文化の侮辱」として国内の観光客らに不評で近々城内より退散の由。わからぬでもない話。だが興味深きは満州族出自とする清朝の、この本来は黄河、揚子江的
な意味での中国からは異質な、異文化としての清朝のコテコテな北方趣味のこの宮殿を「中国の伝統」と当世、認識していること。太平天国から民国建国の「近
代」革命が実は「滅満興漢」であったように、北京の故宮は伝統的な中国にあって<異質なる空間>であったはず。それがいつの間にか(おそらく人民共和国の
建国以降のナショナリズムの刷り込みにより)中共の首都としての北京、その中心としての天安門広場と象徴的な故宮(実は故宮が全く空虚であり実際の政治空
間は中南海なのだろうが)として、故宮も「中国の伝統文化」の一つと相成ったものか。そういう異文化としての故宮、満州王朝としての清朝の異質さは、ベル
ナルド=ベルトルッチ監督が「これでもか」と描いて見せたのは記憶に新しいところ。であるから故宮にスターバックス珈琲店があることは別に「中国文化の侮
辱」ではなかろう。
▼英エコノミスト誌が